アクアマン/失われた王国
2018年に大ヒットしたDCアメコミ映画「アクアマン」の続編がついに公開されました。第1作が傑作だったせいか、あるいはアメコミ映画の乱立に嫌気がさしたのか、全米では評判が悪いようです。まあ、最近のマーベル、いやディズニーのせいでロクでもない作品しかないので、現在のアメコミ映画の惨状は当然なのかもしれませんが、ここは、ヒットメーカーのジェームズ・ワン監督の手腕を信じて、劇場に足を運びました。
結論から言うと、世評ほどひどいものではありません。まあ、1作目が傑作過ぎたので期待が高かったかもしれませんが、普通に楽しめましたねえ。
ストーリーは、大西洋の”どこか”やサハラ砂漠など世界各地を巡るものの、テーマが子育ての大変さと兄弟の仲直りという、身近でややこじんまりとした内容になっており、その分損をしている印象です。しかも、失われた王国の”ラスボス”は、竜頭蛇尾、羊頭狗肉と言ってよいほどの見かけ倒しな有様で、これが作品の”小物感”に拍車をかけています(笑)。ついでにいうと、最終の環境破壊エネルギーで巨大化したモンスターが跳ねるだけのバッタではなんともインパクトが薄いですなあ。
しかしながら、この映画の最大の”売り”は、主演のジェイソン・モモア演じる主人公の”男ぶり”なのです。細かなことなど気にしない大雑把な態度やどんなピンチでも動ぜず軽口をたたく大男の行動は、いまや失われた古き良き時代の”男のヒーロー”を思い出させます。さらに、野心家ではあるが、常識的(?)な弟との対比がさらにその魅力を倍増させています。ただ、あの昆虫食のギャグは日本人にはいただけませんねえ、あれでどれだけファンを逃したのか、不安でなりません。
さらに、このシリーズの魅力は、登場する架空のマシンのデザインが楽しいのです。前作のブラックマンタの大目玉の戦闘服は傑作であり、今回は、敵の潜航艇”タコ型モービル”のデザインに感心しました。このマシンは、複数の足で物をつかみ、さらにプロペラのように回転して推進力を得るという万能マシンなのですが、触手のような足をドンと地面に突き立てたシーンは、私のお気に入りのスパイダーマン第2作に登場する”ドク・オック”の触手を彷彿させてくれて、大満足でした。うん、個人的にはこのシーンだけで劇場に行った甲斐はありました。
ただ、惜しむらくは、アトランチック王国の代表者評議会メンバーや海底の海賊のモンスターなどのデザインが、後期のスター・ウォーズの悪いところばかりを真似したような陳腐なものになっており、多分、監督のオマージュだとはおもいますが、なんとも私には不満でしたねえ。
以上いろいろ苦言も呈しましたが、普通に楽しめる作品です。最後に、極悪非道な悪役のブラック・マンタの”意地”に少し感心して終わります。まあ、小品だけに当ブログも短くしました(笑)。
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