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2023年3月10日 (金)

特別展 恐竜図鑑ー失われた世界の想像/創造ー

 20230309_1247191  兵庫県立美術館で3月4日に開幕した「特別展 恐竜図鑑ー失われた世界の想像/創造」を観て来ました。この特別展は、世界各地の博物館などに所蔵されている恐竜復元図を一堂に集めて、恐竜図鑑の変遷を探ろうというもので、恐竜ファンで図鑑マニアの私にはドストライクな企画展でした。特に、私の愛読書である「原色 前世紀の生物」(当ブログ2014.1.18,2014.8.26参照)の復元画家ズデニェク・ブリアン画伯(2012.3.24参照)の復元図(図鑑)の”実物”が展示されるというのですから、もう7か月以上前(2022.7.31ブログ参照)から”死んでも行く(笑)”と大きな期待と覚悟をもって待ってました。そして、ついに3月9日(木)、神戸まで公共交通機関で4時間半の道のりを経て午後1時に会場に足を踏み入れました。予報では曇りのち雨の天候も”晴れ男”の名に恥じず、やや雲がかったものの写真のような晴れとなりました。

20230309_1249421 20230309_1249491 20230309_1350021   美術館の建物は、光の十字架で有名な建築家安藤忠雄の手になる設計で、屋上には”青いリンゴ”も鎮座してます。
 訪問当日には外壁にズデニェク・ブリアンによるイグアノドンの広告が掛けられ、入口付近には最初の復元画家と言われるチャールズ・R・ナイト(2008.1.19参照)のティラノサウルスの絵をあしらった案内板があり、通路には”世界最初の復元図”の絵柄の立て看板が設置され、さらには”世界最初の恐竜復元像”の大型模型が置いてあります。遠方からの来館者を迎える心使いがうれしい限りです(笑)。いやあ、ますますテンションが上がりました。

 さて、会場内は、4つのコーナーに分かれており、第1章が恐竜誕生/黎明期の奇妙な怪物たち、第2章が古典的恐竜像の確立と大衆化、第3章が日本の恐竜受容史、第4章が科学的知見によるイメージの再構築という構成で、第2章のコーナーが一番のお目当てのズデニェク・ブリアンやチャールズ・R・ナイトの復元図が並べられています。当日は平日であるせいか、入場者も少なくてゆっくり鑑賞することができました。

Img_20230310_0001  いずれも図鑑などで良く知っている復元図なのですが、やはり額に入れられた実物の迫力は素晴らしい。一番古い時代のナイトの絵は、少し色褪せた感じがするのですが、ブリアンの絵には圧倒されました。油絵の筆使い、実物は恐竜の鱗や牙が光って見えます。うーん言葉になりません。凄い、素晴らしいというしかありません。それにしても、ヨーロッパやアメリカに保管されている実物を実際に目にすることができる日が来るとは思ってもいませんでした。これはきっと世界初の画期的なイベントなのではないでしょうか。

 次の第3章コーナーでは、日本における”恐竜”への認知の歴史(怪獣黄金期が私の子供時代と重なります)が当時の雑誌や模型で紹介されています。以前このブログで取り上げた(2021.5.3参照)の田村博コレクションも陳列されていました。私の持っている「原色 前世紀の生物」もありましたし、恐竜ガレージキットの草分け荒木一成氏の模型(私が今まで見た中で最も精緻な造りでした。原型かな?)も展示していました。

 最後のコーナーの第4章では、新たな学術的な発見から恐竜の姿が大きく変化した今様の恐竜復元図が並べられています。これらの新しい恐竜の復元図も有名なのですが、正直、私としてはモダン過ぎてどうも好みに合いません。多分子どもの頃の刷り込みのせいでしょうが、やっぱりブリアンの動きのある写実的な”絵”が好きなのです。

 それにしても、どこの誰がどうやって”世界の各地にある恐竜復元図を一堂に集めよう”などという途方もないアイディアを思いついたのでしょう。そしてこんな破天荒な企画を見事に実現させました。ヨーロッパやアメリカの博物館や美術館からの借り入れには大変なご労苦があったと推察します。そんな経緯の裏話も聞いてみたいものです。この場を借りて関係者の皆様には心からの敬意を表したいと思います。お疲れさまでした。

Img_20230310_000320230310_182523 20230310_18275520230310_183006  また、出口のショップでうれしい発見がありました。この展示会の関係グッズがポストカードや額絵などいろいろ販売されていたのですが、3000円で発売されていた、展示会につきものの”図録”の内容が凄かったのです。何しろ今回の展示物がすべて写真で紹介(左の写真をご覧ください。)されています。その結果、恐竜復元図の歴史を一覧にまとめた見事な”図鑑”になっているのです。いやあ見事です。
 これまで洋書「恐竜、マンモス、原始人」しか出版物がなかったチャールズ・R・ナイトの復元図も美しい写真で並んでいます。この図録を出版したことは今回の特別展示開催の大きな成果につながりますし、図鑑ファンにとってはなによりうれしいプレゼントになりました。正直こんな素晴らしい”図鑑”が無事に入手できるとは思っていませんでした。本当にありがとうございました。改めて感謝申し上げます。
Img_20230310_0004  なお、この特別展は神戸では5月14日まで開催(その後東京で開催予定)されていますので、興味のある方は是非ご覧ください。

  

2021年5月 8日 (土)

恐竜画集

 前回に引き続き、恐竜本のお話です。恐竜の姿は化石の発掘による新発見や分析技術の進歩によって様々な形に変化してきているのは、前回ご紹介したとおりですし、それは、図鑑の復元図にも大きく影響しております。

 復元画家の元祖、チャールス・R・ナイトの復元図は科学的には不正確になっても、その芸術性や歴史的価値はいささかも失われていません。今観ても、素晴らしい”絵”なのです。残念ながら、我が国では、彼の恐竜画集は発売されてはいません。断片的に様々な図書でその”絵”が紹介されているにすぎませんが、どれも有名な”絵”であり、我が国の子供向の雑誌や図鑑で模倣されていたので、皆さんも多分どこかで見たことがあると思います。ちなみに、彼の作品をまとめた本はとしては「恐竜、マンモス、原始人」という洋書がありますが、この入手経過は当ブログ(2008.1.19)で詳細に書いていますのでご参照ください。

 また、私のご贔屓のチェコの画家”ズデニエック・ブリアン”の絵も、いまや図鑑ではなく、画集としてその価値を高めています。興味のある方は、我が国での翻訳版「図説 人類以前」を古書店で探して、その素晴らしい復元図をご堪能ください。様々な古生物が原始の自然の中で生き生きと描かれています。本当に素晴らしいものです。なお、画集としては「原色 前世紀の生物」という大型本が出版されており、当ブログで正・続と2回(2014.1.18,2014.8.26)紹介しています。

513lm3juunl_sy390_bo1204203200_ こうした名著に比較して我が国の図鑑の”絵”はどうも感心しないなどと思っていたら、トンデモ恐竜本で紹介のあった「藤井康文 恐竜画集」という恐竜画集を手に取って、日本の復元画家もいいぢあないかと少し見直しました。作者は科学雑誌の「ニュートン」や小学館の図鑑で40年も描いてきた方だそうです。私のイメージでは我が国の出版物は昔の荒々しいタッチのスケッチ風復元図や最近のCGチックな復元図でしたが、この本の絵は手書きの細密恐竜画なのです。しかも、各ページの真っ白な背景に細かな描写の恐竜たちがうまく配置されているデザインは図鑑としても実にいい。”画集”としたのは、最新の恐竜の定説と異なる部分があるのでしょうが、そんなことはどうでもいいのだ(笑)。羽毛のない姿が実に心地よいのです。本当に楽しめました。

 ちなみに、CG復元図では「寺越慶司の恐竜」、最新の学説に基づく恐竜画としては、内外の復元画家を紹介した「アート・オブ・ダイナソー」が出版されていますが、やっぱり、羽毛恐竜は嫌いです(笑)。しかし、何度も繰り返しますが、”近縁種は別にしてティラノサウルス本体にはまだ羽毛があったという決定的証拠はない”というのが往年の恐竜ファンの心のよりどころです。410lgsxb4ol_sy297_bo1204203200_ 61mv6fih9l_sy354_bo1204203200_

 

 

2021年5月 3日 (月)

日本昭和トンデモ恐竜大全

 「日本昭和トンデモ恐竜大全」という単行本が目についたのでつい購入しました。著者の田村博さんは、”著者紹介”によると”ジャズピアニストで、無類の恐竜マニアで恐竜に関するものは何でも集めている日本一のコレクター”だそうです。この本は、その彼のコレクションから、水平型の恐竜になる前の、つまりゴジラのように立ち姿で尻尾を引きずる昔ながらの垂直型の恐竜復元にもとづく図版やおもちゃなどの恐竜グッズを紹介したものなのですが、まだ現在ほど恐竜への理解が進んでいない時代ですから、少年雑誌の図版などは、怪獣のような姿はもちろん生息年代もめちゃくちゃだったようです。
91hi3qibais  それが著者が”トンデモ恐竜”と名付けた所以なのですが、私のような年配の者にはそれらの図版は懐かしさが半端ありません。しかも、著者のコレクションは、少年雑誌の挿絵や子供向けの図鑑はもちろんチープなおもちゃやオマケなどその種類と数がトンデモありません。題名の由来は、本当はこの凄まじいコレクションの量から来たのではないかと、私などは羨ましくも思ってしまいます。
 ちなみに、これらのコレクションは、恐竜展などによく貸し出されているということですから、できれば、いずれは常設の恐竜グッズ博物館を作ってほしいものです。

 さて、前書きによると、1976年出版の本「大恐竜時代」の恐竜温血説のディノニクスの図版に衝撃を受けて著者のコレクターの道が始まったということですが、確かに、恐竜が尻尾を水平に保った形の恐竜復元図が本格的になった1980年代であり、そのころ丁度図鑑「動物大百科」シリーズの「恐竜」をはじめとする新たな恐竜図鑑が次々出版され、私もそれらの新しい復元図に驚いた記憶があります。有名な話ですが、それまでの巨大恐竜の代名詞のような雷竜”ブロンドザウルス”がいなくなり、威風堂々とした暴君竜”チラノザウルス”がスマートな”ティラノサウルス”に変身し、”トリケラトプス”までもおちょぼ口になりました。
 こうした新しい図鑑を目にして、「図説 人類以前」というチェコの画家ブリアンの画集のファン(2008.1.19参照)である私としては、なんともいえない寂しさを覚えたものですが、一方でそれまで見たことがない恐竜の姿に新たな興味を抱いたことも事実でした。
 特に、著者もこの本で書いているように、それまで翼竜などはわが国ではプテラノドンほか数種類しか知られていなくて、前述のシリーズの「翼竜」という図鑑で初めてこれほど多くの種類の翼竜がいたのかと衝撃を受けた記憶があります。この辺の話は、以前このブログ(2011.2.20参照)でも取り上げましたので今回は詳しくは申しませんが、私が恐竜図鑑を収集しはじめたのも丁度このころでした。

515zf5cbf2l_sy346_  それにしても、この本で取り上げている、昔の少年マンガ雑誌の巻頭特集における恐竜同士が戦っている姿や水の中に詰め込まれている海生爬虫類の情景を描いた挿絵画家たちの力作は、その迫力と懐かしさがトンデモありません。現在のようなCGでも写真でもない”挿絵文化”というのは実に力があります。子供たちが虜になるはずです。最近、よく挿絵画家の作品集が出版されることがあります。この時代の”大衆文化”を見直すことも重要です。南村喬之氏(「大恐竜画報」)など、まだまだ一部の作家にすぎませんので、もっともっと多くの挿絵画家に光を当ててほしいものです。私の好きな編集者大伴昌司氏の図案を見事に絵にした遠藤昭吾先生の作品集を出してほしいものです。

 また、個人的には後半に掲載されてる子供向けの”おもちゃ”類にはあまり興味はないのですが、著者のブログ(造形メーカー「フェバリット」のサイトに掲載中)を拝見すると、造型師荒木一成氏などによる草創期のレジン製フィギュアなども数多く収集されているそうですので、次は是非そのコレクションを紹介する本を出版してほしいものです。これは本当に期待しています。

 しかし、やはり世の中には凄いコレクターが存在するものです。憧れますねえ(笑)。ちなみに、最近の羽毛恐竜に否定的なトーンも大いに賛同しています。とにかく羽毛の恐竜はカッコウが悪いのだ。

2020年11月14日 (土)

世界のカエル大図鑑

 最近、わが国でも、海外の図鑑が翻訳、出版されることが多くなりました。私のような図鑑マニアには、なんともうれしい世の中になりました。毎回言ってる?(笑)。
 さて、今回、紹介するのは「世界のカエル大図鑑」です。タイトルに”大”が付いているように、A4版の厚さ5cmはあろうかという本格的な図鑑です。内容も充実しており、実に600種というカエルが網羅されています。まことに図鑑らしい図鑑なのですが、値段もなかなか高額で、税抜きで1万円です。またまた清水の舞台です(笑)。今回も中身を見ずに注文しました。

51cnqisxtel_sx332_bo1204203200_ 一抹の不安の中、届いた現物を手にとってページをめくるとその素晴らしさに感動です。1ページに1種類、原寸大のカエルの精密な写真が掲載されています。しかも、自然の中の生態写真ではなく、私好みの白いページを背景にした全身の姿が精密に写っている素晴らしい写真なのです。図鑑は”絵”の出来が命なので、どうしても生息地の地図や説明書きより、多種多様なカエルの写真に目を奪われます。
 たかだかカエルだろうとは言わないでください。世界には奇妙な形や奇抜な色をした様々なカエルが数多く生息しているのです。これまでもかなりの数の図鑑を見てきた私でも、さすがに600種ともなると初めての種類も多いですねえ。なかには、本当にカエルか?というような姿の奴や人工的な”子供のおもちゃ”というカエルもいますし、ド派手な色のヤドクガエルの種類も圧倒的な数が集められています。ページをめくるうちに、手足が付いてるだけに、架空の”エイリアン”の図鑑を見ているような気さえしてきました。

 しかも、1頁に見やすいサイズに拡大した写真と原寸大の写真があるのですが、カエルの実物のサイズによっては、騙し絵のような趣もあります。世界最大の「ゴライアスガエル」は、原寸大の写真は頭の一部が写っているだけで、全身像はアマガエルのサイズに縮小されています。一方、なかなか大きいカエルだなと思ったら、実は、小指ほどの写真に原寸大と明記されています。間違えないようにするにしても、なかなか気が抜けません(笑)。少なくても、656ページありますので、まだまだ当分楽しめそうです。

 余談ですが、100円ショップには様々なタイプの透明セロファン紙製ブックカバーが売られています。今回、そのA4版サイズのブックカバーを付けてみると、このような重い大型本であっても、汚れも気にせず安心して手に持って読むことができます。なんとも便利なグッズです。そういえば、漫画の単行本に透明ブックカバーを付けるサービスの店もあるという話も聞きましたから、最近は流行っているのでしょう。本を大切にしている方は、是非一度使ってみてください。

2019年8月28日 (水)

とんでもない甲虫

 実は昆虫は私の興味の対象ではないのですが、ふと立ち寄った本屋の棚で「とんでもない甲虫」という”小図鑑”を見付けてしまいました。以前に、あまりに奇天烈な姿に感動して購入した「ツノゼミ」の兄弟本でした。この本のことは、以前拙ブログ(2014.3.4)で取り上げていましたので、詳しくはお話しませんが、とにかく、ツノゼミの多様な姿はもちろん、白い背景に小さな昆虫のコンピュータ加工した精密なツノゼミの写真がデザインよく並べられており、私の図鑑心を一発で射抜いたものです。

81mdgc8knml_ac_ul320_   今回の本も、タイトルが示すとおり、昆虫のなかでもとびぬけて姿形が異形の者を集めています。もうそれは、表紙を一瞥しただけで感動します。なんだ、あの襟巻をしたコガネムシは?あのろくろ首のような奴は何?ダンゴムシでもないのに丸くなっている虫は?と、年々薄れていくような気がする知識欲を猛烈に掻き立てます。もう衝動買いです。サイズも小さくソフトカバーの”小図鑑”だけにお値段も手ごろだったのが幸いでした。

 さて、中身をみても、なかなか興味が尽きません。種類ごとに、奇々怪々な昆虫たちの精緻を極めた写真が並んでいます。
 私の(興味の)専門外とはいえ、昆虫類は金属製の機械仕掛けのような気がします。特に背中の固い”前翅”が特徴の甲虫類はそう思えます。普通のカブトムシを見ても、あの背中の甲羅(=前翅)がパカッと割れて、中から折りたたんだ羽が広がって空を飛ぶなんてことは、よく考えるとやっぱり機械製のような気がします。神様が創造したロボットなのだ(笑)。子供たちが好きなはずですネ。

 この甲虫類は種類が多いそうで、昆虫100万種のうち約40%を占めているらしい。しかも全生物の約25%に当たるといいます。まさしく地球は昆虫の惑星なのです。そういえば、先日、NHKで食物連鎖の基礎になっている昆虫が絶滅すれば世界が滅ぶようなお話をしていましたが、それも納得です。でも、身近な血を吸う蚊は断固駆除します(笑)。

 お話が少しずれましたが、この自然の多様性を体現した甲虫には、ほんとうにとんでもなく驚くような姿をした者たちがおります。お馴染みの角をはじめ、装飾すぎる触覚、意味不明な棘など興味は尽きません。宝石のような色合いの甲虫は、別に「きらめく甲虫」という姉妹書があるそうですので、機会を見て買ってみましょう。
 この本に掲載されている279種のうちで、私の一番のおすすめが、マンマルコガネです。丸くなるタイプとそうでないタイプがありますが、なんとも体の丸みと色合いが艶やかで虫のくせに美味しそうなのです(笑)。
 それにオウサマミズスマシです。手足を腹部の溝にぴったりと収めて死んだふりをするそうですが、どうみても人工的な細工にしか見えません。そういえば、映画「ハムナプトラ」のピラミッドに棲む人食い黄金虫がそんな感じでした。でも、あれはフンコロガシの仲間だそうです(笑)。次いでにいえば、映画「インディ・ジョーンズ/魔球の伝説」に出て来る、洞窟でヒロインの手に乗った虫の名前は何なのでしょう。ネットを見ても”虫”としか紹介されていません。故牧野富太郎博士ではないですが、「名もない虫(雑草)」はありません。誰か詳しい方是非教えてください。

 それにしても、昆虫の名前(和名)は面白い。トゲアリトゲナシトゲトゲなんぞは冗談としか思えません。実は、トゲトゲの仲間で、トゲが一度退化したあと、再びトゲが進化した種類だそうです。由来を聞けば納得です。また、メクラチビゴミムシなどとPTA的禁止用語が並んだ和名ですが、心配したとおり見直しの動きも一部にあるようです。しかし、この本の著者も書いていますが、名前というのは先人の学者たちの苦慮の賜物なのです。言葉は時代によって変わるものです。一時代の差別意識の云々で勝手に変更してよいものではないでしょう。メナシのほうが余計酷い気もしますゾ。せめて歴史的な意味のある言葉についてはどうか、そっとしてやってほしいものです。映画「座頭市」のセリフもそうでしたが、タイトルのせいでDVDなどが発売されないような気がする「めくらのお市」シリーズも是非英断をお願いします。ボンカレーのお姉さんの殺陣は上手いのです(笑)。映画史の歴史的価値があるのです。  

2018年4月25日 (水)

タツノオトシゴ図鑑

  「ついに」というか、「やっと」、タツノオトシゴ図鑑が発売されました。最近、さまざまな生物の専門図鑑が発売されておりますので、私お気に入りのこのユニークなスタイルの魚類の図鑑の登場を待ちのぞんでいました。
 
_new  日本名でタツノオトシゴ、伝説の竜の子どもと呼ばれる奇妙な姿は、西洋では、海馬と言われています。世界に42種が知られ、その近縁種の「ヨージウオ」が15種掲載されています。私のお気に入りは、実は、以前このブログでもご紹介したように、ヨージウオ類の海藻の擬態種のシードラゴンなのですが、今回本書で改めてみると、1cm程度のピグミーシーホースやら、東洋の竜の様な姿のパイプフィッシュなども紹介されており、なかなか興味深いものがあります。
 各ページに1匹を写真と説明文で紹介していますほか、余白に実物大の影絵を配しているところが感心します。こうしてみると、ご贔屓のリーフィーシードラゴンは全長44cmと各段にでかいということがよくわかります(笑)。
 
 そういえば、「世界の美しいトカゲ」なる小冊子も発売されており、飛びトカゲの飛行姿やバシリスクの水上走りの貴重なショットなどをはじめ、色鮮やかな爬虫類を多数、精緻で美しい写真集に仕上げているのにも感心しました。
 一般的には人に嫌われるトカゲですが、こうして写真集にするとその多様性、極彩色には改めて驚かされます。哺乳類と違って匂いもなく、究極のペットとも言われており、最近は飼っているひとも多いようです。アメリカあたりでは、もう随分前からペットは当たり前のようで、映画「ターミネーター」でもヒロインの同居人がイグアナを飼っていましたねえ。
 
61i5mimlxml_sy498_bo1204203200_ ともかく、こうした専門図鑑がわが国で刊行されることは、図鑑マニアにとっては誠に結構なことです。今後とも、どんどん生物図鑑を発売してほしいものです。楽しみですねえ。
 
 

2017年4月 9日 (日)

地球博物学大図鑑

 久しぶりに素晴らしい「図鑑」に出会いました。(今回は映画の話ではありません。)
 
 今から4年ほど前に、「地球博物学大図鑑」という31.2cm×26.2cm×4.6cmもある分厚い図鑑が出版されました。
 紹介文によると、「この惑星に存在する生命の複雑多彩さを一冊の本に収めるなら・・・その一冊に限りなく近い書物である。」というもので、「コレラ菌からシロナガスクジラ、アカカゴタケからジャイアントセコイア、ハチドリからダチョウまで・・・見事に記録されている。」
 どうですか、博物学に少しでも興味のある者、いや無い者でも、手に取って読みたいと思いませんか。表紙のデザインまでも、私の好みのド真ん中です。
 
 とはいっても、この本は大きく、分厚く、重量もあり、値段が税込みで1万円の大台に載るせいか、書店の店頭ではビニールで封印されています。
 個人的にも、手狭になった我が家の収納スペースや財政状況を考えれば、中身も見ずにはなかなか購入に踏み切れませんでした。
 
 しかし、アマゾンなどのネットショップでは品切れ状態となり、既にプレミア価格の取引も行われている最近の状況に鑑み、ついに、先日思い切って、老舗書店の「紀伊国屋書店」から取り寄せました。
 
51toiirbdbl_ac_us160_ さて、現物を手に取ると、さすがに、米国スミソニアン国立自然史博物館開館100周年記念として出版されただけあって、図鑑の王道を極めた図鑑というほかはありません。
 「素晴らしい」とため息をつくばかりです。まだまだ我が国の出版界では到達できないレベルです。欧米の図鑑文化、いや博物館の歴史の重みと厚さを感じます。実際、この本は、手に持てず、机に置いて読むしかありません(笑)。
 
 具体的に言えば、植物、動物、菌類、微生物に加え、岩石、鉱物、化石まで、遺伝子解析による分類体系に沿って、5154種を6000点を超える写真とイラストで解説しているのですが、その大部分(5900点)を占めるフルカラーの写真は、例えば、極小の昆虫の足の棘先までピントが合っている極めて精緻な画質であり、そうして撮影された沢山の生物達が見開きのページの真っ白な背景にバランスよく配置されています。
 ちなみに、細密画で描かれているのは、クジラ類などどうにも写真撮影が困難なものに限定されているようです。
 
 しかも、掲載種の選択が凄い。一般的な種ではなく、貴重な珍奇な種を選んでいます。結構初めてみる奴もいますし、野菜などは野生種に限定です。このへんは、さすがスミソニアン博物館ですナア。
 
 この図鑑は、私が幼い頃から慣れ親しんだ我が国の子供向け図鑑が進化した究極の姿であり、私の思い描く理想形なのです。属ごとに、数十の生物たちが美しくも見事に掲載されています。これほど森羅万象を整理し、知的好奇心を満足させる図鑑は知りません。
 少し高価ですが、是非、書斎に置いて地球のロマンを感じてください。特に、子どもたちには大切なことだと思います。
 といっても、私の家族は、私以外誰一人興味もなく、本の置き場所を危惧しているばかりですが・・・(汗)。
 

2016年12月31日 (土)

世界シネマ大事典

 映画の図鑑とも言いたくなるような本が発売されました。その名も「世界シネマ大事典」です。アメリカの映画解説書の翻訳本です。行きつけの大型書店の店頭(平積み)で見つけました。1冊だけ見本のように立ち読みできます。値段もそれ相当ですので当然残りはあとすべてビニールで封印されています。
Photo その見本を手に取ると、映画が始まって以来の歴史と時代を作った名作を豊富で精緻な写真と体系化した図解でわかりやすく説明しています。思わず衝動的に買ってしまいました。
 現物を手に取れるところが、本の中身がわからない(一部中身紹介あり)アマゾンとは異なる店舗の強みなのです。それを全品封印している店がありますが、これは論外でしょう。せめて1冊は見本でお客に見せるべきです。特に、値段の張る図鑑は(笑)。

 さて、その本の内容ですが、映画の起源からサイレントを経て、戦前ぐらいまでが結構ページ数を割いて詳細な解説があります。案外、知らないこと(興味がない)が多くて勉強になりました。わずか1行のコメントがおしゃれでしかもストレートに意味深(?)で面白いのです。この辺の記述はさすが欧米文化です。一度お読みください。

 ただ、残念なのが、全体的に邦画作品の紹介がわずかしかありません。「東京物語」、「七人の侍」、「愛のコリーダ」、「千と千尋の神隠し」の4作品です。黒澤明の他の作品さえも監督紹介欄でタイトルのみ掲載されているだけです。
 一方、中国の作品紹介は多くなっています。まさに最近の力の差をまざまざと見せつけられる思いです。せめて映画の分野では頑張ってほしいものです。
 加えて、名作を並べると必ず割を食う(評価の低い)SF・ファンタジー分野の作品も、やはり少ないのです。まあ、「エイリアン」と「ターミネーター」が入っているだけ良しとしましょうか(笑)。とはいっても、分厚い本なので一日十分楽しめました。謝、謝。

Photo_3 ところで、以前もこのブログで紹介しましたが、最近、こうした分厚い図鑑のような翻訳本の出版が増えて来ました。当ブログ(2016.9.11)参照のこと。誠にうれしいことです。
 そのうえ、「シン・ゴジラ」の大ヒットのせいか、立派な箱に入った豪華本「ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ」が発売されました。これは目をつぶって(当然、中身封印)購入したところ、メイキングの写真と紙質が豪勢です。しかも重い。この紙代と印刷代で高いのか、と納得しました(笑)。正直、中身よりも外面が立派で置き場所にも困っています。誠に残念です。

 ついでに言えば、最近なぜか出版物が多い「ウルトラマン」の豪華本にも驚きです。当時の様々な関係グッズ、オマケ、印刷物などを復刻したものを網羅した本が出版されました。円谷英二の名刺まで復元しています。こんなものが欲しいものなのかなあ。欧米ではこうした出版物を「トレジャーズ」ものというらしい。そういえば、エイリアン・トレジャーズの翻訳版がありました。当然、私、持ってます(笑)。

Photo_2 なお、余談ですが、以前このブログ(2016.7.17)で紹介した東宝特撮もののパンフレットの復刻版をおまけにした「ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX」シリーズに掲載されなかった悲運の映画「宇宙大怪獣ドゴラ」のパンフレットをオークションで入手しました。・・・ただの報告です(笑)。・・・実は、このシリーズのオマケの復刻パンフレットには、若干問題があります。というのも、当時の企業宣伝の版権が使用できず、黄金期の作品に裏表紙の図柄が変更されているものが散見されるのです・・・これはいかん、記憶の断片の奥底で違和感を感じます。・・・やっぱり当時ものの価値は揺るぎません。いやあ、オリジナルを持ってて良かったなあ(笑)。

 以上、平成28年大晦日における図鑑に関する年末回顧(?)でした。

 

 

2016年1月29日 (金)

世界で一番美しい・・・

 「世界で一番美しい・・・」というのは、白雪姫の継母のセリフではありません。最近はやりの図鑑のタイトルの冠文句です。今日、ご紹介するのは、「世界で一番美しいイカとタコの図鑑」と「世界で一番美しい海のいきものの図鑑」です。

614imtcsdcl_391opadjm0l_2 この2冊の大型図鑑は、図鑑というより、海中の美しい生物たちの写真集です。

 まず、イカとタコの図鑑は、これまで発見された貴重なイカ、例えば、NHKで話題となったダイオウイカの画像や未だ標本も未採取の深海の巨大なイカなど、たくさんの頭足類の貴重な写真が、もれなく大判の画像として掲載されています。ここが一番のお勧めです。版権もそれぞれあるのでしょうが、まさしく網羅されています。お見事です。

 また、海の生きものの図鑑では、あの憧れの2種のシードラゴンの美しい写真が掲載されています。私は、この背景の黒に浮かび上がった2葉の写真を見たくてこの図鑑を購入したといっても良いのです。この黒をバックの生態写真はどうやって撮ったのかと不思議でしたが、実は、強力な水中ストロボを使うと、バックの色が飛んで黒くなるようです。これもお見事とです。

81cyk05szl ところが、この2冊の図鑑は、別々にアマゾンで新本を購入したのですが、いずれも、不良品が届きました。特に、シードラゴンの2枚のページだけが破れていたのは本当にガッカリしました。なにしろ、購入目的そのものだったのですから・・・。
 おまけに、タコイカ図鑑の方も、外表紙が破損していたのです。連続の災難でした。・・・まあ、この大手通販会社は、不良品はすぐに交換してくれるので、安心です。・・・なんこっちゃ(笑)。

51ph5p22xkl__sx359_bo1204203200_ 最後に、ついでですが、「へんてこりんな植物」という小型の図鑑もご紹介します。以前に「謎の植物」という冊子をご紹介しましたが、今回の図鑑が、形のへんな植物では、もう究極版です。あらゆる珍奇な植物を掲載しています。これは一見に値します。是非、お手に取ってください。

2015年11月28日 (土)

謎の植物 衝撃ファイル

 植物の分野は、動物と比較してあんまり得意ではないのですが、「謎の植物」というタイトルと衝撃的な表紙の写真に心惹かれて、小型のカラー図鑑を買ってしまいました。

Img_new_3 表紙を開くと、まず、巨大生物の項の第1頁に「ウェルウィッチア」が登場します。アフリカのナミビア砂漠に自生する直径8m範囲まで成長する2枚葉(とてもそうは見えない外見です。)の奇怪な植物です。1000年から2000年以上も生きるという、奇想天外(和名)な、私のお気に入りの怪物です。

 次が同じくアフリカのキリマンジャロの5m級の「ジャイアントセネシオ」で、逆三角形の奇妙な生物です。そのほか、奴隷の幽霊が枝に宿るという伝説の巨大カシ「エンジェル・オーク」やおなじみ「バオバブ」の木、巨大な悪臭の花「ラフレシア」、幹から血が流れる「リュウケツジュ」、樽の形をした「ボトルツリー」、ハワイの宇宙生物のような「ギンケンソウ」など、有名どころが勢ぞろいです。いやあ、こうした異形の植物が勢ぞろいするのはやっぱり楽しいものです。

 今回の収穫は、「ヤレータ」という一見、コケ類のような植物です。アンデス山脈のの標高3200m級の高地に生息しており、3000年以上も生きているというから驚きです。縄文杉(この図鑑にも掲載済み)にも匹敵する長寿です。
 また、歩く木「ウォーキングパーム」も知りませんでした。そして、虹色の樹皮を持つ「レインボーユーカリ」も恥ずかしながら、初耳でした。改めて、地球には多様で不可思議な生物が生息していることを感じます。

 そのほかにも、食虫植物などの奇怪な姿も紹介されていますが、もはや常識的すぎて、感動はあまりありません。加えて、後半は、毒のある植物がやたら詳しく掲載されていますが、形のインパクトは薄く、私の興味は引きません。
 もっとも、触るだけで死ぬ殺人の木「マンチニール」には、やはり驚かされます。

 ちなみに、表紙の植物は、唇に見える奴が「ソアマウスブッシュ」の葉っぱであり、その横の目玉の奴は、「ホワイトベインベリー」という植物の実であり、こういう写真映えする類は、昆虫の文様もそうだが、結構多い。見る角度や比喩によって、意外に話題性になるのかもしれない。

 以上、全96種のうち、ほとんどが毒のある植物でしたが、結構楽しめました。ただ、残念だったのが、やはり本のサイズがコンパクトだったことと、紙質が悪く、植物のカラー写真の写りが悪いことです。
 出版元の宝島社さんは、目のつけどころは良いのですが、本のつくりがどうも雑誌並みです。せめて、カラー図鑑と称するなら、少しぐらい価格が上がっても、紙質や写真の画質などに、もう少し気を配ってほしいものです。
 次は、豪華版を出版してください。是非、お願い申し上げます。

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