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2017年9月17日 (日)

エイリアン コヴェナント

 名匠リドリー・スコット監督はどうしたんだろうと、思わず考え込んでしまいました。エイリアンシリーズの最新作「エイリアン コヴェナント」を観ての感想です。
 
_new  新たなシリーズとして「エイリアン プロメテウス」から始まった3部作の第2作目です。前回から続きの物語で、第1作に登場した、いわくありげなアンドロイドも出ますが、まったく新味がありません。
 
 出ることがわかっている幽霊を見るような、新登場の白いエイリアン(ネオモーフと呼称するらしい。)は、とんがり頭のノッペラボーでろくでもないデザインであり、しかも幼虫にすらならず、瞬時に大きくなるご都合主義の生態です。
 
 もっとも、真打のお馴染みのエイリアン(これも、今回からゼノモーフと新たに呼ぶらしい。)すらも、CG製でやたらピョンピョン跳ねたり、四つ足で走ったりと、まったく貫録がなく、重みもありません。あの第1作の2本足で立ち、突然闇から現れて襲い掛かる恐怖の象徴の姿は片りんもありません。
 
 ・・・本当に、スコット監督はどうしちゃったのだろう。別に、A級SF芸術映画を撮ってほしいのではありません。なんか、晩年の黒澤明監督を思い出しました。
 観客はセンス・オブ・ワンダーが楽しめるSF映画を撮ってほしいのです。しかも、あの人類創造者たるエンジニアの母星があんな非文明国だったとは、あの最後もひどいですが、別の意味で驚かされました。情けなくなりました。しかも、エイリアンの誕生の秘密がアレとは、ますます悲しくなりました。
 
 さらに、この手の映画に不可欠なのは、魅力的なモンスターと美女です。今回のヒロインは、旬の女優さんらしいですが、人妻役だったせいか、なんか所帯じみたオバさん風(失礼!!)な雰囲気で、どうにも役に向いていません。
 
 もう一つ、おまけに、前回も非常に気になりましたが、未知の惑星に、無防備に素顔を晒してそのまま降り立たないでください。O157じゃないですが、未知のウイルスの存在など当たり前と素人でもわかります。汚染されて当然です。
 まあ、このシリーズ全体を通じてのテーマが指揮官の無能ということかもしれませんが、科学的常識がない脚本もひどいなあ。
 
 最後に、ダメ押しでの突っ込みです。この映画は、第1作のエイリアンの20年前らしいですが、装備は、あの映画と比べて100年は先のような気がします。
 正直、映画の鑑賞中は、あの初代エイリアンの時代よりも、ずっと後の話のような気がしていました(笑)。もっとも、そうなら、エイリアン誕生の秘密は成り立ちませんわなあ(笑)。
  でも、良く考えると、あの初代エイリアンの遺棄船とエンジニアは化石化していたような・・・。
 
 さてさて、それにしても、第3部もあるのかなあ?・・・観たくないなあ。別の意味で怖いなあ(笑)。

2017年9月10日 (日)

ダンケルク

 評論家にも観客にも評判の高い、クリストファー・ノーラン監督の「ダンケルク」を観て来ました。・・・これは、「映画」なのか、その評価に困っています。
_new  全編、わずか106分ですが、ものすごい音量のサウンドが流れます。
 
 まず、「防波堤」という説明文字が出るものの、一切の説明がなく、ともかく、若い頼りなさそうな兵士の体験だけをカメラが追いますので、ダンケルク海岸エリアの主人公は、この兵士ということがわかりました。
 しかし、この主人公は、なんとしても帰還したいという強い思いから、もう一人の行きずりの兵士とともに、あの手この手で帰還船にもぐり込みますが、その都度、文字通り水の泡になります。もちろん、極限の状況の中、生きて帰ろうという行動を貶しはしませんが、やっぱりどうにも狡い気がして、共感できないような変な展開です。 
 
 一方、救援側の視点として、「海」の説明文字が出て、イギリス本土の民間船のオーナーが息子とその友達を連れて、民間救援隊としてダンケルクに向かう場面が描かれます。このさえない船長がなかなかの英雄です。このおっさんは実に上手い。そして、その息子が傷病兵に言った「大丈夫」という言葉には正直一寸感動しました。意外なオチもいい。総じて、このエリアは気に入っています。
 
 さらに、イギリス空軍がわずか3機でダンケルクに出撃します。「空」という場面説明がありますように、このエリアの主人公は、最後に素晴らしい活躍をするパイロットで、トム・ハーディが演じていますが、操縦席でほとんどマスクをしており、バットマンの悪役と同じく、やっぱり素顔が見れません(笑)。
 
 それにしても、ドイツ軍機との空中戦は、リアル過ぎて、ほとんどどうなっているのか、全くわかりません。風防越しの視界と爆音のサウンドで、臨場感だけがむなしく高まります。
 映画は、この「防波堤」「海」「空」のそれぞれの立場から交互に物語が語られるのですが、時系列には描いていないため、かなりトリッキーな構成となっています。
 
 結局、同じ場面を違う角度で繰り返し見せられ、、最後にはそれが一つの姿につながりますが、この演出がそれほど凄いのでしょうか?効果的?どうも、腑におちません。
 最近、単純なアメコミ映画ばかり見ていたので、鑑賞眼が老いたのかな?、いや逆の幼児化かな?(笑)。
 でも、正直、こんな激しい音響効果とハッタリの編集ではなく、昔のハリウッド黄金時代の映画は、もっと繊細で心に訴えるようなつくりをしてたような気がします。
 
 そういえば、あのアカデミー賞の受賞作「ラ・ラ・ランド」のラストのアレも、別の人生を一瞬で走馬灯のように見せるのは実にトリッキーな演出ですねえ。・・・関係ないか(笑)。
 
 以上、正直なところ、遊園地のアトラクションの映像のような気がしました。まあ、イギリスの愛国心、戦意高揚には良いPR映画でしょう。故チャーチルも見たかったのではないでしょうか。個人的には、この作品が世評のような「傑作」というような高い評価はできなかったなあ。
 もっとも、CGを使わず、実際の現場で、本物の飛行機を飛ばして、フィルムで撮影したという監督の姿勢は、誠に素晴らしいし、高く、そして大きく評価したい。

2017年8月27日 (日)

ワンダーウーマン

  「バットマンVSスーパーマン」に前振りなしで登場したワンダーウーマンの誕生編がこの「ワンダーウーマン」です。
 元来、アメコミには全く興味がなかったので、スーパーマン並に強い、この女ヒーローの素姓を全く知らなかったのですが、結局、ギリシャ神話の神ゼウスの隠し子だったのですねえ。SFと神話が融合化しています。
 
_new  そういえば、アメコミの世界には、こうした神話由来のスーパーヒーローが結構多いのです。実のところ、欧米社会では、キリストなどの絶対神以外の神様は、神と言っても全知全能でもなく、非情に人間臭い、いわばパワーや能力が人類以上というだけの超人や宇宙人の類なのですねえ。
 そのおかげ(?)で、神話の神様が当たり前のようにSF世界のスーパーマンやバットマンと同じ世界に馴染んでいるのかもしれません。
 
 この映画は、こうしたトンデモナイ設定の超人を、ほんとうにリアルに、というと可笑しな気がしますが、実に上手に描いています。
 
 時代は、第一次世界大戦のころまで遡りますが、あのコスプレの様な衣装にもかかわらず、精緻に再現した悲惨な塹壕の戦場や戦火の町並みなどに、すんなり溶け込んでおり、違和感は全くありません。
 泥だらけのマントなどをうまく使っているのですが、この手腕、この映画美術は尋常ではありません。女性監督ということですが、凄いと感心するばかりです。 
 最近のハリウッド映画は、CGのおかげもあって過去の時代の雰囲気を本当にリアルに再現していますが、その中でも重厚感、臨場感は抜群です。要はセンスなのでしょうねえ。あの記念写真の映像がそれをよく象徴しています。やっぱり、お金の掛け方が違うのでしょうねえ。
 
 さて、物語は、意外なラスボスの登場も含め、ほぼ予想通りなのですが、主演のガル・ガレットが結構面白い。初めて見た男の感想やアイスクリームの出会いなどのコミカルで楽しい会話は、脚本の勝利かもしれません。
 また、銃弾も跳ね返し、塔よりも高く飛ぶ、アメコミ・アクションの見せ場もさすがですが、それ以上に、この映画は戦争の悲惨さ、戦場の残酷さをよく浮き彫りにしています。この辺の演出も非凡です。
 アメコミと侮るなかれ、なかなか良いぢぁないか。・・・最近、こればかり(笑)。 
 いやあ、ほんとに面白かったです。次作もこの女性監督で期待したいですねえ。

2017年8月12日 (土)

スパイダーマン:ホームカミング

  以前「シビル・ウォー」にゲスト参加したスパイダーマンが本格的なシリーズとして復活しました。タイトルも、ご丁寧に「スパイダーマン:ホームカミング」と、版権所有のソニーから生まれ故郷マーベル社に帰ってきたことを暗示しています。
 まことにあちらのタイトルの付け方は味があります。昔、ショーン・コネリーが007役は二度とやらないと公言した後、演じた007映画のタイトルが「ネバー・セイ・ネバー・アゲイン」と。おしゃれですよねえ。
 
_new  さて、物語は、「アベンジャーズ」の宇宙人襲来後の後始末の時期に遡って始まりますが、主演のトム・ホランドという明るい能天気な性格を反映してか、お気楽かつ笑いをたっぷりまぶした高校生の青春ドラマとなっています。
 
 ヒーローとしては、アイアンマンである大富豪トニー・スタークの指導(監視?)の下、アベンジャーズのメンバーになりたくて頑張りますが、まったくの未熟で、しかもアイアンマン並みの多機能を持つスパイダーマンのスーツを勝手に改造して、大惨事を引き起こしたり、やることなすこと裏目に出ます。このへんは、いかにも若気の至り、という若者青春物語です。
 
 ちなみに、今回のスーツは、なかなかの優れものです。だぶだぶの服が、一瞬で体にフィットしたり、脇にグライダー用の皮膜ができたり、さらに、クモのマークは、スパイ用の追跡機になりますし、眼も用途に応じて伸縮自在です。しかも、AIが搭載され、相談相手にもなります。まさしく、アイアンマンの戦闘服仕様なのです。子ども達が大喜びする仕掛けです。さすがに、マーベルはやることが違います。(感心、感心)
 とはいっても、まあ、子供受けするド派手なCGのアクションやビジュアルは、巨費を投じた見事な映像を理屈抜きに楽しんでいただくとして、実は、このドラマには、今時のアメリカを象徴する?、いや、見果てぬアメリカの夢なのでしょうか?驚くような設定がありました。
 
 なんと主人公が憧れるヒロインの学園の女王が黒人なのです。そして、スパイダーマンの周囲の友人には、白人がほとんど登場しません。
 もうひとりのMが頭文字の意味ありげな女友達も黒人系ですし、スパイダーマンの正体を知る親友役は、太った中国人であり、いじめ役までインド人なのです。
 
 まさしく、ホワイト化の反動か、多人種構成なのです。しかも、憧れのヒロインとは、何故か上手くいくのですが、さらに衝撃の展開が待っていますので、こうご期待。
 ・・・いやあ、トランプのアメリカの実社会は別にして、ハリウッドは変わりましたねえ。本当に素晴らしいことです。
 
 最後に、あのマーベルのライバルDC所属バットマンを演じたマイケル・キートンが敵役のバルチャー(ハゲタカ)を演じたのも驚きですが、なかなか堂々たる演技です。アカデミー賞を獲った貫録です。単なる悪人でない風格が良い。 
 それになにより、原作漫画の本物の羽を持つ鳥男の様な無様なデザインの扮装でないのがいい。ホントに、飛べそうな金属製の翼状の飛行器具は素晴らしい。さすが、マーベルです。
 以上、なかなか奥の深い映画でした。・・・多分、買い被りかもしれませんが(笑)、いろいろ考えさせられました。・・いや、別に改めて観ることまではお薦めしません(笑)。
 

2017年8月 5日 (土)

トランスフォーマー 最後の騎士王

  最終章という「トランスフォーマー 最後の騎士王」とは、とんでもない設定の映画でした。
_new  イギリスのアーサー王伝説の陰には、トランスフォーマー達の活躍があり、その歴史を守る組織・一族がいたというのです。しかも、その後千年を経て襲来する、サイバトロン星の厄災に対抗できるのが、魔法使いマーリンの杖であり、鍵となる舞台がストーンヘッジとなるのです。そのうえ、マーリンの子孫まで登場します。
 今年は、アーサー王関連の映画が続きますが、なんかの節目の年なのですかねえ。
 
 さて、その伝説と並行して、現在の地球では、人類とトランスフォーマーたちの抗争が激化しており、主人公とバンブルビーたちは、スクラップ置き場に身を潜めています。
 しかし、その仲間のトランスフォーマーたちによって繰り返されるパフォーマンスが、ジュリー・ルイス張りのドタバタぶりでなんとも笑えません。・・・笑えるのはアメリカ人だけ?。いや、ひょっとしたら、マイケル・ベイ監督のお得意様である中国人は笑うのかなあ(笑)。
 唯一、シリーズの狂言回しの例の人が、キューバ(アメリカで今注目の国?)に登場し、ナイトの称号を強請って笑わせてくれますが、新たに登場したメンバーのイギリスの執事、みなしごのペット(SWへの対抗か?)、機械恐竜など、どれもこれも共感できません。
 しかも、主役のオプティマス・プライムは、一体何をしているのでしょう。覚醒後も、その行動意識が全くわかりません。加えて円卓の騎士トランスフォーマー達の言う裏切り者という意味もよくわかりません。(原作を知らないとダメなのかもしれません・・。)
 ただ、最後の戦闘シーンの迫力だけは少し見直しましたが、それも、それだけでした(笑)。
 
 結局、いやはや、何とも、言いようのない映画でした。続編があるような終わり方ですが、「もう十分でしょう」と個人的には思います。そういえば、前作の時にも、同じような気持ちになっていたような気がします(笑)。
 自戒を込めて「ジ・エンド」です。
 

2017年7月30日 (日)

ザ・マミー 呪われた砂漠の王女

  「ザ・マミー」は、ご存知、ユニバーサルの怪奇映画の3大モンスター、吸血鬼ドラキュラ、狼男、フランケンシュタインの怪物に次ぐミイラ男のリブロード版です。ミイラ男は、原作がなく、映画オリジナルのモンスターなのです。そのせいか、再映画化の場合、あの「ハムナプトラ」シリーズのように、かなり自由に脚色しています。
 
_new  しかも、今回は、ユニバーサル映画が、開幕お馴染みの地球儀を回る企業ロゴに「ダーク・ユニバーサル」を加えるなど、前述のようなユニバーサルが誇るモンスター映画界の往年のスター達の復活、シリーズ化を打ち出しています。
 
 その第一弾が、ミイラ映画の復活だそうで、しかも、今回は、大スターのトム・クルーズ、そしてラッセル・クロウまで引っ張りだしているのです。
 そして、ミイラ男は、ミイラ女(王)に代わり、「キングスマン」で義足の女殺し屋を演じたソフィア・ブテラが一人熱演しています。
 
 パンフレットによると、この後の(モン)スターのラインナップは、今旬のハビエル・バルデム(パイレーツカリビアンの怪演が見事)のフランケンシュタインの怪物、ジョニー・デップの透明人間が決まっているそうです。
 
 ネタバレになりますが、今回、ジキルとハイドをラッセル・クロウが演じていますから、あと、ドラキュラは誰?狼男は?そして、私のご贔屓のアマゾンの半魚人はどうなるのかな?
 まさか、今回、秘密組織の実験室にホルマリン漬けされていた、あの半魚人の腕の登場だけで済ますつもりではないでしょうねえ。透明人間よりランクが低いのかな、大いに心配です(笑)。
 
 さてさて、映画の前説が長くなってしまいましたが、このオールスター復活第一弾の評価はどうなのでしょう、それが問題なのです。

 映画の雰囲気や風格は、第一級の作品に仕上がっています。砂漠の映像はアラビアのロレンス風ですし、金も技術もたっぷり掛けている、まさしく大作です。
 しかし、内容も面白くないわけじゃないのですが、とっても面白かったというものでもないのです。おドロおドロしいモンスター映画物特有のB級テイストが抜け落ちていますし、ミイラが水中を泳ぐぐらいの驚きしかありません。センス・オブ・ワンダーが感じられません。
 なにしろ、主人公のトム・クルーズの雰囲気が明るすぎます。B級のモンスター物に水と油?ぐらいの違和感があります。
 しかも、ラストのオチがなんともしょぼい。世界の終わりを心配する必要は何もなかったのです(笑)。
 
 次回の次回に期待しましょう。そして、このモンスター・シリーズが、アベンジャーのように続くことを切にお祈りしております。
 

2017年7月22日 (土)

パワーレンジャー

  「パワーレンジャー」は日本発のテレビ戦隊物で、米国の子供たちにはかなりメジャーなシリーズだそうです。その映画化というのですが、いまいち評判も芳しくなく、興行ランキングも低かったので、正直、今回はパスしようかなあと漠然と思っていました。
 私たちの地方の劇場では、字幕版を含めてナイトショーの回がないのです。しかも、字幕版においては、一日1回、それも昨日で上映終了なのです。これを哀れと言わず、なんと言うのでしょう(笑)。
 なれば、一応、私のお好みのSF映画ですし、日本発のコンテンツという経緯を考慮して、昨日夕方、字幕版最後の上映に駆けつけました。文字通り、開場時間ぎりぎりです(大げさ・・)。
_new  総じて言えば、パワーレンジャーに変身する前までの5人の落ちこぼれ高校生の青春が面白かく描かれています。それぞれのダメさ加減や訓練振りなど、結構、お話に引き込まれました。
 
 しかし、逆に言えば、変身後のスーツ姿や恐竜型のマシンがいかにもお子様向けというイメージで少し興ざめです。
 敵の女ボスもあまり迫力がありません。その敵の手下も、下っ端の岩石男をはじめ巨大な黄金の魔人も、もうデザインが全く良くありませんし、戦いが盛り上がりません。場所が田舎町ということもありますが、それなら、「ソー」のデストロイヤーとの戦いという見事な例もあるので、やっぱり演出の問題なのでしょうねえ。
 
 いや、製作サイドがターゲットにした対象年齢層とのギャップかもしれません。もっとも、レビューなどでは、変身するのが遅いというのが批判の的になっているのですから、この点は読み違えなのでしょう、キット。
 レッド、ブルー、ブラック、イエロー、ピンクのレンジャーは、それぞれ、白人系、黒人系、中国系、ラテン系?など人種と性別に配慮した配役です。ここは、やはり今時の映画なのでしょうねえ。
 最後に、この映画の劇場パンフレットが売り切れていたのには驚きました。が、どうやら人気のせいではなくて、どうも、東映系の物は品切れが多い気がします。単なる私の気のせいでしょうか(笑)。 であれば、吹き替え版の日系物としてとして今後の一定のヒットとなることをお祈りしましょう。
 

2017年7月16日 (日)

銀魂

  少年ジャンプで連載中の大人気漫画の実写化「銀魂」を観て来ました。もともと、幕末の時代に宇宙人がやってきたというSF設定のギャグ&熱血漫画というとんでも内容だけに、その実写化には大きなリスクがあったそうです。
 まあ、そうでしょうねえ、漫画の実写化の例では”ゴキブリ星人”とか”不死身時代劇”とか、商売上手な監督では、みるも無残な結果が待ち受けています。
やっぱり、きちんとしたビジョンが必要ですよねえ。
 
 その点、今回の作品は、原作者の監督へのお墨付きをはじめ、小栗旬などの豪華キャストや見事な衣装などの作りこみによるビジュアルの見事さで、公開前から、結構前評判が高く、期待していました。
_new  なにしろ、私の娘がこの漫画そしてアニメの熱烈なファンでして、なかなか一家言あるのですが、比較的好意的で今回めずらしく、娘と一緒に観劇したのです。女房まで付いてきたのには驚きましたが、場内は何故か女性客が多いのにもびっくりしました。このギャクマンガ原作には女性のファンも多いようですねえ。
 さて、その内容ですが、いきなり、奇想天外なギャグやパロディで笑わせてくれます。原作の設定の妙かもしれませんが、演じる俳優たちの熱演もそれに輪を懸けます。
 いやあ、馬鹿なゴリラを全裸もいとわず演じた、歌舞伎俳優中村勘九郎に、まず座布団一枚。最後の”落ち”も吹き出しました。
 
 そして、銀ちゃんも適役ですが、弟分の菅田将暉はつくづく芸達者ですねえ、うますぎると改めて思いました。
 そして、ロリコンの武市変平太役の佐藤二朗はおいしいところをかっさらいます。
 
 そのほかの役者も頑張っています。・・・何度、声を立てて笑ったことでしょう。ギャク映画だけに、小ネタや大ネタがてんこ盛りで、笑った箇所も忘れてしまいました。漫画「ドラゴンボール」の読み聞かせには、小膝を叩きましたが、このギャグは原作ネタ(娘)だそうです。
 
 もう一人(?)というべきか、特筆すべきはエリザベスです。ペンギンの縫いぐるみの様な宇宙人なのですが、今回の登場シーンでは、客間のソファに座ったエリザベスを見て銀ちゃんが「漫画やアニメと違って、実写だとインパクトがあるねえ。」と言ったり、着ぐるみなので「中身の人は暑くない?」などの楽屋落ちが続き、可笑しさが臨界に達したところでの一言、「Q太朗」と呼んだ瞬間に爆笑してしまいました。いやあ、演出が上手すぎです。
 最後に、この福田雄一という監督は、こんな馬鹿馬鹿しい漫画映画(失礼)に、本気で、マジで、丁寧に取り組んでいます。衣装やセットなど一つをとっても原作の設定とオリジナルの表現に最大の敬意を表しています。
 この姿勢が、出演者たちの本気度を高めているのでしょうねえ。いや?多分、そういう本物の役者をキャスティングしたのでしょう。ほぼ成功でしょう。お見事でした。素晴らしい仕事でした。ご馳走さまでした。 
 

2017年7月 9日 (日)

忍びの国

 嵐のメンバー大野智が主演の時代劇「忍びの国」は、意外に拾い物でした。いや、予想以上に面白かったと素直に評価したいと思います。いやいやホントに、最近の時代劇の中では、まことにまっとうな出来です。
_0001_new   幕開けに描かれる伊賀忍者同士の戦いは、安直な盛り土むき出しの砦セットで、白昼、真っ黒い忍び装束の忍者たちが、消防隊訓練の様なロープを使った綱渡りや竹筒を口に咥えた土とんの術など、これは酷い、と天を仰ぎましたが、まあ、この場面だけは見なかったとにすれば、全体的には、殺陣もよくガンバっています。
 まず、特筆すべきは、主人公の伊賀一の腕を持つ忍者という無門を、その奇想天外な跳躍力を含め、素早い体術など、大野智が実にうまく演じていました。余裕をもって敵をあしらう彼の殺陣の動きは、素直に褒めたい。運動神経は意外と良いようですな(失礼)。
 また、彼の生来の不愛想な表情も、この無門という忍者像にマッチしています。適役でしょう。これはキャスティングを褒めるべきでしょうか(笑)。
 そして、無門のライバルともいうべき忍者下山平兵衛を鈴木亮平が見事に演じます。もともとこの俳優さん、アクションや役作りには定評がありますが、無門との最後の二人の対決はなかなか見ごたえがあります。よほど練習したのでしょう、今の若手では実に感心します。
 
 加えて、伊勢谷友介の戦国武者の迫力は凄いですねえ。大弓の破壊力は絵空事にしても素晴らしい。三船敏郎亡き後、あれほど兜映えのする役者もそう居ないのではないでしょうか。 
 最後に、「人でなく虎狼の族(やから)」といわれた伊賀の忍者の面々が、現代の若者の姿にオーバーラップする様は、中村義洋監督の真骨頂かもしれません。鑑賞後の印象が良いのも「殿、利息でござる!」などの手寧な映画づくりが好ましい監督のおかげかもしれません。 
 ああ、忘れていましたが、「人でない」伊賀の上忍の術策をうまく料理した和田竜の脚本と原作にも感心しました。「のぼうの城」に続き順調に映画化されていますので、次は、「村上海賊の娘」の番ですねえ。期待しています。 

ジョン・ウィック:チャプター2

  キアヌ・リーブスが久々にアクションスターとして返り咲いた「ジョン・ウィック」の続編、まさしく、タイトルどおり、「ジョン・ウィック:チャプター2」なのですが、どうも期待しすぎましたか、アクション以外はやや物足りません。
_new  物語は、前作の直後、ロシアマフィアに奪われた愛車を殺したボスの弟のアジトに取り戻しに来るシーンから始まります。相手のボスの弟はすっかりビビっているものの、結構、手下たちが頑張ります、が、結局、部下は全滅です。もっとも、ジョン・ウィックも三下たちに相当やられますし、愛車もぼこぼこになりますので、どうも、強いのか、運が良いのか、よくわかりません(笑)。
 さて、今回は、イタリアマフィアのボスの弟から、かつての血の誓約を立てに殺しの依頼を頼まれたあげく、ジョンが断るやいなや、亡き妻との思い出の家を爆破されるのです。
 
 しかし、前回からのレギュラーである殺し組織のドンの助言、つまり殺し屋ホテル内での仕事と双璧をなす血の誓約の掟を諭され、仕事を受けるのですが、結局は、依頼者から命を狙われる罠であって、ついに復讐を決意するというストーリーなのです。
 面白かったのは、暗殺のために渡ったイタリアの殺し屋ホテル(なんと世界的なホテルチェーンなのだ(笑))のソムリエに銃の注文したり、裏町の仕立て屋で裏地に防弾加工したスーツを仕立てるエピソードなどは、プロフェッショナルの世界をユーモア交えて描いた名場面です。そのシーンでの銃器の薀蓄は、その道の好事家にはたまらないのではないでしょうか。
 そして、黒のスーツで身を固めたジョン・ウィックがブギーマンに復帰するのですが、もうそこからは、銃激戦と格闘技の連続です。とにかく群がる敵を撃ちまくります。前作で有名になった「ガン・フー」技もド派手になり、投げて、決めて、銃で止めを刺すアクションが延々続きます。
 しかも、裏切った依頼人は、ジョン・ウイックの首に700万ドルの賞金を懸け、ニューヨーク中の殺し屋に狙わせるのですが、この辺の殺し請負システムがなかなかユニークですし、笑えます。殺し屋稼業があんなに大勢いる世界も笑えます。そういえば、前作の殺し現場の掃除人の親方がなかなか良かったのですが、今回は残念ながら登場しません。ただ、車の修理屋のボスは登場するのでここは大目に見ましょう(笑)。
 ともかく、殺し屋にカムバック後は、敵の三下や町中の無数の殺し屋をひたすら殺しまくります。いやあ、さすがに、見飽きて来ます(笑)。ジョン・ウィックも全身傷だらけですが、うたれ強いレベルを超えてまるで不死身のようです。
 そして、最後は・・・というオチは最低の礼儀としてお話しません。第一、第3作目が進行中のようですが、凄腕の殺し屋と言ってもやはり組織あっての物種ですから、次回作はなかなか苦しい展開になりそうです。子連れ狼のようにはイケないでしょう(笑)。
 全体の評価としては、アクションは十分すぎるほど楽しめましたが、カタルシイに至るにはもう一味、主人公への共感や魅力ある女優の不在など、何かが足りない気がしました。そこが残念でした。 ヒット作の続編の難しいところです。

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