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2024年4月 6日 (土)

ゴーストバスターズ/フローズンサマー

 ゴーストバスターズの新シリーズの第2作目「ゴーストバスターズ/フローズンサマー」は、予想どおり”可もなく不可もなし”と言う作品でした。前作のオクラホマの片田舎からオリジナルの舞台であるニューヨークに移って、お馴染みの消防署がバスターズ本部となっているのは大いに結構です。さらに、実質的な主演が15歳の少女を演じるマッケナ・グレイスであることが最も評価するところです。なにしろ、キャプテン・アメリカと共演した天才少女役の「gifted/ギフテッド」からのファンなのです。前作よりも大人びており、今後の成長がかなり期待できる女優さんです。製作サイドもよくわかっているのでしょう、物語はアントマン(笑)ではなく、よくも悪くも彼女を中心に進むのです。そうです、天才科学オタクの彼女のお転婆ぶりと困惑(?)こそがこの作品の見所なのです。

Img_20240406_0001  一方、ストーリーは今一つ盛り上がりません。まず、未成年の彼女の”児童労働”という反ゴーストバスターズの市長からの”横やり”などは、こんな児童向けのジャンルの映画では意表を突く試みでしょうが、まあ無粋というものでしょう。第1作でゴーストバスターズを陥れた役人を演じた俳優をわざわざ起用しています。正直、彼が市長で登場した瞬間、映画「ダイハード」の嫌味なテレビレポーターを思い出しました。ほとんど容姿に変化は無く、さすが当たり役というか、いつもこんな役ばかりなのですねえ、御愁傷様です(笑)。でも、その起用もむなしく、残念ながら一向に面白くならないのです(笑)。

 つぎに、ゴーストなどの騒動による大被害は、結局ゴーストバスターズの面々の迂闊な行動が直接の原因となっている展開なので、万事解決しても、どうも素直に喜べません。そっとしておくべきところを興味本位で安易に手を出して大惨事を引き起こしているのですから、まさしくマッチポンプなのです。町の損害が気になってどうも観ていて心から笑えません。アメリカ人は笑えるのかな?

 そして、致命的なのが、今回のラスボスである悪神ガラッカの”竜頭蛇尾”ぶりです。散々その恐怖を煽ったあげく、なんとも軟弱者(笑)なのです。海を凍らせ、無数の氷の棘を乱立させたものの、何故か人間には全く当たりません(笑)。しかも、ラストのゴーストバスターズとの決戦では、主人公達が攻撃できるようになるまでのドタバタ劇をただただボケ~と待っている(笑)というのも意味が分かりません。演出が間延びしており、興ざめなのです。ここは大きく減点ですねえ。要するに盛り上がらないのです。

 まあ、あまり細かなことを考えずに、オリジナルのゴーストバスターズの雰囲気を味わってください。そういう映画でした。

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