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2024年12月28日 (土)

呉璽羅と深海魚

 映画「ゴジラ-1.0」の前半に登場する怪獣”呉璽羅”のフィギュアが、エクスプラスの子会社「少年リック」から満を持して発売されました。どうやら、台湾の人気ホビーメーカー「EZHOBI」社の製品だそうですが、販売は「少年リック」の通販と「ゴジラストア」に限定されるらしい。

20241227_1247121 20241227_1251591 20241227_1251301  発売日の関係で「一番くじ」に出遅れた(当ブログ2024.12.11参照)ものの、サイズは高さ26cm、全長43cmと一番くじのものより二回りほど大きく、造型も精緻で見栄えがします。ただ、台湾製という先入感があるせいか、どことなく中華風なのは私の思い過ごしなのかな?では、その迫力ある勇姿をご覧ください。

 20241227_1252581 20241227_1254481 そして、この製品で最も心惹かれたのが、ゴジラが浮上する際に海面に打ち上げられる深海魚のジオラマがセットで附属していることです。劇中の海面に多数浮かぶ深海魚の姿は、急激な浮上による水圧の関係で口から内臓が出ているせいもあって、その深海魚が何の種類なのかよく分かりません。多分、”ソコダラ”の一種だろうとは思いますが、ゴジラストアから発売された映画「ゴジラ-1.0」の400ページも及ぶ完全記録集である「THE RECORD OF G-1.0」の書籍にも、深海魚については何の説明もありません。高額な書籍の割に、設計図などばかりであんまり役に立ちません(笑)。

51omkuv9yyl_sy445_sx342_  ちなみに、ネットでも、深海魚の正体が気になった方がいらして、その問いかけに対して”トウジン”ではないかというのがベストアンサーになっています。その”トウジン”について調べてみると、最近発売された高額な専門書「日本の深海魚図鑑」には記載されておらず、子供向けの小学館の図鑑「深海生物」に掲載されていたのには笑いました。どうやら「日本の深海魚図鑑」の編成方針が学術的でマニアックな新種を中心に掲載しているようで、食用にもなる一般的な”トウジン”は対象外にしたようです。それにしても、子供向けの図鑑を馬鹿にしてはいけません。このように深海魚だけを扱う図鑑が発売されるなど、最近の図鑑の進歩は目を見張るものがあります。今回の例は、まさしくその価値を再認識させてもらいました。本当に大したものです。

51wuruuvhus_sy445_sx342_  なお、個人的には、このネットの”トウジン”説については、確かにソコダラ科なのですが、名前の通り鼻(先端)がとがっているので、劇中の丸顔とは少し違うのではないか、と思っています。今回のフィギュアで再確認しても、やっぱり丸顔ですから、多分”トウジン”ではなく、子供向けの図鑑にある”サガミソコダラ”の方が似ていると思っています。このあたりは、ゴジラ第2弾に向けて、山崎監督あたりから正解を発表してほしいものです。でも、皆ソコダラ科ですから、まあ、イイでしょう(笑)。

 最後に、参考までゴジラストアだけで発売されたあんまり役に立たなかった大型本のゴジラ-1.0記録集をご紹介します。Gsg0010668_13ad3f7d76154caea78c791fa21ef

2024年12月11日 (水)

一番くじ/ゴジラ70周年アニバーサリー

 ゴジラ映画が公開されるたびに、一番くじのゴジラシリーズが発売されてきました。一番くじについては、これまでも何度か紹介(2021.7.28当ブログ参照)してきましたので、ここでは説明を省略しますが、今回新作映画の公開がないにもかかわらず、発売されたのは、今年が初代ゴジラ公開から70周年にあたることからのようです。そのため、初代ゴジラ(モノクロバージョン)が一番の当たりであるA賞となっています。商売ではあの手、この手といろいろ考えるものですねえ、感心しました。

 ただ、そのA賞の初代ゴジラの造形は、”国会議事堂襲撃バ―ジョン”ということですが、なんか昔製作していた造形物をそのまんま持ち出してきたかのような印象で、新鮮味が無く、あんまり感心しません。
 さらに、2番目の当たりともいえる”ラストワン賞”は、初代と対を為すように「ゴジラ-1.0」のモノクロ版なのです。まあ、映画もモノクロ版が公開されたことから、そうなのでしょうが、肝心な模型が以前に発売したカラー版のA賞を流用したようで、さすがに安易ですよねえ。

20241210_1510261 20241210_1510541  しかし、今回の一番くじの目玉は、A賞、ラストワン賞にあらず、なんといってもB賞の「呉璽羅」です。呉璽羅とは、いうまでもなく「ゴジラ-1.0」に登場する、原爆に被爆する前の恐竜のような巨大生物であり、「ジュラシック・パーク」のティラノサウルスのような暴虐ぶりを発揮します。あの時、機銃を撃っても再生能力はあるわけですから、殺せるはずもなく、主人公は悪くないのだ(笑)。

 20241210_1512102 ちなみに、呉璽羅の模型は、これまでバンダイから子供向けのソフビトイしか発売されていなかったので、実にありがたい。ただ、B賞ですからサイズは長さ24cm、高さは13cmと小さいのですが、精緻な造形が実に見事で、映画のシーンをよく再現しています。
 この呉璽羅は、オークションで高値で購入した甲斐がありました。一応、A賞もセットで早い時期にゲットしていましたが、最近のオークションでは商品数が多かったのか、やや値崩れしているのが悔しいなあ(笑)。最後に、おまけですが、A賞の初代ゴジラもご覧ください。なんか、モールドが甘い気がしますでしょ。残念でした。

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2024年12月 8日 (日)

プラモ「ミイラの墓場」の製作備忘録

 造形メーカーのエクスプラスが発売している”ユニバーサル・モンスター”シリーズの「ミイラの墓場」のプラ模型を作ってみました。
 映画「ミイラの墓場」というのは、ボリス・カーロス主演の「ミイラ再生」から3作目で、ロン・チャイニーJrが主演したミイラ男です。この俳優は、伝説の怪奇俳優ロン・チャイニー(当ブログ2024.6.27「千の顔を持つ男」参照)の息子で、ミイラ男の他に狼男、ドラキュラ、フランケンシュタインの怪物というユニバーサルの4大モンスターをすべて演じたということで知られています。ただ、モンスターの初主演の「狼男」以外は、元祖の俳優が伝説となっているためか、あまりインパクトはありません。

 ちなみに、エクスプラスでは、これまで「大アマゾンの半魚人」の続編「半魚人の逆襲」、元祖ベラ・ルゴシの「魔人ドラキュラ」のプラモを販売しており、今後、ボリス・カーロフの第2作目「フランケンシュタインの花嫁」の発売が予告されています。多分、透明人間などもラインナップに入っていると推測していますが、「半魚人の逆襲」や「ミイラの墓場」とマニアックな続編の商品化というチョイスの意図がよくわかりません。まあ、多分、監修を行っている怪物屋のマスターの好みなのでしょうねえ、きっと。実際のところ「ミイラの墓場」はDVDを保有しているので観ている筈ですが、ほとんど記憶にありません(笑)。

 さて、肝心なエクスプラスのプラ模型なのですが、正直、こういうクラシック・モンスターの商品が売れるのかなと思っていましたら、外箱から説明書まですべて英語表記なのです。そうです、この商品は、アメリカ市場向けだったのです。アチラでは、いまでもこれらのユニバーサル・モンスターの人気は根強く、子どもたちも様々な機会でこの古き良き怪物たちに馴染んでいるようです。もう、アメリカの伝統文化なのでしょうね、きっと。

20241027_112805  ここからは、製作過程の備忘録となります。興味のない方は飛ばしてください。
 キットの組み立ては、あいかわらず立体化を意図したパーツであり、特に包帯の細かな分割には感心しました。そして、パーツの組み合わせも見事であり、説明書の図面とにらめっこで悪戦苦闘し、接着剤の流し込みの後は、継ぎ目にパテを塗布して、電動ヤスリで継ぎ目を消します。そして、下塗りのサーフェイサーを塗って組立てが完成です。なお、シンプルな台座を好む私としては、例によって、墓石や燃える篝火などの情景用の付属品は作りません。めんどくさいのだ(笑)。

20241029_232818 20241103_171613  20241116_144810 そして、ここから塗装の工程なのですが、まず、つや消しブラックで全身を真っ黒に塗り潰します。そして、色の源のイエロー、マゼンダの混合塗料に、つや消しホワイトとつや消しクリアーを混ぜて、エアブラシで吹きます。最初は、グレー系で予想以上に色合いが暗くなったので、何度も色の混合率を変えながら塗装を重ね、やっと完成です。すこし黄色がかっていますが、経年で包帯も黄ばむ筈ですから、まあ許容の範囲です。最後に、ブラウン系のスミ入れ塗料を筆塗りして濃淡をつけました。
 完成品はいつもながら、あまり見栄えがしません(笑)。くわえて1/8のサイズでは目の筆塗り塗装が細かすぎて見えないので、勘に任せた結果は大雑把に過ぎましたが、まあ、これが精一杯です。20241117_125330 これでは、とても1/8の「マリリン・モンロー」のプラモの塗装は無理そうです。しかも、ネットの製作教室(怪物屋吉尾の塗装教室:当ブログ2023.10.23参照)の最新の動画(マリリン・モンロー編)を見たら、とても作れそうには思えません。どうやら模型キットは手つかずで死蔵することになりそうです。困りました(笑)。


 

2024年12月 6日 (金)

モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ

 アップルTVで配信された、ハリウッド版ゴジラの全10話のミニシリーズ「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」の海外版BDを購入しました。少し高額でしたが、好奇心に負けました(笑)。

Img_20241206_0001  物語は、ベトナム戦争末期、「キングコング:髑髏島の巨神」のジョン・グッドマンが演じる謎の組織モナークの太っちょリーダーが、巨大なカニやクモの闘いに巻き込まれて最後を迎えるシーンから始まります。そして、場面は変わり、東洋人の女科学者と二人の白人男性による原発事故の調査隊の話となると思ったら、何故か、現在(2015年)まで飛んで、真田広之主演のドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」で大人気となったヒロインを演じたアンナ・サワイが亡くなった父親(平岳大)の東京の住所を探して、異母兄に会うというなんとも不可思議なエピソードが始まり、そうした様々な過去と現在のドラマが脈絡もなく交互に映し出され、一体ゴジラはいつ出て来るのだろうか、というような疑問ともどかしさが延々と続きます。

 中盤まで進むと、どうやら”モナーク”という組織の誕生秘話からの現在までの活動を親子孫三代で描いたお話ということがやっと分かります。うん、完全にゴジラや変な怪獣たちは添え物でした。
 ただ、カート・ラッセルが登場してからが面白くなりましたが、ヒロインの父親である平岳大演じる異端の研究者が実は現地妻を持つ重婚男だったというのは、なんとも違和感のある設定です。なお、最初はアジア系の外国人ぽい感じだった女科学者は、日本人役の山本真理さんという女優さんで、ドラマの終盤からどんどん男前になっていくのが面白い。うん、地下の空洞世界のタイムパラドックスまで仕掛けたのは面白いアイディアでした。それに、最後のオチは、思わず笑いました。「怪しい彼女」の倍賞美津子と多部未華子ぐらいに似ていないのだ(笑)。 

 ところで、このゴジラシリーズはヒットしたのでしょうか?ネットではシーズン2の製作が決定したという噂もありますが、少し心配になりました。次回シリーズでは、ゴジラや異形の怪獣をもっと多く出してほしいものです。複雑な不倫じみた人間ドラマではなく、コテコテの怪獣映画を観たいなあ。

2024年12月 4日 (水)

探偵/スルース

 1972年公開のミステリー映画「探偵/スルース」が初めてディスク化されました。この作品は、ローレンス・オリビエとマイケル・ケインが共演する傑作映画なのですが、いままでVHS化したことはあったものの、何故かDVD化されず、長い間円盤化を望んでいました。今回発売していただいた(株)ニューライン様には厚く感謝申し上げます。ありがとございます。次は、SF映画「惑星アルカナル」をお願いします(笑)。

81bqdt5uzl_ac_sx342_  早速、購入したBDで鑑賞しました。VHSが鑑賞できなくなって以来、もう随分たちますので、ありがたいことに細かなところを忘れていますし、それこそ、観始めるとすぐに引き込まれ一気に観てしまいました。
 もともとは、大ヒット舞台劇を映画化したものであり、著名な推理作家に扮したローレンス・オリビエとその妻の不倫相手であるマイケル・ケインが演じるハンサムな美容師との丁々発止の対決なのですが、さすが演技力のある名優同士の対決は実に見ごたえがあります。

 ちなみに、初見の時は、そのドンデン返しに驚愕したものですが、結果を知っていても、二人の名優の演技と舞台となる富豪である推理作家の遊び心満載の豪邸が楽しめます。特に、ゲームが趣味である推理小説家のコレクションは、美容師に言わせると趣味の悪いおもちゃや小道具類ですが、実に怪しげな雰囲気を醸し出しており、ミステリーファンには垂涎ものです。必見は、暖炉の上のエドガー・アラン・ポー賞の受賞記念品(胸像)です。こうした遊び心は実にうまいなあと感心します。

 それにしても、この舞台劇のセリフに散りばめられている、イギリス特有の上流階級と労働者階級という階級社会の対立はなかなか根深いものがあると思うのですが、どうも最近は、わが国でも”上級国民”などという言葉も使われるようになっており、世襲議員の言動などをみていると、今後の日本の将来が少し心配になります(笑)。
 未見の方は、是非ご覧ください。練り上げられた脚本とあっと驚く展開をご堪能ください。ミステリー映画の傑作です。

 

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