フットルース
スチールブック仕様ブルーレイのオークションを眺めていたら、1984年公開の映画「フットルース」を見つけました。レンタルショップゲオの特製スチールブックの中古品ですが、かなり安かったので購入しました。まあ、アマゾンプライムならレンタル300円で視聴できるのですが、スチールブックの円盤(ブルーレイ)というのが決め手でした(笑)。
実は、恥ずかしながらこの映画を観たことが無かったのです。もちろん、この映画がケビン・ベーコンの出世作で青春ダンス映画というぐらいは知っていましたが、何故か見る機会が無くて今に至ったのです。
そして、今回、初めて観た感想として、なにより自宅のテレビでの再生にもかかわらず最後までしっかり観ることができたことを評価します。というのも最近歳のせいか辛抱(?)がなくなり、新作の動画配信などは、ちょっと面白くなければ早回ししたり、ひどい時には数分で観るのを止めてしまうことが多いのです。つまり最後まで観ることは快挙なのです(笑)。さすが大ヒットした作品はやっぱりそれなりに大したものです。
まず、オープニングに登場する様々な足元だけのダンスステップが意表をついて一気に観客を映画の中に引き込む見事な演出となっています。ストーリーは都会のシカゴからダンス禁止の田舎町に引っ越した、24歳のケビン・ベーコン扮する高校生の学園物語なのですが、なによりアメリカの田舎に住む白人たちの過激な保守ぶりには改めて驚かされます。本当にアメリカ人気質は過激ですねえ。
とにかく教会を中心にした伝統を死守しようとする田舎町の姿が異常なのです。ダンスやロックなどを撲滅しようとする牧師をジョン・リスゴーが演じます。「クリフハンガー」の悪役をなんとも憎々しく演じたこの俳優さんの個性が独善的な宗教家にぴったりです。信じる神と正義の名のもとに町民たちを先導する姿はこわいですねえ。町民たちも問題を起こしたベーコンの母親を解雇したり、家に投石をするなど、まさに”ド田舎”ぶりには引いてしまいます。田舎の教会と町議会がこわい(笑)。
そのことはブルーレイの特典のインタビューの中で、ロケ地がまさにそうした”信心深い”町であり、撮影すること自体心配したという証言もありますので、それほど現実を誇張していることでもないと思いますが、日本人の感覚ではとても理解できません。逆にいえば、単純な高校学園モノではなく、アメリカと言う国のあり方を淡々と問いかけている、なかなか大した作品に思えます。
もっとも、この作品は糾弾するだけではありません。ダンス禁止に先鋭化した牧師でさえ、町民が勝手に焚書活動を始めたときは彼らの行動を諫めます。このへんの描写はまだまだアメリカの良心を信じている善良さを感じさせますし、妻を演じたダイアン・ウィーストという女優さんが実に菩薩のような、いや、アチラではマリアでしょうか、慈愛の表情を浮かべ、夫の心を取り戻すエピソードは製作当時の1984年にはまだまだ救いがあったような気がします。ラストのダンス再開エピソードで希望を提示するのですから・・。
とにかく、見事な廃工場のダンスシーンやアメリカの田舎の本当の姿を描いているところが気に入りました。もっとも、ケビン・ベーコンの華麗なダンスは、実は場面によっては何人かの吹き替えだったことがオマケの特典映像で明かされ、正直ガッカリもしましたが、逆に、実際に全く踊れなかった友人が練習して見事なダンスを披露するのは演じた俳優さんの猛練習のたまものだったそうです。思えば、39年も前の作品なのですが、1時間47分本当に楽しませていただきました。ありがとうございました。
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