無料ブログはココログ

2024年4月25日 (木)

アメリカ映画の文化副読本

 先日、買った「アメリカ映画の文化副読本」が予想外に面白かったのでご紹介します。
 アメリカの現実について、都市や社交、教育や信仰、人種と政治、そして職業などの切り口からその生の実態を淡々と記事にしているのですが、著者が実際に選挙活動などで経験したお話なので、彼我の違いに本当に驚きます。

811ejq0qkl_sl1500_ 正直、ハリウッド映画をより深く楽しむための教養というよりは、あまりの文化と制度の違いに、日本以外の世界の過酷さを目の当たりにして、いやあ日本に生まれていて本当に良かった、としみじみ思ったのが読後の感想です。
 まあ、何故、学園映画で、学生たちが廊下でたむろするのか? 何故、いつもパートナーを求めるのか? いままで分かったような気がして見過ごしていたことが、その背景を知って恥ずかしくなりますねえ。いや、まさしく、それほど、日本とは制度が違うのです。ごく一部の裕福な特権階級と昔から変わらぬ頑固な田舎の国なのですねえ。トランプ元大統領が強いはずです。
 かつて、子どものころ、あこがれた理想のアメリカ社会は、全くの”幻想の国”でしたねえ。現実は本当に酷いものです。この本を読んでつくづく思い知りました。
 でも、世の中にはまだまだ欧米の制度をそのまま導入しようとする愚か者がいるのには困ったものですねえ。

 思えば、最近のYoutubeでは、よくアメリカのとんでもない現状、例えば、低所得者対策の結果の万引き横行、ドラッグ解禁の結果のゾンビの街の風景などが紹介されるのですが、それも納得の社会ですねえ。人種問題を抱えた、過酷な競争と格差社会なのです。力のあるものが強者であり、基本的にはアメフトのスター選手とチアリーダーの世界なのです。銃規制も医療保険制度も実現不可能でしょう。束縛を受けずに自由に生きる、それがDNAなのですから、平和ボケした日本人にはとても耐えることはできないように思いますねえ。いやあ、恐るべきアメリカです。
 
 それにしても、子どもが一人で通学して、女性が安心して夜歩ける治安の良さや、ごみのない清潔な社会に、来日した外国人が驚嘆するはずです。どうやら、世界にこんな治安が良く、食べ物がおいしくて、四季のある美しい国はないようです。せめて、いまの日本の良い文化、平和な社会を維持してほしいものですが、外国人の移住を安易に促進し、利権ばかりをむさぼる政治では、それも風前の灯なのかもしれません。悲しい限りですねえ。本当に残念です。

2024年3月 4日 (月)

映画技術入門

 先日「映画技術入門」という書籍が発売されました。内容は、映画史を支えてきた様々な技術と関連する700の作品を一挙紹介する(帯の宣伝文句)というモノです。具体的には、映写機と35mmフィルム、サイレントからトーキー、カラー、現像とプリント、音響、デジタル撮影、そして映画館など、様々な撮影機械や上映設備などの歴史の紹介です。こうしたテクニカルなお話は、以前から様々な専門的な書籍が出版されており、私も何冊か読みましたが、一向に頭に入らずそのまま素通りしています(笑)。

51eyyz9dnel_sy445_sx342_  その点、この本は、”入門”と冠しているだけあって、”分かりやすさ”に工夫をしています。若い女の子の主人公が専門家に関連技術を教わっていくという形式で、親しみやすい漫画とシンプルな図を駆使して大変見やすいのです。しかも、エポックメイキングな作品は写真入りで監督別の経緯なども説明されています。

 正直、スクリーンサイズなどにはあまり関心も無かったのですが、映画を撮影する際に監督がどうしてそのサイズを選んだのかなど、私のお気に入りの作品を通じて、撮影の裏側が垣間見えるような気がして実に楽しい読み物になっていました。そして、映画技術のトリビアもふんだんに盛り込まれており思わず笑います。

 例えば、映画が斜陽となった1970年代に現像技術が安い方法に一斉に切り替えられてしまったという現像の歴史は、”70年代の作品はどれも「くすんだような画面」となっている”という昔から私が抱いていた疑問に答えてくれた気がして、個人的に大変満足しています。
 また、カメラの歴史にも感銘を受けました。やっぱり高額なレンタル費用のかかるカメラは性能が違うようです。日本映画の薄っぺらい画像は、安いカメラの性かな?いやあ、単にカメラだけの問題でなく照明機材などあらゆる面で撮影技術へのアプローチが無くなっているのでしょうねえ。昔の「大映時代劇」の映像の凄さを思い出してほしいものです。

 それにしても、アルフレッド・ヒッチコックやジョン・フォード、そしてスティーブン・スピルバーグの作品ごとの画面サイズや使用カメラの歴史を紹介しているのもわくわくします。作品の流れを通じてそれぞれの作家の生きざまが見れるようです。
 また、ジョージ・ルーカスの映画技術への貢献が映画界にとって実に大きかったことを改めて感じます。スター・ウォーズの作品より、その収益を使ったデジタル撮影技術、さらに上映館の設備までも進歩させたことが凄いとしか、言いようがない。

 ちなみに、B級SF映画製作者のロジャー・コーマンの”スピルバーグやルーカスが技術的にレベルの高いきわもの映画を作ったことで、私たちの映画の魅力は大きく落ち込んだ”という愚痴には思わず吹き出しました。いやあ、まあ、そういうことですよねえ(笑)。

 以上、ほかにもたくさん紹介したいことはありますが、実に楽しい読み物なので、映画ファンなら是非お読みください。

 

2024年1月24日 (水)

エクスプラス大怪獣シリーズオールカラー図鑑 円谷プロ編

 先日、「エクスプラス大怪獣シリーズオールカラー図鑑 円谷プロ編」という本が発売されました。この書籍は、いま怪獣フィギュアを中心に製作・販売している造型メーカーの”エクスプラス”が2003年から発売している”大怪獣シリーズ”のうち、ウルトラマンなどの円谷プロの怪獣フィギュアを一堂に集めたオールカラーの図鑑です。各ページに怪獣1体ごとの正面、側面、背面の写真を並べています。怪獣図鑑であり、かつエクスプラスの商品一覧でもあります。

20240124_124847  この図鑑の序文が個人的に非常に面白かったので、今回ご紹介します。
 実は、私はエクスプラスとは”X-PLUS”の社名表記からアメリカのトイメーカーとばかり思っていた時期があります。私がこの会社のことを知ったのは、10cmほどのチェスピース仕様の初期の昭和ゴジラやレイ・ハリーハウゼンのモンスター達のレジンキットを買っていたからで、特に当ブログ(2007.12.01参照)でも紹介しましたが、レイ・ハリーハウゼンのチェスピースは、かなりな数のシリーズとなっており、商品も英語表記であった(海外への輸出向け商品だった?)し、外国の著作権を多数取得している実績から、うかつにも勝手に外国企業とばかり思い込んでいました。
 その後、徐々に日本語表記の商品、特に前述の「大怪獣シリーズ」でウルトラ怪獣が大量に販売されるようになって、やっと日本の企業だったと気が付きました。何事も思い込みはイケませんねえ(笑)。

 というような私の勝手な思いもあって、このエクスプラスという企業の生い立ちが序文で紹介されていたのは、望外の喜びになりました。この本を買ってよかった(笑)

 その紹介文によると、エクスプラスはもともとはアパレル中心の貿易商社であり、1998年5月1日にTOY事業部がスタートしたそうです。貿易商社であったことから欧米とのライセンス交渉の素地はあったのでしょうが、フィギュアの原型製作やデザインワーク、生産工場などトイのインフラを一から作ったようです。どうやら、最近youtubeの配信で時々顔見世をしている、この雑誌の監修者である岡本”Gee”明彦氏が立役者だったようです。

 最初の商品は、ポリレジン製のスタチューから生産を始めたということですので、私が買い始めたレイ・ハリーハウゼンのチェスピーズ版や30cmクラスのスタチューのことなのでしょう。いやあ、本当に懐かしいものです。

 そして、この図鑑となったソフビ製の”大怪獣シリーズ”の発売第1号が、ウルトラQの全身を棘で覆われた怪獣”ガラモン”だったのですが、この開発に際して、円谷プロから提示された条件が”本当にリアルである”ことだったそうです。まあ、高価である分細かなディテール表現に適しているレジンとは違ってソフビ商品となると、当時はマルサンやブルマァク製に代表されるような、とうてい”棘”の生えている怪獣とは思えないほど丸みのある体型になった子供向けの人形というのが普通の認識だったからなのですが、実際、固い金型から柔らかいソフビを成型するのは至難の業であり、工場と試行錯誤を重ねる中でやっとできたそうです。ちなみに、生産工場は韓国、中国、ベトナム、現在バングラデッシュと変遷しているそうですが、協力したのはどうやら中国の工場だったようです。 

 思えば、当時はまだ私にとって”謎の企業”だったエクスプラスから発売された20cmぐらいのソフビ製”ガラモンには、棘のリアルさとともに、その値段の安さに驚きました。この本の中では”価格が4桁で作れた時代があった”と述懐していますが、私の記憶では4桁の前半だった筈です。当然、その安さゆえに、その後次々と発売される大怪獣シリーズを私も買っていたのですが、何しろ、パッケージが大き過ぎることに加え、ブリスターパッケージで背面紙と接着されているので、一度取り出すと二度としまえないというなんとも置き場に困るものでした。
 おかげで、狭い我が家には全部を飾ることもできず、途中で収集自体を断念したのです。いま、パッケージ未開封のままで壁に飾られて残っているのは、大ダコの「スダール」、巨大巻貝の「ゴーガ」、大ナメクジの「ナメゴン」ぐらいです。そういえば「大魔神」の3部作もそれぞれ残っているのですが、何故か、未開封のパッケージが日焼けで真っ黒に変色している(モノによるのだ)のが悲しい姿です。

 また、この図鑑で、ウルトラQとウルトラマンに登場する怪獣については、全てコンプリート(すべての怪獣のソフビ化を達成)されているということで、ウルトラセブン以降のウルトラ物はまだ道半ばだそうです。
 しかし、改めて、この写真図鑑を見ると、どうもウルトラセブンの後半以降の宇宙人や怪獣のデザインと色使いが、デザイナーや造型師が変わったせいもあるかもしれませんが、一気に幼児向けのおもちゃのような生物感のない大雑把な造形になっていますねえ。そういう観点からも、やっぱり、円谷プロはウルトラQと初代ウルトラマンのものですねえ。

 ところで、ウルトラQとウルトラマンに継続して登場する怪獣をご存知ですか?
 怪獣のぬいぐるみを改造して使い回した例は、「シン・ウルトラマン」のネタにされた、パゴスがネロンガやガボラに改造、そのほか、ペギラはチャンドラーに、ピーターはゲスラに変身。さらに、ガラモンは同じ形で小さなピグモンと設定変更。未来人だったケムール人は、何故か、メフィラス星人の手下の宇宙人役で顔を出します。この辺の原因となった殺人的な撮影現場の話は伝説になっています。こんな製作裏話を描いたTVの「二人のウルトラマン」は面白かったなあ。

20240124_123514 20240124_12353420240114_1153591 20240114_1154431  さて、正解は、海底原人ラゴンです。ウルトラQに登場したラゴンは、同じ海底原人という設定なのですが、水爆実験で巨大化しウルトラマンと戦うのです。いや、ウルトラQの第20話「海底原人ラゴン」はホラー要素も強く、和製半魚人としての名に恥じません。同じ俳優(古谷敏)が着ぐるみに入っている前話の「2020年の挑戦」のケムール人と並ぶ傑作モンスターです。ちなみに、ウルトラQのラゴンは雌で、ウルトラマンの方は雄だそうです。
同じエクスプラスの模型で比較してください。前2枚の写真が大怪獣シリーズの20cmソフビの雌ラゴン(Q版)で、後2枚がシリーズ前の30cmレジン製の雄ラゴン(マン版)です。じっくりご覧ください。違い分かりますか?・・嗚呼、興味が無い?失礼しました。

 最後に、この大怪獣シリーズオールカラー図鑑の続編となるはずの「東宝特撮編」や「大映特撮編」の早期の出版を期待しています。商品数も多いですから楽しみです。
 ついでに、ソフビの大怪獣シリーズ以前のレジン製のエクスプラス商品図鑑も出版してほしいものです。なにしろ、外国版権も数多く獲得し、ディズニーの海底2万哩のノーチラス号の模型までも販売していることから、是非「海外編」もよろしくお願いします。
 さらに、企画面でお願いしたいのは、50年代の有名な宇宙生物画家「エド・カーティア」の宇宙生物(当ブログ2014.2.8参照)のフィギュア化を実現してほしいというものです。あの圧倒的なデザインは立体化すればさらに凄いと思うのですが、いかがでしょうか。

 

2023年10月 9日 (月)

スクリーン・アーカイブズ

 創刊75年超を記念して、近代映画社の映画雑誌「スクリーン」の過去の記事を、テーマごとに復刻した特集本「スクリーン・アーカイブズ」が発売されていたことをつい最近偶然知りました。

 実は、月刊の映画雑誌「スクリーン」は、私の若い頃(中学校や高校時代かな?)の洋画の唯一の情報源でした。まあ、キネマ旬報は高尚な芸術作品が中心でミーハーには小難しいので敬遠していましたし、ライバル紙の「ロードショー」はまだ発刊されていない時期のお話です。
 新作の公開に合わせた様々な記事がを読むのが楽しみでしたし、その中で引用される過去の名作と言われる作品の紹介も勉強になりました。外国人俳優たちの大型写真や人気順位の発表もありましたねえ。女優の人気第1位が、オードリー・ヘップバーンで、男優がゲイリー・クーパーだった時の記憶が残っています。当時は、ビデオもなく、テレビ放送や名画座のリバイバルも少ない時代でしたので、名作「ローマの休日」を知らなかったので、”何故こんなあんまり美人じゃない人が一番人気なのか”と内心不思議でしたねえ。もちろん、その後「ローマの休日」を名画座で観た瞬間、一目ぼれです。我ながら単純です。そして、いつまでたっても、やっぱりご贔屓ナンバー1です。ちなみに、先日発売された4K Ultra HD「ローマの休日」を購入しました。これで、ビデオ、LD.DVD、BD,HDと揃いました。もっともデッキ(ハード)がないので、現在視聴できるのはDVDとBDだけです(笑)。いやあ、馬鹿ですねえ、しかし懐かしい思い出です。

20231009_145019  ということで、この「スクリーン・アーカイブズ」なるものを出版元から通販で購入してみました。まずご紹介するのは、オードリー・ヘプバーン特集の3冊です。どうやら、この本は正式には”アーカイブズ”ではなく、その前身の”復刻特別編集”というもののようですが、サイズがB5版なのに驚きました。1950年代の頃は、雑誌はこのサイズだったのかもしれません。しかし、それ以上にびっくりしたのは、元の印刷物を複写したせいか、なんとも文字も写真も印刷が不鮮明なことです。文字がかすれているところもあります。まあ、一種の同人誌のイメージですねえ。オンデマンド印刷で販売部数も少なく、一般流通に乗っていないことも同人誌に似ています。
 とはいうものの、それぞれの紹介記事がなんとも懐かしいというか、書き手が双葉十四郎、深沢哲也、荻昌弘など有名どころの映画評論家達なのです。文章が軽妙で読みやすく、作品の宣伝的なヨイショも微笑ましいものです。若い頃の新作へのドキドキ感が思い出されます。
 なにしろ、今の時点では名作という評価が定まった作品も、公開当時はさまざまな見方があります。後から紹介する「2001年宇宙の旅」などはその評価がまったく高くありませんし、ヘップバーンに至っては、”あんまり美人じゃない”などと失礼極まりないことをそのまま書かれています。クラシックな容姿が美人というのが当時の通り相場だったのでしょうね。まあ、そんなふうに公開当時の雰囲気が見事に記録されているのには感心しました。まさに”アーカイブズ”としての価値があります。

20231009_145043 20231009_144933 20231009_145214 20231009_145338  そして、ヒッチコック特集、ショーン・コネリーの007特集、クリント・イーストウッドの特集(第1号)などは、実に面白かった。「007は二度死ぬ」の日本ロケの裏話や来日時のインタビュー記事などは、上品なゴシップ調で本当に楽しいものです。前述したスタンリー・キューブリック特集での「2001年宇宙の旅」に対するSF作家の星新一の”良くわからない内容”という率直な感想が時代を表しています。貴重な証言ですよねえ。

 しかし、買ってよかったと思ったのは上記の特集号まででして、ジェームス・キャメロン、ティム・バートンなどの特集号になると、なんか記事がまるで面白くないのです。ご丁寧な挿絵の図解まであるのですが、SFに興味が全く無さそうな女性記者が自分のことばかりを引用して文章を書き連ねた記事などは誰が読むのでしょうか、SF映画ファンを軽視しているのか、とさえ思いました。思えば、この頃はもう既に雑誌「スクリーン」は斜陽だったのでしょうねえ。そして、やっぱり本物の「スクリーン」も1950年代から1960年代が一番輝いている時代だったのだ(笑)。・・・懐かしい時代でした。

2023年7月26日 (水)

東宝時代劇映画桜花爛漫

71q6i7axwfl  先日「東宝時代劇映画桜花爛漫」という1945年から1971年までの東宝の時代劇映画を解説した書籍が出版されました。大映時代劇と言うのはよく聞きますが、東宝はどちらかというとサラリーマン物や特撮物がメインのような会社であり、やや意外な気もしましたが、考えてみれば、黒澤明時代劇は東宝で製作あるいは公開されていますので、そういう意味では日本の最高峰の時代劇作品を有する映画会社ということになります。

 そして、この本が戦後から1971年までの期間の作品に絞っているのは、どうやら70年以降の劇画を原作とする「子連れ狼」などの作品は、それまでの東宝時代劇とは明らかに作風が異なるという判断だそうです。まあ、劇画映画ブームは時代劇が衰退した後に出現した作品群ですから、一言で言えば、時代が違うということなのでしょうねえ。私としては「子連れ狼」や東宝公開の座頭市作品も好きなので、できたら併せて掲載してほしかったなあ。でも、やっぱり大映の監督の作品はまずいか(笑)。それに、後で述べますが、時代劇の巨匠の最後の2つの作品で”一つの時代”を閉めるというのはグッドアイデアです(笑)。

 さて、この本では、この27年間の時代劇映画(風刺や喜劇等は除外)として59の映画を取り上げています。内訳をみると、稲垣浩監督作品がなんと26作、黒澤明監督が8作、岡本喜八監督が5作、谷口千吉監督が3作、あとは1~2作の監督が15人です。そのなかには、小林正樹、伊藤大輔、内田吐夢、五社英雄など巨匠や有名監督の名もありますが、ほとんどは東宝所属の職人監督たちの作品でした。

 つまり、黒澤明監督は別格として、東宝時代劇の半数近くが稲垣浩監督作品なのです。稲垣浩監督と言えば、三船敏郎主演の宮本武蔵」でアカデミー名誉賞(現在は国際長編映画賞)を受賞しています。この評価のおかげでしょうか、稲垣監督は時代劇の巨匠として次々と時代劇映画を生み出しています。「戦国無頼」、「柳生武芸帖」、「ある剣豪の生涯」、「暴れ豪右衛門」、「風林火山」、「待ち伏せ」などがあります。最後の2作品を除いてはVHSもDVDもなく、私の若い頃は幻の作品でした。最近になってやっとDVD化されて観ることができました。

 その鑑賞結果というと、どうも作品の出来に”?マーク”がつくのです。若い頃から観たかった作品なのですが、どの作品も正直あんまり面白くありません。まあ、リアルタイムで観た彼の晩年の作品、三船敏郎、石原裕次郎、中村錦之助、勝新太郎という大スターが集まった「待ち伏せ」が本当につまらなかったのは承知していますが、往年の有名な作品も、セットなどはやたら立派ですが、内容があまりにもお粗末でした。本書の解説でも、”演出が時々冗長になる癖(?)”などと控えめに(笑)批判しています。こうなると、黒澤時代劇を除いて、東宝時代劇のあまり高くない評価の一端を担っているのは間違いないですねえ。それに肝心な「宮本武蔵」も後年内田吐夢の宮本武蔵5部作で影が薄くなりました。このことは本書でもさりげなく指摘しています。でも、東宝は最後まで監督として重用したのですが、何故なのかな?黒澤明とは対立した感のある東宝プロデューサーたちとの人間関係が良かったのかな? 不思議ですねえ。

 しかしながら、本書は、私のご贔屓の監督さん、例えば岡本喜八監督の「戦国野郎」「大菩薩峠」「斬る」、映画原理主義者として中抜きなど決してしない演出姿勢を貫き、過去に独立プロダクションを倒産に追い込んだ実績(三船プロも大変だったらしい)のある巨匠小林正樹監督の「上意討ち」、フジテレビとの提携で鳴り物入りの五社英雄作品「御用金」などの詳しい作品紹介があって、実に楽しい読み物になっています。

 そして、最後は、前述したとおり、「飢餓海峡」の上映時間問題で東映を退社した時代劇の巨匠内田吐夢監督が、自身の代表作中村錦之助版宮本武蔵5部作の番外編「真剣勝負」を、巨匠小林正樹監督が俳優座と提携して「いのち・ぼうにふろう」を東宝で公開して時代劇大作が終焉したと結んでいます。実際、この2作品はリアルタイムで観ていましたが、あんまり面白くはありませんでした。特に「いのち・ぼうにふろう」は、「切腹」や「上意討ち」の小林正樹監督作品でモノクロの映像や主演の仲代達矢のニヒルさが実にカッコ良かった(お気入りのキャラクター)ものの、勝新太郎のゲスト出演という期待があまりに大きかったせいか、活劇としては拍子抜けでした。カツシンも他社にせっかく出演したらなら暴れてほしかった(笑)。

 以上、いろいろ不満も書きましたが、総じて実に楽しい書籍でした。通常あまり話題にされない作品についても丁寧な解説がなされているほか、「柳生武芸帖」で”何故、鶴田浩二が三船敏郎よりタイトル順が先なのか?”の理由が判明するなど、面白い裏話も散りばめられており、大変満足しています。時代劇映画に興味のある方は是非ご覧ください。お勧めの一冊です。
 なお、このブログでは、黒澤明作品について、特にこの時期の黒澤時代劇はアクション活劇の頂点と言ってよい程の作品ばかりですが、あえて記述を割愛しておりますので、よろしくご理解お願いします。黒澤時代劇を未見の若い方は是非ご覧ください。必見ですゾ。

2023年2月28日 (火)

アメリカ映画に見る黒人ステレオタイプ

 今更ながらですが、アマゾン通販では、地方の大学関係者の出版物も入手できるので便利です。「アメリカ映画に見る黒人ステレオタイプ」も、富山大学出版会が発行した富山大学の人文学教授の著作でした。アメリカの黒人差別のルーツなどを映画の中から検証しているのですが、取り上げた作品が面白そうなので、ポチっと買ってしまいました。なにしろ、著者が現役の大学教授なので安心して読ませてもらいました。最近の大学ではこういった視点からの授業もあるようで、羨ましい限りです。

51gogfc6il_sy344_bo1204203200_  さて、この本によると、白人から見た黒人のタイプには、①トム、②マミー、③クーン等、④ムラトー、⑤バックの類型があるそうです。例えば、①のトムというのは、言うまでもなくアメリカ文学の名作「アンクルトムの小屋」の現状に満足している人の良いトムじいさんのことであり、「招かれざる客」の名優シドニー・ポワチエには黒人側からすれば現在の”トム”という見方があったのは有名なお話です。
 ②のマミーは、「風とともに去りぬ」に登場する太った乳母が有名で、自分の子供より主人の子を優先するという、いずれも白人に都合の良い存在だそうです。
 ③のクーン等とは、SFファンタジー映画「フィフスエレメント」に出てくる奇抜な衣装を着て口先だけの無責任なタレントのような、おバカキャラだそうです。つまり白人が優越感をもつことのできるタイプなのです。
 そして、④のムラトーがより悲惨な立場なのですが、奴隷制度の中の混血児で、白人男性を性的に誘惑する悪い黒人女のことだそうです。陵辱した白人男は悪くなくて誘惑した黒人女が悪いという身勝手な理屈です。黒人で初めてアカデミー主演女優賞を獲ったハル・ベリーの演技に批判があるのは、まさにこの”ムラトー”そのものというわけなのです。
 最後の⑤バックというのは、身体的にも性的にも白人男性を圧倒する黒人男性なのですが、映画ではラストに身を亡ぼすというパターンだそうです。もっとも一時期はブラック・ヒーロー映画のブームもありましたが、すぐに消えました・・・。

 こうした黒人のステレオタイプは、南北戦争後、奴隷解放を行った直後から、黒人に復讐されるかもしれないという白人側の恐怖、妄想から、映画「国民の創生」で生まれ、白人が黒塗りで演じたおバカキャラが登場するテレビ番組を通じて、アメリカ社会に静かに深く浸透していったといいます。
 その例として、挙げるのが「スター・ウォ-ズ」なのですから、少し笑いました。第1作(3部)では、猿人のチューバッカがトムであり、第4作(1部)のおバカキャラのジャージャーなんとかのカエル男がまさにクーンだというのです。多分ジョージ・ルーカスは無意識にそうしたキャラを使ったのだろう(もっともこのキャラは不人気で安心してください。)といい、無残に殺される宇宙人を演じるのは総じて黒人系俳優で、白人俳優役は実際の死ぬシーンを映すことは少ないというのも、ハリウッドSF映画の常識だそうです。ホントかどうか、興味にある方は是非お確かめください。

 それにしても、この本を読むとアメリカ社会の黒人差別は本当に酷いものと改めて感じます。しかも、奴隷解放直後から、黒人差別を助長するプロパガンダが行われ、隔離政策は無くなっても、依然として現在も差別は続いているのです。昔の映画では遠い未来の筈だった黒人大統領が出現(起こることのない未来という裏設定)しても現実社会はまだまだです。突然黒人というだけで殺されるかもしれないアメリカ社会は怖いですねえ。

 ところで、以前から私の疑問だった「ブラックパンサー」への高い評価は、どうやら原作漫画にあった伝統的なトムやマミー、クーンなどのイメージを覆したキャラクターの設定だったようです。そりゃ、差別の実態も知らないぬるま湯社会の日本人にはわかりませんわねえ。もっとも、青人種の「アバター」への高い評価はやっぱりよく分かりません。根底には有色人差別、白人の傲慢さがにじみ出ているのように感じるのですが、気のせいですか?
 ちなみに、直近の「スターウォーズ」では、主役級の黒人を特殊メイクなしで登場させたりしましたが、全然面白くなかった・・・これはまた別の話ですねえ(笑)。まあ、ポリコレ的人種平等主義は勘弁してほしい。なによりその物語性からキャスティングをしてほしいものです。

 

2023年2月10日 (金)

アメリカ流転の1950ー2010s

 祥伝社発売の単行本「アメリカ流転の1950ー2010s」は、アメリカの世相を当時公開された映画の視点から”ばっさり”と切り取った、実に面白い読み物でした。内容は、7章に分かれており、理想の50s、闘争の60s、幻想の70s、葛藤の80s、喪失の90s、不信の2000s、分断の10sと区切り、それぞれ「赤い河」、「ローマの休日」、「アラバマ物語」、「スター・ウォーズ」、「愛と青春の旅だち」、「ミッション・インポッシブル」、「ブラックホーク・ダウン」、「アメリカン・スナイパー」など、誰でも知っているような作品、しかも単なる娯楽映画のような作品まで含めて、その当時の社会情勢や大衆の心理を”ざっくり”と説明しています。

51byfbfmdl_sy291_bo1204203200_ql40_ml2_  この本で取り上げた作品は、いずれも大ヒットした映画であり、それは同時に当時の社会を反映し、大衆の心をつかんだ作品ということが言え、それゆえに、その作品から時代が求めたものが良くわかるという論法です。まあ、単なるSF活劇などは、少し深読みすぎではないか、という気も若干しますが、とにかくアメリカ史のやたら通俗的な読み物としてはなんとも面白いのです。特に、何故、その作品がアメリカでヒットしたのか、その背景をわかりやすく説明してくれるのが興味深いですねえ。赤狩り、黒人差別、銃社会などアメリカという巨大な国の複雑さと影の深さには、能天気な日本人にはどうにもついていけない気がします。
 丁度、同時期に読んだ「キリスト教で読み解く世界の映画」で、欧米の映画作品、いや、欧米人の考え方や常識の中に溶け込んだ宗教の影響なども知らないことだらけでしたので、改めて我が国のガラパゴス化にある種の幸せを感じました(笑)。それにしても、幼い頃憧れだった”アメリカ”の実態には改めて”隣の芝生”という現実の悲哀を感じざるを得ませんでしたねえ。悲しいことです。

51vtk1jlm8l_sy291_bo1204203200_ql40_ml2_  是非、未読の方はご一読をお勧めしたいと思ったのですが、実は、この本はNHKが以前BSで放送した「世界サブカルチャー史 欲望の系譜」のアメリカ編を書籍化したものだそうです。最近、テレビをほとんど観ていないので、全く知りませんでした。いやあ残念です。現在は、その”フランス編”を放映中だそうです。それも先日見逃しました。夜11時のBS放送はついつい忘れるのです(笑)。
 当然、映画のお話には映像がある方が絶対面白くなるので、機会があればそちらを観ることをお勧めします。なんだかんだ言っても、やっぱり映画は映像あってのお話ですよね。私も頑張ってNHKのオリジナル放送を見ることにしましょう。

2023年1月27日 (金)

社長たちの映画史

 戦前から黄金期、そして5社体制の崩壊までの日本映画会社の盛衰史を経営者の視点から描いたノンフィクション「社長たちの映画史」は、最近では出色の読み物でした。とにかく、個性豊かな社長たちの仁義なき戦いが面白いのです。著者は「プロ野球「経営」全史」でも日本の経営者を描いており、綿密な資料に基づいての記述には定評があるようです。

51lmjnxggul_sx344_bo1204203200_  この本には、ラッパで有名な大映のワンマン社長や「妾を女優にした」発言で物議をかもした新東宝の社長らも居ますが、日活も、東映も、そして東宝までもなかなかエグイのです。映画には全く興味がないが、社長になりたかった男、世界的な監督やスターにプロダクションを作らせて、自らはリスクを掛けずに利益を確保したプロデューサーなど、経営者としては立派かもしれませんが、映画ファンとしては情けない限りです。

 ちなみに、黒澤明の有名な逸話で”隠し砦の三悪人があと10日で終わるところ、お天気待ちで100日延びた”件では、製作責任者は会社に進退伺を提出したそうですので、そりゃあ対策(嫌がらせ?)を取るのもわかります。でも、おかげで映画を作る環境は劣悪化してしまい日本映画自体が衰退化した原因となったともいえます。
 いま絶頂の日本アニメも制作環境は酷いと聞きます。日本映画界は目先の利益ばかりでまた同じことを繰り返しているのかもしれません。お気楽な一映画ファンでもやっぱり心配になります。こうしたは背景には親会社の意向が多分にあったようですが、やっぱり企業経営は非情で厳しいものなのですねえ。

 様々なエピソードの中でも、映画が好きで的外れな金をかけすぎて最後は破産した大映社長のエピソードがやっぱり面白い。振り出しは、撮影所の庶務係で、視察に来た男爵に気に入られ、出世を果たしていく姿はまさに”今太閤”。用意周到な独立騒動、長谷川一夫斬りつけ事件にもかかわる黒い疑惑、GHQとのしたたかな交渉など、権謀術策、口八丁、手八丁のやり手だったことは間違いないのですが、5社協定を守るための俳優達への無慈悲な対応などは今ではとうてい許されるものではないと思いますが、いかがでしょうか。まあ、そんな時代だったのかもしれませんが・・。

 もっとも、彼だけでなく、他の社長も似たような状況であり、著者は”社長にとって俳優は河原こじきの延長ぐらいの認識”と喝破しています。干された俳優たちの悔しさはいかばかりか想像もつきません。当時はパワハラ、セクハラ当たり前の時代だったとしても、酷い話です。もっとも、今も芸能界では芸能事務所などは似たようなものなのかもしれません。忖度のマスコミでは表に出ないだけかな?
 ちなみに、「妾を女優にした」発言の真相は、抜擢した主演女優さんに岡惚れした社長が愛人にすべく迫ったものの、件の女優さんは頑として拒んだために、外堀から埋めようと社長がマスコミにデマを流した結果と言うのですから、昔のパワハラは凄まじいですねえ。幸い彼女は操を守り通してその後幸せな結婚をしたそうですから立派です。尊敬します。

 このように日本の映画会社の経営の歴史は、俳優や監督を食い物にして確立されたというような気までします。もっともハリウッドにしても、「黒澤明の弁護士」によるとアチラの大物プロデューサーも相当悪らつなようです。また、最近では、女優に対する”セクハラ”というレベルを超える性犯罪の常習者というトップの行状も暴かれましたので、まあ、洋の東西を問わず五十歩百歩かもしれません(笑)。

 最後に、帯の宣伝文句を再掲します。「乗っ取り、引き抜き、分裂、独立。映画を見るより面白い。スクリーン外の壮絶バトル」という帯は内容を実に的確に表現しています。映画の裏面史に興味のある方には是非ご一読ください。

2022年10月22日 (土)

ジュラシック・パーク トリロジー完全版メイキング

71sengzttl  映画「ジュラシック・パーク」3本のメイキングが「ジュラシック・パーク トリロジー完全メイキング」として出版・発売されています。サイズは、24.5cm×2.8cm×28.6cmもあってかなり大きく分厚い本です。もちろん、この本は翻訳物で新作映画「ジュラシック・ワールド」の公開に合わせて、発売されたものです。

 ただ、内容としては、大きな写真が楽しいのですが、記事自体は既に知っているようなもので、すこしガッカリですねえ。というのは、ディズニープラスの動画配信に「ILM」というタイトルのドキュメンタリーがあって、これがめっぽう面白かったのです。ご存知の通り、ジョージ・ルーカスがスターウォーズの製作のために立ち上げた特殊撮影会社の物語なのですが、その中で、この「ジュラシック・パーク」のCG恐竜開発のエピソードが出て来ます。こっそり開発した若手二人の登場など、当時の記録映像というのは実に生々しいですねえ。この動画のお話はまた別の機会に取り上げたいと思いますが、一言だけ、”ジョージ・ルーカスは偉大な映画製作者だったということを初めて実感しました。いやあ、演出の上手い下手など関係ありませんゾ。その先見性と行動力は凄いの一言です。

 話をもとに戻して、映画公開に合わせて関連本やグッズが発売されるのは、実にうれしいことです。近々、新作トリロジーメイキング本も出版が予定されていますし、海外では「ジュラシック・パーク」の正式な版権を持つティラノサウルスの模型も発売されています。
 この模型はサイズが鼻先から曲がった尾の先までが31cm程度のディスクトップ・モデルですが、その造型が実に良く出来ています。最近人気の「プライム1」製の廉価モデル(高価なものは実物を知りませんので・・)よりは出来が良いのです。製作は中国メーカーのようですが、なかなか侮れません。アップなんぞは歯がむきだした”ごつい”顔面は、映画の忠実な再現になっています。ちなみに、最近ネットで”水中に住むワニでもないのに、唇がなければ涎が出過ぎて死んでしまう筈”という批判や薀蓄(?)をよく見かけます。まあ、かっこ良ければ、いいんじゃないか、と思うのですが、いかがでしょうか(笑)。では、入手したモデルをご覧ください。台座にしっかり版権マークが付いています。

20221022_1050211 20221022_1051041 20221022_1052191

 

 

2022年2月13日 (日)

80’映画大解剖

 「80’映画大解剖」という1980年代の映画を特集した雑誌が発売されました。サンエイムックの”映画大解剖シリーズ”の第5弾だそうです。でも、何故今頃80年代の作品を取り上げるのかな、とも思ったのですが、掲載された作品を観て納得です。
 「ゴーストバスターズ(84)」、「レイダース/失われたアーク(81)」、「インディジョーンズ/魔宮の伝説(84)」、「同左/最後の聖戦(89)」「トップ・ガン(86)」などの特集コーナーが並んでいます。そう、いずれもいま新たな続編が公開、あるいは製作されているものなのです。まあ、この本は完全な新作映画の宣伝の一環でしたねえ。見事に映画会社の戦術にハマってしまいました(笑)。

Img_20220212_00013  ただ、80年代の映画を考えてみると、この雑誌でも書かれているように、70年代に崩壊した50~60年代の娯楽映画黄金時代のスタイルを取り戻した時代だったというのも納得です。前述の作品のほか「バック・トゥ・ザ・フューチャー(85)」、「ランボー/怒りの脱出(85)」「ベストキッド(85)」「マッドマックス2(81)」「ビバリヒルズコップ2(87)」「ダイ・ハード(88)」、「ブレードランナー(82)」、「ターミネーター(84)」、「エイリアン2(86)」、「ロボコップ(87)」、「バットマン(89)」、「メジャーリーグ(89)」など、いずれも後年シリーズ化や続編が生まれ、いまでも評価の高い娯楽作品です。映画の楽しさ、面白さを堪能できる作品ばかりで、私のお気に入りの映画でもあります。

 ちなみに、80年代の映画を一言で言うと「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のセリフにあります。過去にタイムスリップして「大統領は誰か」と聞かれて「ロナルド・レーガン」と答えると「副大統領はジェリー・ルイスか」と返されるギャグがありますが、まさにそういう”強いアメリカ”を求める時代でした。なお、同作品の続編には不動産王トランプらしき人も登場しますので、この映画はなかなかあなどれません。いや、これは余談でした。

 このように社会変化に合わせて映画史をひも解く書籍というのはよくあるのですが、今回改めてムック仕様のビジュアル雑誌で眺めてみると予想以上に面白かったなあ。
 ただ、せっかく何頁にもわたってインディー・ジョーンズ作品をマニアックに解説するならせめて「魔宮の伝説」に登場する虫の名前(ユーレイヒレアシナナフシ)を紹介してほしかった(笑)。それにつけても、製作中と言われるインディー・ジョーンズの新作は期待できるのかなあ。あの2008年公開の4作目は、原爆冷蔵庫なんかのエピソードなどもあってか、もう蛇足としか言えない出来でした。いやあ心配です。でもまあ、騙されついでに、まずは手始めとして公開中の「ゴーストバスターズ」の正式な続編というふれ込みの新作を見に行きましょうか。

 

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

2024年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30