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2022年1月10日 (月)

フェバリット クロダイ(年なし)

 私はとある理由(当ブログ2020.11.09参照)から「フェバリット」社の釣魚模型シリーズを集めています。昨年の大みそか、何気なく”不用品販売サイト”を眺めていると、2017年の廃盤以降ほとんどオークションにも出品されない幻のフィギュア”クロダイ(年なし)”が売り出されています。

 このクロダイの模型は、全長51cmもある特大のフュギュアです。定価は確か2万円ぐらいはしたと思います。売り出し価格は送料別で5千円程度と割安感があり、”左胸ヒレ”に欠損があるという商品説明もありましたが、出品自体が少ないので思い切って購入しました。

 商品は正月3日に届きました。正月休みなのに宅配の人は本当にご苦労様です。頼んだ人が言っても申し訳無いですが・・。
20220103_1502501  ただ、商品の包装がプチプチに包まれていたものの、段ボール紙でそのまま巻いているだけの輸送方法には驚かされました。これで中身は大丈夫かと恐る恐る開けてみると、案の定本体と台座が壊れて二つになっています。ただ、幸いなことに破損したのは台座の継ぎ目の部分だけであり、そのほかは、台座や本体腹部に塗料はげが見られたものの、腹や尾ヒレなどには影響はありませんでした。特に、補修の型どりに必要な”右胸ヒレ”が無事だったのが不幸中の幸いです。

20220103_150354-2 20220103_160406-2  一方、商品説明に記載されていた”左胸ヒレ”の先端の欠損以外にも、背びれの前から3番、4番(中途から先)、5番の先端が欠けています。商品写真を確認してみると、これは当初から欠けていたのに気が付かなかったのです。どちらにしても、補修する気でいましたから特にクレーム対応などは行いません。それに、補修には台座と別れていた方が作業がやりやすいので、かえって好都合でした。台座部分が異常に重いのですよ、これが。天の配剤かもしれません。うん、”こいつは春から縁起が良い”のかもしれません(笑)。

 さて、補修の手順としては、まず台座の塗料ハゲの処理ですが、これはラッカー塗料のミッドナイトブルーにフラットベースを混ぜて筆塗りです。それだけで補修箇所が全くわからなくなりました。次に、銀色の腹部の塗料ハゲについては、シルバーにクリアーを混ぜたラッカー塗料を筆塗りした後、仕上げ剤スーパークリアー(光沢)をスプレーしました。これでなんとかごまかせます。まあ、もともと腹の底ですので目立ちません(笑)。

41qgzb8qctl_sy90_  そして、 今回の作業の最大難所は、なんといっても透明のヒレの補修です。欠損した部分はありませんので、新しく創り出す必要があります。
20220107_2210241  いろいろ考えた末に、やはり透明のUVレジンを使うことにしました。百円ショップに売っているUVレジン液は太陽光でも紫外線でも全く固まりませんので、新しく通販で”水玉の結晶”という商品(1,740円)を購入しました。日本の手芸工房が作ったとのことで、併せて購入した”コンパクトUVライト”(900円)を当てると簡単に固まります。やっぱり日本製が一番ですねえ。信頼がおけます。

41kyugt2dvl_sy90_  もちろん、型どりは、いつもの青い型取り剤”ブルーミックスクイック”です。まず型どりした型で部品を作ったのですが、気泡ができる上に、ヒレの端に後から接着する方法が思った以上に難しく、いろいろ試行錯誤しましたが、ここは思い切って、型を上下に分ける”受け皿”方式にしました。そして、レジン液を本体に被せた型枠にそのまま流し込んだのです。型枠をテープでしっかりと固定することが肝要ですが、初めてのことで少しゆるみが生じて若干凹凸ができました。
しかし、UVライトを何回か照射した後恐る恐る型を取った時、先端が本体ヒレにしっかりくっついていたのには感動しました。いや、本当にうれしかったなあ(笑)。
 あとは、反対側から今度は上から枠を押し付ける”スタンプ”方式です。そしてルーターで余分な部分を削り取って形を整えます。そして最後に仕上げ材スーパークリア(光沢)をスプレーすれば、微細な傷で白濁した部分もほとんど気にならなくなります。・・・これで完成です。

 なお、背びれの欠損も同じ補修方法ですが、型は無傷だった前から6番目の背びれ部分を使用し、前から3番と5番のヒレの先端、そしで4番ヒレの上半分を作っていきます。特に4番目の欠損面積が広い分なかなかうまくいかず、凸凹になった箇所に後からレジン液を追加するなどしたせいか、少し不出来な仕上がりになっています。まあ、今回で一液タイプのUVレジンの扱いにも慣れてきたので、2回目(あるとすれば)はもっとうまく出来そうです(笑)。

51k717dkzrl_ac_sx569_  最後は、本体と台座の接合です。ネットで調べてみると、レジン用の強力な接着剤のお勧めは、30分以降に固まり始めるエポキシ樹脂系2液タイプのものが良いとの意見があったので、早速通販で”ボンド/クイック30”(600円)を購入しました。実際使って2液を混ぜ合わせてみると、まるで透明のトリモチのような感触で、いかにも強力な粘着液という感じです。実際数時間後にはしっかり固まりました。いやあ、本当に良い商品を知ることができました。今後ともレジン製の大きな部品の接着には大いに活用しましょう。

20220110_0746521 20220110_0747451 20220110_0748171  結局、初めての作業も多かったため補修が完了したのは、商品が届いた日から1週間後の1月9日の夜でした。今回はUV透明レジンや強力接着剤の使い方など本当に勉強になりました。

 では完成品をご覧ください。左の一番目の写真が補修箇所の見える画像です。まあまあ目出た無くなっています・・・かな?

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