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2023年11月 8日 (水)

ゴジラ-1.0

 令和5年11月3日(金)の朝9時、「ゴジラ-1.0」の初日、初回上映を観るため、映画館への入場、チケット発券、さらには劇場パンフレット購入の長い行列に順次並びました。子供の頃、良い席をとるために朝早くから映画館の前で並んでいたことを思い出しました。それにしても、いまやチケットはネット予約済みなのに、発券のために列に並ぶのは本当になんとかならないものでしょうか。まあ、祝日とはいえ、映画館がこれほど混むのは久しぶりだと思います。それだけ前人気があったのでしょう。ネットで調べると前日にはもう満席状態だったので、当日券に並んでいる人たちはどうするのでしょうねえ。他人事ながら気になります。
 加えて、グッズ売り場の混雑も大変です。ゴジラのトイなどを抱えた、いかにもオタク風の若い人達が大手を振って行列に並んでいるのは、私などの”往年の隠れ特撮ファン”には感慨深いものがあります。いやあ、うらやましい(笑)。

Img_20231103_0001  さて、肝心なこの最新ゴジラ映画の感想ですが、その前に、YouTubeでの評判をご紹介します。総じて評判が良いのです。人間ドラマと怪獣が融合した稀な傑作という評価が大半を占めているようです。驚いたことに、あの辛口の”元祖オタク”の岡田斗司夫氏も97点という高評価なのです。世界市場に打って出ることのできる作品で、「シン・ゴジラ」を抜いたとまで言います。さらに「永遠のゼロ」の原作者も興奮冷めやらぬ口調の大絶賛でした。その他アメコミなどを中心にとんでもコメントするオタクの面々さえも過去の「ドラえもん」などの時の悪口雑言とは一転して、山崎貴監督の大復権です。
 実際、金曜日から日曜日までの3日間の興行収入が10億4千万円といいますから、大ヒットは間違いない出来となっています。おめでとうございます。

 正直、CG技術はハリウッド映画と遜色のない出来となっています。限られた予算で最高の仕上がりといってもよいのでしょう。パンフレットによると「三丁目の夕日」に登場した数分間のゴジラのCGにはとてつもない時間と労力がかかってしまい、本編CGはとても無理と当時は断念していたのが、やっと機器やソフトの進歩でハリウッドの尻尾が見えたとの山崎貴監督の証言があります。個人的に言えば、海上でゴジラが機雷回収船を追ってくるシーンや日本海軍の駆逐艦を襲うなどは、鳥肌が立つほどの映像となっています。波をCGで製作したというこの場面だけでも見る価値があります。実際に船での撮影もあいまって「ジョーズ」並みに臨場感を盛り上げます。

 そして、やっぱり時代設定が絶妙でしたねえ。初代ゴジラより前の終戦直前から終戦直後というまさに0となった時期なのです。まだ、自衛隊もなく、しかも、戦勝国によって賠償艦として確保されていた日本海軍の無傷の駆逐艦等を引っ張りだすとはお見事です。加えて、試作機の幻の戦闘機を使ったアイディアも素晴らしい。さすが「永遠のゼロ」などで軍用兵器マニアぶりを発揮した経験が生かされています。ついでに言えば、木製漁船改良の機雷回収船も実に良い。あの”わだつみ作戦”は無理がありますが・・(笑)。まあ、欲を言えば、”46cm砲弾”だけでなく、戦艦大和とゴジラの戦いを見たかった(笑)

 また、敗戦直後の東京の風景なども見事です。まさしく「三丁目の夕日」のノウハウを発展させて、造り上げた世界はまったく違和感はありません。本当に過去を再現する手法の集大成と言ってもいいかもしれませんね。

 ただ少し気になったのが、各方面で絶賛されている人間ドラマの部分です。個人的には少し物足りません。神木隆之介が演じる元特攻隊員が主人公なのですが、あまりに自分の心情をセリフで説明するのが少し気に入らないし、隣のおばさんの安藤サクラの再開時の”恥知らず”的なセリフの意図やヒロインの浜辺美波の、ゴジラの口の高さから落とされたり、爆風で吹っ飛ばされても生きている不死身ぶりがなんとも不可解でした。もっとも、このエピソードにはオタクYouTuber達が”ゴジラ細胞”等々の裏設定があると主張されているようですが、普通そんなのは気が付きませんし、鑑賞中はなんとも違和感一杯でしたねえ。-1.0ですよ(笑)。

 とはいっても、吉岡秀隆扮する元海軍の技術将校のセリフとして”装甲のない飛行機、兵站を軽視して餓死を招く作戦、そして特攻”など、人命を軽視する日本軍の作戦を厳しく糾弾するのには感動しました。ちなみに名機と言われるゼロ戦なども軽量化して機動力が上がっただけという見方もあります。悲しいですねえ。もっとも、当時飛行機に脱出装置を実用化していたのはドイツ軍だけだったそうです。

 最後は、今回のゴジラそのものの評価です。CG技術の進歩によりその動きなどは実に生々しく描写されています。とりわけ、獲物を見つけると目の色を変えたように猛然と追いかけてくるシーンは巨大な生物感溢れる”怖いゴジラ”を造り上げています。お見事です。しかも、爆弾等で破損した皮膚等が再生する設定も素晴らしい。なんでもかんでも跳ね返す”平成ゴジラ(GMK以外)”とは一味違います。”弱くなった”のではなく”リアルになった”のです(笑)。
 ただ、惜しむらくは、その体型です。実は観る前から、ボディビルダーのような人間的な胸板と馬鹿みたいに背の高い背中の棘がデザイン的にどうにも気に入りませんでした。怪獣のデザインの魅力は、異形のものであるべきです。この辺の勘違いは、平成ゴジラのデザインの流れでしょうねえ。まあ、背びれについては、今回新たなギミックの使用があるので容認するとしても、やっぱり、あの胸板は暑苦しい(笑)。

 以上、ながなが、いろいろと苦言を呈しましたが、総体としては、私も”傑作”と思います。是非、多くの人たちに観ていただいて、前人未到の実写版怪獣映画で、興行収入100億円を突破したいものです。一部に、山崎貴監督の作品を”良いとこ取りの寄せ集め映画”などという中傷めいた意見を言う人もいますが、スピルバーグ監督などもヒッチコックなどの過去の様々な作品から学んでオマージュしていますし、最近のアクション映画は、無声映画のキートンの映画を再現しようとまでしています。まさしく”良いとこ取り”ですよねえ。温故知新はどんな分野でも当たり前です。こんな中傷は無視して、どんどん取り入れて見事なエンターテメントを期待しています。このあと、復活したゴジラ細胞はどうなるのか、続編をはやくつくってほしいものです。

 余談ですが、パンフレットを見ると、様々なゴジラグッズを販売する”ゴジラ・ストア”なるものがあって、この作品の撮影の裏側を網羅した「The Record of G-1.0」という公式大型書籍が2024年3月に発売されるとのことです。ゴジラ細胞という設定が本当にあるのか、どうしても知りたくなって、高額な価格に目をつぶって、清水の舞台から飛び降りました。・・・鑑賞直後の気分高揚なせるわざだったのかも、と少し後悔しています(笑)。

 

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