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2017年11月 7日 (火)

ブレードランナー究極読本

 映画「ブレードランナー 2049」の公開に合わせて、映画秘宝の別冊として、ブレードランナー特集本が発売されています。

61zej4zgr1l_sx349_bo1204203200_  実は、この本をアマゾンで予約注文していたのですが、「一時的に在庫切れ、入荷時期未定」という扱いとなってしまい、ほとんど入手を断念していました。
 ところが、地元の某レンタル大型書店には、多数平積みされていました。・・・こんなこともあるのですねえ、最近は、アマゾンと再販流通サイドが対立しているとの噂もありますが。そんなことが関係しているのでしょうかねえ。驚きです。     

 まあ、それはともかく、本を手に取って、その内容にも驚愕です。元々マニア向けとは思っていましたが、ここまでのオタクぶりには脱帽します。

 なにしろ、冒頭の特集から意表をつきます。
 なんと、ブラスター(ブレードランナーの所持する大型銃)のモデルガンの種類とその歴史が20ページにわたり掲載されているのです。留之助商店のモデルらしいですが、見ていると楽しくなりますが、値段を見て絶句です(笑)。高けえ。

 次は、当然、スピナー(空飛ぶ車)の解説です。撮影に使われた後の使い回しの行方まで記載されています。
 そのほか、ポスター、サントラ、年表などは当たり前。予想した通り、映画版のバージョン違いのレポートまであります。極めつけは、好きな編集ができるようなカット一覧表まであります。お好きなように順番を変えてはどうか、というお薦めコーナーだそうです。何を考えているのだ(笑)。

 最後は、トリビアとして、誠に超マニアックな記事を網羅しています。例えば、レイチェル役のショーン・ヤングは、一時期お騒がせ女優と言われたものですが、今では穏やかに暮らしているという報告には、涙、涙です。

 私も、オリジナルには愛着がありますが、こういう記事の作者達を知ると、世の中には、とんでもないレベルの人種が多数存在していることに驚きます。
 つまるところ、自分の中途半端さを思い知らされますし、正直、もう腹一杯になって、もはや記事を読む気も失せてしまいました(笑)。

 それにしても、こうしたオタクたちを生み出した映画「ブレードランナー」の偉大さを改めて思い知らされました。ブレラン、万歳。

2017年10月 9日 (月)

あなたの知らない「レトロ特撮」の素晴らしき世界

  映画の素晴らしい世界をマニアックに紹介する雑誌社「洋泉社」から、「あなたの知らない『レトロ特撮』の素晴らしき世界」という単行本が出版されました。
 この本は、今までありそうでなかった、ハリウッド映画のCG以前の特殊撮影が有名な作品を極めて主観的に紹介したものです。
 日本の場合、特撮の神様である円谷英二が非常に有名ですが、アチラの映画と言えば、モデルアニメーターの神様レイ・ハリーハウゼンや特殊メイクアップの巨匠ジャック・P・ピアース以外は、ほとんど知りません。
 
51cfollsoll_sx340_bo1204203200_  言われてみれば、十戒、ベンハーなどの歴史大作をはじめ、ヒッチコックの意表をつくショット、爆発や破壊の戦争映画など、ハリウッド映画全般にわたって数々のミニチュアや合成を使った名場面がありました。
 
 もっとも、特殊撮影として見破られたらおしまいというのですから、やっぱり、特撮と気が付かなかったという方が、名匠たる名匠の所以なのでしょうか。
 
  私の洋画初体験「バルジ大作戦」は、本物の戦車を使った堂々たる大作なのですが、ミニチュア戦車も多数使われているそうです。信じられません。何処の場面かな?、見直してなんとしても見破りましょう(笑)。
 
 さて、著者が、ハリウッドの特撮の第一人者として名前を挙げるのが、ジョン・P・フルトンという人です。古くは、「フランケンシュタインの花嫁」や「透明人間」であり、そのガラス越しの合成など、いまだに当時どんな技術をつかったのか、わからないという伝説の持ち主です。そして、紅海の海が二つに割れるシーンやベンハーの大海戦なども担当したといいます。
 
 私自身、もともとSFやファンタジー映画の特殊撮影には大変興味があるのですが、普通の映画に使われた特撮シーンには、あまり気にもしてませんでした。
 この本の著者に脱帽です。よくぞ、ここまで調べたと感心しました。
 とりわけ、爆発フェチというのでしょうか、様々な作品の爆発シーン、破壊シーンを丹念に分析、批評していることには参りました。世の中には、こんな人がいるのだと改めて感動です。
 
 さて、このように、この本では、著者の個人的な趣味を基に、ハリウッド古典を中心にかなりの数の作品を紹介しており、少し過大評価かなという部分もあるのですが、いまだ未見の作品も多くあって今後の再発見を期待するところです。
 最近は、この手の作品も結構DVDで新発売になりますので、楽しみも増えます。いやあ、有難いことです。
 こんな贅沢な無駄が許される幸せで平和な世の中がもう少し続きましようにお祈りしましょう(笑)。

2017年10月 6日 (金)

ローラン・バレスタ写真集「ゴンベッサ」

 「ゴンベッサ」というのは、ご存知、生きている化石シーラカンスの地元での呼び名です。その名を冠した写真集は、まさしく、シーラカンスを、海洋生物学者で水中写真家であるローラン・バレスタ氏が海中120mまでダイビングし、その遊泳する姿の撮影に成功した成果なのです。
 
Img_2151_3   この本の存在を知ったのは、先般ご紹介(2017.5.5ブログ)しましたが、究極のシーラカンス模型のメーカーのブログで、「おすすめの逸品」というオーナーからのご紹介なのです。ということで、シーラカンス・ファンとしては、一度、是非見てみたいと思っていました。
 
 そうしたなかで、今回、この写真集がヤフーオークションに出品され、もちろん、人気の高いシーラカンス関連ですから、激しい競争が繰り広げられ・・・・、いや、思い出したくもありません(笑)。・・ともかく、念願かなって、いま、我が家に届きました。
 
Img_2155   本のサイズは、31cm×31cmで、239頁もある大型本です。その主役は、言うまでもなく、遊泳するシーラカンスの勇姿ですが、そのほかにも、マダガスカルの荒々しくも美しい大地の風景やその他の生物の姿も脇役として掲載されています。もちろん、洋書ですので、私は写真を眺めるだけですが、まさに至福の時です(笑)。
 それにしても、はく製の姿とは全く違う、何人ものカメラマンたち(撮影チーム)に囲まれ、堂々とポーズをとるような姿やアップで切り取られた鱗や鰭の無骨さには驚かされます。お見事です。
 
 余談ですが、メイキングの撮影チームの大らかで茶目っ気たっぷりな行動も笑えます。いかにも、海の男達という感じです。是非、一度ご覧ください。
 
Img_2147  さて、この貴重な本は、アクリルケースで陳列したシーラカンスの模型の横にセットで置くことにしました。結局、このコーナーがお気に入りの図鑑置き場になりました。
 ちなみに、その左側には、ブリアンの「前世紀の生物」が見えます。・・・興味のない方には全くお呼びでないネ。失礼しました(笑)。(ちなみに、NHKの「植木等とのぼせもん」、結構はまっています。)
 

2017年6月17日 (土)

映画評論・入門

 映画評論とは何か、そもそもわけのわからない映画評論家という定義や役割について鋭く切り込んだ「映画評論・入門」という書籍が洋泉社から出版されました。著者は、ペンネームがいかにも映画秘宝人脈とも思えるモルモット吉田氏です。
51yya6x9yl_sx325_bo1204203200_  内容は、感想、評論、批評、レビューの違い、映画評論家と映画ライター、そして懐かしのテレビ映画解説者の実態などを詳しく、実名を挙げながら解説しています。今は亡き淀川長治氏(別格らしい)などはなんとも懐かしい限りです。

それに、SF映画を差別しなかった双葉十三郎氏を取り上げてくれたのはうれしい限りです。

 しかし、この本の面白さは、そうした論議ではなく、過去に実際に起こった映画監督と映画評論家の争いや、映画封切り当時の映画批評を、実名を挙げて赤裸々にかつ克明に記しているところです。
 
 有名な映画評論家たちがいかにその当時に的外れな批評をしていたか、いかに大新聞の記事が大衆のミスリードをおこなったか、そして、映画評論家と称する人たちがいかに政治や権力に弱いか、いやはやあきれるばかりのエピソードが載せられています。
 
 例えば、有名な市川崑の「東京オリンピック」の話です。当時のオリンピック担当大臣の鶴の一声で大変なバッシングに会うのですが、それを救うきっかけとなったのが、並居る映画評論家たちではなく、女優高峰秀子の新聞への寄稿だったそうです。いやあ、立派です。
 そして 北野武VS映画評論家、ロマンポルノと長老映画評論家などは、いかに映画作家たちが映画批評に不信を持っていたかがわかるような気がします。
 
 なにしろ、あの黒澤明の足を引っ張り続けたのが、我が国の映画評論家やマスコミたち、というのはよく聞いたお話です。結局、海外の評価が逆輸入されるまではバッシングですか(笑)?
 どうやら、我が国の場合、評論という基本ができていない。誰でも肩書を名乗れる、書ける気がする、あるいは書いてきた結果なのでしょうねえ。
 といっても、いまやネット社会で誰でも発信できる時代です。かく言う私も、映画を見るたびに、好きか嫌いか、感想を述べています。・・・いや、これは申し訳ない(笑)。
 
 さらに、この本では、「七人の侍」、「ゴジラ」、「2001年宇宙の旅」、「犬神家の一族」などのリアルタイム映画批評として、公開当時の実名入り批評を列挙しています。
 これが圧巻です。まあ、いったい、有名な評論家たちがどんな目をしていたのか驚きます。加えて、キネマ旬報などのベストテンの弊害(これは今でも同じですねえ。一般人が知らない作品ばかり・・。)にも触れています。
 有名なエピソードが、当時第3位の「七人の侍」でしょう。ハリウッドの西部劇と比較してまあまあの迫力(世界第一級の活劇ですゾ)だとか、人間が描かれていないだとか、もう絶句です。あげくは、自衛隊の発足にかけて左派よりの思想的攻撃です。あきれてものが言えません。こうした政治的批判は、最初の黒澤明本格評論書でも続きます。なにか、巨匠に難癖をつけなければ批評でないというような気までします。
 
 もっとも、わが国初の怪獣映画「ゴジラ」については、お歴々の気持ちもわかる気もしますが、円谷英二の特撮は褒める一方、本多猪四郎監督のドラマ部分はクソみそです。
 しかし、いまや、海外の映画作家たちからは、エンドマークに「本多猪四郎監督に捧ぐ」という賛辞まで受けているように、また、わが国でもその評価は一変しています。本多監督、長い間お疲れさまでした。
 一方で、この著書は、いまの「シン・ゴジラ」の総褒め殺しにも懸念を示しています。慧眼でしょう。
 いろいろな見方はあっても、それが自由に発言できて、尊重される風土や文化が大事と思いますねえ。どうも、我が国の多様性の無さというか、同一化したがる傾向はイケませんね。世の中、再び、物が言えなくなる時代が来ているのでしょうかねえ。
 
 さて、次は、ブロガー出身の方の映画評論を読んで観ましょう。「何故、アメコミはヒットするのか」など宣伝文句を読む限り面白そうです(笑)。

2017年6月11日 (日)

ヒッチコック/トリュフォー

  現在ではサスペンスの巨匠と称されるアルフレッド・ヒッチコックは、かつてアメリカではそんなに評価されていなかったといいます。例えば、大スターのゲイリー・クーパーは、「海外特派員」への出演オファーを断ったといいますし、アカデミー賞にもとんと縁がありません。
 しかし、フランスのヌーヴェル・ヴァーグの映画作家たちが作家性、芸術性を高く賞賛(ちなみにハワード・ホークスも同じだったそう)したため、その評価がアメリカに逆輸入されたと聞いています。さすが、やっぱり、どこも芸術の国フランスには弱いねえ(笑)。
 こうした再評価の筆頭が、映画評論家から監督となったフランソワ・トリュフォーであり、そのトリュフォーの依頼で、かの名著「映画術 ヒッチコック/トリュフォー」が生まれたのです。   
51meepq2ryl_sx352_bo1204203200_  
 この本については、以前、このブログでも取り上げましたから多くは述べませんが、世界の映画作家たちの教科書となったともいわれていますし、一般人が読んでも映画作りの面白さ、裏技が楽しめます。
 まだ、CGはもちろん機材の少ない時代の創意工夫のなんと素晴らしいことか、ヒッチコックの才能に驚嘆します。
 
 例えば、「断崖」のコップに入った牛乳のサスペンスは、コップの中に豆電球を仕込んで光らせたとか、拳銃を持つ手のアップは、巨大な手の張りぼてを作ってカメラの手前に置いたとか、「サイコ」のシャワーは、カメラに水がかからないように穴がアッチ向いているとか、映画的効果を高めるための様々なアイディアは、創造力というものの無限の可能性を教えてくれます。
 
 また、そうしたテクニック以上に、映画とは何かをヒッチコックの考えを浮き彫りにして示してくれました。「たかが映画じゃないか。」の言葉はヒッチコックだから価値があるのです。
71abbh3qc1l_sl1434_  その名著のDVD化なのです。最初聞いたとき「何それ」とわが耳を疑ったのですが、実は、その本のための長いインタビューの音源、つまり録音が全部残っていたそうです。ヒッチコックとトリュフォーと通訳のおばさんの3人、そして時々記録写真のカメラマン。
 
 朝から晩まで何日もかけて撮影所の一室での全作品についてのロング・インタビューです。気難しさで有名なヒッチコックも、多分、自分の評価を高めてくれたトリュフォーだから、こんな申し出を受けたのでしょうし、トリュフォーも、映画を1本作るような準備をして臨んだそうです。
 
 その結果、歴史的な名著が誕生し、その後も二人は死ぬまで手紙で交流していたそうです。・・・良い話でないですか。
 
 さて、DVD120分の内容は、おもに、「サイコ」と「めまい」を中心に、映画のシーン映像を使った、こまかな分析にくわえ、マーティン・スコセッシなどの著名な映画監督のコメントが入ります。もう少し、他の作品にも時間を割けばいいのではとは思いましたが、まあ、いいでしょう。
 それにしても、「エイリアン3」以後、私とは相性のよくないデビッド・フィンチャー監督が誠にまともな素晴らしいコメントをしていたのは意外でした(笑)。(これは偏見ですねえ、反省します。)
 
 映画ファンには、本当に楽しいDVDでした。映画を愛する若い方々は、映画の古典に親しむこと、ヒッチコックを知る楽しみを是非、味わってください。

2017年6月10日 (土)

蜜蜂と遠雷

 久しぶりに単行本を買ってしまいました。
 その本とは、本屋大賞と直木賞をダブル受賞したとの宣伝文句で、本屋の店頭に平積みされていた恩田陸の「蜜蜂と遠雷」です。
 実は、恩田陸の小説は、演劇界の天才を描いた「チョコレートコスモス」以来のファンなのですが、いかんせん、その続編の「ダンデライオン」が未完のまま中断しているせいか、しばらく遠ざかっていました。
61o3yv2bfwl_sx340_bo1204203200_  しかし、今度の作品は、ピアノのコンクールで競い合う若き天才たちの物語というではありませんか。
 かつて、「チョコレートコスモス」は、連載中断中の漫画「ガラスの仮面」の渇きを癒し、演劇という世界の天才を描き、かつてない感動を与えてくれたことを考えれば、クラシック界を題材にした「のだめカンタービレ」や「四月は君の嘘」などの漫画がヒットしてます現在、これは、絶対、間違いなく面白いに違いないと確信し、「これ以上重い本を買うな!!家が傾く。」という妻の厳命をすっかり忘れて、冒頭の仕儀(単行本購入)に至った次第であります(笑)。
 
 あらすじは、ある世界的なピアノコンテストに参加した、3人の異なるタイプの天才のお話です。一人は、とんでもない自然児の少年、そして、王道を歩む王子様タイプの青年、そして、眠れる天才少女です。
 クラシック界の描写や天才たちの造形は素晴らしく、そして何より天才たちの名演奏の文章表現はまるで音楽やその世界が目の前に現出するかのような見事さです。ダブル受賞もさもありなん、と感動します。まさに、予想通り、恩田陸ワールドのエンターテイメントあふれる傑作なのです。
 詳しくは、ここでは申しません、是非小説をお読みください。
 結構ぶ厚いのですが、一気呵成に読めます。いやあ、面白かった。これほど夢中になったのも久しぶりです。
 是非、未読の方は、本をお買いになってお読みください。
 
 ということで、恩田先生、誠にありがとうございました。
 あと、願わくば「ダンデライオン」の続きをよろしくお願いします(笑)。

2017年1月22日 (日)

ハワード・ホークス映画読本

  私のお気に入りの映画監督の解説本「ハワード・ホークス映画読本」が出版されています。著書は、ホークス監督の信奉者と自認する映画評論家山田宏一氏です。
 
51aozgg8ncl_sx337_bo1204203200_  この有名な評論家は、ホークスの映画を定義し、「映画が映画であるだけですばらしい。」と喝破しています。
 誠に慧眼です。とかく、世間では純粋な娯楽映画を低く見る傾向があり、思想とか、メッセージとか、芸術性とか、そういったものが付加されていないとどうも評価されない風潮があります。我が国の権威ある「キネマ旬報」がその最たるものかな?なにしろ、毎年のベストテンは見たこともない映画ばかり並んでいます。
 
 しかし、本当はホークス映画のように、映画の醍醐味や面白さを純粋に楽しめばいいのです。この読本は長年私が抱いていた思いを代弁してくれました(謝、謝)。
 
 加えて、ホークスの映画の面白さについて、活劇と喜劇が絶妙に融合している凄さや登場する勝ち気なヒロインの造型に関して現代を先取りしたその秀逸さを軽妙な文章で浮き彫りにします。
 もっとも、この監督へのこうした評価は、1950年代にフランスのヌーヴェル・ヴァーグ派の映画監督たちが偉大な作家だと指摘した結果、本場アメリカに逆輸入されたことが有名であり、それまではアメリカでも単なる娯楽作品を作る職人監督と位置付けられていたようです。どこも、おフランスに弱いのかなあ。・・・我が国の三隅研次監督もそうです。もっと再評価をお願いします。
 
51rpcje17ml_sx331_bo1204203200_  それにしても、この本は今年が生誕120年に当たる記念出版ということですが、以前に分厚い伝記本を買った覚えがあります。やたら膨大な分量で高額な翻訳モノだったのですが、難解な和訳が読めずに放置しました(笑)。
 
 今回は、この本を読んで、久々に若いころの愛読書で、当ブログのタイトルの元ネタ「お楽しみはこれからだ」シリーズのわくわく感を思い出しました。もったい付けた難解な文学的な評価や政治論、楽屋ネタなどではなく、映画のシーンについて仲間内で面白さを語り合うような映画本がやっぱり楽しいものです。その意味で、この本は名著(笑)です。
 
 思えば、ホークスの映画は、西部劇の「リオ・ブラボー」、「エル・ドラド」、「赤い河」をはじめ、「ハタリ」、「ガンガ・ディン」、「ヨーク軍曹」の活劇、喜劇「赤ちゃん教育」、「ヒズ・ガール・フライデー」などがお気に入りですし、以前TVで観た「男性の好きなスポーツ」などはDVD化をかねてより切望しています。本当に120年記念なら一刻も早いDVD化を願います(笑)。
 
 しかし、巻末の作品リストを改めて眺めてみるとまだまだ未見の作品、正確に言うと観たことがあるもののDVDを収集していないものがたくさんあります。
 ということで、これからアマゾンで注文です。とりあえずは、廉価版「コンドル」「脱出」「紳士は金髪がお好き」・・・アレ!!「リオ・ロボ」が無いなあ。
 「ピラミッド」は少し値段が高い?
 
 そういえば、「ヒッチコック読本」についても、最近出版されています。同じく若いころ相当ヒッチコック映画に傾倒した時期もありました。
 今後の読書の楽しみが増えました。 
 
 

2016年11月21日 (月)

小山春夫版「甲賀忍法帖」、祝復刻!!

 長年待っていました幻の貸本漫画、小山春夫作の「甲賀忍法帖」がやっと復刻されました。学生時代、文庫で一大ブームとなった原作の山田風太郎の忍者小説を知って以来、幼い頃に観てファンとなった傑作「真田十勇士猿飛サスケ」の作者である漫画家の作品が実は風太郎忍法帖に描かれた異形の忍者が登場する漫画であることに気づき、その作者が描いた「甲賀忍法帖」の漫画化作品を何としても読みたかったのです。
_new_2  このオリジナルの貸本漫画は全3巻であり、これまでもオークションで頑張ったのですが、どうしても最後の1巻が入手できず、つまり、第1巻と第2巻は所有しているのですが、肝心な要のラストが不明であり、しかも、最も贔屓の敵役の不死身の忍者「薬師寺天膳」の悪役ぶりを堪能したかったのです。まあ、ヘビの生殺しですねえ。
 一方、山田風太郎の原作は、数年前?に、青年漫画「バジリスク」として再漫画化され、濃艶なエロチシズムとしつこいほどのバイオレンスで人気を博しました。
 この青年向け漫画では、薬師寺天膳についても、その色悪と不死身ぶりは丁寧に書いていますが、いかんせん不死身である理由がかなりシラケます。ここは、やはり原作者の山田風太郎の天才を真似るべきでした。いらぬ注釈は誠に余分、残念。
 こうした最新の作品と比べると、この小山春夫の作品は、時代も昭和30年代後半、しかも少年向けでありますから、当然原作のお色気部分は全部カット、しかも、わずか全3巻ですから、展開の早いこと、未見の第3巻部分も簡単に終りました。
 期待の薬師寺天膳もあっけなく首を斬られて死んでしまいます。正直、内容は、やや物足りませんでした・・。でも絵は上手いでしょう?
 
 しかし、良いのです。やっと本日、念願がかないました。しばらく休んでいました発行元の「アップルBOXクリエート」さん、本当にありがとうございます。こころから感謝します。
 できれば、あと小山春夫作「虹の剣士」や「かくれ忍者伊賀丸」の復刻もお願いします(笑)。

2016年9月11日 (日)

メイキング本

  最近、ハリウッド映画のメイキング本がかなりたくさん翻訳出版されています。主に、アメコミ関係が中心ですが、SFやアクション映画に関するものであり、タイトルは、メイキングオブ○○とか、アートオブ○○とか、中には、公開30周年などを記念したヒストリー&メイキングブックもあります。
 参考までに、昨年来、私が購入した本の表紙をご紹介します。
 Photo_3 Photo
Photo_2 Photo_4
 、Photo_5Photo_7 Photo_9 Photo_8  いずれも、大型本で、それなりに値段も立派ですが、こういう本がわが国でも日本語版で入手できるようになったのは誠にうれしい事です。
 あとは、もう少し、普通のジャンルの映画も彼の国では出版されておるようですので、SF以外の分野のメイキング本も翻訳願いたいところです。
 
  もう一点、出版元にお願いです。惜しむらくは、アートばかり、すなわち、検討デッサン画ばかり掲載した本があるのが困ります。
 こうした本は、ビニール袋で封印されているのが普通で中身が確認できないので、購入後、映画製作のメイキング部分が少ないと本当に情けなくなります。
 できれば、アートだけでないメイキングものを出版してほしいものです。  

四月は君の嘘

  月刊少年マガジンに連載されていた漫画「四月は君の嘘」が実写化され、昨日から劇場公開されています。
 実は、この漫画については、私何を隠そう、恥ずかしながら連載中から愛読しており、大ファンなのです。勿論、単行本全11巻は書架に収まっており、先日は、別巻も揃えたところです。
 
 物語は、四月のある日、母を失ってピアノが弾けなくなった中学生(高校生ではないのだ!)の天才ピアニストの前に、自由奔放で過激な美しい少女が現れ、友人の幼馴染たちとの交流を通じて、再び主人公をピアノ演奏に復帰させる物語です。
 
 この新川直司という漫画家の絵は、無茶で大げさな行動や笑いを生み出す場面では、いきなり二頭身のこけし(?)顔に変わるという、マンガならではのギャグ手法を大胆に活用します。
 もっとも、連載始めは、正直「何、コレ?」となかなか絵柄に馴染めませんでしたし、登場人物のセリフとコマの位置の関連に戸惑うことがありました。
 しかし慣れてみると、単純な線で描いたまっとうな絵とのギャグ表現のギャップにはなかなか味がありますし、主人公の少年によるピアノの演奏のシリアスな場面などは、奏でるメロディーまでが画で見えるようで感嘆しました。
 そういえば、「のだめカンタービレ」でも、音のない漫画表現の無限の可能性を知らされましたねえ。…大げさか(笑)。
 
_0001_new  そして、この漫画のカナメは、主人公が初めて恋をするバイオリニストである同窓生の宮園かおりの秘せられた設定なのです。 
 カラフルに輝いてる彼女(コミック最終巻の表紙をご覧あれ。)にはある秘密があったのです。が、それは漫画ならではのものでしょう。とてもリアルな演出が前提の実写化には向いていないと思います。
 
 ちなみに、この作品は、既に、昨年アニメ化されています。大変繊細で美しい、淡い色調の風景や音楽の演出で、原作の雰囲気をなかなか上手に映像化しており、感心しました。演出者の手腕が見事です。しかし、それもやはり二次元の絵の中だから可能だったと思います。
 
 実写映画はもう既に公開中ですから、実写化反対と言ってもセンないのですが、原作の宮園かおりを、今人気絶頂の広瀬すずであっても、生身の女優が演じるのは演出上酷でしょう。ストーリーの設定上、誰が演じても実写にはなじみません。
 ・・・ということで、多分私は劇場には足を運ばないつもりです。ステージでバイオリンを弾く姿勢の良い姿、足蹴りを繰り出すギャグ調の姿、そして・・などなど、原作のイメージを壊されたくありません。・・なんでもかんでも映画化すればいいというものでもないだろう・・てか。
 
 最後に、この「四月は君の嘘」という題名について、連載中から意味がわからんと思っていたのですが、最後の最後でそのオチが判明します。
 ・・・結果が分かれば、なかなかしゃれたタイトルです。ネタバレはいたしませんので、是非、漫画を11巻を最後までお読みください(笑)。
 
 そういえば、作者の新川直司の最新作「さようなら私のクラマー」も、少女サッカーのお話ですが、今はまだタイトルに秘められた意味が分かりません。どうせ全巻終わるころにわかるのでしょう。楽しみです。
 ・・・実は、この漫画も、やっと最近登場人物の顔の区別(ギャグ顔や同じ髪形で主人公がよくわからん・・・)ができるようになりました。そのためか、あの伝説の「スラムダンク」を彷彿させる雰囲気も感じられ出し、俄然面白くなってきています。
 ・・これは、また別のお話です(笑)。

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