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2020年12月18日 (金)

ワンダーウーマン 1984

 久しぶりにハリウッド映画を劇場で見ました。とは言っても10月に「テネット」を観ているのですから、2カ月ぶりなのですが(笑)。どうも映画館にハリウッド映画がかかっていないと禁断症状が出るような気がします。一日も早いコロナ禍の解消を願いたいものです。

Img_20201218_0001 さて「ワンダーウーマン1984」のお話です。前作「ワンダーウーマン」は実に面白く女性監督ならではのセンスを感じたものですが、今回の続編はなんとも微妙です。

 恒例のようになった冒頭の少女時代は、アマゾネスの島の風景やとんでもない競技の模様がなんとも美しくも華麗で、上々の開幕です。そして、前作の第一次世界大戦時から1984年まで時代は移り変わっていますが、主人公は変わらぬ姿で人助けをしています。
 まず、ショッピングモールでの喜劇調のアクションを展開したのち、なんでも願いを一つ叶える”ドリームストーン”が発見されます。突然、お伽噺のような物語になりますが、原作がDCアメコミですし、他社の「アベンジャーズ」でも指パッチンで宇宙の人口を半減させる”石”がありますから、それ自体は良しとしましょう。

 しかも、前作で死んだ運命の恋人クリス・ペインを甦らせるのがこの石なのです。予告編で死んだはずの恋人が復活する理由が気になっていましたが、転生という方法も含めて、これで納得です。人気の某カークラッシュ・アクション映画のシリーズのように”実は死んでなかった”というだけで登場人物を何人も安易に復帰させるのは勘弁してほしいと思っていたので、安心しました。そのうえ、この石の力には有名なホラー話”猿の手”の逸話が隠されており、そのために主人公は徐々に危機的な状況に追い込まれて行きます。
 加えて、転生したクリス・ペインの現代社会への”ボケ”ぶりはなかなか見ものです。座布団一枚差し上げます。この前半までがなんとも快調でした。

 ただ、後半になると急速に失速します。せっかく恋人の助言で”空を飛べる”ようになったのに、クライマックスはなんとも締まりません。石の力の大風呂敷を世界中に広げてしまったあげく、”良心頼み”のなんとも尻すぼみな決着です。
 こうした破綻の原因の一つは、今回の悪役の弱さにあります。
 まず、敵の”チーター”となる気弱な女性が石に願って”できる美女”に華麗に変身したという設定も、衣服が変わったぐらいであんまり変わり映えがしません。この辺は女性監督の弱点でしょうか? 配役ミスのせいでしょうか? もっと男性客向けに派手にイメチェンしてほしいものです。逆に、野生の”チーター姿”になった時は、あまりのチープな特殊メイクに驚きます。いまどき、あんな着ぐるみを付けるのでしょうか?  そのせいか、演出も暗くしてあまり見えないようにしているのはご愛嬌ですが、その分アクションまでもなんとも冴えません。
 次に、世界を破滅に陥れる”ラスボス”もどうしようもなくチンケです。口先だけの詐欺師というのがその正体ですし、悪役が強くなければ”ヒーロー物語”は面白くもおかしくもありません。その鉄則が見事に証明されました。

 第一、あれほどの大惨事を引き起こして、犯罪者が改心すれば、それでハッピ-エンドなのか。その責任はどうなるのだ? あの石は何処に行ったのか?その後の世界の復興はどうなっているのか? 映画は何も答えず、何もなかったようなクリスマス風景を映しながら幕を閉じます。

 本当に、こんなラストでいいのでしょうかねえ? 現実世界と同じく犯罪を犯した者も実は断罪できないのだというような寓話なのか?あるいは”善良な者”などいないという製作者のメッセージなのかなどと、もやもやした気持ちになってしまいました。まあ、非力な女子が本能的に持つ男性の暴力への恐怖感というのはよくわかりましたが、”善良な観客”としてはせめて犯罪者にはけじめをつけてほしいのですがねえ。本当に残念で中途半端なラストでした。

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