旧名はディニクチス
先般、当ブログで紹介(2022.6.8参照)した古代魚「ダンクルオステウス」は、実は、私の幼い頃は、その名前が違っていました。大人向けの一般専門書「デボン紀の生物」という本を眺めてみて、いまさらながら思い出したのですが、そう、このデボン紀の巨大魚は「ディニクチス」と呼ばれていました。すっかり忘れていました。どうも、名前がしっくりこないと思っていました(笑)。
そういえば、この”ディノニクス”、名前だけでなく復元図も随分昔と違います。もともと、この本の表紙にある巨大な頭部だけの化石だったようで、その胴体、特に尾ヒレの形状がかなり違っています。この専門書の復元図では、前回紹介したダンクルオステウスの復元模型のように尾ひれが一般的な魚のような二又の形になっていますが、昔のディノニクスの復元図は、2番目の写真のトイ(18cmサイズ)のように、甲冑魚の名にふさわしく、頭部は兜で覆われ、尾ヒレはなく、そのまま尻尾になっています。思えば、昔はこの姿が一般的でしたなあ。懐かしい。
また、最近発売されましたエクスプラスのダンクルオステウスの復元模型(42cmサイズ)では、商品説明によると、動物造型の名匠シーン・クーパー氏(恥ずかしながら、全然知りませんが・・・。)によるち密な考証にもとづくものと紹介されていますが、尾ひれは菱形で、顔も獰猛な風貌で、いかにも”デボン紀の頂点の捕食者”と言う風にハッタリ的に造型されています。・・少しやりすぎです(笑)。
そこへいくと、中国のPNSOという造型メーカーのダンクルオステウスの復元模型(23cmサイズ)は一味違います。このメーカーは、割と最新の学説に基づいて製作しているようで、以前購入したティラノサウルスは、何のてらいもない素朴な造形で好感がもてます。今回の復元模型は、魚のような尾ヒレはもとより、特徴的な頭部を含めて全身が皮膚で覆われており、一見すると、尾ひれ以外は大きなナマズのようにもみえて、意外に納得できる気がします。高額商品の溢れる中で、リーズブナルだし、造型も良い出来だし、サイズも机の上に置くにぴったりなので、一番気に入りました。ただ、困るのは、このメーカーさん、中国産の恐竜のディスクトップ模型などを中心にマニアックにやたら数多く制作販売しており、とても手が出ません。というか、買っても飾る場所がもうありません。いや、中国メーカーの躍進、恐るべし、・・です。
<追記>
参考までに、本文でふれたPNSO製のティラノサウルスのフィギュアを紹介します。左の写真をご覧ください。最新の学説に基づく復元模型とのことですが、映画「ジュラシック・パーク」と比べると、随分おとなしい感じがします。これはひとえに「ターミネーター」や「プレデター」のモンスターを生み出したSFXの名匠スタン・ウィンストンが「ジュラシックパーク」で観客を怖がらせるためにデザインした結果であり、その手腕に改めて感心します。
余談ですが、現時点では大型のティラノサウルスには羽毛はなかったという説が有力となっています。念のため(笑)
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