シャドウ・イン・クラウド
この「シャドウ・イン・クラウド」も、Youtubeで予告編を見て、劇場で観たいと思った作品です。まず、主演が「キック・アス」のヒットガールを演じたクロエ・グレース・モレッツです。子役からの成長ぶりも観たいし、なにより出演する作品が「フィフス・ウェイブ」などのSF映画寄りというのがお気に入りです。
そして、ストーリーが面白そうなのです。第二次世界大戦中にニュージーランドからサモアに飛ぶB-17爆撃機に、訳アリ風の女飛行士が乗り込んできて、しかも、途中で大空の悪魔”グレムリン”に襲われるという物語です。いかにも私好みのど真ん中なテーマです。空中で飛行中の航空機を襲うグレムリンは、あの有名な12時になったら爆発的に繁殖する小悪魔ではなく、4人の監督のオムニバス形式の劇場版「トワイライトゾーン/超次元の体験」の第4話目に登場した凶悪なモンスターの方なのです。確かジョージ・ミラー監督で、なかなか迫力ある剛腕で飛行機の機体を破壊していた記憶があります。記憶をたどっていると、懐かしさのまり、ついDVDを注文してしまいました。1,000円なのだ(笑)。
しかし、この作品は、私の住むエリアでは劇場公開は無く、しかも、待っていた動画配信は、私の未加入のサイトの独占です。このサイトは月額会費が2千円を大きく超えており、とても入会できません。なにしろ、既にアマゾンプライム、ネットフリックス、ディズニープラスの3社も入っているのですから、腹いっぱいです(笑)。
結局、動画配信のレンタル視聴ができなかったため、ついに先日ブルーレイを購入しました。
視聴した感想としては、少し事前の期待と妄想が大きかったねえ。
男の世界の爆撃機では、女飛行機乗りは全く相手にされません。それどころか、胴体下の丸い狭い砲台の銃座に閉じ込めます。そして、男達はほぼ全員本当に卑猥な言葉を投げかけます。女性差別を糾弾する、いま映画界で流行のポリコレ(ポリティカル・コレクトネス)なのでしょうか。
観ている観客までもがいたたまれなくなります。言葉の暴力と欲望混じりの下品さは、正直、グレムリンより恐ろしいものでした。前からハリウッド映画を見て思っていたのですが、アメリカの男達の言葉は下品すぎないだろうか?戦争に駆り出される連中は下層階級が多いためなのかな?今更ながらにアチラの文化に疑問を感じます。恐ろしいのは、こういう文化が世界水準になって、日本人にも大きな影響を与えすぎているような気がします。まあ、もう手遅れかな?いやはや、そんなことを考えるほど、精神的な拷問にも似たシーンの連続でした。
一方、秘密指令で謎の箱を抱える女主人公も、その行動の動機が分かるまでは引き込まれていましたが、ネタバレの後はもうドン引きです。
しかも、もう一人の主人公であるはずのモンスター”グレムリン”のデザインがなんとも絶句します。目撃した隊員たちは”大きなねずみ”と称しますが、一言でいうと、先日観た「ザ・スーサイド・スクワッド/極悪党、集結」に登場する”イタチ男”そっくりです。情けない程貧相なモンスターなのです。膜を広げて飛ぶ所だけが取り柄です。しかも、その最後は・・・いや、これは映画でご覧ください。しょうもない程お粗末な決着でした。
それにしても、モレッツは”ヒットガール”を演じただけのことはあります。高速で飛ぶ飛行機の上で、逆さクライミングを行います。しかも、一度、空中へ飛ばされても機体に舞い戻るという離れ業まで演じます。いやあ、なんとも形容のしようがありませんねえ。よく言えば、B級映画の醍醐味としては上等で、特殊撮影工房”ウェタ”のあるニュージーランド映画らしく(?)、CG処理だけは実にリアルでしたので、その点は感心しました。だから、決してブルーレイの購入は高くなかったのだ(笑)。・・・以上です。
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