マーメイドのレジン製ペギラ
「マーメイド」とは、ガレージキット草創期の名匠大石透氏の個人メーカーショップ名で、レイ・ハリーハウゼンの「タロス」やウルトラQの「ペギラ」の名作キットを生み出したことで、ファンの間では伝説となっています。特に、ペギラのキットは、造型の出来栄えで言うと、”原点にして頂点”ともいうべき作品です。その後、フィギュアの生産技術が進歩し、各メーカーが様々な商品を販売しているのですが、ぺギラのフィギュアというと、やはりこのキットのお話になります。つい数年前に出版された”ウルトラ怪獣”のフィギュア製作マニュアル本(最近はこんな本まで出版されているのですねえ。)の中でも、このマーメイドのキットがモデルとして採用されていました。
ちなみに、このペギラについては、ソフビのキット商品を扱った経験(当ブログの2012.9.9及び2018.10.20を参照のこと)があり、我が家には、中古のリペイントを含めて完成品が既に2体あります。
しかし、今回オークションで入手したのは、中古品なのですが、通常の”ソフビ”キットではなく、幻の商品とも言われるほど生産数が少なかったレジン製のキットの組み立て品なのです。なにしろ、レジン製はソフビ製より、壊れやすいものの原型の繊細な表現がそのまま再現されているのが大きな魅力なのです。この出品された物は、前所有者による塗装がかなり経年劣化している状態でしたが、速攻でゲットです。そして予想よりも比較的安価で入手できたのはラッキーでした。
さて、今回のブログは、このレジン製のペギラのリペイントの記録です。まあ、備忘録ですねえ。興味のない方はパスしてください(笑)。
まず、牙と爪などをサンドペーパーで軽く塗装を磨いて、サーフェーサーで下塗りしたうえで、ラッカー塗料のつや消しホワイト+少々のアイボリーでエアブラシしました。
本体は塗装されている被膜が強いので、剥がすのを断念してそのまま上塗りすることにしました。ここで一番のネックとなったのが、どんな色合いの体表にするかです。これまでのマーメイドをはじめビリケン商会のキットを製作した経験からいうと、出来上がった塗装の色合いがいまいち気に入らないのです。もともとモノクロ放送なので、体表の色がよくわかりません。比較的多く残されているといわれる当時の雑誌などのカラー写真を見ても、照明の加減でしょうか、灰色に見えたり、茶色に見えたりと悩みは深くなります。
これまでの塗装ではダークイエロー系にしていたので、今回は、初心に立ち返って、最初に購入したキット完成品(2012.9.9)の色に似せてみることにしました。そして選んだのが、ラッカー塗料の”タン”です。それにフラットベースを大目に混ぜて、エアブラシで上塗りし、さらに、つや消しブラックを少量加えて色合いを整えました。また、”レッドブラウン”を混ぜたもので、身体のイボ、あるいは羽や胴体の陰の部分をエアブラシし、立体感を生み出しました。目玉や口は、塗られたものをそのまま生かします(手抜きです)。
で、完成品が左の写真です。どうも、蛍光灯だけの照明なので、写真ではグレー系に見えてしまい、本来のブラウン系の色目とは随分違って見えるのはご容赦していただくとして、前に塗られた濃い塗料の色が下地として若干透けている(気のせいかも)せいか、なんとも”絶妙な”味わいが出ました。これまでの作品の中では最も”会心の作”と納得できる作品となりました。まあ、結果オーライですねえ。では、ご覧ください。・・・とは言っても、私のつたない技術のレベルの話なので、こんなものです(笑)。
最後になりますが、実はこのレジン製のキットについては、手つかずの新品未開封品をべつに秘蔵しているのです。数年前に入手したのですが、この未開封品に着手する勇気がまだありません。この傑作キットにいまの自分の腕前ではモッタイナイ、という気分なのです。いやあ、いつの日にか、挑戦したいと決意しています。ちなみに、こういう手を付けるのが恐れ多く”資産価値の高い”キットはまだほかにも数個あるのですが、正直なところどうなることやら(笑)。
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