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2023年8月13日 (日)

チャールトン・ヘストン

 先日「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」が封切られた(当ブログ2023.7.1参照)際、宣伝のためか、YouTubeにいろいろな小ネタや裏話が関連情報として掲載されていました。その中のひとつに、インディの代名詞ともいえるあの幅広の帽子を被った服装は、チャールトン・ヘストン主演の「インカ王国の秘宝」のコスチュームが元ネタとの話がありました。結構、インディ・ジョーンズ関連の書籍も読んでいたのですが、このネタについては、読んでいて忘れたのかはさて置き、記憶にありませんでしたし、その映画のことすら全く知りませんでした。

81au5q52xdl_ac_sl1500_  思えばチャールトン・ヘストンは「十戒」や「ベン・ハー」の史劇の大スターであり、若い頃は結構ファンでした(それすらも忘れていました(笑)、いやライフル協会会長となっていたので敬遠していたのかも・・)ので、早速その「インカ王国の秘宝」のブルーレイを購入して観てみました。物語は、ペルーに在住するガイド役がヘストンであり、確かに元祖インディの恰好をしています。観光でやって来る金持ちのマダムたちのお相手をして金を稼ぎながら、伝説のインカの秘宝を手に入れ、アメリカに帰ることを夢見ているダーティ・ヒーローです。
 しかし、どうもヘストンの190cmの体躯と軽薄な行動がなんともちぐはぐで共感できません。これが似たような役に定評のあるハンフリー・ボガードなどとの違いなのでしょう。やっぱり、ヘストンは史劇がお似合いであり、普通の劇には向いていませんねえ、などと思っていたら、この作品は1954年公開なので、一役名声を得た「十戒」やアカデミー主演男優賞の「ベン・ハー」などの史劇に主演する前の作品だったようです。作品としては、実際に「マチュ・ピチュ」で撮影し、現地のペルー人が伝統衣装で登場するシーンがあることが唯一の価値のような気がします。そういえば、同時代に撮った「黒い絨毯」も辺境のアマゾンが舞台でしたから、普通の都会の現代劇向きではないことは周囲も知っていたのでしょうねえ。

 つまるところ、ヘストンといえば史劇以外ではさっぱりという評価だったのが、SF映画「猿の惑星」に主演したことが彼の第二の転機になりました。彼の容貌や体躯は、身近なちまちました現代劇に似合っていないのです。やっぱり神話や過去の歴史や未来の空想のSF世界が良く似合います。
 特に、SF映画への出演第1作の「猿の惑星」は実に良かった。実際は、低予算だったらしいのですが、猿たちのメイクアップが画期的でしたし、襤褸をまとった奴隷のようなヘストンの姿は史劇で鍛えた風格が滲み出ます(笑)。そして、ラストの砂浜の号泣は名シーンでした。続編も時代を越えて作られ続けており、まさしくSF映画の傑作といえます。

20230719_104638 20230719_104735  それにしても、「猿の惑星」はどうして、ここまでリメイク作品が続くのでしょうねえ。ちなみに、第1作のような特殊メイクアップの使用は後年、進化した”CG技術”に取って変わられ、モーション・キャプチャーで俳優たちが顔にマークを貼り付けて演じています。
 それはそれで物凄くリアルなのですが、第1作を初めて観た時の、猿たちのメイクアップのインパクトは今思っても感動します。そうしたメイクした猿たちの人気はいまだに続いており、最近も悪役のオランウータンのボスであるザイアス博士がフィギュア化されています。最近のフィギュア生産技術は各段に進歩しており、一昔の人形っぽいオモチャ仕様ではありません。わずか16cmぐらいのサイズで布を着せたアクション・フィギュアなのに、実によく似ているのです。いやあ脱帽です。映画の感動が再現されるほどの出来栄えです。ついでにご紹介します。

 いつのまにかヘストン主演の映画紹介記事が共演した悪役のフィギュアの話に変わってしまいました(笑)。まあ、ヘストンの人生も人種差別反対の公民権運動で活躍した後、共和党に鞍替えし、ライフル協会会長を5期も努める保守主義者になっていますから”人”は変わります。当然、私の贔屓も話もオチは変るのだ(笑)。

2023年8月11日 (金)

ハリーハウゼン生誕100周年シリーズ

 最近、フィギュアの価格の高騰が著しいと感じています。個人的な感覚ではメーカーの販売価格が従来の2倍近くになっている気がします。多分、材料費などの値上がりと円安の影響とは思いますが、もう私の”予算の壁”を楽々と飛び越えてしまっています。確かに、造形の精密さなどはけた違いに凄いのですが、それにしても高すぎます。なにしろ二けたなど当たり前の世界になってきています。もはや私の手の届かない世界になっているようです。それも、もともとはアニメの3次元化からの影響かもしれません。なにしろアニメファンは金に糸目はつけないような気がします。YouTubeなどで拝見するコレクションは凄いの一言です。 

 さらに、オークションや不用品販売の世界もその値付けの暴走振りは凄まじい。昔は中古は定価より安いのが当たり前でしたが、いまや”暴利”と言っても良いぐらいの価格ばかりです。これで売れるのかと思うのですが、結構売れています。いやあ、みなさん商売が上手いなあ。国民総まんだらけ状態ですかな。

 というような現状の中で、数年前から始まった、エクスプラス社の「レイ・ハリーハウゼン生誕100周年」記念のクリーチャー・フィギュアのシリーズ(恐竜百万年など当ブログ2021.5.9、8.28、11.16,2022.1.30,6.28参照)があります。この稀代のモデルアニメ―ションの大家の生誕100周年はとっくに過ぎたはずですが、まだまだ続いています。しかも、最近の販売商品があまりにマニアック過ぎて、さずがのハリーハウゼン信者の私も購入には二の足を踏みます。しかも、前述のとおり価格は軽く片手を超えるようなものが多く、中には2ケタ台でとても手が出るような代物ではありません。そのラインナップをいくつかご紹介しましょう。

 例えば「シンドバット7回目の航海」の”ヘビ女ナーガ”や”2本角のサイクロップス”、「シンドバット黄金の航海」のホムンクルス(芋鼻のガーゴイル)、「タイタンの戦い」のブーボ(フクロウ型のロボット)、「シンドバット虎の目大冒険」のミナトン(牛頭の鉄人)とその心臓、その他、巨大なバストアップなどなど、いやはやその選択には正直驚きです。マイナー過ぎて聞いても誰も知りませんでしょう?もっと有名どころのクリーチャーの商品化のチョイスは無かったのでしょうかねえ。それでも買う人はいるのでしょう、やっぱり世の中は広いなあ。

20230313_1542101 20230313_1542491  思えば、このシリーズで私が最後にゲットできたのは「タイタンの戦い」のメドゥーサでした。髪の毛が無数のヘビ(伝説どおり)で、下半身もヘビという秀逸なデザインで後期のハリーハウゼンのクリーチャーを代表する有名どころです。懐かしいものです。しかも、この商品はさすが、良く特徴をとらえています。過去何度かご紹介したスタチュー等(当ブログ2006.8.19,2006.9.18,2008.1.20,2009.10.04,2010.6.05参照)の中でも屈指の出来です。このフィギュアには本当に感心しました。

 それにしても、レイ・ハリーハウゼン生誕100周年シリーズは、是非今のマニアックな路線で頑張ってほしいものです。下手に私の琴線に触れる高額の商品が発売されても困りますからねえ。これ以上”酸っぱいブドウ”は要らないのだ(笑)。

 

 

2023年8月10日 (木)

キングダム 運命の炎

Img_20230809_0001  大人気漫画「キングダム」の映画化シリーズ第3作の「キングダム 運命の炎」は余り期待をしていなかったのですが、これがなかなか面白い。大体、邦画の実写アクションは”日本のアニメ”と違って世界水準には達していないという評価は、まあ、これはハリウッド予算と比べると”雀の涙”ほどなのだからしかたがないかなあ、と諦めていました。ただ、このシリーズの佐藤信介という監督さんは、「アイアムアヒーロー」など前から思っていたのですが、大作風活劇に見せる才能が素晴らしい。今回も、多分、CG技術と外国B班スタッフの活用という方法を駆使して、実にスケール感のある映像を創り出しています。中国大陸の歴史ものなので、壮大な風景の実写は不可欠なのですが、パンフレットによると、どうやら、現地に行かずに現地スタッフに指示して目指す映像を撮ったということですから、情報通信網の発達も生かしているのかもしれません。少ない予算でお見事です。尊敬に値します。
 ともかく、”史劇”という映画ジャンルに必要な条件は見事にクリアしています。まずは、娯楽映画に対する真摯な姿勢を大いに評価したいものです。なんか小難しいことばかりで評価される作品よりずっと好きです(笑)。

 次に驚いたのが、出演俳優陣の豪華さです。主演若手組を除いても、大沢たかおや佐藤浩市に加え、今回新たに山本耕史、片岡愛之助(監督曰く”濃いメンバー”の敵将役とのこと)、そして、玉木宏、小栗旬、吉川晃司(パンフレット見るまで、だれか分かりませんでした(笑))などなど、主演級俳優が目白押しです。さらに、今回は杏ちゃんがなかなか力演して見せてくれました。不覚にも思わず感動しましたゾ。
 それにしても、原作漫画は既に69巻が発売されているようですが、今回のお話は、まだ8巻と11巻の内容だとか、これは先が長い、新たに出演できる力のある俳優さんが日本映画界にそんなに居るのかなあと余計な心配をしたくなりました(笑)。

 さらに驚いたのが、今回の筋立てです。内容に使った原作の巻数が前述のように飛んでいるのは、監督が”秦皇帝の生い立ち”の話を敵国と存亡をかけた大戦の前にうまくはめ込んだためのようです。なにしろ、映画の前半は、結局”秦始皇帝”の過去の回想になるのですから、意外だったのです。でも、これがなかなか泣かせます。
 そして、後半やっと、因縁のある敵国との戦いです。まあ、いろいろ戦術を並べていますが、ここは漫画が原作のせいでしょうか、結局、最後は主人公の超人的なアクションによって勝利するのが、やや不満ですねえ。いや、漫画というより、中国の豪傑のお話が元なのですから、そこは言っても無理なのでしょう(笑)。
 でも、主人公達の勝利の宴に敵の謎の”剣神”が登場して、いざ戦わんと言うところでエンドマークです。これはないなあ。長い物話の途中というのはわかっているけど、これはないなあ。次の公開は何年先?・・忘れてしまいますねえ。全くこんな連続映画方式を生み出したマーベルのアメコミ映画を少し恨みますねえ。
 まあ、でも、早く次を観たいとおもうほど面白かったのは間違いありません。
 しかし、最近はこんな映画ばかりです。「ワイルド・スピード」、「ミッション・インポッシブル」・・でも、本家のマーベルは新シリーズは全然ダメですねえ。マンネリが過ぎたというところかも。なんでもほどほどに願いますゾ。

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