ゴジラ✕コング 新たなる帝国
ハリウッド版ゴジラの最新作「ゴジラ✕コング 新たなる帝国」ですが、あの「ゴジラ-1.0」を観た後ではなんとも微妙ですねえ。まず、最初に気になったのは、このタイトルの”X”の読み方です。日本語では単に”と”か、あるいは”バツ”や”かける”なのか?英語読みだと”タイムズ”ですが、まあ、”エックス”ぐらいがが妥当かなと思ったら、ネットでみると、”ゴジラ、コング”と読んで”X”は発音しないそうです。
内容は、もう昭和の怪獣映画黄金時代の末期、ゴジラシリーズが完全にお子様相手になった頃の作品を彷彿させます。ただ、ハリウッドらしく巨額の資金を投入したVFXの凄さには感心します。冒頭のコングの迫力はやっぱり大したものです。単純に驚きます。
地球の空洞世界でのコングが巨大なヘビのような怪獣などと次々と戦う姿は、初代”キングコング”へのリスペクトが感じられ、好感が持てます。まあ、”コングの息子”にも目配りしたようなストーリー自体、完全にキングコングの物語です。前作もそうでしたから、結局は”ゴジラ”は添え物ですねえ。
それにしても、コングが虫歯になるなどそもそも”怪獣”いや”タイタン”とは何かと、はなはだ疑問になりました。やはり日本人とアメリカ人との感性には相当な違いがありますねえ。もはや、完全な子供だましのキャラクターになっています。ゴジラが軽快に走り回り、岬のてっぺんから豪快な飛び込みまで披露するのですから、とても恐怖の対象のゴジラではありません。完全な怪獣ヒーローですねえ。モスラの仲裁などにもあきれますが、なによりそのデザインが酷いです。なんとも救いようがありません。
しかも、敵役がしょぼいのです。頭の禿げた赤毛の手長オランウータンでは役不足ですし、飼育している冷凍怪獣(冷凍は流行かな?)も本来はもっと凶暴でなければなりません。ほかにもいろいろ”怪獣”らしき巨大生物が登場しますが、やっぱりデザインがイマイチですねえ。思えば、黄金時代の日本の”怪獣”のデザインがなんと素晴らしかったのかと、改めてそう感じました。
以上、なんとも印象のうすい怪獣映画でした。ただ、私のお気に入りのジャンルの作品なので、できれば世界中でヒットして、続編ができることをお祈りしております。
それにしても、劇場パンフレットの1,100円は高すぎます。赤と紫のエンボス仕様のカバー付きであることも値段が高い要因かもしれませんが、まず、パンフレットは、中身の記事で勝負してほしいものです。本編と一緒で内容が薄かったのが、本当に残念でした。
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