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2024年5月25日 (土)

碁盤斬り

 時代劇「基盤斬り」はなかなか面白かった。落語「柳田格之進」を元ネタにしているせいか、昔の日本人の気質をよく描いていると感じました。もっとも、金品の紛失を問われただけで疑義を掛けられたと切腹しようとするのは、その昔でもやや行き過ぎと思われて、それゆえに落語のネタにまでされてしまったのでしょう。おかげで”格”とつく名前は、曲がったことが大嫌いというイメージを抱いてしまいましたねえ。水戸黄門の”格さん”のせいかもしれませんが(笑)

Img_20240524_0002  白石和彌監督の初めての時代劇だそうですが、なかなかうまく撮れています。よくあるような江戸の街のセットもなかなかリアルに見えるような角度から撮影し、彩度を落とした落ち着いた色調も好感が持てます。最近の日本映画もやっとセットや衣装などに写実性を求めるようになりましたねえ。本当に良いことですねえ。

 そして、なにより、出演者がみな実にうまい演技を披露しているのが見処になっています。
 まず、主演の草彅剛が良い。やっとジャニーズの呪縛が消えたせいか、最近は演技賞も取っているようでなかなか頑張っています。もともとテレビドラマでも演技がうまかったので、この作品も安心して観ることができました。曲がったことが大嫌いで、やや行き過ぎ感のある性格の主人公を地(笑)で演じているように見えます。

 また、個人的には、その娘役の清原果耶が断然気に入りました。もういまや絶対に存在しない”親孝行の娘”を演じています。親への不当な疑惑を晴らすために廓に身を売るというあり得ないような落語ネタ話を現実味をもって表現できたのは、彼女のもつ凛とした佇まいのせいでしょうねえ。いやあ、頼りない手代でなくても惚れてしまいます(笑)。でもまあ、最後が落語の結末じゃなくてハッピーエンドで本当に良かった。廓の小泉今日子女将に感謝です(笑)。
 その他、國村隼がやっぱりうまい。最初の因業親父から落語の人格者の店主に変化する姿を流れるように無理なく演じています。なお、碁会の親分、市村正親も貫禄十分でした。

 そんな中で、斎藤工が演じる、主人公を藩からの追放に追いやった元上司(?)なのですが、実はこの人物像が良くわかりません。どうやら主人公の正直すぎて、固すぎる人柄の故に、”水清ければ魚棲まず”の例えのように人間関係がぎくしゃくしていたのが理由だったようです。女関係は付け足しのような気がします。どちらにしても、主人公が部下たちの賄賂授受を殿に直訴した後の影響を暴きたてるも、結局、本人は何も手助けをしていないので、まあ、自分勝手なわがまま野郎だということなのでしょう。うん、斉藤工が喜々として演じそうな役柄です(笑)。

 しかし、この映画のオチは、なんとなくしっくりしません。犯罪と刑が見合っていないという藩の処置を内部通報者が自ら節を曲げてまで被るというのは納得できませんね。あれは盗品売買という立派な犯罪です。

 最後に、この作品の根幹と言うべき碁打ちの各場面は、全然ルールが分からない私でもなかなか迫力ある演出でした。さすが白石監督の手腕と感心しました。でも、タイトルにあったとしても、あの一品と評価される高価な碁盤を真っ二つにするのは実にもったいないなあ(笑)。

 以上、久しぶりの時代劇は残念ながら殺陣は少なかったですが、人情ものの佳作として楽しめました。未見の方は是非、劇場に足をお運びください。

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