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2026年2月15日 (日)

追悼!! 時代小説家 上田秀人 

 時代小説の作家「上田秀人」さんが昨年3月27日に亡くなっていたそうです。恥ずかしながら、先日、水城聡四郎シリーズの最新作「飛躍」が発売されて初めて知りました。この文庫は、第7巻となるべき”遺稿”と各シリーズの第1話を掲載した傑作選になっています。
 それにしても、日頃ネットでニュースなどは見ているつもりだったのですが、実際はいかに世の中と離れた引きこもり生活を送っていたのか、と痛感しました。ほんと参りましたねえ。ファンとしては誠に痛恨の極みです。ご冥福をお祈りします。

71ut0juahvl_sl1447_  さて、時代小説家上田秀人の代表作といえば、やはり「この文庫書下ろし時代小説が凄い!」の第一位となった「奥祐筆秘帳」であり、この小説が私が上田秀人の名を知った作品でもあります。このことは、当ブログ(2013.12.10参照)に詳しく書いていますので、是非ご覧下さい。なお、奥祐筆シリーズ完結後に連載を始めた「百万石の留守居役」や実質のデビュー作ともいえる「将軍見分役 元八郎」シリーズにも触れています。
 上田氏は、その生涯でかなりな数のシリーズ物の作品を書いていますので、この機会に私のおすすめ6本をまとめてみました。ご参考にしてください。

 まず、第1位は、やはり「奥祐筆秘帳」シリーズですねえ。これは、設定が本当にうまい。奥祐筆となった隣家の用心棒となる若き主人公、そして、その剣術の師、さらに強力な敵役など、魅力がいっぱいです。

 次は、「竜門の衛」から始まる「将軍家見分役 元八郎」シリーズでしょうか。元同心の親父、元御庭番の嫁さん、途中登場の師匠の師匠が秀逸です。ただ、残念なのは・・いやこれはお読みください。

 第3位は、前述の新刊が出た「水城聡四郎」シリーズですねえ。このシリーズは、当初は「勘定吟味役」シリーズとして始まり、大奥を相手にする「御広敷用人」シリーズ、さらに「巡検譚」シリーズなど、断続的に連綿と続いています。いずれも、剣の使い手の水城聡四郎が主人公で、将軍徳川吉宗の無茶な命令により翻弄される奮闘記です。勝気な町娘出身の妻や剣術一放流の師匠、家臣などが気に入っています。特に、「御広敷用人」シリーズが白眉です。現在「惣目付」シリーズの途中ですが、敵役の伊賀の元頭が逃げのびたままで終わるのが悔しいなあ(笑)

 第4位は「百万石の留守居役」ですねえ。この作品は吉川英治文庫賞を受賞しています。歴史上の人物をからめて、加賀藩の生き残りをかけた幕府との暗闘の中で、権謀術策の城代家老に見込まれた若き主人公の苦悩と活躍を描いています。留守居役という役職に目を付けたところがうまい。剣劇もあるが、舌戦の面白みが素晴らしい。ところで、この小説は、完結しているのか?なんか、中途半端に終わった感があるなあ。

 第5位として、「表御番医師診療録」シリーズが気に入っています。幕府お抱えの医師になる主人公の計算高いながらも医師として筋を通す生き様が魅力です。特に、腕っぷしも強い医師としての活躍が面白いのですが、上司の娘だった嫌みな嫁の存在が少しうっとしいなあ。まあ、我慢してください(笑)。

 最後の6本目は、「日雇い浪人生活録」です。毎日の生活に苦労している人柄の良い貧乏浪人が主人公で、やり手の両替屋の用心棒となるところから始まる物語は、田沼意次の貨幣経済への転換政策の中で、売れっ子芸者で実は女御庭番、しっかり者の女中などがからんで、生活苦に身をつまされるのがなかなか新鮮です。また、主人公の鉄扇の腕がそこそこでのんびりしているところが実に良い。まだ完結していないので、続きが読めないのが、まことに残念です。

 そのほか、闕所物奉行、お鬚、妾屋など様々な職業を題材にした作品がありますが、例えば、禁裏物や町奉行内与力などは、あまりに登場人物のヒトが悪すぎる展開(悪だくみにしても読んでいて気分がめげるのだ!!)が多いので、私は敬遠しています。

 ということで、未読の方は、是非、前述の6本ぐらいはお読みください。いずれも筋立てに理屈があってなかなか面白いですよ。 

 

 

 

 

 

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