デフォリアル
「デフォリアル」とは、怪獣やモンスター造型の専門メーカー「エクスプラス」から発売されているフィギュアのシリーズ名です。デフォルメとリアルを合成した名前のとおり、約15cmぐらいのリアルなデフォルメ・フィギュアです。
映画グッズの入手目的をあくまで作品の”感動”を手許に置くものと位置付けている私としては、再現模型は収集対象となってもデフォルメ造型にはほとんど興味はないのです。が、しかし、たまに作品の”魂”を表現するような秀逸なデフォルメ模型に出会うことがあります。そんな時は衝動的に買ってしまいます。まあ、”後悔は買ってからせよ”なのです(笑)。
ちなみに、現在うちにあるデフォルメ模型と言えば、もう随分昔に購入したサイドショウ・トイの”ビッグヘッド”半魚人(当ブログ2006.7.25参照)。私が初めて買ったフュギュアでもあります。10cm程度のほぼ2頭身ながら実にリアルな造形なのです。その当時は「サイドショウ」という米国のメーカー名すらも知らず、また現在のようにこれほどフィギュア文化が進歩・発展するとは夢にも思ってなかった時代でした。たまたま雑貨屋で見かけて買ったような記憶があります。思えば、それが因果の始まりでしたねえ。
その他には、先輩から戦車模型を貰って模型塗装に目覚めた頃に出会った「ウエストケンジ」という個人(?)メーカー発売のソフビキットのキングギドラがあります。ちなみに、この”リアルデフォルメミニソフビ”のシリーズには、ギドラ以外にもゴジラやラドンなどのキット商品を組み立て塗装もしたのですが、完成してみれば、いまひとつデフォルメ具合が気に入りませんでしたので、オークションで手放してしまいました。今残っているのは、デフォルメ・ギドラ一匹だけですねえ。やはり、デフォルメはその誇張表現が難しいものなのです。個人の好みの差に大きく影響されます。
さて、前置きがやたらと長くなりましたが、”デフォリアル”のシリーズはもう何年も前から発売されていることは知っていました。ただ、前述のような事情から、私はこれまであまり関心が無かったのですが、先日、偶然YouTubeで、怪獣マニアのユーチューバーが発売されたばかりのデフォリアルの「ガメラ3」のフィギュアを詳しく紹介をしている画像を観たのです。
その動画でフィギュアの詳細な画像をつぶさに見せられると、その出来の良さに驚きました。15cmサイズなのに、ガメラ3のリアルな質感や誇張した牙など、実に絶妙なデフォルメ具合です。その表現にはつくづく感心しました。このユーチューバーによると、現在このデフォルメシリーズがマニアの間では大人気となっているらしいのです。どうもメーカーの宣伝の”手先”のような匂いもします(笑)。
ただ、こういう話を聞くと、ミーハーの私としては、いろいろ調べたくなります(笑)。そこで、改めてこのシリーズの造形物をチェックしてみると、確かに平成ガメラシリーズの造形物(G3とG2)はよくできています。
しかし、それ以上に驚いたのが「シン・ゴジラ」の造型物です。製造元の「少年リック(エクスプラスの関連会社)」の商品写真を見てみると、シン・ゴジラの皮膚感はもとより憎たらしい表情やその乱杭歯の表現、ボリュームのある長いしっ尾のコンパクトな処理、さらには、映画の画面ではよくわからなかった尻尾の先の醜い顔を分かりやすく誇張しています。このリアルなデフォルメ具合こそがまさにシン・ゴジラのテーマをより鮮明に表している(ほめすぎ?)ようにも思えます。
で、早速実物をゲットしようとしたのですが、1年以上も前の発売らしいので既に絶版商品となっており、現在では秋葉原のショップでは定価の4倍強のプレミア価格がついているとのことです。出遅れた分、比較的安価で入手するまでの苦労は大変でした(笑)。
そのほかにもこのデフォリアルシリーズでは、昭和ゴジラ物なども商品化されていますが、商品写真を見る限り、何故かデフォルメ・デザインがあまりよくありません。”普通”の出来なのです。もともとの怪獣のデザインが完成されすぎているということもあるのでしょうか、デフォルメに全くインパクトがありません。まあ、今後の新たな商品に期待しましょう。
逆に、平成ゴジラ物になると、元々漫画的な容姿のせいか、意外にデフォルメ具合が似合っています。もちろん購入する気は全くない(私の対象年代ではありません。)のですが、”デフォルメ模型”の造形物としては評価できます。
あとは”平成ガメラ”物か、”ハリウッドゴジラ”物が期待できるかもしれません。でも、やっぱりデフォルメ造型は難しのです。琴線にふれるものは数少ないなあ。・・・でも、コレクターとして正直ほっとしている私もいます(笑)。興味のある方は是非ご覧ください。
« 性本能と原爆戦 | トップページ | コーダ/あいのうた »
コメント