修繕の日々
面白そうな映画がありません。映画館は閑散としています。ネットでたわいもない小説を眺めるのもあきまして、かねてから懸案だった模型の修理を始めてみました。
まずは、破損した尾びれと胸びれを無理やり引っ付けたようなザトウクジラのデスクトップ模型の修理です。
このモデルは、いまや絶版となったフェバリットのレジン製商品なのですが、箱なしのうえ前述の訳アリという模型を最近オークションで比較的安価に購入したものです。例のシュモクザメ(2021.1.12ブログ参照)のシリーズです。
さて、現物の状態は全体的にくたびれた感があるうえ、破損したヒレの接着部分にははみ出た接着剤の塊がこびりついていたほか、支え棒と台座をつなぐ丸い金具(平ワッシャー?)の紛失や台座の傷など目立ちます。商品写真ではなかなか分かりませんですねえ。
修繕の手順は、まず、ヒレの接合部分は意外に前所有者による接着が強固だったので、余分な接着剤の塊をルーターで取り除き、接合線の僅かな溝をパテで埋めたあと、紙やすりで丁寧に磨くだけで完了です。次に、その周囲を除いた範囲をマスキングテープで覆って、フィニッシュ用のサーフェイサー(ブラック)で塗装しました。このブラックのサーフェイサー(写真参照)は、きめが細かく乾燥後もつや消し具合が私好みであり、実に使い勝手が良いのです。おかげで今回は黒色の上塗りを省くことにして、白い腹部を文様に合わせてマスキングし、つや消しホワイトに少量のフレッシュを混ぜたラッカー塗料でエアブラシしました。なお、黒色部分にかかった余分な白色塗料は、文様に併せてシンナーで拭きとれば完成です。ちなみに、背やヒレの方には、ミッドナイトブルーを軽くかけています。
また、台座部分も、支柱の穴周辺をサーフェイサー(ブラック)で塗装し、家にあったワッシャー(多分組み立て家具のボルトとナットの余り物:この金具が無いと支柱の回転が止まりません。)
修繕が終わったザトウクジラは、高さ15cm、長さ30cmのサイズなのですが、跳ね上がった尾ヒレや左右の長い前ヒレなど、実にバランスが良いスタチューなのです。実際に飾ってみないとわからないものですね、同じシリーズのマッコウクジラ(2011.9.19ブログ参照)よりもずいぶん見栄えがします。これは儲けものでした。
次に修繕の第2弾として選んだのは、約20cm四方のサイズのエイリアン・クイーンの小型モデルです。これは新品で購入したのですが、輸送中に両足破損(修復済み)、飾っている間にいつの間にか左手の薬指が紛失していたという誠に虚弱体質のレジン製モデルです(笑)。で、今回もアクリル保護ケーㇲを動かした際、ケース内のモデルが傾き、アクリル面に当たった途端、左手の一指し指と中指が折れてしまいました。その上、あわてて右手をつかんだせいで右手首が取れました。昔テレビで見たキートンの”ドタバタ・スクラップ芸”を思い出しました。いやあ、懐かしいな、とは笑えません。というか、衝撃に弱すぎでしょう。
気を取りなおして手間が増えてしまった修繕に挑戦です。まずは、失われた左手薬指の復元からです。”毒を喰らわば皿まで”の格言ではないですが、この際、左手も手首から切断しました。手元で左手と右手のサイズを見極め、エポキシ造形パテを指で捻って、大体の指の形を何本か造り上げます。乾いて固まったら、ブラック瞬間接着剤をつかって指の関節部等を盛り上げます。そして仕上げに前述のサーフェイサー(ブラック)を塗布します。一番違和感のないものにピンバイスで0.5mmの穴を空けて真鍮棒を差し込み、完成です。ちなみに、すべての接合部には真鍮棒を差し込みました。あと最後の調整としてブラックの瞬間接着剤の粘度を生かして適宜見栄えよく塗布して完成です。
以上が、”修繕の日々”の成果ですが、結構時間もかかってなかなかしんどいのでしばらく休業にしましょう。嗚呼、疲れました。
なお、最後の写真は、先般修繕したシュモクザメのモデルに、少し左下の隙間が寂しかったので、マダイの食玩を置いてみました。色や配置のバランスが取れてなかなか良くなったかな?・・・要するに暇なのです(笑)。一日も早いハリウッド映画の新作の劇場公開を待っています。
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