映画パンフ大百科
私は、子供の頃から怪獣映画などの映画パンフレットを買うのが楽しみでした。特に、洋画「特攻大作戦」のパンフレットで「黒澤明」の名前を知ったこともあって、いまに至るまで気に入った映画のパンフレットは鑑賞後に購入しているのですが、配給会社の事情なのか、どうも最近、様子がおかしいのです。洋画ではパンフレットを製作していない作品があることや邦画の大作でも封切り後すぐに売り切れてしまっているのです。以前このブログで書いたとおり、しかたなくメルカリなどで中古品をゲットしています。正規の通販ショップはとにかく遅いのです。
正直、スタッフやキャストなどの作品情報は、ネット検索ですぐにわかる時代ですので、パンフレットを買うファンが少なくなっているのかなあ、とあきらめています。まあ、値段が鑑賞料金並みに、高くなっているのも要因でしょうし、最近のパンフレットは、出演者の写真ばかりで内容があんまりありません。俳優のインタビューより、撮影裏話(表現が古い?)を載せてほしいものです。このネット時代では、映画パンフもオワコン化しているのかと、時代の流れの悲哀を漠然と感じていました。
そんなときに、「映画パンフ大百科」という本が出版されました。私の知る限り、映画パンフレット(以下、映画パンフという。)について書かれた書籍は記憶にありません。世界初かもしれません(笑)。
とにかく、無料の宣伝媒体のチラシやポスターなどは分野ごとや海外版のコレクションを集めた出版物が多くあるのに、なぜか映画パンフにはそうしたものが全くなかったのです。”どうせ日陰の趣味よ”とひがんでいた私にとっては、狂喜乱舞の出版物です。6月にはアマゾンで発売予定を確認してすぐに予約注文をして、やっと7月24日に自宅に送付されました。いやあ、待ちかねましたゾ(笑)。
さて、その期待の書籍なのですが、内容は思った以上に盛りだくさんで、いろいろな気づきをいただきました。
まず、一番面白かったのが、映画パンフというのは、わが国独自のものであり、海外にはほぼ皆無ということでした。そりゃ、海外コレクションはないわねえ。映画パンフのコレクター歴は長いのに全然知りませんでした。ご丁寧に、映画関係従事者の外国人さんたちの座談会も掲載しています。映画パンフという日本の”ガラパコス世界”が今、逆に注目されているということでしたが、これは本当かな(笑)。
そして、わが国の映画パンフの戦前からの歴史が面白かった。戦後の50年代から60年代のパンフレットが懐かしい。まあ、映画パンフの購入の動機である、作品を共有したい、作品情報を知りたいという基本的なものでしたからねえ。淀川長治や荻昌弘などの名だたる映画愛好家が寄稿していました。
しかしながら、時代が変わって、製作・印刷方法が活版印刷から、パソコン上で作成・編集し印刷データまでできるDTPが登場したことにより、一変したといいます。一人の優れたデザイナーや編集者がすべての工程を管理し、オンデマンド印刷が可能となったことに加え、丁度、作家性の強いミニシアターの発達もあって、映画パンフは、その意味合いを”お土産”や”アート化”へ進化(?)したそうです。
それは、筆者グループが、本の冒頭に掲げた”このパンフがすごい”コーナーに選ばれた映画パンフを観れば一目瞭然です。もはや本の形式をしていないタイプライター型の表紙、本物の包帯を巻いた冊子、レコード盤のような形状とか、ビジュアル的に奇抜なものばかりです。私的には、内容はともかく、買ってもどうやって保存するのか、首をひねるばかりです(笑)。
なお、筆者たちのコレクションルームの写真が掲載されてますが、もう書棚ではありませんでした。完全な”映画グッズ”保管ケースですねえ。うらやましいなあ(笑)。
まあ、この本で紹介されている、パンフレットを実際に製作するデザイナーや編集者達は、皆、若く、センスもあって立派な仕事をされているとおもうのですが、あんまり安易な外注ばかりだとそうでないパンフもできるのではないかと心配になります。コストを抑えて、安きに流れやすいのが、人間の性ですから、特に、大手の洋画配給会社さんは寄稿者の選定や内容には十分気を付けておいてほしいものです。そうでないと、映画パンフの未来はそれほど明るいものではないかもしれませんぞ。最近のビジュアルばかりの映画パンフに怒り心頭の昔ながらのコレクターの独り言でした(笑)。
















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