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2022年4月 6日 (水)

ザ・バットマン

 バットマンの最新作「ザ・バットマン」をやっと観て来ました。なにしろ上映時間が170分もありますから、年寄りとしては体調に万全を期さなければなりません(笑)。

Img_20220406_0001  さて、この映画の感想について結論から言うと、途中で退屈することもなく面白くは観ることができました。ただ、内容的に”バットマン”という超人ヒーロー物かと問われれば、なんか普通の犯罪映画のような印象です。
 ”リドラー”という名の狂信的な知能犯が変質的な連続殺人を繰り返し、現場に残された”謎”を解いていくと、犯罪のあふれる”ゴッサムシティ”に巣食う、正義面した本当の悪人たちを暴くことにつながっていくというストーリーなのです。
 一応、バットマンですからマスクやマントなどの黒いコスチュームを着ていますが、普通に警察の犯罪捜査の現場に立ち合っています。これは汚職に関わっていない唯一の警官ゴードンの独断的な協力によって可能となっているのですが、まあ、無口な名探偵バットマンという感じなのです。

 主演のバットマンは、ロバート・パティンソン、あの「トライライト」の吸血鬼エドワード役を演じた俳優さんです。誰にも会わない引きこもりの大富豪ブルース・ウェインを実に病的な所作で見事に演じており、いかつい暴力的なバットマンのスーツを脱いだ後の目の周りを黒く塗ったままの姿がよく似合っています(笑)。
 
 加えて、今回はアイコンである”バットマンカー”も馬力はバカでかいものの、普通のアメ車であり、めぼしい装備もワイヤーぐらいなので、もうマントもマスクもやめた方が良いのにと思っていたら、マントにはなかなか面白い仕掛けがありましたが、これまでの派手なデザインのバットマン・アイテムを期待しては駄目でしたねえ。しかも、”ペンギン”は、ただの犯罪組織のボスのあだ名でしたので、ティム・バートン監督作とはまったく違います。ただ、共演のキャット・ウーマンの卵を演じたゾーイ・クラヴィッツは、バートン版のミッシェル・ファイファーより色っぽくで好きです(笑)。

 結局、この作品で一番良かったのは、冒頭の「THE BATTOMAN」というタイトルでした。どーんと画面ギリギリいっぱいに描かれた巨大なタイトル文字のインパクトには驚きました。ただ、文字を書いただけの始まりなのですが、単純だけになんか圧倒されて、本編まで期待しました(笑)。もっとも、ストーリーは、”リドラー”の連続殺人の動機も大掛かりな復讐劇も、クリストファー・ノーラン監督のあの”ジョーカー”の悪らつぶりには及びません。
 でも、最後の”リドラー”と”バットマン”の対面シーンは、黒澤明の「天国と地獄」とそっくり同じ構図です。思えば犯人の動機も似ていますねえ。どうやらこの監督さんは、黒澤明のファンのようでそのリスペクトぶりがうれしいなあ(笑)。

 しかし、アメコミ映画の定番であるラストのエンドロールが終わった後のお楽しみ映像には、ほんとうにガッカリしました。170分もの長編映画を観た後、ただただ流れるスタッフ名をひたすら我慢したあげく、あんな映像を出されては客としては許せません。あれを蛇足というのです。

 

2022年4月 5日 (火)

昼下がりの情事 ブルーレイ版

71ndja34ogl_ac_sl1500_  オードリー・ヘップバーン主演ビリー・ワイルダー監督の名作「昼下がりの情事」が国内で初めてブルーレイ化されました。1月16日に予約して3月31日にやっと商品が到着です。待ちに待った商品でした。
 この作品の内容は、当ブログ(2007.9.9参照)でも取り上げておりますので、今回は内容については特に言及はしません。
 とにかく、ブルーレイ化によって向上した鮮明な画面でオードリー・ヘップバーンとゲイリー・クーパーの恋愛喜劇を楽しみたいという一心でした。

 しかし、残念ながらその期待は見事に裏切られました。今回発売されたブルーレイの画質はあまり褒められたものではなかったのです。確かにVHSと比較する(過去の記憶)と見やすくはなったとは思いますが、どうやら古い原版をレストアなどの手入れもせずに、単にブルーレイディスクに焼いた(?)だけという代物のようです。正直DVDとあまり変わらない印象です。

 まあ、それでも、リッツホテルの窓から見える風景は見事に書割というのが分かるほどです。ロケの池のシーンなどは逆にトーンが明るすぎでなんとも興覚めです。
 特に、1957年公開当時のヘップバーンの実年令が27歳だそうで、彼女は銀幕では恋する女学生に見えるのですが、共演するのクーパーが実年齢56歳とはとても思えません。やたら老けて見えて正直60歳後半のようにも思えます。これは多分良くなった画質のせいなのでしょうが、どうも全体的にちぐはぐに感じてしまい、結局劇中の”魅惑のワルツ”に酔うことができませんでした。

 これまで何度も見たお気に入りの作品だったのに、今回は画質への期待が大きすぎたのでしょうか、どうも心が満たされませんでした。年かな? でもあの何度も叩かれる犬がやけに気になりました(笑)ので、これは、あくまでブルーレイの中途半端な画質のせいなのだ。楽隊のジプシーの歴史的な背景などは全く関係ないのだ(笑)。少し時間をおいて、心を落ち着けて再見してみます。

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