ケムール人、再び。
1966年に放映された「ウルトラQ」の最高傑作と評される「2020年の挑戦」 に登場するケムール人の人気が衰えません。丁度いま、怪獣フィギュアメーカーの雄”エクスプラス”の子会社で通販専門「少年リック」から、ケムール人の復刻フィギュアが発売(予約)されました。
この商品は、「MONSTER MAKER 28」という造型メーカーから発売されていたレジンモデルキットの原型をもとにした、ソフビ版だそうです。少年リックの宣伝文句によると、原型師丹羽秀介氏による傑作キットらしいのです。商品写真では、今時のモデルらしく、発光するようになっています。
また、かつて「オリエントヒーローシリーズ」の怪獣キットで一世を風靡した造型メーカーの”ボークス”も、最近の小森陽一氏の活動に触発されたのか、突然、以前の復刻怪獣キットの発売をはじめ、その第2弾がケムール人だったので、偶然にしろ、同時期に密かな”ケムール人”ブームが起こったような気さえしました(笑)。
ちなみに、以前このブログでも取り上げた(2018.12.08参照)ように、私もこのケムール人のユニークなデザインが大好きなのです。デザイン担当の成田亨氏自身も、エジプト絵画独特の平面性を取り入れた会心の作だと言っているようです。確か、幼いころ愛読した怪獣書籍の中で、このエジプト画の手法の話(横顔に目が2つのイメージ?)は読んだ覚えがあります。彫刻家でもある成田は、どの角度から見ても同じに見えるシンクロナイゼーション手法で人間の顔を四方から描いたということですが、・・・まあ、芸術家の言うことはあまりよくわかりません(笑)。しかし、その頭の提灯に三つの目玉は、なんとも圧倒的な存在感があり、当時から私のお気に入りの造型なのです。大人になっても、何度見ても、傑作デザインです。さすが、成田亨氏です。なお、頭と手足の造型は名匠高山良策氏です。ボディスーツはなんかの流用で成田氏が青く塗ったという証言があります。余談ですが、このケムール人はモノクロ映画でカラー写真が存在していないので、実際の色は不明なのですが、前述の証言から青系で塗装するのが定番になっているそうです。
さて、自宅の廊下のコーナーに飾ってある(写真)のは、もう随分前に発売されていた”メディコムトイズ”の30cmクラス(モノクロ版)と”エクスプラス”の20cmクラス(カラー版)のフィギュアです。そのほか、ビリケン商会のソフビキットの完成品もありますが、今回、ケムール人ブームおかげ(笑)か、前述のとおり、エクスプラスがフィギュアの復刻原型に使用するほど絶賛していた丹羽俊介氏のケムール人のレジンキットの完成品がオークションに出品されたのです。正直どうしようかと迷いましたが、ソフビではなくレジン製であること、そして完成した出来に感心したこと。特に、グリーン系の塗装が気に入ったので、清水の舞台から飛び降りました。その写真をどうぞ。ともあれ、これで”ケムール人”ネタは打ち止めです(笑)。
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