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2022年6月 5日 (日)

トップガン/マーヴェリック

 トム・クルーズを大スターに押し上げた80年代の大ヒット作「トップガン」の約35年(公開が1年ズレて36年?)ぶりの続編「トップガン/マーヴェリック」を観て来ました。正直、”続編に傑作なし”との格言(?)もあるように、観る前はあまり期待していなかったのですが、この作品は”大傑作”です。続編としての意味合いもしっかりと踏まえ、娯楽作品として”完璧”な出来です。”今度は戦争だ”といった「エイリアン2」を思い出させます。そして、古き良き”ハリウッド黄金時代の戦争痛快娯楽映画”を復活させています。
 しかも、ストーリーは観客の期待を良い意味で裏切り、シークエンスごとにカタルシスを醸成させる脚本が見事過ぎます。加えて戦闘機のドッグファイトなど実写を重視したという”ツボ”を押さえた演出も素晴らしい。久々に”大人のアクション映画”でした。

Img_20220605_0001  さて、物語は前作から約30年以上過ぎた設定です。トム扮する”マーヴェリック”は、”生涯一パイロット”を貫いており、最新鋭戦闘機のマッハ10の試験飛行のパイロットをしています。そこに、エド・ハリス扮する無人戦闘機論者の大将がマッハ10プロジェクトの中止命令を下げて基地に向かっているというのが冒頭です。このプロジェクトの存亡の危機にマーヴェリックが取った行動がアッと驚くのですが、それは映画で是非ご覧ください。

 その後、マーヴェリックは”トップガン”の訓練基地へ教官として派遣されることになるのですが、前作のように”トップガン”養成のための一種の”学園モノ”かとおもいきや、実は険しい山々に囲まれ、多くのミサイルで防衛された敵国の地下実験基地を攻撃するという”ミッション・インポシブル”な作戦のための訓練だったのです。 

 その作戦計画や戦闘機での過酷な訓練などは、名作「ナバロンの要塞」やお気に入りの「コマンド戦略」などの古き良き時代の”ハリウッドの戦争娯楽映画”そのものです。ベトナム戦争後、現実の戦争のあまりの悲惨な実態が明かされたためか、戦争を扱う映画はリアルで悲惨な物語に代わり、いわゆる”戦争娯楽映画”は、インディアンがネイティブ・アメリカンに代わった”西部劇”と同じく、すっかりその姿を消してしまいました。悲しいですねえ。

 また、この作品には前作で死亡した親友”グース”の息子をはじめ、ライバルだった”アイス”が出世をして大将となって登場します。こうした前作からのつながりが物語をより面白くするのですが、前作のヒロイン、ケリー・マクギリスが登場しないのは本当に残念でした。You Tubeによると、実際の彼女はその実年齢にふさわしい容姿になっているようで、自ら出演を否定していたようです。
 今回はその代役をジェニファー・コネリーが演じるのだと勝手に思っていたら、実は”ベニー”という名前の基地御用達酒場の女オーナーという全く別人の役でした。ちなみに、これもYou Tubeによると、前作のセリフの中でトップガン基地に赴任する前にトムと付き合っていた女の名前が”ベニー”なのだそうです。つまり前作からの登場人物になります。そういえば、最近はTou Tubeばかりで、全然TV番組を観ませんねえ(笑)。

 ついでに言えば、グースの妻は当時はブレイク前のメグ・ライアンが演じていますが、今回は既に亡くなった設定で写真のみの登場(You Toueではかなり容貌が変わってるらしい。)です。ちなみに、グースの息子は、親父役の俳優によく似ていると思ったら、本当の息子だったようです。結局、前作に引き続いて出演しているのは、トム・クルーズ以外では、アイス役だったヴァル・キルマーだけなのですが、実際本当に喉頭がんでセリフが言えない状態だったそうですが、海軍で悪名高く孤高の存在の”マーヴェリック”を今回の作戦教官に抜擢する必要不可欠な役として出演したそうです。その壮絶な役者魂!に頭が下がります。

 それにしても、35年前に共演した俳優たちと比較して、トム・クルーズの若さには改めて驚嘆します。つまるところ、前作以降常に映画界のトップランナーとして体を張って主演を務めてきたトム・クルーズの生き様なのでしょう。年齢を感じさせない若いその肉体に現れているような気がします。日頃のファン・サービスの良さや今作のジャケットに日本国旗が戻った(笑)のも、うれしい限りです。

 さて、余談が長くなりましたが、訓練生たちとの偶然の出会い方やグースの息子との因縁、実戦じこみのアクロバット的な飛行訓練などは、定番中の定番の展開なのですが、その緩急自在な演出はなんとも見事です。初デートの夜逃げシーンの”間”には笑いました。そして、敵の動向から作戦決行が早まる中、訓練の厳しさや失敗の連続のせいで基地の上司から罷免を命じられ、これでもう終わりかと思った時、マーヴェリックはまたもや観客の予想を上回る手段を取ります。これも映画でご覧ください。もう脚本がうますぎます。

 それにしても、昔の映画では何日もかかる敵地進入も、戦闘機による作戦実行ではほんの数分間の出来事なのですが、実写を駆使したスリリングな映像は手に汗を握ります。もちろん、敵もミサイル攻撃だけでなく、最新型の戦闘機で襲い掛かってきます。この辺りはじっくりご覧ください。

 もちろん本命の作戦は成功するのですが、グースの息子をかばったマーヴェリックは撃墜されます。”やっぱり?”などと思ったら、映画はまだまだ続くのです。その後も次々と観客の期待を上回る展開を見せて、ハッピーエンドで幕が下ります。サービス満点です。”いやあ、映画って本当に面白い”という往年のテレビ解説者のセリフを思い出しました。本当に楽しい幸せな140分でした。

 でも、劇場ではパンフレットが売り切れです。今回はオークションではなく、再入荷を待ちましょう。このブログでは昨年(?)のチラシをご覧ください。 

  <追記>

Img_20220608_0001  1週間後にはパンフレット(左の写真)が入荷されていましたので、定価(880円)で購入しました。ただ、残念ながら、このパンフレットには撮影裏話が少なく、俳優の紹介ばかりです。そのくせ、有名俳優でアイス役のヴァル・キルマーの紹介が全くないのです。確かに登場シーンは少ないけれど、物語には欠かせない役どころなのです。しかも、生命をかけたような演技なのに、何故に?不思議です。・・・どうも、最近パンフレットの作り方が雑なのかな?劇場パンフレット受難の時代かもしれません。困ったものです。

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