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2021年7月 9日 (金)

トゥモロー・ウォー

 アマゾンが製作したSF映画「トゥモロー・ウォー」は、アマゾン・プライム会員なら無料で観られる作品です。こうした劇場公開がなく、動画配信サービスだけで観られる作品が増えて来ました。ネットフリックスが製作・配信したマッツ・ミケルセン主演の殺し屋アクション「ポーラー/狙われた暗殺者」などが有名です。一時期、こうした作品をアカデミー賞の対象とするかどうかでもめたというニュースもありました。どうやら全米の各劇場主が反対しているらしいのですが、潤沢な資本を有する動画配信会社の方針と市場がある以上、映画の公開方式の多用化は避けられそうにありませんねえ。

 劇場公開映画として製作されたにもかかわらず、コロナ禍で公開できず、結局、動画配信サービスに身売りされた「グレイ・ハウンド」などという第二次世界大戦の潜水艦と駆逐艦の戦いを描いた戦争映画もあります。主演はトム・ハンクスで、荒波を航海する駆逐艦の姿など予告編を見る限り、なかなか迫力があって、劇場で観たかったと思わざるを得ません。

 さて、この「トゥモロー・ウォー」という作品は、さすがにアマゾンだけに巨額の予算を使って製作されているようで、かつての安いテレビドラマのイメージはありません。主演がいま旬のクリス・プラット(ジュラシック・ワールドの主演)であり、軽い気持ちで観始めて、一気に2時間18分全編を観てしまいました。結論から言って、全く先が読めない展開や最後のオチもなかなか考え抜かれた面白い本格的SF大作でした。

 物語は、エイリアンの襲来により滅亡に瀕している2051年の未来を救うため、現在において、徴兵令が施行され、小さな娘がいる中年の高校教師の主人公が兵士として選ばれて、未来に送られるというタイムトラベル物語です。徴兵期間はわずか7日、選別基準は2051年までに死亡していることなど、しかも生存率20%といういろいろな意味で過酷な制度です。出だしは、昔ながらのチープなSF設定と思って観ていたら、未来世界で登場するエイリアンの映像がなかなか凄い。針を飛ばしてくる複数の触手(尾)を持つ狼というものですが、一言で言うと、白い”鵺”ですねえ。そうした生きものが無数に、しかも物凄く素早く襲いかかってきます。最近のモンスターは、ゾンビもそうですが、目に見えないほど素早いのです。まさしく瞬殺されます。

 突発的なトラブルが生じ、訓練もないままに何もわからない主人公たちがいきなり戦場へ送られます。主人公は実は軍歴があるのですが、そうでもないアメリカ市民たちも、おばさんもおじさんも結構銃で応戦しながらがんがん戦います。この辺は、いくらフィクションとしても、我が国の市民感覚とはまったく違いますねえ。日本では、泣きわめくシーンが入って、こんな即戦力のドラマはとうてい成り立たないでしょうねえ。いやはや日常が戦場の国のメンタルに感心します。多分、あちらの観客がそういう目で観ているのですから、いまや戦争してもとても勝てそうにありませんねえ。平和が一番です(笑)。

 

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