無料ブログはココログ

« 2024年3月 | トップページ | 2024年5月 »

2024年4月28日 (日)

ゴジラ✕コング 新たなる帝国

 ハリウッド版ゴジラの最新作「ゴジラ✕コング 新たなる帝国」ですが、あの「ゴジラ-1.0」を観た後ではなんとも微妙ですねえ。まず、最初に気になったのは、このタイトルの”X”の読み方です。日本語では単に”と”か、あるいは”バツ”や”かける”なのか?英語読みだと”タイムズ”ですが、まあ、”エックス”ぐらいがが妥当かなと思ったら、ネットでみると、”ゴジラ、コング”と読んで”X”は発音しないそうです。

Img_20240426_0001  内容は、もう昭和の怪獣映画黄金時代の末期、ゴジラシリーズが完全にお子様相手になった頃の作品を彷彿させます。ただ、ハリウッドらしく巨額の資金を投入したVFXの凄さには感心します。冒頭のコングの迫力はやっぱり大したものです。単純に驚きます。
 地球の空洞世界でのコングが巨大なヘビのような怪獣などと次々と戦う姿は、初代”キングコング”へのリスペクトが感じられ、好感が持てます。まあ、”コングの息子”にも目配りしたようなストーリー自体、完全にキングコングの物語です。前作もそうでしたから、結局は”ゴジラ”は添え物ですねえ。

 それにしても、コングが虫歯になるなどそもそも”怪獣”いや”タイタン”とは何かと、はなはだ疑問になりました。やはり日本人とアメリカ人との感性には相当な違いがありますねえ。もはや、完全な子供だましのキャラクターになっています。ゴジラが軽快に走り回り、岬のてっぺんから豪快な飛び込みまで披露するのですから、とても恐怖の対象のゴジラではありません。完全な怪獣ヒーローですねえ。モスラの仲裁などにもあきれますが、なによりそのデザインが酷いです。なんとも救いようがありません。

 しかも、敵役がしょぼいのです。頭の禿げた赤毛の手長オランウータンでは役不足ですし、飼育している冷凍怪獣(冷凍は流行かな?)も本来はもっと凶暴でなければなりません。ほかにもいろいろ”怪獣”らしき巨大生物が登場しますが、やっぱりデザインがイマイチですねえ。思えば、黄金時代の日本の”怪獣”のデザインがなんと素晴らしかったのかと、改めてそう感じました。

 以上、なんとも印象のうすい怪獣映画でした。ただ、私のお気に入りのジャンルの作品なので、できれば世界中でヒットして、続編ができることをお祈りしております。
 それにしても、劇場パンフレットの1,100円は高すぎます。赤と紫のエンボス仕様のカバー付きであることも値段が高い要因かもしれませんが、まず、パンフレットは、中身の記事で勝負してほしいものです。本編と一緒で内容が薄かったのが、本当に残念でした。

2024年4月25日 (木)

アメリカ映画の文化副読本

 先日、買った「アメリカ映画の文化副読本」が予想外に面白かったのでご紹介します。
 アメリカの現実について、都市や社交、教育や信仰、人種と政治、そして職業などの切り口からその生の実態を淡々と記事にしているのですが、著者が実際に選挙活動などで経験したお話なので、彼我の違いに本当に驚きます。

811ejq0qkl_sl1500_ 正直、ハリウッド映画をより深く楽しむための教養というよりは、あまりの文化と制度の違いに、日本以外の世界の過酷さを目の当たりにして、いやあ日本に生まれていて本当に良かった、としみじみ思ったのが読後の感想です。
 まあ、何故、学園映画で、学生たちが廊下でたむろするのか? 何故、いつもパートナーを求めるのか? いままで分かったような気がして見過ごしていたことが、その背景を知って恥ずかしくなりますねえ。いや、まさしく、それほど、日本とは制度が違うのです。ごく一部の裕福な特権階級と昔から変わらぬ頑固な田舎の国なのですねえ。トランプ元大統領が強いはずです。
 かつて、子どものころ、あこがれた理想のアメリカ社会は、全くの”幻想の国”でしたねえ。現実は本当に酷いものです。この本を読んでつくづく思い知りました。
 でも、世の中にはまだまだ欧米の制度をそのまま導入しようとする愚か者がいるのには困ったものですねえ。

 思えば、最近のYoutubeでは、よくアメリカのとんでもない現状、例えば、低所得者対策の結果の万引き横行、ドラッグ解禁の結果のゾンビの街の風景などが紹介されるのですが、それも納得の社会ですねえ。人種問題を抱えた、過酷な競争と格差社会なのです。力のあるものが強者であり、基本的にはアメフトのスター選手とチアリーダーの世界なのです。銃規制も医療保険制度も実現不可能でしょう。束縛を受けずに自由に生きる、それがDNAなのですから、平和ボケした日本人にはとても耐えることはできないように思いますねえ。いやあ、恐るべきアメリカです。
 
 それにしても、子どもが一人で通学して、女性が安心して夜歩ける治安の良さや、ごみのない清潔な社会に、来日した外国人が驚嘆するはずです。どうやら、世界にこんな治安が良く、食べ物がおいしくて、四季のある美しい国はないようです。せめて、いまの日本の良い文化、平和な社会を維持してほしいものですが、外国人の移住を安易に促進し、利権ばかりをむさぼる政治では、それも風前の灯なのかもしれません。悲しい限りですねえ。本当に残念です。

2024年4月 6日 (土)

ゴーストバスターズ/フローズンサマー

 ゴーストバスターズの新シリーズの第2作目「ゴーストバスターズ/フローズンサマー」は、予想どおり”可もなく不可もなし”と言う作品でした。前作のオクラホマの片田舎からオリジナルの舞台であるニューヨークに移って、お馴染みの消防署がバスターズ本部となっているのは大いに結構です。さらに、実質的な主演が15歳の少女を演じるマッケナ・グレイスであることが最も評価するところです。なにしろ、キャプテン・アメリカと共演した天才少女役の「gifted/ギフテッド」からのファンなのです。前作よりも大人びており、今後の成長がかなり期待できる女優さんです。製作サイドもよくわかっているのでしょう、物語はアントマン(笑)ではなく、よくも悪くも彼女を中心に進むのです。そうです、天才科学オタクの彼女のお転婆ぶりと困惑(?)こそがこの作品の見所なのです。

Img_20240406_0001  一方、ストーリーは今一つ盛り上がりません。まず、未成年の彼女の”児童労働”という反ゴーストバスターズの市長からの”横やり”などは、こんな児童向けのジャンルの映画では意表を突く試みでしょうが、まあ無粋というものでしょう。第1作でゴーストバスターズを陥れた役人を演じた俳優をわざわざ起用しています。正直、彼が市長で登場した瞬間、映画「ダイハード」の嫌味なテレビレポーターを思い出しました。ほとんど容姿に変化は無く、さすが当たり役というか、いつもこんな役ばかりなのですねえ、御愁傷様です(笑)。でも、その起用もむなしく、残念ながら一向に面白くならないのです(笑)。

 つぎに、ゴーストなどの騒動による大被害は、結局ゴーストバスターズの面々の迂闊な行動が直接の原因となっている展開なので、万事解決しても、どうも素直に喜べません。そっとしておくべきところを興味本位で安易に手を出して大惨事を引き起こしているのですから、まさしくマッチポンプなのです。町の損害が気になってどうも観ていて心から笑えません。アメリカ人は笑えるのかな?

 そして、致命的なのが、今回のラスボスである悪神ガラッカの”竜頭蛇尾”ぶりです。散々その恐怖を煽ったあげく、なんとも軟弱者(笑)なのです。海を凍らせ、無数の氷の棘を乱立させたものの、何故か人間には全く当たりません(笑)。しかも、ラストのゴーストバスターズとの決戦では、主人公達が攻撃できるようになるまでのドタバタ劇をただただボケ~と待っている(笑)というのも意味が分かりません。演出が間延びしており、興ざめなのです。ここは大きく減点ですねえ。要するに盛り上がらないのです。

 まあ、あまり細かなことを考えずに、オリジナルのゴーストバスターズの雰囲気を味わってください。そういう映画でした。

« 2024年3月 | トップページ | 2024年5月 »

2024年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31