モンスターハンター
ハリウッド映画がコロナ禍で軒並み公開延期される中で、やっと封切りになった「モンスターハンター」を観て来ました。予告編を見て以来随分待たされていたので、初日の初回に行ってきました。場内の席はまばらでコロナ対策としては完璧でしたねえ(笑)。
この作品は、ご存知のとおり大人気のゲーム「モンスターハンター」の映画化で、同じくゲームを原作とする「バイオハザード」で当てた監督ポール・W・S・アンダーソン、主演ミラ・ジョヴォヴィッチのコンビで製作されています。「ゾンビの次はモンスターか」と妻はあきれたとパンフレットに書いてありましたが、まあ、そのとおりですねえ。
さて、今回も、ゲームには登場しないミラ演じる特殊部隊の小隊長アルテミスを、異世界に召喚する荒業で映画化しています。「バイオハザード」の手法ですねえ。そのおかげで現在の近代兵器と異世界の巨大モンスターが戦うという設定が面白い。
でも、異世界のモンスターには、近代兵器は全く歯が立ちません。ちなみに異世界の魔法の剣では斬れるのですから、その辺は”異世界”ということで納得しましょう(笑)。とにかく、現代の特殊部隊の方は一方的な蹂躙で終わります。しかしこういう怪獣映画のノリはうれしいものです。空飛ぶドラゴンのようなモンスターが偵察機をつかむシーンは白眉です。私としてはこの場面だけで満足です。
ちなみに、異世界の砂漠がやけに白いと思っていたら、実は、ケープタウンの近くにある真っ白い砂で有名な場所だそうです。現地でのロケ撮影は過酷だったそうですが、トム・クルーズの体を張った作品のように、いまやCGではなく”本物”というのがウリになる時代なようです。
物語自体は、モンスターとの戦いというよりは、異世界に飛ばされ、味方が全滅する中で、生き残ろうとするアルテミスのサバイバルな生き様に力点が置かれています。特に「マッハ!」でその身体能力を世界に示したトニー・ジャーが扮する異世界の戦士との出会いがかなりな時間をかけて描かれます。大げさに言えば、二つの文明の衝突ということになりますが、チョコを渡して仲良くなる場面は、やっぱり少し白人の傲慢さを感じるような演出です。東宝映画「キングコング対ゴジラ」の無意識の差別意識を思い出しました。
加えて、ミラが鍛えすぎです。もう戦闘人間という感じで色気もなにもありません。まあ、サバイバルなので仕方がありませんが、ファンサービスが失われたのが実に残念です。
今回の映画は、今後のシリーズ化を見越しての異世界の紹介という雰囲気になってしまい、舞台設定や登場人物がほぼ出そい、さあ、これからだと思ったところで幕が下ります。まあ、面白くなかったわけではありませんが、上映時間も1時間40分程度と短く、全体的に”小品”という感じでやっぱり少々物足りません。謎の尖塔によって「スターゲート」のように異世界と自由に行き来できる設定ですから、今後はいろいろな展開を構想しているのでしょうが、私としては続編が実現できるように大ヒットすることをお祈りしましょう。
それにしても、ゲーム製作者の監修を受けたというあの巨大モンスターのデザインは、どうなんでしょうか。特に、地中を高速で移動するモンスターの姿は、あの巨大な角が邪魔じゃないかとずっと心配していました。そう思わないかな?
余談ですが、最近、市販されるパンフレットの表紙が味気なさ過ぎです。シン・エバは白で今回は黒。紙面が限られてるのですから、もっと有効に使ってほしいものです。写真は、無料のチラシを掲載することにしました。
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