ジャッジ・ドレッド
スチール・ブック仕様のブルーレイ「ジャッジ・ドレッド」の中古品をオークションの競い合いの勢いでつい買ってしまいました。この作品は、イギリスの同名のSFバイオレンス・コミックを映画化したものですが、この作品の前にもシルベスター・スタローン主演で一度映画化されています。スタローン主演の内容はほとんど覚えていないのですが、顔出しスタローンばかり強調した、なんとも面白くなかった記憶だけがあります。実際、コミックファンなど世間的にも無視されているようです(笑)。
さて、この作品は、戦争により荒廃した未来都市で犯罪者を取締るために創設された”ジャッジ”の物語です。ジャッジとは、捜査官と裁判官、そして執行官までを兼ね、強力な武器を持ちヘルメットで顔を覆った取締官のことであり、ドレッドという名の凄腕”ジャッジ”が主人公です。まあ、雰囲気は「ロボコップ」の第1作ですねえ。荒廃した未来の都市の風景や汚れた画面作りがよく似ています。
ストーリーは、思考を読めるミュータントである新人の女性ジャッジを連れて、スローモーという麻薬を扱う犯罪組織のボス”ママ”が支配するピーチツリーという200階建ての巨大スラム・ビルに捜査に入ったことから、2人のジャッジ対麻薬組織の無数の構成員たちの戦闘が起こるというものです。中空のビルは、シェルターが閉じられ、完全な巨大な密室となり、その中が阿鼻叫喚の戦場になります。この銃撃戦が見所なのです。
冒頭から、生き皮をはがれ上層階から地上に突き落とされるというショッキングな映像がありますし、麻薬を使った際のスローモーな映像をやたらみせます。いつごろから、アクション映画はリアルというにはあまりに汚くてグロすぎる映像が流行っているのでしょうか、あんまり感心しませんね。せっかく、野戦用の据え置き型の重機関銃を何台も持ち出して、中空の回廊の反対側から部屋もろとも無差別に攻撃するなど、なかなか過激で、秀逸な銃撃アクションを見せるのに、前述の映像の汚さで減点されます。
それにしても、主演のドレッドは、原作コミックのとおり全編ヘルメットで顔が見えません。多分、スタローンは、それを嫌って、顔出しをしたのでしょうが、原作ファンにそっぽむかれたのは当然でしょう。今回の主演は「ボーン・スプレマシー」でボーンの恋人を殺したロシア秘密警察の殺し屋役を演じたカール・アーバンだそうです。まったく分かりませんでした(笑)。
一方、金髪の新人取締官がヘルメットをかぶらないのは、超能力を発揮するためだとか、ちゃんと説明しています。まあ、ヒロインまでヘルメットで顔もわからないとなると観客が納得しませんわねえ(笑)。オリビア・サールビーというなかなか美人の女優さんです。いっとき人質になるのもお約束です。
そして、麻薬組織の女ボス”ママ”が圧巻です。売春婦からボスのナニを食いちぎってボスにのし上がった顔に切り傷のある女丈夫です。演じるのは、レナ・ヘディです。そうです、あの「ゲーム・オブ・ザ・スローン」で教会の陰謀によって全裸で糞尿を投げつけられながら大衆の中を歩かされた野心多き女王を演じた女優さんです。まあ、いつも凄惨な役を演じます。ご苦労様です。この作品でもなかなか意外なツテや奥の手を駆使しながら、無慈悲なボスらしい説得力あるヒール演技を披露します。この女優さんを一寸贔屓したいと思います(笑)。
今回、ブルーレイで再見(以前に一度DVDレンタルで見た)したら、ブルーレイの解像度のせいか、映像の汚さが若干軽減されている(笑)ようにも感じましたので、”まあ、いいんぢゃないか”というぐらいには気に入りました。以上です。
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