海外で大ヒットのゴジラ-1.0
現在公開中の映画「ゴジラ-1.0」の封切り直後、元祖オタク評論家の岡田斗司夫氏が自らのyoutubeで「このゴジラ映画は、シン・ゴジラを超えた。100億円は行く。世界水準にある。」と述べて、国内では80億円という驚異的な興業収入を達成したものの、海外では全くヒットしなかった”シン・ゴジラ”と違って人間ドラマがあることが世界市場(特に欧米では)に必須であると解説していました。
確かに、今回のゴジラ新作は、大日本帝国の戦艦とのバトルなどのVFXはハリウッド映画に匹敵すると思いましたが、戦争直後の人間ドラマとしては、神木隆之介の熱演もあるものの、個人的にはなんか少し物足りないような気がしていましたので、その解説にはやや疑問符を付けていました。
実際、国内の興行収入を見ると、封切り直後の週末10億円越えを達成して良かったものの、3週連続1位の後は”シン・ゴジラ”のように爆上がりもせず、現時点(12月18日)で累計44億円にとどまっています。勿論、これだけでも既に大ヒットなのですが、正直なところ、国内でも80億円を超えてほしかった。上から目線のアンノ野郎さんに一矢を報いたい(笑)。
一方、海外では12月1日に全米公開されると、字幕付き(あちらは字幕が敬遠されるそうです。)にもかからわず、海外のレビューサイトのロッテントマトの評価が、識者97%、一般98%が”良い”という、とんでもなく高い評価となっており、実際最初の週末興行では16億円と全米第3位という成績となり、邦画の歴代第一位の1987年「子猫物語」を超えて実写映画の記録を塗り換えたそうです。
ただ、”次週には第1位を”と願っていたら、何故か、宮崎駿の最新アニメ「少年とサギ」が乱入して、ちゃっかり上位を占められました。いまさら邪魔してほしくなかったなあ(笑)。
しかし、その後も上映期間の延長や上映館の拡大が続き、複数の映画祭での受賞までも報告されているようです。こうなると、ノミネートされているアカデミー賞の視覚効果賞も期待できます。どうやら22億円の予算で200億円を超えるハリウッド映画のVFXと同等の効果が上がっていることが評価されているようです(微妙?)。しかし、VFX出身の山崎貴監督は本望でしょうねえ。
さらに、これからはアメリカ以外の国でも順次公開が予定されているようですし、現時点での全米の累計興収は3400万ドル(約50億円)のようですから、国内合わせると100億円達成はもう時間の問題です。
いやあ、この結果を見ると、岡田斗司夫氏の慧眼には感服します。疑ってごめんなさい(笑)。それにしても世界市場はやはり大きいですねえ。山崎監督、おめでとうございます。海外進出も期待しています。
なお、この作品については、youtubeで岡田斗司夫氏を初めとして様々な番組(?)が公開されています。兵器マニアたちが映画に登場する重巡洋艦や戦闘機の薀蓄を話すのも楽しいものです。そこで0戦が片足づつ出し入れすることを初めて知りました(笑)。
こうした多数ある配信の中で、特に山崎監督が出演した「ホイチョイ的映画製作~この一本~」での対談が実に良かったなあ。山崎監督の撮影現場の率直なネタ晴らしが面白すぎます。未見の方は是非ご覧ください。
このほか関連ビジネスとして、毎回ゴジラ映画公開記念として恒例のように発売される商品”一番くじ、A賞”のゴジラ模型をご紹介します。前回「コングVSゴジラ」に引き続き、ゴジラ専門造型師酒井ゆうじ氏が製作した完成品モデルです。籤運の悪い私は、いつのようにオークションで当選品を購入しました。高額になりますが、確実な方法としてやむ得ない対応なのです。なんせ、外れくじ商品のゴジラ印のタオルやマグカップは要らないのです(笑)。
ただ、今回購入に際しては発送にかなり時間を要するなど、取引中にやきもきすることもありましたが、なんとか無事ゲットできました。出品者の事情が全く分からないところがオークション制度の弱点ですねえ。メルカリの方が人気なのがわかります。
さて、現物は高さ23cm、頭から尾先まで直線で32cmのサイズですが、さすがゴジラ模型に定評のある酒井ゆうじ作品だけあって、皮膚感など実にリアルに作られています。その勇姿をご覧ください。
何故か、もう一度映画を見たくなりました。ラストの黒い傷を見逃しましたから、100億円に貢献するためにももう1回行こうかな?
最後に余談です。第2刷(初版は品切れだった)の文庫「小説ゴジラ-1.0」を読んでわかったのですが、鑑賞時”おかしい”と思っていた、主人公が復員した際、隣家のおばさんから罵倒されるシーンは、実は主人公が特攻で出撃したことが家族に知らされていたという設定があったようです。でも、映画ではそんなことは全く分かりませんですよねえ。史実上、特攻の場合皆家族に知らせるのかな?誰か、詳しい方、教えてください。
« マーミット・エイトマンのリメイク | トップページ | 模型用塗装ブースのリニューアル »
コメント