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2021年4月24日 (土)

るろうに剣心 最終章 The Final

 公開を待ちかねていた映画「るろうに剣心 最終章 The Final」を観ました。このシリーズは、従来の殺陣を一新したといわれるほど、激しいスピードのアクションが売り物ですが、最新作も期待を裏切ることなく、いや、今まで以上に過激な殺陣が展開されます。

Img_20210424_0001  出演者達に運動神経の良い若手の俳優を集めていることが勝因でしょう。とにかく、激しく動きまわり、周囲の物を破壊していきます。とかくダメな殺陣の代名詞の血の噴出演出はあまり無く、ひたすらスピードを優先するアクションには感動します。まあ、真剣の重みが感じられないなどという声はこの際無視しましょう。どちらにしても本当の格闘技ではなく、”殺陣”を楽しむものですから。

 それにしても、画面に収まりきらないほど数が多い斬られ役達が群がる中で、主演の佐藤健の余裕のあるように見せる身のこなしには鳥肌が立ちました。随分練習したのでしょうねえ、役者の鏡ですねえ。
 また、今回の敵役の新田真剣佑はさすがに親の血を引いてか見事なアクションを見せます。役柄が清国で暗黒街のボスにのし上がったという設定なので、空手のような足技も多かったのも納得です。彼の親の時代の一時期、日本の剣術なのに、やたらとブルース・スリー風の空手技の技が混じるという悪習が流行ったことがあったのを思い出しましたが、今作ではその類とは一線を画しています。それだけ二人の対決に見ごたえがあったということでしょう。邦画でこれだけのアクションができたことに本当に感心しました。

 さらに、かつての好敵手が次々と味方で登場したのもうれしかったなあ。神木隆之介扮する神速の少年剣士、伊勢谷友介の隠密の頭領も良い。スキャンダルなどもその演技ですっ飛ばしてほしいものです。それに、いつもの青木崇高の不死身ぶりには大笑いです。

 ちなみに、今回の物語は、頬の十字傷の謎を描いたものであり、回想に出て来る有村架純がなかなか良い味を出しているのですが、やっぱりこの作品の目玉は”殺陣”につきます。東京を襲うテロリストたちの化け物じみた姿や武器も面白く、家具をはじめ、建物までも壊す派手なアクションを堪能しました。そういえば、昔、こんな派手な殺陣映画を夢見ていた記憶までも思い出しました。前作より一層洗練された立ち回りが実現できたことは、アクション監督である谷垣健治氏の手腕と若手俳優たちの熱意でしょう。高く評価したいと思います。
 いやあ、久しぶりにマンネリ化していない”時代劇”を満喫しました。この後すぐに公開されるという続編(?)「最終章 The Beginning」にも大いに期待しています。

 余談ですが、写真の劇場パンフレットでは、物語のカギともいうべき有村架純の扱いが無きに等しいのは何故でしょうか?役柄をはじめ経歴の紹介どころか1枚の写真もありません。そんなに秘匿する必要があるのでしょうかねえ。それともなにか大人の事情があるのかしらん。販売会社に聞いてみたいところです。

2021年4月19日 (月)

ブレイブ/群青戦記

 あまり評判が芳しくないので劇場に足を運ぶかどうかで悩んでいた邦画「ブレイブ/群青戦記」を観て来ました。物語はスポーツの名門校「星徳学園高校」が校舎ごと戦国時代にタイムスリップし、混乱の中で連れ去られた仲間を助けるためにトップアスリートの高校生たちが織田信長の砦の手勢と戦うという”いわばSF映画”です。

Img_20210419_0001 一言で言うと、戦国時代にタイムスリップするなら、せめて自衛隊ですよねえ。いくら全国トップクラスのアスリート集団とはいえ、剣道、弓道、空手、フェンシング、アメリカンフットボールなどのスポーツでは、毎日殺し合いをしている侍にはとても勝てません、と普通思います。
 実は、それをひっくり返すだけの面白い戦術などが繰り広げられるのかとも思いましたが、科学部の花火や火炎瓶程度では無理ですねえ。しかも、平和ボケしていますから、敵陣の中でも警戒するという当たり前のこともせず、無意味に敵兵に殺されます。
 それにしても、目の前で人が殺されても、仲間を助けるために戦いに出かけようとする高校生の”気持ち”はやっぱり絵空事に思えます。自分の死への恐怖がほとんど感じられません。あんな風におにぎりが食えるのでしょうか。もう一工夫がないと説得力、リアリティがありませんねえ。

 特に、主人公は回りがリーダーだと認識しているようですが、なんとも覇気も才もなく無策の限りです。そのせいで何人が死んだのか、友人達が頼りにするだけの片りんは全く見られません。せめて、もっとち密な作戦を立ててほしいものです。こういう展開では、観客としては観ているだけで歯がゆく情けなくなり、物語として、活劇としての面白さを全く感じられません。一体監督は何を描きたかったのか?本当にわかりませんでした。

 さらにレビューを読んで懸念していた、タイムスリップした直後に起こる校舎に乱入した雑兵たちによる手あたり次第の生徒の大量虐殺については、皆さんが書かれているほど過激でもなく、昔ながらの普通の殺陣で終わってしまい、なんか拍子抜けしました。しかも、刀や槍で斬られた死体や負傷者の姿も一切見せません。観る前には、ひょっとしたら”戦国”という時代の無残さ、残酷さを露骨にスプラッター的に描いているのかとも思っていたのですが、全くの勘違いでした。良く良く考えると、そんな”時代の在り様”は必要ないのです。この作品は友情や団結を描く”学園モノ”ものなのですから。その割には大量の死者が出ましたが・・・。映画を観てわかったことはこの作品は決して”リアルなSF映画”ではないということでした(笑)。

 加えていうと、劇中でタイムスリップの理屈が説明されるのですが、これが映画「バック・トウ・ザ・フーチャー」のパクリなのには驚きました。もっとも「ソレ(BTF)、何?」という映画知らずの生徒の発言も描いていますが、どうも笑うに笑えません。

 まあ、ここでは”時の復元力”のネタバレは行いませんが、やっぱり戦国時代には少なくても戦闘ができる自衛隊が必要です。「戦国自衛隊」を小説の原作どおり一度まともに映画化してほしいものです。これまでの作品は改悪過ぎます。いまならちゃんとしたものができそうですが、予算的にやっぱり無理かな?いかがでしょうか。

 最後に、若き日の徳川家康を演じた三浦春馬さんが颯爽とした演技で頑張っているのがこの映画の唯一の見所かもしれません。ご冥福をお祈りします。

2021年4月16日 (金)

特撮の空

 ハリウッドのゴジラ映画の新作「ゴジラVSコング」は、海外では3月から既に公開されており、信じられないことに大ヒットとなっているようです。前作の「ゴジラ/キング オブ モンスターズ」がアメリカではかなり不調で、シリーズも打ち切りされるのではないかという状態だったのが噓のようです。コロナ禍で他のハリウッド映画があまり公開されていないという追い風のせいかも知れませんが、なんとも早く観たいものです。それにしても日本の公開日が5月14日と世界から比べてかなり遅くなっているのは何故なのでしょうか。ユーチューブではネタバレなどの情報が飛び交っているそうです。権利会社の陰謀を疑いたくなりますねえ。ホントに困ったものです。

 ところで、前作「ゴジラ/キング オブ モンスターズ」で割を食った怪獣がいます。それは東宝怪獣の中ではゴジラの次に主演を張った怪獣ラドンです。向こうの呼び名では”ロダン”というそうですが、このハリウッド映画ではなんとも日和見の情けない姿が描かれます。かつては名前を勝手に変えられ、今度は性格までもゆがめられました。酷い話(笑)です。
 もっとも、わが国でも、初の総天然色怪獣映画として鳴り物入りで登場した「空の大怪獣ラドン」、そして「キングオブモンスター」の元ネタともいえるキングギドラが登場する「三大怪獣地球最大の決戦」までは生物感あふれるデザインが素晴らしかったですが、その後の平成ゴジラシリーズではなんともお子様ランチ風にデザインが改悪されており、見る影も無くなっていた歴史があります。思えば、なんとも可哀想な悲運の怪獣なのです(笑)。

51e5zgjsikl_sx218_bo1204203200_ql40_ml2_  こうした中で、先日、東宝怪獣映画黄金時代の背景を描いてきた職人の作品を特集した「特撮の空 島倉二千六 背景画の世界」が発売されました。これは当時、特撮の現場で背景用ホリゾント(巨大な布)に描いた空や宇宙、そしてあの懐かしい”富士山”の姿などの記録(写真)を集めたものです。本来、それ自体は消え物なのですが、最近は各地の博物館の展示物の背景画に”作品”が残っているそうです。そういえば、タランチーノ監督がご指名で彼に背景画を依頼したという逸話を思い出しました。
 当時の逸話などで職人の技の凄さに驚嘆しますし、この本に掲載された作品は、その懐かしさが半端ありません。思えば、何故か怪獣たちはいつも富士山麓で格闘していたのです。東宝の海外販売の戦略だったかもしれません。あの”明るい”空の色があっての思い出となっています。この本は、最近よく出版されるかつての特撮現場の記録物としては実に秀逸な出版モノであり、よくぞこの職人の技に光を当ててくれたと感謝の気持ちで一杯になります。未見の方は是非一度ご覧ください。

20210410_2040381  そこで、あの”空”によく似あう飛ぶラドンを栄光の日(笑)の姿に復元することとしました。今回は、”造型工房パオ”の「地球最大の決戦 ラドン」という2代目ラドンのレジンキットを製作します。この工房のキットは、体長は22cm、両翼長33cmというやや小ぶりのサイズなのですが、最初から飛ぶ姿をキット化しているという優れものです。エクスプラスなどのメーカーは何故か地面に立っている姿が多いのですが、やはり”飛ぶ者は飛ぶ姿が一番美しい”という真理を忘れています。

20210414_112458  20210414_1128571 なお、塗装は、このキットの説明書に記載されていたとおりに塗っているので詳細は記載しませんが、”マホガニー”と”レッドブラウン”を基本色としています。また、本体を支える支え棒として尾の下に外径3.1mmの金属製のパイプを差し込み、曲げながら木製の台座に固定しました。台座には丁度余り物のワッシャーがうまくハマりました。ではご覧ください。

 

 

 

20210414_1132081  ついでに、ボークス社のモスラのレジン製中古模型(「モスラ対ゴジラ」の成虫モスラらしい)を入手したのでご紹介します。この怪獣も飛ぶ姿が美しいのですが、毛のある昆虫系だけに模型としてはなかなか再現度が難しいのです。この作品は、前持主がキットを製作したもので、現物を手にして驚いたのですが、キットの造型も羽の張り具合の再現など誠に見事ですし、その塗装が実にうまく、前持ち主の腕に感心するだけです。そのまま木製の台座を付けて保存です。20210414_1136061

 

2021年4月13日 (火)

ザ・スイッチ

 クラシックな怪奇映画は大好きだったのですが、露骨なスプラッター・シーンがどうも苦手で最近のホラー映画はできるだけ劇場で見ないことにしています。ただ、この「ザ・スイッチ」は、ユーチューブで予告編を見たかぎりコメディっぽいので劇場に足を運びました。

Img_20210413_0001  結論から言うとこの作品には大変満足しました。まあ、今はやりの”入れ替わり”劇なのですが、女子高生と殺人鬼が入れ替わるという設定が斬新です。もっとも、我が国では一寸前まで女刑事と連続殺人犯が入れ替わるというテレビ番組が放送されていましたので二番煎じという気もしないわけではありませんが(笑)。
 また、心配していましたスラッシャー場面は、冒頭から殺人鬼による大殺戮が繰り広げられるのですが、あまりに馬鹿げている設定なので恐怖より笑いが先行します。なにしろ頭部に突き刺さったテニスラケットなどはなんともあきれてしまいます。しかも、その見せ方は露骨ではなく一瞬しか映りませんので、実にセンスがよろしい(笑)のです。少しだけ三隈研次の時代劇を思い出しました。 

 パンフレットによると、「スクリーム」をはじめ様々な有名なホラー映画へのオマージュが仕込まれているようです。漫画”ジョジョ”に出て来るような古代の仮面をかぶった大男が呪いの短剣をかざす姿も笑えますが、「12日の木曜日」というナレーション(注書き)には吹き出しました。実はこれが一番笑えました。

 お話は、高校生の学園モノです。そこにジョジョの仮面をかぶった大男が呪いの短剣をもって乱入し、てんわやんやの大騒動になるというものです。殺人鬼が乗り移った女子高生が定番の”チェーンソー”などでいけ好かない同級生たちを惨殺していく一方、大男が女子高生のような動作で逃げ回るのは、実にシュールなアイディアです。しかも、24時間以内にある”措置”をしないと永久に元に戻れないという時間的なスリルもあって、どうしてなかなか面白い。
 ついでにいうと、殺される同級生や教師たちは、日頃から主人公にからんでいじめるいけ好かない連中であり、殺されてもあまり気にならない演出が施されていますので、安心して観られます(笑)。もっとも、主人公の女子学生はあんなに可愛いのにどうしていじめられているのかな?と疑問に思うのは私だけでしょうか。どうやら家が貧乏で内気で服のセンスが悪いからというのがいじめの原因という設定のようですが、あちらではそんものなのかなあ?。よくわかりませんねえ。ただ、主人公の親友が黒人の女の子とゲイの男の子というのはやっぱり今時でしょう。なかなか良いコンビです。

 それにしても、殺人鬼になった女子高生の凄味とかっこよさ、内股歩きで女子高生を演じる大男の演技は見事です。この二人の主人公の入れ替わり演技に拍手を送りましょう。また、入れ替わった女子高生と大男の二人が常に犯行現場を行き来して目撃者を作っている設定が、事件解決後の現実的なつじつま合わせがすんなりできる方法と観客に感じさせるところなどは、この脚本のうまさに素直に感心します。そして惨殺死体がゴロゴロ出る映画にもかわらず、しっかり笑わせていただきました。ありがとうございました。

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