無料ブログはココログ

« 2026年1月 | トップページ | 2026年3月 »

2026年2月22日 (日)

Mr.ノーバディ2

 冴えない中年男が実は凄腕のエージェントだったという設定で大ヒットした「Mr.ノーバディ」の続編のブルーレイ「Mr.ノーバディ2」が発売されました。この映画は、私の地方では劇場公開がなかったので、このブルーレイが初見になります。

71bjftk5znl_ac_sx342_  実は、今回購入したのはスチールブック版の4KのUHDなので、値段が少々お高いのです。もし出来が悪かったらどうしようと少し心配していましたが、一家が田舎の遊園地にバカンスに出かけて行ってからが、なかなか面白くなります。
 それにしても、ハリウッドの描くアメリカの田舎町という処は、日本人の感覚からいうと、話が通じないことに恐ろしいものがあります。大体、かならず、町を牛耳るボスが居て、悪徳保安官が登場します。そして、暴力沙汰は日常茶飯事です。ゲームセンターの親父も問答無用で、子供にまで手が出る粗野な男です。いやあ、西部開拓のDNAはこわいねえ。西部劇の酒場の乱闘シーンは、一種の時代劇だから許されるのですよ。

 そして、今回は、主人公の切れ方も沸点が低すぎます。いくら娘がゲーセンの親父に頭をはたかれたとしても、あの惨劇は尋常ではありません。この辺りはなんとも感情移入できませんねえ。
 また、当初は、主人公が凄腕のプロという経歴を知っているだけに、田舎のギャングレベルの相手では単なる弱い者いじめのような感覚になり、観ている観客の居心地もあまりよくありません。
 しかも、ギャングのボスと揉めても、保安官の嫌がらせを受けても、主人公の一家は町を出ません。あくまでバカンスを楽しむのだというスタンスです。この感覚も理解できません。まあ、事なかれ主義の日本人ならではの感覚、感じなのでしょうかねえ。”君子、危うきに近寄らず”という格言は西洋にはないようです。もっとも、それだと映画にならないのも事実ですが...(笑)

 なお、前作で話題となった、バスの中でチンピラを懲らしめるシーンが今回は川の遊覧船の船上になりますが、あれだけの暴力三昧でチンピラも含めてよく生きているなあと感心します。日本人なら絶対ショック死していますよ。 さすが”肉食の白人種は丈夫な肉体よのう”。と映画にしても思いましたねえ。そういえば、この感覚は「バレリーナ」でも感じましたが、あまりに長くて激しい格闘は年寄りには疲れますゾ。

 その後も、主人公の正義感はわかるものの、その行動と言動は常軌を逸しており、その結果、田舎ギャングのボスの上にいるシンジケートの極悪非道の女ラスボスを敵に回すことになります。伝説の「ブラックレイン」の松田優作張りの凶悪さを発揮する女ボスをなんとシャロン・ストーンが嬉々として演じています。美女が悪役をやるとその凄みが倍加されますねえ。ただ、恥かしながら、最初、誰が演じているかわかりませんでした。 

 ストーリーは、シンジケートの女ボスが絡んできたことにより、部下に裏切られた田舎ギャングのボスと手を組み、主人公一家を皆殺しにするために都会から大挙して攻めてくる殺し屋の一団を、老化した遊園地に陣取って待ち構えます。味方も日本の大阪で剣術を習っていたという黒人の兄が日本刀をもって(ほんとう、最近のハリウッドは日本刀が好きですなあ)駆け付けますし、田舎ギャングのボスの亡父が収蔵していた機関銃や地雷などの武器を使って、遊園地全体を武装化します。いやあ、この辺りは最高ですねえ。なんか、素人のはずの主人公の妻まで射的ゲームで射撃の腕に目覚めますし、とにかく仕掛けた様々な罠に、殺し屋御一行様がことごとく引っ掛かってくれるのが爽快です。 

 なかでも、黒人の兄が相手の用心棒の蛮刀と日本刀で決闘するのが面白い。最後は、蛮刀の刃を寸断し、構えた拳銃もろとも、首を斬り飛ばした殺陣は見事でした。さすがハリウッド映画ならではの迫力ですが、どこまで日本刀の神話が好きなのかとあきれもしました(笑)。

 最後は、遊園地全体が盛大に爆発して決着するのですが、とどのつまりは警察の取調室でのおきまりの「お前は誰だ」というシーンとなります。まあ、前作よりかなりバージョンアップしていたアクションシーンには満足しましたので、UHDの購入は正解でした。気分的には元は取れた(笑)気がしています。

61kdusjg32l_ac_sx342_  そういえば、興収に不安があるとのことで、日本では劇場公開が見送られた、「ミーガン」の続編「ミーガン2.0」も、やっぱり続編が見たくてブルーレイを購入しました。内容的はホラーからSF映画らしくなって、結構面白かったので個人的には満足したのですが、最近は収益の採算ベースの製作サイドの劇場公開基準が変わったのでしょうかねえ。宣伝費用をかけるより、配信に回してしまえ、というような裏事情があるのでしょうか。でも、やっぱり映画は大きなスクリーンで見たいものですよね。困ったものです(笑)。

2026年2月15日 (日)

追悼!! 時代小説家 上田秀人 

 時代小説の作家「上田秀人」さんが昨年3月27日に亡くなっていたそうです。恥ずかしながら、先日、水城聡四郎シリーズの最新作「飛躍」が発売されて初めて知りました。この文庫は、第7巻となるべき”遺稿”と各シリーズの第1話を掲載した傑作選になっています。
 それにしても、日頃ネットでニュースなどは見ているつもりだったのですが、実際はいかに世の中と離れた引きこもり生活を送っていたのか、と痛感しました。ほんと参りましたねえ。ファンとしては誠に痛恨の極みです。ご冥福をお祈りします。

71ut0juahvl_sl1447_  さて、時代小説家上田秀人の代表作といえば、やはり「この文庫書下ろし時代小説が凄い!」の第一位となった「奥祐筆秘帳」であり、この小説が私が上田秀人の名を知った作品でもあります。このことは、当ブログ(2013.12.10参照)に詳しく書いていますので、是非ご覧下さい。なお、奥祐筆シリーズ完結後に連載を始めた「百万石の留守居役」や実質のデビュー作ともいえる「将軍見分役 元八郎」シリーズにも触れています。
 上田氏は、その生涯でかなりな数のシリーズ物の作品を書いていますので、この機会に私のおすすめ6本をまとめてみました。ご参考にしてください。

 まず、第1位は、やはり「奥祐筆秘帳」シリーズですねえ。これは、設定が本当にうまい。奥祐筆となった隣家の用心棒となる若き主人公、そして、その剣術の師、さらに強力な敵役など、魅力がいっぱいです。

 次は、「竜門の衛」から始まる「将軍家見分役 元八郎」シリーズでしょうか。元同心の親父、元御庭番の嫁さん、途中登場の師匠の師匠が秀逸です。ただ、残念なのは・・いやこれはお読みください。

 第3位は、前述の新刊が出た「水城聡四郎」シリーズですねえ。このシリーズは、当初は「勘定吟味役」シリーズとして始まり、大奥を相手にする「御広敷用人」シリーズ、さらに「巡検譚」シリーズなど、断続的に連綿と続いています。いずれも、剣の使い手の水城聡四郎が主人公で、将軍徳川吉宗の無茶な命令により翻弄される奮闘記です。勝気な町娘出身の妻や剣術一放流の師匠、家臣などが気に入っています。特に、「御広敷用人」シリーズが白眉です。現在「惣目付」シリーズの途中ですが、敵役の伊賀の元頭が逃げのびたままで終わるのが悔しいなあ(笑)

 第4位は「百万石の留守居役」ですねえ。この作品は吉川英治文庫賞を受賞しています。歴史上の人物をからめて、加賀藩の生き残りをかけた幕府との暗闘の中で、権謀術策の城代家老に見込まれた若き主人公の苦悩と活躍を描いています。留守居役という役職に目を付けたところがうまい。剣劇もあるが、舌戦の面白みが素晴らしい。ところで、この小説は、完結しているのか?なんか、中途半端に終わった感があるなあ。

 第5位として、「表御番医師診療録」シリーズが気に入っています。幕府お抱えの医師になる主人公の計算高いながらも医師として筋を通す生き様が魅力です。特に、腕っぷしも強い医師としての活躍が面白いのですが、上司の娘だった嫌みな嫁の存在が少しうっとしいなあ。まあ、我慢してください(笑)。

 最後の6本目は、「日雇い浪人生活録」です。毎日の生活に苦労している人柄の良い貧乏浪人が主人公で、やり手の両替屋の用心棒となるところから始まる物語は、田沼意次の貨幣経済への転換政策の中で、売れっ子芸者で実は女御庭番、しっかり者の女中などがからんで、生活苦に身をつまされるのがなかなか新鮮です。また、主人公の鉄扇の腕がそこそこでのんびりしているところが実に良い。まだ完結していないので、続きが読めないのが、まことに残念です。

 そのほか、闕所物奉行、お鬚、妾屋など様々な職業を題材にした作品がありますが、例えば、禁裏物や町奉行内与力などは、あまりに登場人物のヒトが悪すぎる展開(悪だくみにしても読んでいて気分がめげるのだ!!)が多いので、私は敬遠しています。

 ということで、未読の方は、是非、前述の6本ぐらいはお読みください。いずれも筋立てに理屈があってなかなか面白いですよ。 

 

 

 

 

 

« 2026年1月 | トップページ | 2026年3月 »

2026年3月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31