アラスカ魂
ジョン・ウェイン主演のアラスカを舞台にした異色の西部劇「アラスカ魂」を久しぶりにブルーレイで見ました。時代は1901年、ゴールドラッシュで一獲千金の夢を実現した男たちと鉄火肌のフランス女の喜劇です。共演は、本土に残した婚約者を呼び寄せようとする相棒にスチュアート・グレンジャー、そしてヒロインはフランス人女優のキャプシーヌという顔ぶれです。
この映画は、何といっても、冒頭から流れる主題歌「北の国アラスカへ(映画の原題と同じ)」が印象的です。ユーモアあふれる曲調に”ウエイアー”という歌詞が耳について離れません。当時、大ヒットしたそうです。確かにどっかで聞いたような気がします。今回は、この音楽を確認出来ただけでブルーレイを買った価値はあった、と、そう信じます(笑)。
さて、内容は撃ち合いは中盤1回あるだけで、あとはウエインとキャプシーヌのコメディタッチの恋愛喜劇です。名匠ヘンリー・ハサウェイ監督の演出も完全にお遊びムードです。お馴染みの酒場の喧嘩騒動はもちろん、アラスカらしく泥だらけの広場の大乱闘は、ヤギやアザラシまで登場してハチャメチャです。完全な泥レスリング状態です。ご丁寧に漫画映画のような擬音の演出まであります。
ラストは、金鉱乗っ取りを企んだ詐欺師もあっさりと捕まりますし、意地っ張りなウェインも美人のフランス女に陥落してハッピーエンドです。ここで本土の奥様連中と違って売春婦を差別しない主人公達をさらりと描くのも男性監督ならではの心意気かもしれません。
それにしても、この映画をみると、アメリカ人というのはいかにフランスに憧れているかがよくわかります。相棒のグレンジャーは婚約者に裏切られた直後に、連れてこられたキャプシーヌのフランス訛りに一目惚れするという設定ですし、他の西部劇でもフランスへの憧れを描いた作品がありましたよねえ。しかし、日本人もあまり彼の国のことは言えません。ひと昔の”おフランス”熱は顰蹙でした。まあ、海外旅行が一般化したせいか、最近はあまり外国への憧れを熱く上から目線で語る人が少なくなったことは良いことです。それでなくても、移民の国フランスはもちろん、豊かな夢の国のアメリカの幻想も地に落ちましたし(笑)・・・。いやあ、思えば日本ってまだまだ良い国なのかもしれません。
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