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2024年12月 8日 (日)

プラモ「ミイラの墓場」の製作備忘録

 造形メーカーのエクスプラスが発売している”ユニバーサル・モンスター”シリーズの「ミイラの墓場」のプラ模型を作ってみました。
 映画「ミイラの墓場」というのは、ボリス・カーロス主演の「ミイラ再生」から3作目で、ロン・チャイニーJrが主演したミイラ男です。この俳優は、伝説の怪奇俳優ロン・チャイニー(当ブログ2024.6.27「千の顔を持つ男」参照)の息子で、ミイラ男の他に狼男、ドラキュラ、フランケンシュタインの怪物というユニバーサルの4大モンスターをすべて演じたということで知られています。ただ、モンスターの初主演の「狼男」以外は、元祖の俳優が伝説となっているためか、あまりインパクトはありません。

 ちなみに、エクスプラスでは、これまで「大アマゾンの半魚人」の続編「半魚人の逆襲」、元祖ベラ・ルゴシの「魔人ドラキュラ」のプラモを販売しており、今後、ボリス・カーロフの第2作目「フランケンシュタインの花嫁」の発売が予告されています。多分、透明人間などもラインナップに入っていると推測していますが、「半魚人の逆襲」や「ミイラの墓場」とマニアックな続編の商品化というチョイスの意図がよくわかりません。まあ、多分、監修を行っている怪物屋のマスターの好みなのでしょうねえ、きっと。実際のところ「ミイラの墓場」はDVDを保有しているので観ている筈ですが、ほとんど記憶にありません(笑)。

 さて、肝心なエクスプラスのプラ模型なのですが、正直、こういうクラシック・モンスターの商品が売れるのかなと思っていましたら、外箱から説明書まですべて英語表記なのです。そうです、この商品は、アメリカ市場向けだったのです。アチラでは、いまでもこれらのユニバーサル・モンスターの人気は根強く、子どもたちも様々な機会でこの古き良き怪物たちに馴染んでいるようです。もう、アメリカの伝統文化なのでしょうね、きっと。

20241027_112805  ここからは、製作過程の備忘録となります。興味のない方は飛ばしてください。
 キットの組み立ては、あいかわらず立体化を意図したパーツであり、特に包帯の細かな分割には感心しました。そして、パーツの組み合わせも見事であり、説明書の図面とにらめっこで悪戦苦闘し、接着剤の流し込みの後は、継ぎ目にパテを塗布して、電動ヤスリで継ぎ目を消します。そして、下塗りのサーフェイサーを塗って組立てが完成です。なお、シンプルな台座を好む私としては、例によって、墓石や燃える篝火などの情景用の付属品は作りません。めんどくさいのだ(笑)。

20241029_232818 20241103_171613  20241116_144810 そして、ここから塗装の工程なのですが、まず、つや消しブラックで全身を真っ黒に塗り潰します。そして、色の源のイエロー、マゼンダの混合塗料に、つや消しホワイトとつや消しクリアーを混ぜて、エアブラシで吹きます。最初は、グレー系で予想以上に色合いが暗くなったので、何度も色の混合率を変えながら塗装を重ね、やっと完成です。すこし黄色がかっていますが、経年で包帯も黄ばむ筈ですから、まあ許容の範囲です。最後に、ブラウン系のスミ入れ塗料を筆塗りして濃淡をつけました。
 完成品はいつもながら、あまり見栄えがしません(笑)。くわえて1/8のサイズでは目の筆塗り塗装が細かすぎて見えないので、勘に任せた結果は大雑把に過ぎましたが、まあ、これが精一杯です。20241117_125330 これでは、とても1/8の「マリリン・モンロー」のプラモの塗装は無理そうです。しかも、ネットの製作教室(怪物屋吉尾の塗装教室:当ブログ2023.10.23参照)の最新の動画(マリリン・モンロー編)を見たら、とても作れそうには思えません。どうやら模型キットは手つかずで死蔵することになりそうです。困りました(笑)。


 

2024年10月20日 (日)

ケムール人、三たび。

 「これで”ケムール人”ネタは打ち止め」と、前回当ブログ「ケムール人、再び。(2024.6.30)」で表明したにもかかわらず、本当に節操もなく、今回、ケムール人の30cmフィギュアをご紹介することになりました。
 そのフィギュアとは、前回のブログでも書いているのですが、エクスプラスが過去の名作フィギュアをソフビ版で復刻発売したもので、実は、オークションにリーズナブルな価格で出品されていたのです。いやあ、定価より”安い”という思いから、ついポチっと入札して、何故か、そのままゲットしてしまったのです。なんと競争相手がいなかったのだ!おかしいなあ、人気の筈ですが・・・(笑)。いやあ、それにしても、”3つ子の魂100”までとはよくいったもので、本当に”幼いころの刷り込み”とは恐ろしいものです。実際置き場所にも困っています(笑)。 

20240919_103916 20240919_1040401 20240903_190935  ちなみに、この未来人の造形には、オリジナルのレジン製よりもソフトビニール製の方が、ぬめぬめした質感が似合っていると思いますねえ。ただ、立つためにはサポートスタンドが必要なのが少し残念でしたし、最近流行の発光するギミックを体験したのですが、思ったほどの効果はないのが意外でした。
 興味ある方だけご覧ください(笑)。

2024年10月12日 (土)

千円ガチャ:いきもの大図鑑/恐竜

 いま、カプセルトイが大人気です。以前、当ブログ(2023.1.24)でも「千円ガチャ」として紹介しましたように、バンダイから「いきもの大図鑑」として、本物としか思えないような精巧な甲殻類や昆虫などの様々な生き物シリーズが展開されています。

 そんななかで、今回紹介したいのは”恐竜”シリーズです。こうした恐竜のミニフィギュアで有名なのは、味覚糖の食玩「チョコラザウルス」です。この商品は「チョコエッグ」で食玩ブームを巻き起こした海洋堂が製作したもので、2001年6月から158円で発売され、結構シリーズ化されました。プラスティック製でパチパチとパーツがハマるのが、チョコエッグと同じく実に快感でした(笑)。当時としては、かなり精巧な造りであり、しかも誰も知らないようなマイナーな恐竜種まで数多く生産されましたので、恐竜ファンの私としてすっかりはまってしまい、ブーム当時のものはほとんどコンプリートした記憶があります。もっとも、いまや、そのコレクションは、一部を除いてどこにあるのやらわからなくなっています。はてさて、あの熱量は一体どこに行ったのでしょうねえ(笑)。

 さて、今回の恐竜ガチャポンに話を戻しますと、原型師がSHINZEN造型所代表で、著書に「粘土で作る!いきもの造形」や「粘土で作る!いきもの造形 恐竜編」がある”竹内しんぜん”氏で、ワニや恐竜のガレージキットに定評のある方です。
 すでに、このバンダイの恐竜シリーズは、第2弾まで全8種が発売されており、10月からオンラインストアで第3弾全4種の1月発送分の予約販売が開始されたところです。オンラインストアというのは、通常の店舗のガチャマシンを回すのではなく、インターネット上でガシャポンを回して購入するもので、本体をカプセルに入れる必要がないことから、小さくするためにパーツに分割してないのです。つまり、ガチャポンの欠点でもある”分割線”がない、画期的な商品となります。いやあ、思わずネットで回しました(笑)。4回、回してダブリが1種、しかたがないのでマシンを変えてもう1回。いやあ、1回千円であり、送料もかかりますので大きな賭け(笑)でビビりましたが、おかげさまで無事に4種コンプリートできました。ちなみに、今回の恐竜03は、アロサウルス、ステゴサウルス、プテラノドン、シティパティ(羽毛恐竜)です。なお、第1弾は、ティラノサウルス(老体)、トリケラサウルス、スピノサウルス(新学説による復元)、モササウルス、第2弾が、ヴェロキラプトル、ティラノサウルス、スティコラサウルス、エラスモサウルスです。
20241010_101124_20241012103601 20241010_101300 20241010_101409 20241010_100946 20241010_102315 20241010_10204220241010_10210020241010_101637  せっかくの機会ですので、第1弾と第2弾のコレクションを紹介します。いずれも、しんぜん流の見事な造形であり、個人的には、モササウルス(蒼竜)とエラスモサウルス(首長竜)が特に気に入っています。それにしても、これが手の平サイズとはホントに信じられませんねえ。造形技術の進歩に感心します。第3弾のプテラノドンも期待していますゾ(笑)。

 

 

2024年10月10日 (木)

洋上のゴジラ2023(その2)

20241010_1000571 20241010_1001171  前回のブログ(2024.9.30)で話題にしました「洋上のゴジラ2023」のレジン製完成済みフィギュアの修復の写真ができましたので、改めてご紹介します。ご案内のとおり、背びれの棘を4か所修復しており、そのすべての箇所が写真に写っていますので、ご興味のある方はお探しください(笑)。特に、最後の写真では、拡大すると1か所はその修復跡がうっすら分かります。・・うん、これは、いずれ時間を取ってのリペア案件です。では、お楽しみください。20241010_100132120241010_1005221

2024年9月30日 (月)

洋上のゴジラ2023

 株式会社キャストが製作販売するレジン製ミニフィギュア「洋上のゴジラ2023」という商品が、東京や大阪の大都市部で定期的に開催する特撮イベント会場限定で販売されています。このメーカーについては、これまで何回かこのブログでも紹介して来ましたが、東宝や大映などの往年の特撮映画の怪獣や秘密兵器の模型を販売しているのですが、どれも国内の自社での手作業という商品で販売数が少ないのが難点なのです。しかも、大阪の会社やイベント会場での販売が中心で、地方在住者には頼みの綱の通信販売は、月に1回、少数の早い者勝ちという限定的なもので、しかも、注文予約してから完成までにほぼ半年から9カ月近くもかかるという有様です。
 ただ、商品の質が非常に高く、サイズが10cm程度にもかかわらずレジン製の良さを生かした実にち密な造形で、しかもマニアックなチョイスの模型化なので、往年の特撮映画ファンとしてはもう随分間から贔屓にしており、そういえば、現在「海底軍艦」のムー帝国の石棺型潜航船や「シン・ゴジラ」の覚醒形態など改めて数えて見るとなんと注文済みが6個もありました。いやあ、注文したのが随分前ですっかり忘れていました(笑)。

 さて、この「洋上のゴジラ2023」という商品は、ご存知のとおり「ゴジラ-1.0」の機雷を咥えて海を進むゴジラの姿を模型化したものです。商品写真を見る限り実に良い出来栄えなのです。しかし、前述したように、会場販売商品なので、通販では多分当分の間は販売されないでしょう。うん、こういうときはやっぱり地方在住は悲しいなあ(笑)。

 一方、オークションサイトなどでは、もうプレミアがつきすぎで、一般的には定価の3倍ぐらいで出品されています。とても手が出ませんなあ、と天を見上げていましたら、”やや”お安く出品されたものがありましたので、思わずゲットしてしまいました。うん、年のせいか、こらえ性が無くなっています。困ったものですなあ(笑)。

 で、念願の商品が届いたのですが、壊れやすいレジンキャスト製彩色済みオーナメントであることから、化粧箱の中で蒲鉾型段ボール紙にセロテープで厳重に固定されています。注意深く包装を外していたのですが、あまりに接着したセロテープが硬くて、思わず力任せに引っ張ったら本体を落っことしてしまい、とがった背びれの棘4本の先端が折れてしまったのです。いやあ、最近、確かに歳のせいか、物をよく落とすのですが、いくらなんでも、このタイミングはあんまりです。まさしく茫然自失とはこのことでした。

 ・・しばらくの間の空白のあと、本体を包むビニール袋の中に、折れた棘の先端が残っていることを確認し、気を取り直して、修理を始めることにしました。まず、それぞれ折れた断面の形を観察し、4つのピースの接着位置を確認して、瞬間接着剤で急速接着です。そして、ルーターで接着面を削りながら違和感のないように整形し、ラッカー塗料のつや消しブラックにつや消しフラットベースを混ぜて、さらにつや消しホワイトをわずかに付けて筆塗りです。

 なんとか修理をした後は、まあ一見すれば見分けがつかない程度の出来栄えになって一安心したのですが、その完成品を台座にセットしようと手に持って動かしたところ、何故か、机のヘリに当たってしまい、修理したばかりの棘が一本、どっかに飛んで行ってしまいした。最近、歳のせいか、よく物に当たる・・などということはともかく、今度は、その飛んで行った棘ピースがどうしても見つかりません。

 実は、前にもこのブログで紹介したとおり、この作業部屋ではよく模型部品が無くなります。本や模型などを所かまわず置いているので、小さなものは見つけることがなかなか大変なのです。今回もしばらく捜索したものの行方不明なのままでした。
 やむなく、透明レジン液を使って無くなった棘を作ることにして、残っている反対側の棘を複製してなんとかくっ付けることに成功しました。こうした大騒動を経て、やっと商品をじっくり鑑賞することができましたのですが、透明レジンを使った波の造型や凶暴な眼の表現には、やっぱり感心します。さらに驚いたのは”機雷咥えver”というだけあって、口の中に小さな機雷があるのにも少し感動しました(笑)。

 それから一晩経って、”まあ、いろいろあったが、買ってよかった”と安堵したそのときに、なんと目の先の床の上に、あの飛んで行った棘のピースが鎮座しているのではないですか。”おーい、小人さん、いじわるもあんまりですよ”ねえ(笑)。この後、再度、棘の付け替えをしたのはご想像の通りですが、まだ完成品の写真がないので、後日ご紹介します。嗚呼、疲れました。

20240831_142203 20240831_142435 20240831_142933  20240831_143007 今回は、その代わりにエクスプラスで発売したとたんに、売り切れとなっていた、ゴジラ-1.0の30cmモデルと15cmのディフォリアル・モデルの写真をご紹介します。この大人気だった商品は、売り切れ後、何度か再販売を繰りかえし、いまや、流通する数が多すぎるのか、オークションでは定価割れの商品となっていますが、私の場合、いつもの販売店での割引価格ではなく、別の店から定価で購入しており、これも少し悔しいですなあ(笑)。

 

2024年9月21日 (土)

地球の静止する日

 1951年公開の映画「地球の静止する日」は、50年代を代表する本格的なSF映画です。当時は、宇宙人が登場するSF映画と云うとほとんどが子供だましの内容だったのですが、のちに「ウエスト・サイド物語」や「サウンド・オブ・ミュージック」を作るロバート・ワイズ氏が監督した大人向けのシリアスなSF映画でした。

 モノクロで地味な映画なのですが、そこに登場する有名なロボット”ゴート”については、当ブログ(2008.12.29)でも、再映画化された「地球が静止する日」の評価と併せて、ビリケン商会製の模型キットの完成品と一緒に紹介しています。

 このビリケン商会の模型キットには、同じく映画に登場する主人公、マイケル・レニーが扮する宇宙人”クラトゥ”のモデルキットも付いているのですが、実は、このキットは前述の”ゴート”を製作した時にサーフェーサーで下塗りしたまま、もう何十年も私の机の隅に放置されていました。

 まあ、弁解しますと、モノクロ映画なので塗るべき色が分からなかったのです。さらに正直にいうと、数年前にアモックタイムというトイメーカーから1/6の彩色済みのアクションフィギュアが発売されており、その商品写真を見るかぎり、多分このトイの彩色は正解なんだろうと思っていましたので、要は単なる怠慢だったのでしょう。ちなみに、手許にあるものは、中古品だったのでマイケル・レニー頭部キットは紛失しており、ヘルメットだけのキットでした。

 今回、何故か突然この放置キットを思い出したので、仕事の合間の気分転換もかねて、塗装してみました。以下は塗装手順です。まず、ラッカー塗料スプレーのシルバーで全身を塗ります。そして、ヘルメットは、クリアーオレンジとクリアーイエローの混色をエアブラシし、目の窓は、クリアーブルーの上にクリアーオレンジを塗装しました。映画のように素顔の目を出すことは無理ですねえ。第一、こっちの方がミステリアスで良いのだ(笑)。さらに、ヘルメットの飾りには、エナメルのゴールドで濃淡を付けましたが、まったく効果は目に見えませんでした(笑)。
 胴体については、宇宙服(?)のしわなどの影の部分をクリアーブルーでエアブラシし、さらにシルバーを吹いて全体を調整しました。これで完成です。なんともお手軽な塗装でしたが、まあ、雰囲気は出ていると思います。ブランクの長かった私にしては、こんなものです(笑)。

 では、宇宙人”クラトゥ”の勇姿をご覧ください(笑)。20240919_1044001 20240919_104200 

2024年6月30日 (日)

ケムール人、再び。

 1966年に放映された「ウルトラQ」の最高傑作と評される「2020年の挑戦」 に登場するケムール人の人気が衰えません。丁度いま、怪獣フィギュアメーカーの雄”エクスプラス”の子会社で通販専門「少年リック」から、ケムール人の復刻フィギュアが発売(予約)されました。
 この商品は、「MONSTER MAKER 28」という造型メーカーから発売されていたレジンモデルキットの原型をもとにした、ソフビ版だそうです。少年リックの宣伝文句によると、原型師丹羽秀介氏による傑作キットらしいのです。商品写真では、今時のモデルらしく、発光するようになっています。
 また、かつて「オリエントヒーローシリーズ」の怪獣キットで一世を風靡した造型メーカーの”ボークス”も、最近の小森陽一氏の活動に触発されたのか、突然、以前の復刻怪獣キットの発売をはじめ、その第2弾がケムール人だったので、偶然にしろ、同時期に密かな”ケムール人”ブームが起こったような気さえしました(笑)。
 
 ちなみに、以前このブログでも取り上げた(2018.12.08参照)ように、私もこのケムール人のユニークなデザインが大好きなのです。デザイン担当の成田亨氏自身も、エジプト絵画独特の平面性を取り入れた会心の作だと言っているようです。確か、幼いころ愛読した怪獣書籍の中で、このエジプト画の手法の話(横顔に目が2つのイメージ?)は読んだ覚えがあります。彫刻家でもある成田は、どの角度から見ても同じに見えるシンクロナイゼーション手法で人間の顔を四方から描いたということですが、・・・まあ、芸術家の言うことはあまりよくわかりません(笑)。しかし、その頭の提灯に三つの目玉は、なんとも圧倒的な存在感があり、当時から私のお気に入りの造型なのです。大人になっても、何度見ても、傑作デザインです。さすが、成田亨氏です。なお、頭と手足の造型は名匠高山良策氏です。ボディスーツはなんかの流用で成田氏が青く塗ったという証言があります。余談ですが、このケムール人はモノクロ映画でカラー写真が存在していないので、実際の色は不明なのですが、前述の証言から青系で塗装するのが定番になっているそうです。

20240630_0843351  さて、自宅の廊下のコーナーに飾ってある(写真)のは、もう随分前に発売されていた”メディコムトイズ”の30cmクラス(モノクロ版)と”エクスプラス”の20cmクラス(カラー版)のフィギュアです。そのほか、ビリケン商会のソフビキットの完成品もありますが、今回、ケムール人ブームおかげ(笑)か、前述のとおり、エクスプラスがフィギュアの復刻原型に使用するほど絶賛していた丹羽俊介氏のケムール人のレジンキットの完成品がオークションに出品されたのです。正直どうしようかと迷いましたが、ソフビではなくレジン製であること、そして完成した出来に感心したこと。特に、グリーン系の塗装が気に入ったので、清水の舞台から飛び降りました。その写真をどうぞ。ともあれ、これで”ケムール人”ネタは打ち止めです(笑)。

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2024年5月30日 (木)

エクスプラス ガメラ(1999)プラスチックモデルキットの組立・塗装

20240408_1402291 20240421_1610311 20240421_1843211 20240504_2029531 20240530_0819021 20240530_0819081 20240530_0819331 20240530_0820331  エクスプラス発売のガメラ(1999)のプラスチックモデルキットの組立・塗装をやっと完成させました。塗装方法は、このブログで以前紹介(2023.10.23参照)したyoutubeの「怪物屋吉尾の塗装教室(第1回)」の内容にできるだけ沿って行いました。ただ、本編では塗装は2時間で完成するのですが、そこはプロフェッショナルの名人とは違って、かなり時間がかかりましたねえ。4月8日に化粧箱を開封して、塗装が完成したのが5月13日ですから、一体なにをしていたのでしょう、我ながら呆れます。ただ、言えることは、寄る年波で精神統一が難しくなっているのだ(笑)

 なお、今回のキットは1/700で、組み立てても高さ12cmぐらいの小型の模型です。しかし、このキットはさすがエクスプラス社の新商品だけあって、なかなか良く出来てます。なにしろ部品のパーツ同士が小気味よくパチパチとハマるのです。特に、甲羅はいくつもの小さな甲羅のパーツを一個一個組み合せて組み立てると、映画に登場したガメラ3の勇姿を見事に再現します。

 そて、塗装は、吉尾名人の指導どおり、まずは黒く塗って、油絵のグリザイユ手法を用いて、エナメル塗料で”高速ブラッシング”でモノクロの濃淡の下地をつくり、その上に、透明色の3色を混合して、肌はブルー系、背中の甲羅はグリーン系、腹部はブラウン系に、エアブラシする手順なので、私としてはできるだけ真似しました。でも、結果はやっぱり”鵜の真似をする烏”でした。

 まあ、色鉛筆や練り消し(マスキング)などの名人芸はパスしたものの、人形の命である目の塗装にサイズが小さい(言訳)せいか、やっぱり失敗しました。いや、それよりも、最初の黒く塗る下地作業を黒いサーフェイサーのままにして、ラッカー塗料の塗装をしなかった手抜きが大きく影響しているようにも思えます。なんとなく色が微妙に載っていません。やっぱり手抜きは駄目でしたねえ。これも当たり前か(笑)。
 
 それでは、写真で作業の手順だけご覧ください。まあ、こんなものでしょう。
 それにしても、これから発売される予定のエクスプラスのプラスティックモデルキットのシリーズは、マリリン・モンローなどいくつか予約注文しているのですが、もっとも簡単な作業の筈の”ガメラ3”でこれだけ手こずったのですから、どうにもこれからの模型製作は前途多難なようです。詰んどくキットになりそうですなあ(笑)。

 

2024年1月11日 (木)

海洋堂 デフォルメ半魚人

 あけましておめでとうございます。
 2024年の第1号のブログです。どうも、今年は年明け早々から大地震や羽田空港の大事故が発生し、どうやら激動の年になりそうな予感です。さすが”万物が振動する”といわれる辰年なのでしょうか、ともかくも今年もよろしくお願いします。

 さて、1月5日頃、40年前に海洋堂からデフォルメモンスターシリーズ№2として発売されていた「大アマゾンの半魚人」のレジン製フィギュアの完成模型がオークションに出品されました。この商品は、1983年の海洋堂が発行した雑誌「アートプラ」の創刊号にモデルキットの販売予告の広告が載っていた、なんとも古い模型なのですが、デフォルメ具合が実に素晴らしいデザインなのです。
 子供頃から映画「大アマゾンの半魚人」のファンだった私は、40年前も欲しかったのですが、販売価格は5000円であり、当時のトイの値段としては破格の物でしたし、キット商品なので自分で製作・塗装しなければなりません。当時の私は”プラモの塗装”などは全くの未経験(私の模型塗装始めは2005年頃から)だったので諦め、断念した覚えがあります。いま思うとあの時買っておけばよかったと悔やんでいます(笑)。

 まあ、しかし、当時は海洋堂自体まだまだ無名の大阪の一模型店であり、ガレージキットなどもやっとレジン製の製品が作られ始めた本当の草創期でした。当時のトイは、いわゆる実物と似ても似つかぬソフビ人形が中心で、リアルな模型はほとんど存在していませんでした。そういう中なので、私自身、それほど強烈な思いは無かったのだと思います。

 ただ、そんな時代の中で、このデフォルメ半魚人の商品広告がひときわ目を引いたのは、やはりリアルな造形でのデフォルメしたデザインが秀逸だったからだろうと思います。思えば、最近になってエクスプラス社から発売され、大人気となった”デフォリアル”シリーズの怪獣模型(2022.1.25ブログ参照のこと)の先駆的な試みでした。いやあ、さすが、我が国にフィギュアという新たな文化を生み出した”海洋堂”がいかに先見性があったかを証明しています。お見事ですねえ。
 なにしろ、アメリカのガレージキット文化のように、日本で現在のようなフィギュア文化が隆盛するきっかけとなったのは、後年海洋堂が食玩チョコエッグ”日本の動物”を製作発売してからなのです。それにしても、フィギュア文化がここまで発展するとは夢にも思っていませんでしたねえ。まあ、アチラとはサイズ感が違いますが、子どもばかりか、大人までもが夢中となり、しかも、ガシャポンなどを通じてますます進化しています。いやあ、40年前とは隔世の感があります。改めて恐れ入ました。

20240111_113925 20240111_113954  では、オークション終了間際でとんでもなく高騰(涙!涙!)した”現物”をご覧ください。
 サイズは、高さ15cmぐらいのものですが、前オーナーがキットを組み立て塗装しています。購入後、両足の後ろの軽微な欠損の補修と併せ、リペイントするつもりでしたが、手に取った現物は味のあるうまい塗装でしたので、当面、このままで飾っておくことにしました。実際なかなか入手困難な品物(オークションにもほとんど出ない)でしたので、今回なんとかゲットできたのは個人的にはとてもラッキーで満足できる”お正月”になりました。  

2023年12月25日 (月)

シン・ゴジラ/品川くん

 「ゴジラ-1.0」の興行収入がこの週末で海外分を含めて100億円を超えたらしい。「シン・ゴジラ」が国内80億円を達成したものの、海外ではわずか100万ドルという結果だったので、この時点で、「シン・ゴジラ」を抜いたことになります。
 山崎貴監督おめでとうございます。これで上から目線のアンノ野郎さんに一矢報いたのでしょうか(笑)。

 もっとも、「シン・ゴジラ」公開時に、”次のゴジラ映画のハードルが高くなった”と山崎貴監督が絶賛したというエピソードがあったそうですから、今回は相当気合が入ったようですねえ。youtubeの対談では、製作に当たって、シン・ゴジラと”真逆”にしたと言います。例えば、シンが”官”ならマイナスは”民”、シンが”陸”ならマイナスは”海”、シンが”ドラマ排除”ならマイナスは”べたべたドラマ”というようにして同じ土俵で戦わないようにしたそうです。
 そして、「3丁目の夕日」の戦後風景の再現、「永遠の0」や「アルキメデスの大戦」の軍用兵器のリアルな映像表現など自分の手持ちの手札(得意技)を全部投入したというのです。まさに山崎貴監督のこれまでの集大成と言われる所以です。

 さらに、東宝のタブー(?)である初代ゴジラが登場する時代より前の時代に設定したというアイディアも秀逸です。水爆実験によるゴジラ誕生ではなく、その前に行われた原爆実験の影響でマイナスゴジラは”水爆怪獣”ではなく”原爆怪獣”として誕生するのです。加えて、その時期は、連合国に接収された戦艦などをゴジラ戦に投入できるというギリギリの実に絶妙な年なのです。もっとも、史実では1年ほどのズレ(高尾は廃棄済み)があるようですが、まあ誤差の範囲ですねえ(笑)。

 ただ、この”時代設定”のアイディア以外は、よくよく考えてみれば、物語自体良くも悪くもこれまでのゴジラの良いとこ取りの集大成、延長線上という印象が強く、戦艦等との戦いのVFXの見事さには驚嘆しますが、革新性という観点では「シン・ゴジラ」の方に軍配が上がります。冒頭の第2形態の”鎌田くん”、第3形態の”品川くん”、さらには第4形態の”鎌倉さん”とゴジラが進化するという発想には本当にあっと驚かされました。文字通りの”変態”ぶりに恐れ入ったのです。
 しかも、放射熱線を吐きだす文楽の鬼面のように変形した顔、さらには尻尾の先はいうまでもなく、身体中からまるでハリネズミように放射熱線を放射して、東京中を焼き尽くしたあの強烈な映像は何年経っても忘れられません。
 さすがゴジラにそれほど思い入れ等無かった(?)庵野総監督です、完全に”エヴァンゲリオン”節全開の「シン・ゴジラ」で従来のゴジラ映画の伝統をぶち壊してくれました。平成ゴジラの科学理論付けストーリーの詰まらなさをぶった切ったのは痛快でした。
 そして、冒頭の山崎貴監督の感想のように、その後ゴジラは日本では誰も作れなくなって、結局ハリウッドに身売りしたほどの”傑作”なのです。

 こうした違いが、80億円の「シン・ゴジラ」に比べて「ゴジラ-0.1」が国内で45億円の収益(海外では4000万ドル)にとどまっている理由なのでしょう、きっと。思えば、やっぱり「シン・ゴジラ」は歴史的な名作なのです。
 一方で、その後、庵野総監督が思い入れのあるウルトラマンや仮面ライダーを使った”シン”映画のなんと面白くないことか(笑)。人間、あんまり入れ込み過ぎるとロクなことはありませんね(笑)。

20231121_121036 20231121_121148  それでは、画期的な名作「シン・ゴジラ」に敬意を表して、エクスプラス社の第3形態の”品川くん”(品川に上陸した所以の愛称です)のフィギュアをご紹介します。このモデルは高さ28cm、頭から尾先まで53cmもある大型のフィギュアであり、オークションなどでは最低でも”片手は必要”なほどのプレミアがついており、長年入手できなかったものですが、今回、マイナスゴジラのヒットのせいか、”箱なし””破損有り”のジャンク品が比較的安価に複数出品され、もっとも損傷の少ないモデル(背びれの先端2か所の欠損のみ)を運よく入手できました。
 いやあ、これも「ゴジラ-1.0」のヒットのおかげでしょうかねえ、ありがとうございます。今後のさらなる収益の拡大をお祈りしています。

 でも、1月公開の”マイナスカラー版”は大丈夫かなあ。初代へのオマージュの発想は面白いものの、モノクロ映画では色をそれなりに感じさせる設計が必要と思われますが、予告編を見る限り、そのまんまのベタな陰影でしたねえ。まあ、ハリウッドに認められたCG技術をもって、これが興収増へのテコ入れになることを期待しています。

 

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