るろうに剣心 最終章 The Final
公開を待ちかねていた映画「るろうに剣心 最終章 The Final」を観ました。このシリーズは、従来の殺陣を一新したといわれるほど、激しいスピードのアクションが売り物ですが、最新作も期待を裏切ることなく、いや、今まで以上に過激な殺陣が展開されます。
出演者達に運動神経の良い若手の俳優を集めていることが勝因でしょう。とにかく、激しく動きまわり、周囲の物を破壊していきます。とかくダメな殺陣の代名詞の血の噴出演出はあまり無く、ひたすらスピードを優先するアクションには感動します。まあ、真剣の重みが感じられないなどという声はこの際無視しましょう。どちらにしても本当の格闘技ではなく、”殺陣”を楽しむものですから。
それにしても、画面に収まりきらないほど数が多い斬られ役達が群がる中で、主演の佐藤健の余裕のあるように見せる身のこなしには鳥肌が立ちました。随分練習したのでしょうねえ、役者の鏡ですねえ。
また、今回の敵役の新田真剣佑はさすがに親の血を引いてか見事なアクションを見せます。役柄が清国で暗黒街のボスにのし上がったという設定なので、空手のような足技も多かったのも納得です。彼の親の時代の一時期、日本の剣術なのに、やたらとブルース・スリー風の空手技の技が混じるという悪習が流行ったことがあったのを思い出しましたが、今作ではその類とは一線を画しています。それだけ二人の対決に見ごたえがあったということでしょう。邦画でこれだけのアクションができたことに本当に感心しました。
さらに、かつての好敵手が次々と味方で登場したのもうれしかったなあ。神木隆之介扮する神速の少年剣士、伊勢谷友介の隠密の頭領も良い。スキャンダルなどもその演技ですっ飛ばしてほしいものです。それに、いつもの青木崇高の不死身ぶりには大笑いです。
ちなみに、今回の物語は、頬の十字傷の謎を描いたものであり、回想に出て来る有村架純がなかなか良い味を出しているのですが、やっぱりこの作品の目玉は”殺陣”につきます。東京を襲うテロリストたちの化け物じみた姿や武器も面白く、家具をはじめ、建物までも壊す派手なアクションを堪能しました。そういえば、昔、こんな派手な殺陣映画を夢見ていた記憶までも思い出しました。前作より一層洗練された立ち回りが実現できたことは、アクション監督である谷垣健治氏の手腕と若手俳優たちの熱意でしょう。高く評価したいと思います。
いやあ、久しぶりにマンネリ化していない”時代劇”を満喫しました。この後すぐに公開されるという続編(?)「最終章 The Beginning」にも大いに期待しています。
余談ですが、写真の劇場パンフレットでは、物語のカギともいうべき有村架純の扱いが無きに等しいのは何故でしょうか?役柄をはじめ経歴の紹介どころか1枚の写真もありません。そんなに秘匿する必要があるのでしょうかねえ。それともなにか大人の事情があるのかしらん。販売会社に聞いてみたいところです。
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