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2025年2月26日 (水)

リドリー・スコットの全仕事

 「リドリー・スコットの全仕事」という286ページの書籍が先月発売されました。著者は、イアン・ネイサンというイギリスの映画ライターで、「エイリアン・コンプリートブック」をはじめ、クエンティン・タランティーノやギレルモ・デルトロに関する解説書などをもう何冊も書いているようです。こうした映画関係の解説書や評伝は、アチラの書籍(翻訳物)が格段に面白い。我が国のモノは、どうも関係者や企業に忖度などが働くようで、きれいごとの褒めることしか書かないのがなんとも物足りないのです。それに比べて、アチラの本は、結構、暴露的なものも含めて人間関係も客観的に記述しているので実に感心します。我が国ではマスコミまでも忖度ばかりなので、まあ、そんな”なあなあ社会”なのでしかたありません(笑)。

 それにしても、リドリー・スコット監督は、2024年12月に「グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声」が公開されたばかりですが、1937年11月生まれといいますから、とっくに80歳を超えています。いやあ、その映画製作に向けた意欲と超人的な体力には恐れ入ります。

71zht3ttjl_sy385_  そして、改めて、これまでのフィルモグラフィーを眺めて見ると、「エイリアン」や「ブレードランナー」の代表作などから、なんとなくSFものが多い作家と思っていたのですが、「グラディエーター」など結構、史劇のものが多いし、犯罪物や戦争物など様々な分野から数多くの作品を監督しています。まあ、当たり外れもありますが、その精力的な活動には恐れ入ります。本人曰く、”大作の次には軽い小品を撮った”ということのようですが、その万能ともいえる才能には、まさしく”サー”の敬称が似合っています。ちなみに、帯を書いた押井守氏は、自著によると敬愛する彼のことは必ずサーを付けて呼んでいるそうです。

 さて、内容は、リドリー・スコットの評伝ともいえる、デビュー作からの作品の解説です。特に、彼の若い時の経歴などはまさに天才と呼ばれるにふさわしい。また、徹底的な取材をもとにした各作品の撮影裏話の充実ぶりは、例えば「ブレードランナー」が公開当時不入りだったことでのリドリー監督の落ち込みや葛藤、そして、その後の爆上がりの再評価で”やっぱり間違っていなかった”と安堵する彼の証言などを盛り込み、人間味をも感じさせる楽しい読み物になっています。
 また、キャスティングの裏話などもふんだんに盛り込まれており、つくづく成功における”人間の運”というモノを感じますねえ。特に、彼の作品から世に出た若手俳優も多く、”若い才能を発掘する監督”ともいわれているそうです。さらに、俳優だけでなく、ドウニ・ヴィルヌーヴなどの新進気鋭の監督にも影響を与えています。ちなみに、彼自身も、その持ち味である自然現象の表現などは、黒澤明の「七人の侍」や「蜘蛛巣城」の影響を受けているとのことで、黒澤明ファンで日本人の私は思わず”低い鼻が高く”なります。・・昔ながらの陳腐な表現ですが、これがぴったりなのです(笑)。

 このように、私の好きな映画制作の裏話がぎっしりと詰まった、本当に楽しい内容で一気に読んでしまいました。近年の評論書では白眉の出来です。映画ファンで、未読の方は、是非、お読みください。もし、まだ見ていないリドリー作品があれば、必ず観たくなるはずです。

2025年2月 9日 (日)

レイ・ハリーハウゼンのヒドラ

 私のお気に入りのモデル・アニメーション作家、レイ・ハリーハウゼンの映画「アルゴ探検隊の大冒険」に登場するヒドラが、エクスプラス社の「レイ・ハリーハウゼン生誕100周年」シリーズからやっと発売になりました。このシリーズでは、「恐竜100万年」のアロサウルスが2020年10月に発売(当ブログ2020.10.25参照)されて以来、トリケラトプス(2021.5.09参照)やケラトサウルス(2021.8.28参照)、「タイタンの戦い」ではクラーケン(2022.1.30参照)とメデューサ(2023.8.11参照)、そのほか「シンドバットの7回目の航海」のサイクロプス、恐竜グワンジ(2022.6.28参照)など、思えば、結構な数のクリーチャーがフィギュア化されています。

 そして、レイ・ハリーハウゼン作品の最高傑作といわれる「アルゴ探検隊の大冒険」からは、これまで青銅の巨人”タロス”が3種類と骸骨剣士が発売されており、今回ついに満を持してラスボスともいえる7つの首を持つ”ヒドラ”が陽の目を見たのです。販売予定日がずれて、予約注文から販売までに、相当日数がかかってしまい、正直、すっかり忘れていました(笑)。

20250208_1612331 20250208_1607581 20250208_1614451  その待望の商品が届いたので、ご紹介したいと思います。なにしろ、サイズが全長48cm、高さ30cm、幅25cmとかなり大型のフィギュアなので、正直、狭い我が家では飾る場所にも困りまして、とうとう”最後の手段”である移動書庫の上に載せました。どうやら私のコレクション達も容量的に限界の状況(本体とは別に空箱のスペースも必要なのだ!!)であり、このシリーズもそろそろ打ち止めにしてほしい(笑)ものですが、先日も映画「猿人ジョーヤング」のモデルキットの発売予告があって困っています。実は、ジョーヤングの完成フィギュアは既に発売済みなのですが、あまりに高額過ぎて手が出なかっただけに、この彩色もできる模型づくりに”下手の横好き”のモデラーの血が騒ぐのです(笑)。

 余談はさておき、今回、手許に届いた現物が、取扱い説明書が欠品であり、はめ込み式の7つの首の位置がまったくわからないのです。口が閉じたやや短めの首が2本、あとの5本は口を開けた首なのですが、外箱パッケージの写真と比較すると、どう差し込んでも商品写真の姿のようにはなりません。
 そのため、取扱店を通じて、メーカーに取扱説明書の再発行をお願いするとともに、首の差込み位置を確認してもらったところ、自由にアレンジするものとの回答でした。これは少し失望しましたねえ。この商品はアクションフィギュアじゃない、スタチュー(首はわずかですが曲がります。)ですから、しかも、かなりお高いお値段(最近の円安のせいか、少し前のシリーズの商品と比べても何倍も高い感じがします。)であるので、ここはしっかり商品写真のリアルな姿を忠実に再現したものにしてほしかったなあ。
 実際、組み立ててみると、そうした諸々のことが影響してか、心なし造形や彩色がおざなりな気がしてきました。正直、以前のクラーケンやメデューサの出来が良かっただけに非常に残念に思えます。ホント、商品写真が素晴らしい分、羊頭狗肉?いや、竜頭蛇尾?かな。実際は製作コスト高も影響してメーカーさんも厳しいのかもしれませんが、一般庶民コレクターとしては、どうしても”価格に見合う価値”を追求することになるのだ。まあ、今回は、懐具合も影響して(笑)か、辛口コメントになってしまい申し訳ありません。エクスプラス様におかれましては、今後とも、どうか様々なムービーモンスターを商品化していただくようお願い申し上げます。

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