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2021年1月15日 (金)

荒野のガンマン

 以前から観たかった映画に、サム・ペキンパー監督の劇場映画デビュー作にあたる1961年の「荒野のガンマン」という西部劇があります。実は、ジョン・フォード監督作品のアイルランド系のヒロイン役で有名な赤毛美人のモーリン・オハラが出演しているのです。主演はブライアン・キースという粗野な感じのごつい男優さんで、私が知っているのはジェームス・スチュアート主演の「スタンピード」に登場する髯つらの男で、再びモーリン・オハラと共演しています。正直、テレビ映画で経験があるとは言っても、無名の監督の西部劇に、何故、有名な女優が出演したのだろうと不思議だったのですが、その謎解きは、後ほどご説明します。

81i8zwybfwl_ac_sx342_  さて、ストーリーは、縛り首のリンチに陥っている老人を助けた訳アリの男(ブライアン・キース)が偶然通りかかった銀行強盗を撃ったところ、居合わせた少年を射殺してしまうという事故が起きます。その男は、良心の呵責から助けた老人とその早撃ちの若き相棒と一緒に、遺体を父親の墓の隣に埋葬したいという母親(モーリン・オハラ)の護衛に付くのですが、もちろん勝ち気なオハラと息子の仇の男という間柄ではうまくいく筈もありません。やむなく、ほとんど強行手段で随行したものの、行き先はアパッチの縄張りであり、美しい母親に野心を抱く若い相棒の行動もあって、次々とトラブルが起こります。しかも、モーリン・オハラが出演する映画では恒例のこと(笑)ですが、馬に引きずられたり、川に落ちたり、最後は馬にまで逃げられるという体を張った場面が展開し、何故か全裸シーン(背中と足だけですが・・)まで付いています。まあ、”映画に一つ良い場面があれば良い映画”と故淀川長治先生も言っていますから、良ししましょう。
 それにしても、まだ無名の新人監督の映画なのに、彼女の体を張った熱演にはひどく違和感がありましたが、その訳も実は出演理由と同じものでした。

 ただ、映画としては、思わせぶりな主人公の因縁の話はともかく、同行する老人と相棒の行動がどうもちぐはぐですし、アパッチの態度もなんか筋が通らないのです。特に何日も泊りがけになる旅なのに遺体が腐らないのか、気になってしかたがありませんでした。このことは”解説”にもありましたので皆思うらしい(笑)。
 まあ、主人公が古傷でまともに鉄砲が撃てないという設定や母親が酒場の踊り子の故に父親の存在まで疑われている伏線に興味がありましたが、父親の墓の件は羊頭狗肉ですねえ、あの場面でのあれは肩透かしで怒りますよ(笑)。まあ、全体的に言っても、後年のサム・ペキンパー監督の作品とは思えない平凡なデビュー作という感じでした。

 ここで前述に提示した謎の種あかしです。
 このブルーレイには、ケースに収まるサイズの解説用の小冊子が付いています。9ぺージに渡ってびっしりと文章で撮影裏話が書かれており、なかなか読みごたえがあります。その中に回答がありました。ディスクより価値がありそうです(笑)。その解説によると、この映画の製作がモーリン・オハラとその実兄、そして脚本を書いた原作者が作った会社だったようで、以前オハラと共演して知り合いだった主演のブライアン・キースが推薦して監督となったサム・ペキンパーには、オリジナル脚本の修正を一切受け付けなかったばかりか、オハラの演技指導まで禁止したそうですから、現場の確執は大変だったようです。
 ストーリーの意味不明な展開もさもありなんです。・・・買う前に、誰か早く言ってほしかったです、セール品ではないので中古でも高いんですよ、このBD。どうやら、サム・ペキンパー監督の本当のデビュー作は、第2作目の「昼下がりの決斗」のようです。未見ですが、しばらくほとぼりを醒ましましょう。

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