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2022年6月28日 (火)

恐竜グワンジ

 モデルアニメ―ションの神様レイ・ハリーハウゼンの作品「恐竜グワンジ」をご存知でしょうか? ストーリーは、メキシコの秘境で生きていた恐竜を捕獲したものの、連れ帰った町でオリを壊して暴れ出すという典型的な”ロスト・ワールド”物なのです。なんか古臭いなと思えるのは、ハリーハウゼンの師匠である「キングコング」を作ったオブライエンの原案をもとにしているせいかな? 加えて、演出が平坦でスリルもワクワク感もないなんとも盛り上がらない映画でした。
 まあ、見せ場は、ハリーハウゼン師の名人技の恐竜同士の戦い、カーボーイの投げ縄での恐竜捕獲シーン、恐竜とゾウとの戦いなのですが、それが、どうも、過去の彼の作品の名シーンの二番煎じのような有様なのです。つまり、ハリーハウゼン作品の肝である”驚き”が無いのですねえ。これはやはり致命的ですねえ。残念です。

 ただ、主人公(?)である”恐竜グワンジ”が、映画製作当時の学説に基づいた、爬虫類の鱗で体表が覆われた、尾を垂らした垂直型のアロサウルスという、昭和の子どもたちにはお馴染みの”いかにも恐竜”というデザインなのです。この勇姿は、高く評価したい。当時としては、実にリアルな映像だったのです。

 でも、こうした恐竜像は、スピルバーグが当時の最新の学説に基づき、試行的なCG技術で作り上げた「ジュラシック・パーク」で吹き飛んでしまいました。そして、どうやら、近日公開の「ジュラシック・ワールド」の最新作では、ついに羽毛のある恐竜が登場するようです。羽毛のある恐竜は、古生物学会ではもう随分前から学説に基づく復元図が出回っているのですが、ヒクイドリのような、なんとも恰好悪いその姿は、ハリウッド大作には興行的に不向きだと敬遠されていたような気(あくまで個人的意見)がするのです。
 その羽毛恐竜が「ジュラシック・ワールド」で解禁されるということは、デザイン上の新工夫以上に、単純に言えば、羽毛恐竜にアレルギーのない若い世代が増えたのだということなのでしょう。オールド恐竜ファンには、さびしい限りです。

20220607_0849011 20220607_0847581  今回、このクラシックな姿のグワンジを取りあげたのは、最近エクスプラスから30cmクラスのフィギュアが発売されたからです。例のレイ・ハリーハウゼン100周年記念シリーズの商品です。出来は、あいわらず映画とはどこか微妙に違うようにも思えるのですが、これまでDVDボックスのオマケで提供された15cmサイズの小さなフィギュアがあるぐらいなので、ハリーハウゼンファンとしてはうれしい限りです。
 でも、このエクスプラス社のシリーズいつまで続くのかな?もうそろそろ終わりにしてもらわないと、現時点での販売予定分だけ考えても、我が家には置き場所がありません。困っています(笑)。でも、せっかくですので、写真をご覧ください。しかし、やっぱり恐竜というのは、昭和少年だったオジサンたちには、この立姿です。

2022年6月16日 (木)

フェバリット ブラックバスの補修録

 模型メーカーのフェバリットがかつて発売して、現在は絶版となっている釣魚模型シリーズについて、オークションなどを中心に長年探していたのですが、先日、収集できなかった最後の一種「ブラックバス」を不用品販売サイトで見つけ、幸いにも(これまで何度も先こされた苦い経験がある)入手することができました。
 この魚模型シリーズについては、これで”ほぼ”コンプリートとなります。”ほぼ”というのは、通常サイズの模型は全種類ということです。実はキングサイズバージョンが別にあるのですが、この幻の商品は除いて(笑)、という意味です。

20220614_2308441  さて、これで念願がかなったのですが、この幸運にも入手できた模型は、商品説明にもあったのですが、中古品の上、両方の胸ヒレ、左腹ヒレ、背ビレに一部欠損(写真の赤丸の部分)があります。多分、この欠点のために競争相手が現れなかったのでしょう。私には幸運でした。まさに修理の腕の見せ処なのです(笑)。

 そういう事情で、今回はこの補修の工程を記録するためのブログになります。

 まず、このブラックバスの商品宣伝の画像をネットで検索し、原寸大に印刷します。販売から相当年数が経過しているせいか、商品写真が数多くあるようで実は少なく、なんとか拡大できそうな1枚をやっと見つけました。
 次に、その拡大写真の背ヒレや胸ヒレを切り抜き、模型に貼り付けます。これで欠損部分の大体のサイズと形状を確認します。
 20220615_0850251 写真(上から2番目)では、右ヒレに切り抜きを張り付けたものです。それに併せて、下側から型取り材のブルーミックスで欠損部分のヒレの受け皿(3番目の写真)を作ります。その受け皿に、透明レジン液を流して、紫外線ライトで固めます(4番目の写真)。

 20220615_0855131 20220615_0942131 そして、レジンが固まった後は、ルーターでヒレの筋を彫ります。根気よく、ヒレの形を丁寧に整えて、透明のクリアー(つや有り)を吹けば継ぎ目も目立たなくなって、一丁上がりです。
これを順次、胸、腹、背びれと行えば、ほぼ完成です。
 最後の仕上げは、エナメル塗料のグレイ(クリヤー)を欠損部分などを中心に筆塗りすれば、完成です。

 以上、作業手順は実に簡単ですが、”言うは易し、行うは難し”の典型で、実際の補修作業は、なかなか難しかったですねえ。何度か、せっかくレジンで補修した部分を壊しました。どうも拡大鏡をもってしても手許が狂うのです。歳のせいでしょうかねえ、右目が充血し、妻から厳しいお叱りを受けました。いやあ、疲れました。
 

 20220616_1059261 20220616_1059081でも、なんとか、プレゼント用の作品(当ブログ2020.11.09参照)が確保できてほっとしています。
 では、完成写真をご覧ください。我ながら自信作です(笑)。

2022年6月10日 (金)

マーメイドのレジン製ペギラ

 「マーメイド」とは、ガレージキット草創期の名匠大石透氏の個人メーカーショップ名で、レイ・ハリーハウゼンの「タロス」やウルトラQの「ペギラ」の名作キットを生み出したことで、ファンの間では伝説となっています。特に、ペギラのキットは、造型の出来栄えで言うと、”原点にして頂点”ともいうべき作品です。その後、フィギュアの生産技術が進歩し、各メーカーが様々な商品を販売しているのですが、ぺギラのフィギュアというと、やはりこのキットのお話になります。つい数年前に出版された”ウルトラ怪獣”のフィギュア製作マニュアル本(最近はこんな本まで出版されているのですねえ。)の中でも、このマーメイドのキットがモデルとして採用されていました。

20220606_0827361  ちなみに、このペギラについては、ソフビのキット商品を扱った経験(当ブログの2012.9.9及び2018.10.20を参照のこと)があり、我が家には、中古のリペイントを含めて完成品が既に2体あります。
 しかし、今回オークションで入手したのは、中古品なのですが、通常の”ソフビ”キットではなく、幻の商品とも言われるほど生産数が少なかったレジン製のキットの組み立て品なのです。なにしろ、レジン製はソフビ製より、壊れやすいものの原型の繊細な表現がそのまま再現されているのが大きな魅力なのです。この出品された物は、前所有者による塗装がかなり経年劣化している状態でしたが、速攻でゲットです。そして予想よりも比較的安価で入手できたのはラッキーでした。

 さて、今回のブログは、このレジン製のペギラのリペイントの記録です。まあ、備忘録ですねえ。興味のない方はパスしてください(笑)。
 まず、牙と爪などをサンドペーパーで軽く塗装を磨いて、サーフェーサーで下塗りしたうえで、ラッカー塗料のつや消しホワイト+少々のアイボリーでエアブラシしました。
 本体は塗装されている被膜が強いので、剥がすのを断念してそのまま上塗りすることにしました。ここで一番のネックとなったのが、どんな色合いの体表にするかです。これまでのマーメイドをはじめビリケン商会のキットを製作した経験からいうと、出来上がった塗装の色合いがいまいち気に入らないのです。もともとモノクロ放送なので、体表の色がよくわかりません。比較的多く残されているといわれる当時の雑誌などのカラー写真を見ても、照明の加減でしょうか、灰色に見えたり、茶色に見えたりと悩みは深くなります。

 これまでの塗装ではダークイエロー系にしていたので、今回は、初心に立ち返って、最初に購入したキット完成品(2012.9.9)の色に似せてみることにしました。そして選んだのが、ラッカー塗料の”タン”です。それにフラットベースを大目に混ぜて、エアブラシで上塗りし、さらに、つや消しブラックを少量加えて色合いを整えました。また、”レッドブラウン”を混ぜたもので、身体のイボ、あるいは羽や胴体の陰の部分をエアブラシし、立体感を生み出しました。目玉や口は、塗られたものをそのまま生かします(手抜きです)。

20220610_0753401 20220610_075402120220610_0755261 20220610_0754201  で、完成品が左の写真です。どうも、蛍光灯だけの照明なので、写真ではグレー系に見えてしまい、本来のブラウン系の色目とは随分違って見えるのはご容赦していただくとして、前に塗られた濃い塗料の色が下地として若干透けている(気のせいかも)せいか、なんとも”絶妙な”味わいが出ました。これまでの作品の中では最も”会心の作”と納得できる作品となりました。まあ、結果オーライですねえ。では、ご覧ください。・・・とは言っても、私のつたない技術のレベルの話なので、こんなものです(笑)。

 

 最後になりますが、実はこのレジン製のキットについては、手つかずの新品未開封品をべつに秘蔵しているのです。数年前に入手したのですが、この未開封品に着手する勇気がまだありません。この傑作キットにいまの自分の腕前ではモッタイナイ、という気分なのです。いやあ、いつの日にか、挑戦したいと決意しています。ちなみに、こういう手を付けるのが恐れ多く”資産価値の高い”キットはまだほかにも数個あるのですが、正直なところどうなることやら(笑)。

2022年6月 8日 (水)

ダンクルオステウス

 デボン紀の巨大魚「ダンクルオステウス」をご存知でしょうか?ごっつい歯を持つ強大な頭部の化石が有名です。昔からシーラカンスと並んで、この絶滅した巨大魚は私のお気に入りです。

 さて、先日、なにげなく某不用品販売サイトを眺めていたところ、オルドビス工房の模型「ダンクルオステウス」が出品されていました。現在販売中のリアルな岩礁に本体が載ったタイプではなく、オブジェのような台座付きの模型なのです。もともと台座はシンプルな方が好みであり、しかもコメント欄に、製作者であるオルドビス工房主の、”頭部の縫合線を再現した最新の復元模型で、岐阜博物館やNHK技研で展示された実績がある”などというお墨付きが付いていました。つい、ポチっと思わず購入してしまいました(笑)。

 ちなみに、この巨大魚は頭部の化石は有名ですが、軟骨でできていたらしい胴体の化石はまだ確認されていません。そのため、尾ヒレの形状には諸説あります。従前はナマズ型の尾びれが多かったようですが、これは最新の学説によるサメ型になっています。 

20220607_083949120220607_0841221 20220607_0841531 この模型のサイズは全長34cmぐらいですが、手に取ってみますと、その軽さと造形のセンスの良さに感心します。
 実はオルドビス工房の作品の購入は、シーラカンスに次いで2体目なのですが、本当に造形が見事なのです。おもわず、昔のTV番組の名セリフ”いい仕事してますねえ!”と言いたくなります。せっかくですので写真だけでもご覧ください。

2022年6月 5日 (日)

トップガン/マーヴェリック

 トム・クルーズを大スターに押し上げた80年代の大ヒット作「トップガン」の約35年(公開が1年ズレて36年?)ぶりの続編「トップガン/マーヴェリック」を観て来ました。正直、”続編に傑作なし”との格言(?)もあるように、観る前はあまり期待していなかったのですが、この作品は”大傑作”です。続編としての意味合いもしっかりと踏まえ、娯楽作品として”完璧”な出来です。”今度は戦争だ”といった「エイリアン2」を思い出させます。そして、古き良き”ハリウッド黄金時代の戦争痛快娯楽映画”を復活させています。
 しかも、ストーリーは観客の期待を良い意味で裏切り、シークエンスごとにカタルシスを醸成させる脚本が見事過ぎます。加えて戦闘機のドッグファイトなど実写を重視したという”ツボ”を押さえた演出も素晴らしい。久々に”大人のアクション映画”でした。

Img_20220605_0001  さて、物語は前作から約30年以上過ぎた設定です。トム扮する”マーヴェリック”は、”生涯一パイロット”を貫いており、最新鋭戦闘機のマッハ10の試験飛行のパイロットをしています。そこに、エド・ハリス扮する無人戦闘機論者の大将がマッハ10プロジェクトの中止命令を下げて基地に向かっているというのが冒頭です。このプロジェクトの存亡の危機にマーヴェリックが取った行動がアッと驚くのですが、それは映画で是非ご覧ください。

 その後、マーヴェリックは”トップガン”の訓練基地へ教官として派遣されることになるのですが、前作のように”トップガン”養成のための一種の”学園モノ”かとおもいきや、実は険しい山々に囲まれ、多くのミサイルで防衛された敵国の地下実験基地を攻撃するという”ミッション・インポシブル”な作戦のための訓練だったのです。 

 その作戦計画や戦闘機での過酷な訓練などは、名作「ナバロンの要塞」やお気に入りの「コマンド戦略」などの古き良き時代の”ハリウッドの戦争娯楽映画”そのものです。ベトナム戦争後、現実の戦争のあまりの悲惨な実態が明かされたためか、戦争を扱う映画はリアルで悲惨な物語に代わり、いわゆる”戦争娯楽映画”は、インディアンがネイティブ・アメリカンに代わった”西部劇”と同じく、すっかりその姿を消してしまいました。悲しいですねえ。

 また、この作品には前作で死亡した親友”グース”の息子をはじめ、ライバルだった”アイス”が出世をして大将となって登場します。こうした前作からのつながりが物語をより面白くするのですが、前作のヒロイン、ケリー・マクギリスが登場しないのは本当に残念でした。You Tubeによると、実際の彼女はその実年齢にふさわしい容姿になっているようで、自ら出演を否定していたようです。
 今回はその代役をジェニファー・コネリーが演じるのだと勝手に思っていたら、実は”ベニー”という名前の基地御用達酒場の女オーナーという全く別人の役でした。ちなみに、これもYou Tubeによると、前作のセリフの中でトップガン基地に赴任する前にトムと付き合っていた女の名前が”ベニー”なのだそうです。つまり前作からの登場人物になります。そういえば、最近はTou Tubeばかりで、全然TV番組を観ませんねえ(笑)。

 ついでに言えば、グースの妻は当時はブレイク前のメグ・ライアンが演じていますが、今回は既に亡くなった設定で写真のみの登場(You Toueではかなり容貌が変わってるらしい。)です。ちなみに、グースの息子は、親父役の俳優によく似ていると思ったら、本当の息子だったようです。結局、前作に引き続いて出演しているのは、トム・クルーズ以外では、アイス役だったヴァル・キルマーだけなのですが、実際本当に喉頭がんでセリフが言えない状態だったそうですが、海軍で悪名高く孤高の存在の”マーヴェリック”を今回の作戦教官に抜擢する必要不可欠な役として出演したそうです。その壮絶な役者魂!に頭が下がります。

 それにしても、35年前に共演した俳優たちと比較して、トム・クルーズの若さには改めて驚嘆します。つまるところ、前作以降常に映画界のトップランナーとして体を張って主演を務めてきたトム・クルーズの生き様なのでしょう。年齢を感じさせない若いその肉体に現れているような気がします。日頃のファン・サービスの良さや今作のジャケットに日本国旗が戻った(笑)のも、うれしい限りです。

 さて、余談が長くなりましたが、訓練生たちとの偶然の出会い方やグースの息子との因縁、実戦じこみのアクロバット的な飛行訓練などは、定番中の定番の展開なのですが、その緩急自在な演出はなんとも見事です。初デートの夜逃げシーンの”間”には笑いました。そして、敵の動向から作戦決行が早まる中、訓練の厳しさや失敗の連続のせいで基地の上司から罷免を命じられ、これでもう終わりかと思った時、マーヴェリックはまたもや観客の予想を上回る手段を取ります。これも映画でご覧ください。もう脚本がうますぎます。

 それにしても、昔の映画では何日もかかる敵地進入も、戦闘機による作戦実行ではほんの数分間の出来事なのですが、実写を駆使したスリリングな映像は手に汗を握ります。もちろん、敵もミサイル攻撃だけでなく、最新型の戦闘機で襲い掛かってきます。この辺りはじっくりご覧ください。

 もちろん本命の作戦は成功するのですが、グースの息子をかばったマーヴェリックは撃墜されます。”やっぱり?”などと思ったら、映画はまだまだ続くのです。その後も次々と観客の期待を上回る展開を見せて、ハッピーエンドで幕が下ります。サービス満点です。”いやあ、映画って本当に面白い”という往年のテレビ解説者のセリフを思い出しました。本当に楽しい幸せな140分でした。

 でも、劇場ではパンフレットが売り切れです。今回はオークションではなく、再入荷を待ちましょう。このブログでは昨年(?)のチラシをご覧ください。 

  <追記>

Img_20220608_0001  1週間後にはパンフレット(左の写真)が入荷されていましたので、定価(880円)で購入しました。ただ、残念ながら、このパンフレットには撮影裏話が少なく、俳優の紹介ばかりです。そのくせ、有名俳優でアイス役のヴァル・キルマーの紹介が全くないのです。確かに登場シーンは少ないけれど、物語には欠かせない役どころなのです。しかも、生命をかけたような演技なのに、何故に?不思議です。・・・どうも、最近パンフレットの作り方が雑なのかな?劇場パンフレット受難の時代かもしれません。困ったものです。

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