メビウスのディスカバリー号1/350
不朽の名作映画「2001年宇宙の旅」に登場する精子型宇宙船「ディスカバリー号」は、そのユニークなデザインで人気があるようで、以前紹介した通り、アメリカのモデルメーカー「メビウス」から、縮尺1/144と完成時には全長1mになるというプラモデルが発売されています。私も購入済みですが、500点以上というパーツ数に恐れをなして、いまだ押し入れに死蔵したままです(当ブログ2019.5.6参照)。
そのため、別のメーカーから発売されていた全長25cm程度の小さな完成模型(当ブログ2020.6.30参照)を書棚に飾っていたのですが、前述の大型模型の売れ行きがよくないのか、同じ「メビウス」から、縮尺1/350サイズのプラモデルが新発売となりました。
パーツ数は約200点、完成時の全長は約43cmということです。なんか手頃なプラモデルじゃないか、という安易な気持ちで、早速購入して、組み立てをはじめました。
その結果といえば、根気のない私には、やはりマシン系のプラ模型は鬼門でした。
まず、中央のアンテナ部の組立てでつまずきました。円形のパラボナ(受け皿)に十文字のエッチングパーツを付けて、さらに中心部にアンテナ棒を差し込むという、非常に細かな作業工程があります。まあ、大きな方はなんとかくっ付けたと思ったら、十字が×字になってるし、小さな方は、ピンセットで部品をつまんだと思ったら、あっという間にどこかに飛んで行ってしまいます。本当に細かな部品なので机の上でも見つけるのに四苦八苦です。結局、何度かトライした挙句、予備のエッチングパーツとアンテナ棒をすべて見失うという代償を払ったうえでかろうじて完成しました。×のままですが(笑)。自分の部屋の中で部品が見つからないという精神的なダメージは大変なものでしたが、次の細長い胴体部分の作業段階ではさらなる艱難辛苦に出会うことになります。
球状の居住区と三つの噴射口を有するエンジン部分をつなぐ胴体には、底と左右に貨物(カーゴ)が27個付いています。それぞれ上下の模型パーツを接着するのですが、小さいものは、米粒ぐらいの大きさなのです。それを左右を確認して組み合わせるのですが、数があるので嫌になるのはしかたないとしても、此奴が指の間から豆鉄砲のように飛び出すのです。そしてそれを探し出すのが至難の業です。ほんと悪霊の祟りか、妖精のいたずらかと思う程飛びます。探しあぐねて、あきらめては、意外なところからひょっこり見つかります。ほとほと疲れました。まあ、最終的には全部の部品が戻ってきたのは奇跡ですねえ。まだ、神様のご加護はいただいているようです(笑)。
しかし、試練はさらに続きます。一応組み立てが終わってみたら茫然自失となる事態です。なんと取り付けた貨物の角度が不揃いなのです。どうも凸の差し入れ口の凹が正確ではないようです。しかも、斜めの接着は難しいですよねえ。
小さな完成模型はと見るとグレーの塗装は気に入らないものの、貨物の位置はピシッと決まっています。さすがプロの技です。・・・まあ、良いことにしましょう(笑)、次の機会があれば頑張りましょう。
そして、最後の試練は、塗装過程で起きました。実際はグレーが正解かも知れませんが、私の映画の印象では、真っ黒な宇宙で白亜の宇宙船が静かに進んでいるというイメージが強いのです。なにしろ、当時この映画が公開されるまで、東宝特撮映画では”宇宙は青かった”のです。本当に驚きました。そのため、つや消しホワイト一色を塗装するだけのつもりだったのですが、なんということでしょう、ここで、またもやエアブラシの不調、空吹きです。塗料が出ません。しかも、この模型は中心軸に金属棒を通しており、中央部を持つと左右に小気味よく振動するのです。なだめすかしたブラシでやっとこさ塗装した模型の頭部(球状の居住区)が揺れて揺られて角に頭をぶつけます。もう限界です。これで完成にしましょう(笑)。・・・後日、エナメルのグレイで墨入れを試みて、直ぐにシンナーで取り除いたことは別の話です(笑)。
では、とりあえずの苦心の作をご覧ください。この分だと死蔵している1mサイズの模型製作に取り組むのは随分と先の話になりそうです。
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