デッドプール&ウルヴァリン
いまや、すっかり落ち目のマーベル・スタジオのアメコミ映画ですが、あのお下劣でドギツいギャグの”デッドプール”の第3作であり、しかも、年老いたウルヴァリンが主人公のハードなアメコミ作品「ローガン」を最後にウルヴァリン役を降板したヒュー・ジャックマンが同役で復帰すると聞いて劇場に足を運びました。・・・・それが大失敗でした(笑)。
もちろん、いつものように、できるだけストーリーなどの情報は目にしなかったので、まさかこんなとんでもない映画だったとは思いもしませんでした。いやあ、全米で第1位の興収をとったなどとはとても信じられません。
物語は「ローガン」でウルヴァリンが力尽きて埋葬された墓から始まります。デッドプールがウルヴァリンの墓を掘り出しているのです。そして、突然、”時空管理局(こんな名称だったが、間違っていたらごめん。)”の兵士が現れ、デッドプールを捕まえようと襲い掛ります。
正直、”時空管理”?とは嫌な予感がしましたが、まさに予感的中で、もう徹底して意味不明なストーリーでした。この”時空管理局”に属する一出先機関(基地)の一局長(その基地のボス)が”この世界”を消滅させようとする野望を何故かデッドプール達が阻止するという話なのですが、1950年代のSF映画を思い起こさせるようなチープで陳腐な基地のセットの上、そのボスのなんとも軽くて道化振りが徹底的に興を損ないます。笑わせようという意図は分かりますが、まったく面白くもおかしくもありません。
しかも、最近こればかりのお馴染み”パラレルワールド”全開で、仲間を死なせて失意の異世界のウルヴァバリンを連れてきたり、”虚無”とかいう禿げ頭の魔女が支配する異世界に追放されたりと、とんでも展開が続きます。
加えて、マーベルコミックの無名のヒーロー達をこれでもかと登場させます。私ほとんど名前も素姓も知りません。なんかデッドプールが色々説明していたので、アメコミファンには感涙ものかもしれませんが・・。アメコミになじみのない者には全くわかりません(笑)。ただ、”引退したんじゃないの”とデッドプールがからかう、黒人の吸血鬼ハンターが出てきたのには驚きましたが(笑)。とにかく、そうしたヒーロー達をまるで使い捨てのように潰す演出をするのは、何故か、物悲しくなりますねえ。そして、”ホンダ”は大丈夫だろうか、心配になりました。
まあ、デッドプールお得意の観客向けの、ディズニーやら、20世紀フォックスへの楽屋ネタのジョークなどは一寸笑えましたが、悪趣味な人体破壊アクションやデッドプールとウルヴァリンの不死身比べ格闘などは笑うに笑えません。Xメンの車いすの禿げ頭の血縁という禿げ頭の魔女の無敵さはなんともあきれるばかりですねえ。能力の理屈もなにもないねえ。
それに、ウルヴァリンが黄色いユニフォームを着るのですが、デッドプールがしきりに”何故、そのユニフォームを着たのか”と問い詰めるシーンがあるのは、どうやら、そのなんともダサい黄色いユニフォームは、漫画原作の有名なウルヴァリン・コスチュームらしく、これまでの映画化ではまったく着ていなかった(デザインがカッコ悪すぎ)ことから、原作漫画ファンへのサービスではないかと想像します。でも、やっぱりダサいユニフォームですよねえ。DCのスーパーマンのように少しぐらいデザインを見直したらよかったのに(笑)。
まあ、とにかく呆れたまま観終わって、エンドロールの後の映像を見て、さらに疲れました。あんな悪口言っていたら、あの全身カワハギ処刑もしかたないねえ。でも、やっぱり笑えません。
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