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2020年12月 2日 (水)

ローマの休日

 オードリー・ヘプバーン主演の「ローマの休日」が初めてブルーレイ化されました。4Kフィルムからのリマスター版ということでしたが、画質自体は、モノクロのせいか「黄色いリボン」の海外盤(当ブログ2018.7.9参照)ほどの輝きはありませんでした。これは、多分私の期待と嬉しさが大きすぎたせいなのでしょう。

71q9cvgscnl_ac_sx342_  さて、この有名な映画は私の最もお気に入りの作品のひとつなのですが、当ブログを確認してみると、「シャレード」、「麗しのサブリナ」、「昼下がりの情事(2007.9.9参照)」を取り上げているにもかかわらず、「ローマの休日」については、”この誰でも知っている映画は別の機会に回しまして”として、その後全く言及していません。これはイケません。反省しています。とはいうものの、考えてみれば、今時の若者を除いて日本人で映画に一寸興味のある人なら誰でも一般教養として知っている筈(多分)のお伽噺なので、物語の説明は割愛しましょう。

 それにしても、やはり名作です。久しぶりに居間で観たのですが、冒頭の数分であっという間に”アン王女”の世界に引き込まれ、スカートの中の足とお付きの侍従たちの演技に笑っていました。この映画は、特典に登場した映画評論家の解説のとおり、ウィリアム・ワイラー監督の”完璧な映画”であり、グレゴリー・ペックがタイトル順位を上げるように進言した”オードリー・ヘプバーンの映画”です。

 改めて、初主演でいきなりアカデミー賞の主演女優賞を獲得したヘプバーンの魅力に圧倒されます。当時24歳の初々しさをご堪能ください。とにかく”若くて可愛い”としか言いようがない。
 余談ですが、世界中で大ヒットしたものの、アメリカ国内はさほどでもなかった(前述の特典映像の批評家の談)というのは意外でした。やっぱりマリリン・モンローのお国柄ですかねえ。”美人でもない”という意見も多いようですし、本人が一番思っていたそうです(息子談)。ちなみに、私が好きではない、代表作といわれる「ティファニーで朝食を」の主人公は、小説ではマリリン・モンローを念頭に描かれていたそうで、映画に原作者が激怒していたらしい(これも特典映像の説明)。

 そして、特筆すべき点は、完璧主義のワイラー監督の丁寧で周到な演出です。例えば、”朝起きたら違う天井だった”という常套句を、宮殿の彫刻と安アパートの配管を映し出して示した手腕に感心します。このような小膝を叩くシーンは言い出したらキリがありません。ポケットのお金を入れ替えるシーン、階段を歩くシーン、スイカや子供のカメラなどの小道具など、秘密警察まで小粋な演出が散りばめられています。とにかく俳優に何度も演技をさせる手法によってあらゆる場面に細心の演出が施されています。
 監督は「喜劇」を撮りたかったということでこの作品に名乗りを挙げたようですし、製作首脳陣の反対を押し切って、新人を登用し、そしてローマでの長期ロケを強行したようです。その裏には、当時の赤狩りのハリウッドの空気に嫌気がさしていたためだそうです。脚本も赤狩りのせいで名を隠したトランボのこともありますから、嫌にもなるわけですよねえ。この辺の事情は映画「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」をご覧ください。ハリウッドの黒歴史ですが、この傑作が誕生したのは、そうした裏事情があるようです(特典映像の解説から)。

 名作の名作たる所以は、何度見ても面白し、様々な気づきがあることです。1950年代のローマの風景の記録がうれしいものです。恥ずかしながら、新婚旅行ではトレビの泉も真実の口も訪問しました。当然、真実の口には手も差し入れました(笑)。懐かしいですねえ。高校生の時、この映画を最初に名画座で見た感覚まで思い出してきました。やはり、こういう映画は感性豊かな若い時に観ないとダメなのでしょうねえ。動画配信のメニューももっともっと古典を増やすべきですねえ。
 その意味ではコレクションした映画は、配信期間に拘束されず何度も観ることができるから楽しいのだ。映画関係グッズもその一環なのです。あとは「昼下がりの情事」の早急なブルーレイ化を希望します。よろしくお願いします。

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