ゲーム・オブ・スローンズ
今更ながらのテレビドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のお話です。2013年から8シーズン続き、世界中で大ヒットした作品ですが、かなり以前に観た時は、第一部の開幕早々貴族の少年がある出来事を目撃したために搭から突き落されるという衝撃的なシーンもあって、そのどぎつさと余りの情け容赦のなさに辟易して観るのを止めてしまった経緯があります。
ところが先日アマゾン・プライムで視聴期間の終了予定の告知を見て、何気なくアットランダムに選択した第5部を観たのです。そこには、ドラゴンが騎士の隊列を襲撃しているシーンが映っていました。その映像が見事というか、とにかくドラゴンのデザインが秀逸なのです。CG時代に入って見た最良のドラゴンの姿です。あの名作「ロード・オブ・ザ・リング」の前日譚の「ホビット」に登場したドラゴンは、しゃくれ口が醜く、なにより溶けた黄金の中でも生きているという無敵すぎる怪獣はあまり感心しませんでした。「ハリー・ポッター」の”ハンガリー”ドラゴンも良くできていましたが、やはりお伽噺風でインパクトが足りませんし、直近の「モンスターハンター」も論外ですよねえ。
それらに比べて、この「ゲーム・オブ・スローンズ」のドラゴンには驚かされました。なにより、その生物感が素晴らしい。まあ、火を噴くのはしかたがないとして、うごめくような皮膚感が見事です。細い毛のようでもあり棘のようでもある皮膚が体表を覆い、細かな棘が大きな棘に連なり、身体を列状に覆った背ヒレの表現は実に凄い。しかも動くとその皮膚が象のようにたわむのです。その上、大きな弓矢で撃ち落とされるのですから、まさに生きている巨大な動物という設定です。CG製作はドイツの会社らしいので、まさにドラゴンの本家ニーベルンゲンの伝説の系譜です。ただ、いかにも空を飛べそうな翼竜タイプのドラゴン(最近はこのタイプが主流)なので、中世の木版画にあるような背中から羽のある空想生物ではないのですが、その雄姿をご紹介します。とは言っても、海外で販売されていた”ドロゴン”スタチューは、最高紙幣二けたという高額なもので全く手が届きませんので、拙作の鉛筆画で我慢ください(笑)。
それにしてもこのドラマは、ファンタジー関連の映像表現も凄いですが、中世文化の薄汚れた映像や露骨な裸シーンは凄まじいの一言です。ドラゴンの母役の若い女優さんの全裸はまだしも、悪役女王が全裸で群衆の間を歩き、罵声や糞尿を投げられる場面などは、女優さんも大変だなあと思います。女優魂が立派としか言いようがない。エロチシズムなどというレベルではないですねえ、陵辱、バイオレンス等々なんとも言い難い過激すぎるドラマです。それにしても宗教は怖いですねえ、中世ヨーロッパ(を模したファンタジー社会)も恐ろしい。なかなか日本人のぬるま湯感覚では正視はできません。しかも、このシリーズ長いし、登場人物も多いし・・・。あとは第8部が残っているのですが、ここからレンタル料金が発生しますので、まだ未見です。まあ、ドラゴンの都市破壊シーンがあると聞いていますから、いずれ覚悟の上、観てみたいと思っていますが、歳を重ねるとアチラのドラマシリーズの鑑賞には気力と根気と体力が必要となってきます。冗談抜きで本当です(笑)。
<追記>
補足ですが、このシリーズに登場するドラゴンは3匹います。それぞれドロゴン、レイガル、ヴィセーリオンという名前がついてます。このうち、姫を背に乗せるのがドロゴンで、ホワイトウィーカー(闇の王)に殺されるのがヴィセーリオンです。ただ、どうやらゾンビドラゴンとして蘇るようです。このヴィセーリオンのアクション・フィギュア(いわゆるオモチャ)の飛ぶ姿をご覧ください。3匹とも色は違えど姿形はほぼ同じですので、ご参考にしてください。
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