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2022年12月30日 (金)

ピラニア

51kkxd3217l_ac_sy445_  ピラニアという魚は、肉食魚で群れを成し、川に落ちた馬などをあっという間に食いちぎって白骨にしてしまうというイメージです。
 映画では、ジョー・ダンテ監督のその名も「ピラニア」というタイトルの作品が有名ですが、実は、この作品に登場するピラニアは、秘密の研究所で改造されたモンスターでした。
 面白さの点で言うと、個人的には、この作品をリメイクした「ピラニア3D」という作品がお勧めです。CG技術の進歩で、とにかくピラニアの襲撃シーンがド派手なのです。水辺で戯れる大勢のギャルたちに情け容赦なく群れが襲い掛かります。大量の血しぶきが上がり、2次災害のモーターボートのスクリュー事故まで描き切ります。といっても、もうコメディタッチと言ってよいほど脳天気な演出で、加えて登場するギャルたちのサービス満点のビキニ姿や行動には、ああ、これがアメリカ人気質なんだと思わず感心します(笑)。とにかく何も考えずご覧ください。エロ・グロごった煮のギャグで笑えます。

20221230_142909 20221230_143047  さて、実際のピラニアは、意外に憶病な魚だそうで、子どもの頃から雑誌や映画などで刷り込まれた程のどう猛さではないようですが、実物の歯並びやサイズを観ると、やっぱり怖い魚です。
 先日中古品でリーズナブルに購入した、個人メーカー「fish craft REAL」作の実物大の模型をご覧ください。全長約38cmと現物を手に取ると予想していた以上にそのデカさに驚きます。目もデカい。しかも、その歯はやっぱり”人食い魚”と呼ばれてもおかしくないほど大きく鋭い形状です。嗚呼、やっぱりこいつはイカン奴でした(笑)。

2022年12月22日 (木)

旧名はディニクチス

51zezc50xpl_sy291_bo1204203200_ql40_ml2_  先般、当ブログで紹介(2022.6.8参照)した古代魚「ダンクルオステウス」は、実は、私の幼い頃は、その名前が違っていました。大人向けの一般専門書「デボン紀の生物」という本を眺めてみて、いまさらながら思い出したのですが、そう、このデボン紀の巨大魚は「ディニクチス」と呼ばれていました。すっかり忘れていました。どうも、名前がしっくりこないと思っていました(笑)。

20221214_145549  そういえば、この”ディノニクス”、名前だけでなく復元図も随分昔と違います。もともと、この本の表紙にある巨大な頭部だけの化石だったようで、その胴体、特に尾ヒレの形状がかなり違っています。この専門書の復元図では、前回紹介したダンクルオステウスの復元模型のように尾ひれが一般的な魚のような二又の形になっていますが、昔のディノニクスの復元図は、2番目の写真のトイ(18cmサイズ)のように、甲冑魚の名にふさわしく、頭部は兜で覆われ、尾ヒレはなく、そのまま尻尾になっています。思えば、昔はこの姿が一般的でしたなあ。懐かしい。

 20221214_144940 また、最近発売されましたエクスプラスのダンクルオステウスの復元模型(42cmサイズ)では、商品説明によると、動物造型の名匠シーン・クーパー氏(恥ずかしながら、全然知りませんが・・・。)によるち密な考証にもとづくものと紹介されていますが、尾ひれは菱形で、顔も獰猛な風貌で、いかにも”デボン紀の頂点の捕食者”と言う風にハッタリ的に造型されています。・・少しやりすぎです(笑)。

 20221214_145312 そこへいくと、中国のPNSOという造型メーカーのダンクルオステウスの復元模型(23cmサイズ)は一味違います。このメーカーは、割と最新の学説に基づいて製作しているようで、以前購入したティラノサウルスは、何のてらいもない素朴な造形で好感がもてます。今回の復元模型は、魚のような尾ヒレはもとより、特徴的な頭部を含めて全身が皮膚で覆われており、一見すると、尾ひれ以外は大きなナマズのようにもみえて、意外に納得できる気がします。高額商品の溢れる中で、リーズブナルだし、造型も良い出来だし、サイズも机の上に置くにぴったりなので、一番気に入りました。ただ、困るのは、このメーカーさん、中国産の恐竜のディスクトップ模型などを中心にマニアックにやたら数多く制作販売しており、とても手が出ません。というか、買っても飾る場所がもうありません。いや、中国メーカーの躍進、恐るべし、・・です。

<追記>

20210509_100208  参考までに、本文でふれたPNSO製のティラノサウルスのフィギュアを紹介します。左の写真をご覧ください。最新の学説に基づく復元模型とのことですが、映画「ジュラシック・パーク」と比べると、随分おとなしい感じがします。これはひとえに「ターミネーター」や「プレデター」のモンスターを生み出したSFXの名匠スタン・ウィンストンが「ジュラシックパーク」で観客を怖がらせるためにデザインした結果であり、その手腕に改めて感心します。
 余談ですが、現時点では大型のティラノサウルスには羽毛はなかったという説が有力となっています。念のため(笑)

2022年12月17日 (土)

ブラックアダム

 DCの最新作「ブラックアダム」は、YouTubeの予告編動画にすっかり騙されました。内容はあの「アマゾン・クルーズ」のドウェイン・ジョンソンがアンチヒーローの破壊神を演じるアメコミ映画です。予告映像では、5000年前の遺跡から蘇った破壊神アダム(ドウェイン・ジョンソン)が墓荒しの傭兵の攻撃を一蹴するシーンや街の上空を飛び回り戦闘機を破壊する映像は、なかなか迫力があって面白そうでした。特に、跳ねかえされる無数の銃弾や殴り落とされる戦闘ヘリコプター、殴った相手が”バイ、バイキン”と空高く飛ばされている実写映像に、すっかり騙されたのでした。
 ただ、破壊神アダムに対抗している”正義”のヒーロー達が、翼の生えたキンキラ鎧男など、いかにも欧米人が好きそうな、しかし、なんとも安っぽいデザインの衣装なのが少し不安だったのですが、まあ、元007のピアース・ブロスナンも出演するし、現在のスーパーマン役のヘンリー・カヴェルもゲスト出演する噂もあったので、不安を押し殺し、劇場に足を運びました。

 で、その感想については前述の通り”騙された”の一言です。あまり詳しく説明する気もないですが、この映画は、あのお子様映画「シャザム!」の関連作品でした。鑑賞後知ったことなのですが、このアダムは原作漫画では「シャザム」の敵役だそうですから、アメコミファンにとっては、至極当たり前な内容なのです。これからは、アメコミ映画についてはもう少し事前に情報を得るべきでしょうか。1200円がモッタイナイような気までします。

 とにかく、破壊神の復活後、「ザ・スーサイド・スクワッド」の正義の超人グループを指揮する黒人のえらそうで無能な長官が登場するのですが、この瞬間、ああこの映画は駄目だと直感しましたし、正義のヒーローたちが、スーパーマンやバットマンたちの”ジャスティス・リーグ”とは違って、誰も知らない、なんとも無名の二軍級ヒーロー達なのです。ピアース・ブロスナン演じる”魔術師”もなんか哀れを感じさせます。まあ、巨大化するヒーローの映像はさすが「シン・ウルトラマン」とは違って、なかなか巨大感がリアルに映像化されています。でも、凄く弱いけど(笑)

 そして、肝心のストーリーは意外性も面白さもなく、しかも、「シャザム」関連のせいか、絶えず子ども視点での話が展開され、「ギャー、ギャー泣くから”ギャオス”だよ」というあのお子様怪獣映画を思い出しました。いやあ、”お子様に媚びるとシリーズは終わるよ”と助言したくなりました。
 ちなみに、この作品は、やっぱりあまり興行成績は良くないらしく、しかも、DCではトップが交代して新作「バットウーマン」が公開中止、「ワンダーウーマン」が製作中止、「マン・オブ・スチール2」も製作が危うくなっているとか。うん、この映画をみると、そのトップの気持ちもわかる気がします。なお、ヘンリー・カヴェルは、エンドロールにワンカット姿を見せますが、なんかスーパーマンの価値が下がったような気がします。個人的には「マン・オブ・スチール」も「ジャスティスリーグ」もお気に入りなので、こんなゲスト出演している場合じゃない、とも思うのですが、まあ、しかたないよね(笑)。

 

2022年12月14日 (水)

小川の辺

 最近はほとんどテレビを観なくなり、代わりにYouTubeや動画配信ばかり眺めています。なかでも、YouTubeは、いろいろな動画が本当に興味がつきません。動画配信ディズニープラスのドキュメンタリーによる「YouTube」の歴史が実に勉強になりましたが、正直言えば、もっと前に見たかったなあ。遅かりし由良助(笑)です。
 そんな中で、主に映画関係の動画を漁っているのですが、外国人ユーチューバーによる時代劇トップテンという動画が目につきました。ホントに外国人は”サムライ”が好きですねえ。選出している映画は、主に黒澤時代劇など時代劇の名作として概ね妥当なもの(三船敏郎の宮本武蔵は例外)でしたが、実は私が未見の一作品がありました。

51mm2law5al_ac_  それが「小川の辺」という東山紀之主演の藤沢周平原作の映画です。もちろん作品名は知っていましたが、軽~く無視していた作品です。しかし、外国人が実際に観て注目したことが日本人の時代劇ファンを自負する私としては少しショックだったので、動画配信サービスのレンタルを探してみましたが、どうも見つかりません。動画配信はこれが欠点ですねえ。で、結局、DVDを買いました。

 さて、内容は、ご存知、東北にある架空の海坂藩の物語です。東山が扮する藩士が脱藩した妹の夫を上意討ちするものですが、いかにも”藤沢周平もの”の映画化作品らしく、丁寧で静かな作品になっています。しかし、面白いかと言えばなんとも微妙です。”字幕”で観る外国人から見れば、武士の生きざまらしいお話かもしれませんが、どうも日本人には違和感があります。原作小説はこんな印象だったのか、よく覚えていませんが、文章での物語とはなんか違う気がします。

 映画の違和感はやはり演技者にあります。まず、主演の東山紀友の演技が硬すぎてぎごちない感がします。まあ、今時の俳優に”武士”の雰囲気を持たすというのは正直難しいのでしょう。全般的になんか形だけの振る舞いに見えます。妻の尾野真千子との旅立ちの際の寝床の別れのシーンなどはその最たるものです。ことが終わった後(多分)の”妻の手”の表現より、ここは今時の作品らしく、静かな愛の行為でも描いたらどうでしょうか。正当時代劇としては画期的な作品になったかもしれません(笑)。というのは冗談にしても、全般的に演出が型にはまった感が強くてどうも観客の心に響かないような気がします。
 もっとも、武士というものが、対面、外面、メンツを保つためだけに生きているということを描いたものなら、それはそれなのですが、どうも違うのではないでしょうか。殿様や上司の在り様は、身分制度を批判しているとも言えますが・・・。それにしても、家来だけに捜索させて一人宿屋で待つのも違和感ですねえ。武士は黙って・・辛抱なのです(笑)。

 そして、この物語の肝ともいえる妹役の菊池凛子がどうもミスマッチです。ハリウッド仕込みの演技が時代劇に似合わないのです。上半身を脱いで幼馴染に迫る覚悟はさすがですが、意地っ張りで勝ち気な妹であり夫に尽くす健気な妻という設定にもかかわらず、どうも感情移入できせん。その理由の一つに設定が東山の妹役なのに随分年上に見えるほか、とても勝地涼くんの幼馴染には見えないのです。うーん、やっぱり違和感です。

 また、風景としては外国人受けする、日本(東北)の美しい野山を映し出して素晴らしい映像なのですが、クライマックスの”小川のほとり”の小屋がみすぼらしいのです。ほんとにセット感が強すぎて違和感があります。逃避行した夫婦二人の生活感がまるでセットに反映されていません。ここはただの小屋ではいけないのです。そういう意味ではやっぱり昔の”大映”の美術が凄かったのでしょう。もういまの日本ではセットも、俳優さんも、漫画の映画化ではない正統”時代劇”を創り出すには無理があるのかもしれません。やっぱり、人も物も時代が変わり過ぎたのでしょう。ちなみに、殺陣も普通のアクションでした。このあたりが漫画実写化の「るろうに剣心」とは違っており、残念です。

 なお、主人公の父親役の藤竜也はさすがです。隠居役をなんとも思わせぶりに演じており、単なる終活シーンをなんかあるのではないかとまで勘繰ってしまいました。・・・紛らわしい(笑)。

 

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