デューン 砂の惑星 PART2
第1作の前作「デューン 砂の惑星 PART1」では、見たこともない宇宙船のデザインなどの映像美に圧倒された(当ブログ2021.10.20参照)こともあり、この後編「デューン 砂の惑星 PART2」には大変期待していました。
その期待が大き過ぎたせいなのでしょうか、それとも、前編の画期的なビジュアル等に慣れてしまったのか、観た後の感動がまったく盛り上がらないのです。もちろん、本物の砂漠を撮影した迫力と実にリアルなCG映像との合成の凄さなど、あいかわらず圧倒的な映像は健在なのですが、なんとも心が弾みません。それどころか、空想の惑星の砂漠や風俗文化があまりにも現実のアラブ世界を再現し過ぎているためか、現在の中東情勢などが生々しく重なり合ってしまい、SF映画としてのお楽しみが割引かれます。どうも、私のように現実を忘れ、能天気に映画を楽しみたい観客には少し苦手な作品になりました(笑)。
いや、こうした感想こそ、原作小説やドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が描きたかったテーマなのでしょうが、あまりにも現実を突きつけられたような気がして、心から楽しめないのです。パンブレットによると、宗教の狂信性や”救世主”思想への懐疑を浮き彫りにしている面が評価されているようですが、主人公ポールが”救世主”になることに悩むシーンがあまりにも延々と続くので、狂気の白塗り坊主頭の敵役や皇帝までも登場するものの、なんかストーリーにインパクトが感じられません。
また、最後の救世主の勝手な”行動”をヒロインが拒否するシーンは、どうやら原作とは違って、映画オリジナルで”自立する強い女”の設定になっているそうですが、個人的に演じる女優さんがあまり贔屓でないので、まあ、どうでもいいのです(笑)。
それにしても、民衆の信仰心を煽って、大きな戦争へ”同胞”を駆り立てていくラストは、現在の世界情勢を念頭に置くと、寓話にしても恐ろしい気がします。一方で、デビット・リンチ監督の旧作のように、雨を降らす奇跡も起きず、単に惑星間戦争への突入というところで上映時間166分が終わったのは、SF物語としては尻すぼみというほかはなく、ミーハーの私などはなんとも物足りなさを感じました。どうやらPART3を想定しているかもしれませんが、やっぱり話をきちんと終わらせてほしかった。
デビット・リンチ監督の”ブリキ製”のようなチープで通俗的な旧作「砂の惑星」を再見したくなったなあ(笑)。
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