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2023年10月 8日 (日)

イコライザー THE FINAL

 ご存知、デンゼル・ワシントンの必殺仕置人シリーズの最新作「イコライザー THE FINAL」は、予想外な面白さのある作品でした。ライバル作品といわれる「ジョン・ウィック」のド派手なアクションとは正反対の静かで、しかしなかなか味わいのある小品に仕上がっていました。上映時間も109分と無駄に長くもなく、安心して鑑賞できました(笑)。

Img_20231008_0001  物語は、イタリアのシチリア島の謎めいた惨劇のシーンから始まります。CIAの殺し屋を引退し、アメリカの片田舎に住んでいたはずのマッコールが”組織”をつぶしたのですから、今回は世界的な陰謀事件に巻き込まれたのかと眺めていたら、思いもかけぬことで無敵のマッコールが負傷するのです。この撃たれた設定は実に納得できます。(漫画「なんと孫六」のパクリ(笑)ではないはず?)その直後、彼はその場で銃をこめかみに当てて撃つのですが、弾が出ませんでした。
 そして、なんとかフェリーで本土へ渡ったものの意識を失ってしまったところを小さな街の警官に発見されます。そこで老医者の治療を受けるのですが、なんとここで銃創を「ひどい転倒だ」という医者のひと声で見逃されます。このへんは、いかにもイタリアの田舎社会という感じです。この医者の「あんたは悪い人間か、良い人間か」という問いかけに「わからない」と答え、そのままその老医者の家で治療を受けることになります。あとで明かされる医者の理由が実に味わいがありました。使い古された言い回しでなければ、映画史上に残る名セリフかもしれません。うん、私的にはこれだけでこの映画は見る価値がありました(笑)。

 ともかくも、彼のシチリア島での行動の目的などが一切が不明なまま、その一見平和そうな海辺の小さな町でマッコールの思いもよらぬリハビリ生活が始まるのです。ここからが本編でした。この町は背後を急峻な崖に囲まれ、頂きにある教会を中心に石造りの建物が密集した地形であり、正午に鳴る教会の鐘がいかにも神の意志によってマッコールがここにいざなわれたような演出です。

 入り組んだ急な石段などを使いながら、紅茶を飲みに立ち寄る食堂の黒人系の美人店主や気の良い鮮魚店の親父などとなじみになりながら、平和で静かな暮らしが丁寧に描かれます。イタリアのロケ地の風景が素晴らしいし、なかなかこの辺は描写は気に入っています。正直、年寄りには直近で観た「ジョン・ウィック」の絵空事的なアクションより好ましいなあ。

 しかし、そこはイタリアなのです。定番のイタリア・マフィアの登場です。末端組織チンピラ(ボスの弟)が各商店からお約束のピンハネをしています。しかも、観光開発で街を地上げしようとして手段は過激に暴走し始めます。まあ、マフィアにとっては、タイミングというか運がなかったですねえ、そこには必殺仕置人マッコールがたまたま逗留していたのです。やっぱり神の御業でしょう。あとは、東映「正当やくざ映画」と同じです。マッコールが我慢ができなくなるまでの辛抱でした。

 そして、始まりは、チンピラたちがマッコールが食事している食堂で客を脅迫したばかりに、目にも止まらぬ早業で店から追い出された挙句、待ち伏せして襲い掛かろうとして逆に瞬殺されます。まさに必殺の仕置きでした。
 弟を殺された兄貴のマフィアのボスも情けない。わいろ漬けの警察署長の手首を切り落とすなどの残忍性を見せる(まあ、氷の入ったシャンパン入れに入った手首を持たして病院に送るのは今風なのでしょうか。)にもかかわらず、夜間に押し掛けた街中での復讐では、住民たちの抵抗(スマホ攻撃)にあって、いったん撤収、早朝の攻撃を企てるものの、逆に、仕置人が朝まで待つはずもありませんよねえ。丁度その夜は神を称える街のお祭りの日でした。神の祝福もあるのでしょう、あっという間に屋敷内の手下は全滅。「お前は誰だ」という決まり文句を投げかけたボスは自分が売っていた覚せい剤を飲まされ、死ぬまでの6分間地べたを這いまわりながら苦しむのでした。今回のマッコールの仕置きぶりは情け容赦が無くなっています。
 先日、中村主水が登場する2つのテレビシリーズの裏話等をまとめた「必殺仕置人大全」を読んで、シリーズの第1話あたりは、人は殺さずに長く苦しめるという仕置きだったそうですが、映像にすると後味が悪かったので、一撃必殺に換えたという逸話がありました。うん、確かに日本人の感覚では少しやりすぎと言う気もします。

 まあ、今回の敵役が家族経営のイタリアのマフィアでは少し弱すぎるような気にもなりましたが、新たに登場したCIAの女捜査官が「マイ・ボディガード」の子役ダコタ・ファニングの成長した姿とは後でパンフレットで気が付きましたのですが、その役柄上の設定に感心しました。「何故、私に電話したのか」という答えがまさかのうれしい気配りであり、これがシリーズ物の良さですねえ。

 さらに、極めつけは、最後の最後でに明かされた、マッコールがシチリア島に乗り込んだ理由です。いやあ、これには泣かされました。まさしく第1作の作品の肝です。CIAが追いかけていた麻薬売買を原資にしたテロの陰謀とは全く違う理由なのです。これが実に上手い。脚本家に脱帽です。次回作も観たくなりました。

 最後に、邦題にある「THE FINAL」は、わが国で勝手につけたそうです。原題は「ザ・イコライザー3」とのことです。まあ、住民が見ている中で行われた悪党達への仕置きの後も、マッコールはそのまま住み続けて住民たちとも仲良くやっている映像が出ます。さすが、イタリアとも思えますし、ついに見つけた”終の棲家”という終わり方ではありますが、主演のデンゼル・ワシントンはまだまだ68歳、子役で共演したダコダ・ファニングも今回シリーズに加わったのですから、今後とも頑張ってほしいものです。次回作を期待しています。

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