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2024年8月29日 (木)

フォールガイ

Img_20240829_0003  映画撮影のスタントマンの物語と聞いて、期待が大きかったのかもしれません。映画「フォールガイ」は正直あんまり面白くなかったのです。特に、映画の前半、落下スタントの事故が原因で姿をくらましていたライアン・コリンズ扮するすご腕のスタントマンが、元恋人でいまや助手からいきなり監督に抜擢されたエミリー・ブラント演じる新人監督との再開シーンも、どうも盛り上がりません。エミリー監督による”公私混同”の火だるまスタントの報復リテイクも、唐突な宇宙人役のエキストラの一発ギャグも完全にスベリますし、回転数が新記録らしい車のアクションシーンもまるで笑えません。楽屋落ちのような画面の分割演出も、うっとおしいだけです。いきなり日本刀を振り回す白人女や黒人豹頭の売人の登場も意味わかりません。どうやら、この監督さんがスタント出身らしいのですが、アクション以外の演出がなんとも冴えません。

 前半終わって、”いやあ、これどうするの?”と思っていたら、徐々に陰謀(敵がいたのか!)の正体が分かり始め、定番のごっつい傭兵団が登場し、タフな格闘や大型車両の曲芸アクションシーンが展開され始めて、やっと本領発揮です。さすがにアクションはいろいろ工夫がみられて感心しました。まあ、前半のグダグダ演出が無ければ、もっと面白さが倍増していたと思うと、本当に残念でした。
 でも、何故、”携帯電話”をあのプロデューサー志望の女中国人が持っていたのか、観終わった後ではストーリーまでも分からなくなっていました。困ったものです(笑)。

 それにしても、ハリウッドの女性プロデューサーというのは、皆ああいう口八丁で人の話を聞かない強引な感じなのですかねえ。なんか、現在、アメリカで一番有名なSFファンタジー映画をぶっ壊したと物凄く評判の悪い女性プロデューサーを彷彿させるイメージなのかな(知らんけど)。まあ、今回は、主演の二人がなんか影が薄かったような気がしますし、逆にこの女プロデューサーの印象が強いのは演じた女優さんを褒めるべきなのでしょう。まあ、最後にジェイソン・モモアが飛び入り(?)出演したのは笑いました。お疲れさまでした。以上です。

2024年8月18日 (日)

アウターリミッツ

Img_20240721_00011  知る人ぞ知るSF映画評論家の聖咲奇氏が「聖咲奇の怪物園」という同人誌を発行して、フランケンシュタインの怪物や半魚人などの往年のモンスター達を紹介しています。彼の収集したコレクションや裏話が懐かしくも楽しい読み物になっています。個人的には長年の懸案課題だった半魚人の体色問題が、撮影当時取材に来たLIFE社のカラー写真を証拠として掲げた記事によって、やっと解決を見たような気がしています。

 そうした中で、テレビSF映画シリーズ「アウターリミッツ」の特集がありました。
 アウターリミッツとは、ウルトラQの原型ともいえるアメリカのテレビシリーズで、有名な「ミステリーゾーン」よりモンスター系に力を入れた作品でした。ただ、残念なことに、ウルトラQと同じように、当時私が住んでいた地方では放映されなかった上、このブログでも紹介(2006.8.27)した大伴昌司氏の名著キネマ旬報社の「世界怪獣怪物大全集」の表紙の中央に登場モンスターの写真が掲載されていたこともあって、ともかく観てみたいという思いを拗らせたものでした。そんな記憶を思い出して、無性に見たくなりました。

Img_20240713_00014 Img_20240720_00013  そこで、販売されている映像媒体を調べてみると、3000セット限定生産のDVDボックスが、1シーズンの2巻、第2シーズンの1巻という全3巻しか販売されていないようなのです。しかもオークションなどを見るとやたらプレミアがついており、なかなか手が出ません、と思っていたら、定価より安く出品された奇特な方が居て、第1シーズンボックス2巻を即購入です。

 さて、第1シーズンの第1巻は、前述の「世界怪獣怪物大全集」に掲載されたモンスター達のオンパレードです。第1話のネガ反転宇宙人も味がありましたし、第3話の人造宇宙人は、まさしく同著の表紙の中心に掲載された奴です。そして、第5話が、ナポレオンソロのイリアこと、デヴィット・マッカラムの若き日の6本指の未来人なのでした。これも同著で頭でっかちの特殊メイク(写真だけ)に感心した奴でした。さらに、13話の太古の魚、第14話の蟻宇宙人なども、同著の写真でしか知らなかったものなのですが、何故か、懐かしさがこみあげて来ます。

 もちろん、当時の1話完結のテレビドラマですから、造形の稚拙さ、唐突なラストになるドラマとしての物足りなさは多少ありますが、まあ、いいぢゃありませんか(笑)。しかも、出演俳優もドナルド・プレゼンスやマーティン・ランドーなど有名どころも登場しますので、それなりに頑張っているようです。ただ、どうも、どの作品にも登場するワイフ(妻)や恋人の態度が、愛ゆえか?皆わがままのように見えて、SFドラマのテンポを乱す(笑)のは、いかにもアメリカの家庭を反映した作品なのでしょう。思えば、あちらでは夫婦や恋人などの人間関係を描かないとドラマではない、幼稚だと評価されるという(岡田斗司夫先生の談)のが、こんなところにも反映されているのでしょうか。

 次に、第1シーズンの第2弾ボックスですが、第19話から32話まであるのですが、どうもモンスターのデザインが冴えませんし、物語もあまり面白くありませんでしたねえ。いったん打ち切りになったのもうなずける内容でした。
 そこで、第2シーズンをおさめた第3弾をどうしようかと悩んだのですが、実は、この第3弾のボックスは、プレミアがついてやたら高いのです。その理由を調べてみたら、この第2シーズンは、「ターミネーター」の元ネタになった話など、実に傑作な物語が多いとの評価なのです。こうなると、仕方がありません。またも清水の舞台からジャンプしました(笑)。

Img_20240712_00012  その第2シーズンですが、脚本家のハーラン・エリスンが「ターミネーター」を盗作として訴え、勝訴した第33話「38世紀から来た兵士」は、確かに、未来から兵士がやってくるお話ですが、その未来兵士のアイディアだけであり、そもそも全く違う話のあの名作「ターミ―ネーター」に勝訴したというのは、なかなか理解できせん。アメリカの訴訟制度が変なのかなあ?そのほか、傑作と言われる第37話ガラスの手を持つ男、トレマーズの元ネタのような、第39話火星!その恐るべき敵、第41話のロボット法廷に立つ”I,Robot”、そして、ロバート・デュバル主演の第43話見知らぬ宇宙の相続人、ユニークなデザインの第44話宇宙からの使者など、後年のSF映画の元ネタのような作品も多く見られました。このあたりが傑作といわれる所以でしょうか。

 うん、これで一応満足ラインを超えました。まあ、あんまり子供のころの記憶や妄想にこだわらない方が幸せですよね(笑)。

2024年8月17日 (土)

パリオリンピック

 映画と全く違うのですが、あんまり腹がたったので「パリオリンピック」の話題を取り上げたいと思います。
 まず、オリンピックというのは平和の祭典と思うんですが、イスラエルをはじめウクライナとロシア間での戦争中にもかかわらず開催されるのが腑に落ちませんが、まあロシアが不参加ということで良しとするとしても、SNSやネットがこれだけ発達すると、以前から”黒い五輪”と呼ばれるIOCのやばさが一段と浮き彫りになります。しかも、開催国の思惑や本音までもが透けて見えるのです。

 前回の東京オリンピック以前は、テレビや新聞などのマスコミによって都合よくバイアスがかかったニュースしか目にしなかったのですが、参加する選手自身のSNSや当地(外国)のネットニュースなどがダイレクトに流されると、そのあきれるばかりのとんでもない実態が明らかになります。
 東京オリンピックの時は、”選手村の食事がまずい”と報道した日本のマスコミの評価に対して、参加した選手自身や外国の記者が”食事がおいしい”という絶賛の嵐でしたので、日本人としてはほっとした覚えがあります。一方、隣国の我が国に対する悪意の数々を目にして驚くと同時に、多分、この時から日本人の隣国に対する意識が大きく変わったのではないとか個人的に思ってます。

 そういう中で、今回、”花の都”パリで開催された「パリオリンピック」ですが、昔からフランス好きの日本人にとっては大きな期待があったと思います。なにしろ、我が国の知識人たちは、パリの文化や芸術を高く評価しており、実際にはフランスにほとんど渡航ができない中での影響でしょうか、”おフランス”と揶揄された”山の手”のお上品なマダム達(古すぎるか?)が昔はたくさんいた気がします。
 でも、実際、パリに行くと、ほこりで町や車が薄汚れて(有名な犬のふんは見ませんでした。)おり、とても”花の都”とは思えなかった記憶しかありません。今回のオリンピックでは、そういう現実のパリの不衛生な姿やフランス人の自己中心的な本音を痛い程感じましたねえ。

 まあ、各方面から反発を受けている開会式のことは、いかにも前衛的で悪趣味なフランス風という気がしますのでコメントはしませんが、堂々と行われたアジア人差別ともおもえる柔道やバスケットの意図的な”誤審”の数々には驚きました。いやあ、そこまでやるのかと思えるほどの露骨なフランスびいきは、あきれてものも云えません。
 極めつけは、クライミング女子の手がとどかないスタート位置などありえません。しかも、IOCは知らぬ存ぜぬです。フランスを勝たせるためには、世界中から非難を浴びようが、ルーレットも何も手段を択ばないという露骨な態度は衝撃でした。いやあ、フランス人とはこういう自己中心の人たちだったのか、と改めて絶句です。

 さらに、オリンピックなのに選手へのリスペクトが全くありません。選手村は、CO2削減の名のもとにエアコンは無く(フランス選手宿舎には付いていたらしい)、食事もビーガン食で、身体が資本の運動選手には不評だったようです。”東京の選手村が懐かしい”という声まで出ていたようです。
 そんな中で糞尿が流れるセーヌ川でトライアスロンを強行し、大腸菌で入院患者を出す始末です。65歳の女パリ市長の公約らしいのですが、水質検査の結果も公表されていないらしいので、まさしく政治主導の大会らしい競技でした。それにしても、セーヌ川って、汚水と雨水が流れ込む方式なので昔から汚かったようですねえ。これからは映画などでセーヌ川河畔での恋物語を見ても幻滅するだけでしょう。そういう意味では、パリのイメージがとことん落ちたような気がします。

 また、今回の大会は、LGBTを標榜し、男性を女性ボクシングに出場させて金メダルを取らせたり、実力のない女性審査員を多数登用して誤診を起こしたりと性的少数者を優遇する一方、人種差別にはほとんど無頓着な状況は、欧米のいう多様性というものに大きな懐疑を抱かせましたし、日本人にとっては、フランスという国への幻想を打ち消し、フランスという国の実態を垣間見れたことが、今大会の意義であったと思います。

 最後に、選手たちからは東京選手村を懐かしむ声が出たり、IOCの役員からは”また東京で開催したい”などいうとんでもない声も出たようですが、東京都の発表では、前回は2兆数千億円の赤字だったそうで、経済波及効果どころか、国民の血税で穴埋めする結果なのです。もうそろそろオリンピック自体の金権体質とそのうさん臭さを認識して、開催どころかできるだけ距離を置くべきと思います。
 でも、我が国の政治の状況をみる限り、またぞろ、多額の中抜きを行ったどこかの企業や政治家のように、開催に向けて暗躍する輩が出て来そうな気がします。いいかげん、目をさましてほしいものです。本当に最近の我が国の政治家は利権のために売国行為しかしないような気がします。そして、そうした政治に陥ったのは、投票にもいかない若者をはじめ私たち国民だということを肝に銘じなければなりません。次は是非みんなで投票に行きましょう。いやあ、歳のせいか、ついつい説教じみたことを言ってしまった(笑)のだ、ごめんなさい。

2024年8月14日 (水)

デッドプール&ウルヴァリン

 いまや、すっかり落ち目のマーベル・スタジオのアメコミ映画ですが、あのお下劣でドギツいギャグの”デッドプール”の第3作であり、しかも、年老いたウルヴァリンが主人公のハードなアメコミ作品「ローガン」を最後にウルヴァリン役を降板したヒュー・ジャックマンが同役で復帰すると聞いて劇場に足を運びました。・・・・それが大失敗でした(笑)。
 もちろん、いつものように、できるだけストーリーなどの情報は目にしなかったので、まさかこんなとんでもない映画だったとは思いもしませんでした。いやあ、全米で第1位の興収をとったなどとはとても信じられません。

Img_20240814_0001  物語は「ローガン」でウルヴァリンが力尽きて埋葬された墓から始まります。デッドプールがウルヴァリンの墓を掘り出しているのです。そして、突然、”時空管理局(こんな名称だったが、間違っていたらごめん。)”の兵士が現れ、デッドプールを捕まえようと襲い掛ります。

 正直、”時空管理”?とは嫌な予感がしましたが、まさに予感的中で、もう徹底して意味不明なストーリーでした。この”時空管理局”に属する一出先機関(基地)の一局長(その基地のボス)が”この世界”を消滅させようとする野望を何故かデッドプール達が阻止するという話なのですが、1950年代のSF映画を思い起こさせるようなチープで陳腐な基地のセットの上、そのボスのなんとも軽くて道化振りが徹底的に興を損ないます。笑わせようという意図は分かりますが、まったく面白くもおかしくもありません。

 しかも、最近こればかりのお馴染み”パラレルワールド”全開で、仲間を死なせて失意の異世界のウルヴァバリンを連れてきたり、”虚無”とかいう禿げ頭の魔女が支配する異世界に追放されたりと、とんでも展開が続きます。
 加えて、マーベルコミックの無名のヒーロー達をこれでもかと登場させます。私ほとんど名前も素姓も知りません。なんかデッドプールが色々説明していたので、アメコミファンには感涙ものかもしれませんが・・。アメコミになじみのない者には全くわかりません(笑)。ただ、”引退したんじゃないの”とデッドプールがからかう、黒人の吸血鬼ハンターが出てきたのには驚きましたが(笑)。とにかく、そうしたヒーロー達をまるで使い捨てのように潰す演出をするのは、何故か、物悲しくなりますねえ。そして、”ホンダ”は大丈夫だろうか、心配になりました。

 まあ、デッドプールお得意の観客向けの、ディズニーやら、20世紀フォックスへの楽屋ネタのジョークなどは一寸笑えましたが、悪趣味な人体破壊アクションやデッドプールとウルヴァリンの不死身比べ格闘などは笑うに笑えません。Xメンの車いすの禿げ頭の血縁という禿げ頭の魔女の無敵さはなんともあきれるばかりですねえ。能力の理屈もなにもないねえ。

 それに、ウルヴァリンが黄色いユニフォームを着るのですが、デッドプールがしきりに”何故、そのユニフォームを着たのか”と問い詰めるシーンがあるのは、どうやら、そのなんともダサい黄色いユニフォームは、漫画原作の有名なウルヴァリン・コスチュームらしく、これまでの映画化ではまったく着ていなかった(デザインがカッコ悪すぎ)ことから、原作漫画ファンへのサービスではないかと想像します。でも、やっぱりダサいユニフォームですよねえ。DCのスーパーマンのように少しぐらいデザインを見直したらよかったのに(笑)。

 まあ、とにかく呆れたまま観終わって、エンドロールの後の映像を見て、さらに疲れました。あんな悪口言っていたら、あの全身カワハギ処刑もしかたないねえ。でも、やっぱり笑えません。

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