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2020年11月17日 (火)

私撰時代劇トップテン

 私の時代劇好きのルーツは、多分幼い頃に観たTV番組の「隠密剣士」なのでしょう。とにかく忍者が好きだった思い出があります。そして、時代劇映画はおそらく「伊賀の影丸」だったのでしょう。後年再見した時に水中に隠れ潜むシーンを断片的に記憶していました。さらに「隠密剣士」の忍者物と思い込んで父親にせがんで映画館に行ったのが大映映画「続忍びの者」で、この映画の信長暗殺シーンが長くトラウマになったことは、このブログでもご紹介したとおりであり、かくも私の時代劇ファン歴は長いのです。

 ということで、収集している日本映画のVHS、LD、DVD、BDの約500本のうち、時代劇は実に187本を占めていました。とりあえず、この中から選びたいと思いますが、黒澤明の時代劇は別格という存在でどうしても上位を占めてしまいますし、座頭市シリーズは佳作が結構あります。小林正樹監督の正統派時代劇も捨てがたいのでとりあえず思い付きで並べてみましょう。

 第1位 七人の侍・・・・・時代劇のジャンルを超えた日本映画の頂点です。(ハリウッドで映画化)
 第2位 用心棒・・・・・・黒澤娯楽映画の至宝(荒野の用心棒の元ネタ)
 第3位 椿三十郎・・・・・殺陣を一変させた大傑作
 第4位 隠し砦の三悪人・・冒険活劇のお手本
 第5位 座頭市物語・・・・何といっても座頭市の第1作
 第6位 人斬り・・・・・・五社英雄監督の一大傑作(市販DVDなし)
 第7位 切腹・・・・・・・小林正樹監督の重厚な代表作
 第8位 関の弥太っぺ・・・山下耕作監督の奇跡の一作(東映)
 第9位 上位討ち・・・・・小林正樹監督作品でラストの仲代達矢の表情に座布団一枚
 第10位 蜘蛛ノ巣城・・・白い亡霊と矢ぶすまの恐怖が絶品

 第11位 子連れ狼三途の川の乳母車・・・・三隈研次監督のスプラッター時代劇(アメリカで大人気)
 第12位 斬る(三隈研次版)・・・・・・・市川雷蔵主演の三隈美学の白眉
 第13位 座頭市兇状旅・・・・・・・・・・トラウマとなった「続忍びの者」の併映で私の原点
 第14位 座頭市海を渡る・・・・・・・・・若かりし安田道代がとても可憐
 第15位 子連れ狼子貸し、腕貸しつかまる・若山子連れ狼の第1作で殺陣が壮絶
 第16位 座頭市血煙り街道・・・・・・・・近衛十四郎とカツシンの殺陣が天下一品(ハリウッドでも映画化)
 第17位 座頭市あばれ火祭り・・・・・・・森雅之、仲代達矢、大原麗子、ピーターの豪華出演陣に敬意を表して
 第18位 座頭市果たし状・・・・・・・・・野川由美子の魅力全開
 第19位 座頭市千両首・・・・・・・・・・勝・若山の兄弟対決が語り草
 第20位 子連れ狼死に風に向かう乳母車・・若山子連れ狼の3作目

 第21位 御用金・・・・・・・・・・・・・五社英雄監督の映画進出第1号(市販DVDなし)
 第22位 大菩薩峠(岡本喜八版)・・・・・仲代達矢演じる机龍之介の狂気ぶりは一見の価値あり
 第23位 ひとり狼・・・・・・・・・・・・市川雷蔵のきざなセリフ回し芸を堪能
 第24位 眠狂四郎悪女狩り・・・・・・・・市川狂四郎の最後の作品(シリーズの中で一番好きなもの)
 第25位 十三人の刺客(旧版)・・・・・・砦化した宿場町に一票(あくまで最初の作品)(東映)
 第26位 戦国野郎・・・・・・・・・・・・岡本喜八流時代劇コメディが楽しい
 第27位 宮本武蔵一条寺の決闘・・・・・・中村錦之助武蔵の真骨頂(東映)
 第28位 十兵衛暗殺剣・・・・・・・・・・大友柳太郎の悪役が見所(東映)
 第29位 魔界転生・・・・・・・・・・・・若山と千葉真一の決闘が見ごたえ十分(東映)
 第30位 激突・・・・・・・・・・・・・・物量と迫力の殺陣を満喫(東映)

 番外1位 たそがれ清兵衛・・・・・・・・・山田洋二監督の時代劇
 番外2位 隠し剣 鬼の爪・・・・・・・・・同監督の第2作、やっぱりリアルさが別格 
 番外3位 るろうに剣心第2作・3作・・・・・最近の作品の中では白眉の殺陣

 以上、思いつくまま並べてみましたが、結局殺陣が素晴らしい作品ばかりです。やっぱり、時代劇は殺陣が命で迫力がなければなりません。集団時代劇以前の東映チャンバラが「椿三十郎」で両断されたのは歴史の示すところです。それにしても、座頭市シリーズからはもう少し選びたかったのですが、枠が足りません。残念です。

 あと、「いのち・ぼうにふろう」、「斬る(岡本喜八版)」、「忍びの者」、「続忍びの者」、「濡髪牡丹」、「新座頭市破れ唐人剣」も捨てがたいのですが、キリがありません。いまや廃れゆく時代劇となっていますが、以上の作品はおすすめですので、機会があれば是非ご覧ください。 

2020年11月16日 (月)

シューテム・アップ

 ハリウッド映画の新作が公開されない中では、ステイ・ホームで過去の名作や隠れた傑作をDVDを観るのが一番の楽しみになります。そして、もっぱら新しい作品を探すために映画雑誌やネット情報を漁っているのですが、ユーチューブでアクション映画やSF映画のジャンルでこの10年間でTop10ランキングとかいう記事もよく見かけます。

91jzjehwahl_ac_sx342_  そんな中で”予想外におもしかったアクション映画ランキングTop10”という企画が取り上げた作品群は、第1位の「ダイ・ハード」をはじめ、SF映画も含めて概ね賛同できるオーソドックスなラインナップだったのですが、番外編に取り上げた作品に少し意外なものがありました。
 それは「シューテム・アップ」です。

 この映画は、英国のアクション俳優クライヴ・オーウェンが謎の男”スミス”役で主演しています。この人「キング・アーサー」の王役が贔屓なのですが、最近は「ジェミニマン」のように悪役もやるんですねえ。共演としてイタリアの美人女優のモニカ・ベルッチが娼婦の愛人を演じています。この人の雰囲気は同じイタリア人ということなのか「黄金の七人」の謎の女とよく似ていますねえ。
 そして、もう一人、元FBIで今はさえない禿げ頭で恐妻家という殺し屋のボス役が面白い。頭も切れて残虐非道なのですが、コメディリリーフ役で笑えます。

 とにかく映画は冒頭からラストまで全編、銃弾の嵐と言って過言ではないようなガンアクションが連続します。それも、中国カンフー・アクションのように曲芸的な射撃と奇抜なスタントの連続です。また、リボルバーからマシンガンまで銃器の種類も数知れないほど登場し、銃弾を無限に撃ち続けている(宣伝も文句では25,000発とか?)かのような錯覚を起こさせます。

 そして、ご都合主義の極みか、銃弾は主人公には一発も当たりません。”スミス”は凄腕ガンマンのスーパーマンなのです。しかも、殺しも全く気にしない”クズ”のくせに意外に細かな正義感を持っており、ウインカーを出さない運転などには滅茶滅茶キレます。そんな人物像の設定が赤ちゃんをかばって殺し屋たちを相手にするという馬鹿げた話に説得力を持たせています。(本当か?)

 ちなみに、ストーリーは、偶然行きずりの妊婦を助けたことから殺し屋に襲われるという出だしから、赤ちゃん工場、銃メーカーの悪党や銃規制推進派の上院議員も絡みながら、血みどろの地獄絵となるのですが、あまりにも常軌を逸した漫画的なアクションなので悲惨さ等は余り感じません。とにかく次々と大量の殺し屋が登場して無駄に全滅しますので、主人公も痛い目には合いますものの、安心してご覧ください。

 ただ、番外に挙げられた理由を考えてみると、この作品は「ジョン・ウィック」の先駆けのような作品という位置づけかもしれません。2007年の公開当時はその銃弾の多さには驚きがあったんだろうと思います。まあ、理屈抜きで”銃撃サーカス”を楽しみたい方にはお勧めします。それにしても、やっぱり、Top10というのは面白いねえ、私も、次は時代劇のジャンルで選んでみようかな。 

2020年11月15日 (日)

ワイルドバンチ

 サム・ペキンパー監督の西部劇「ワイルドバンチ」を久しぶりにDVDで観ました。先日、西部劇の傑作作品を選ぼうとした時まで、すっかりその存在を忘れていました。この作品のことは当ブログにも書いていません。これは駄目ですねえ、若い頃、あれだけハマった作品でしたが、最近はついぞ観る機会も思い出すこともありませんでした。年のせいでしょうか、困ったものです。

A1yiqvu11xl_ac_sy445_  さて、再見してみると、やはり傑作と言われる作品はどれだけ日時が経ても面白いものと言わざるを得ません。冒頭から物語りに引き込まれます。ストーリーの細部はすっかり失念していたせいか、なかなか新鮮な気持ちで見ることができましたし、嗚呼、こういう話だったのかと改めて気が付くこともあります。結局、老いた悪漢達の改心のストーリーだったのです。まあ、いわば、”四人の野武士”のお話でした。

 この作品は当時としてはけた外れの激しい暴力描写だったですが、現在の目で見ると、銃弾の弾着や血の噴出などはさほど過激なものでもありません。しかし、リアルさや迫力はいささかも減じてはいません。単なる血の量と煙の多さではないことを再認識します。
 ただ、ペキンパー監督といえば”スローモーション映像”というぐらいの十八番の倍速スピードがなんか普通の速さになっていました。公開当時の印象ではもう一コマ一コマが止まっているように感じた記憶がずっとあるのですが、これは、歳を取って動体視力が落ちたせいか、それともDVDのデジタル表現で変わったのか? あるいは実は単なる記憶違いなのか、どうもよくわかりませんが、とにかくこの点が意外でした。どういうことなのか、一日も早くブルーレイを発売していただき、解像度の高い画質でじっくり確認してみたいものです。

 それにしても、最後の4人の殴り込みの行進はもう完全に任侠映画のノリですねえ。台本には3行しか書いてなくてその場の演出らしいのですが、ペキンパー監督の演出の真骨頂なのでしょう。男のロマンの象徴です。その前にしっかり女を買っていくのも、いかにもバイオレンス派のサム・ペキンパーらしくていいですねえ。やはり酒と女は男の映画の原動力なのです(笑)。いやあ、西部劇って本当に面白いですねえ。

2020年11月14日 (土)

世界のカエル大図鑑

 最近、わが国でも、海外の図鑑が翻訳、出版されることが多くなりました。私のような図鑑マニアには、なんともうれしい世の中になりました。毎回言ってる?(笑)。
 さて、今回、紹介するのは「世界のカエル大図鑑」です。タイトルに”大”が付いているように、A4版の厚さ5cmはあろうかという本格的な図鑑です。内容も充実しており、実に600種というカエルが網羅されています。まことに図鑑らしい図鑑なのですが、値段もなかなか高額で、税抜きで1万円です。またまた清水の舞台です(笑)。今回も中身を見ずに注文しました。

51cnqisxtel_sx332_bo1204203200_ 一抹の不安の中、届いた現物を手にとってページをめくるとその素晴らしさに感動です。1ページに1種類、原寸大のカエルの精密な写真が掲載されています。しかも、自然の中の生態写真ではなく、私好みの白いページを背景にした全身の姿が精密に写っている素晴らしい写真なのです。図鑑は”絵”の出来が命なので、どうしても生息地の地図や説明書きより、多種多様なカエルの写真に目を奪われます。
 たかだかカエルだろうとは言わないでください。世界には奇妙な形や奇抜な色をした様々なカエルが数多く生息しているのです。これまでもかなりの数の図鑑を見てきた私でも、さすがに600種ともなると初めての種類も多いですねえ。なかには、本当にカエルか?というような姿の奴や人工的な”子供のおもちゃ”というカエルもいますし、ド派手な色のヤドクガエルの種類も圧倒的な数が集められています。ページをめくるうちに、手足が付いてるだけに、架空の”エイリアン”の図鑑を見ているような気さえしてきました。

 しかも、1頁に見やすいサイズに拡大した写真と原寸大の写真があるのですが、カエルの実物のサイズによっては、騙し絵のような趣もあります。世界最大の「ゴライアスガエル」は、原寸大の写真は頭の一部が写っているだけで、全身像はアマガエルのサイズに縮小されています。一方、なかなか大きいカエルだなと思ったら、実は、小指ほどの写真に原寸大と明記されています。間違えないようにするにしても、なかなか気が抜けません(笑)。少なくても、656ページありますので、まだまだ当分楽しめそうです。

 余談ですが、100円ショップには様々なタイプの透明セロファン紙製ブックカバーが売られています。今回、そのA4版サイズのブックカバーを付けてみると、このような重い大型本であっても、汚れも気にせず安心して手に持って読むことができます。なんとも便利なグッズです。そういえば、漫画の単行本に透明ブックカバーを付けるサービスの店もあるという話も聞きましたから、最近は流行っているのでしょう。本を大切にしている方は、是非一度使ってみてください。

2020年11月 9日 (月)

フェバリット The Great Fishing

 「The Great  Fishing」とは、このブログでも何度か紹介したことがある株式会社フェバリットという造型メーカーの釣魚のリアル模型シリーズの名称です。
20200823_144016  実は、釣りが趣味の弟が自家用フィッシングボートでよく海釣りに出かけては釣果を分けてくれるので、もう随分前からこのシリーズの魚の模型を毎年一匹づつプレゼントしてきたのです。数えてみると弟宅の飾り棚には全部で16匹飾っていますので、なんと今年で16年も続いていたことになります。我ながら感心しました。ちなみに今年は大型サイズのブラックバスでした。

 しかし、困ったことにもう5~6年前(もっと前かな?)に「The Great Fishing」が製造中止になっています。これまでは購入済みの在庫のストックがあったので恒例行事をなんとか続けて来ましたが、最近ではオークションにも出品されることが少なくなって、どうにもプレゼント品の確保が困難な状況に追い込まれています。まずは、さしあたり来年分をどうするのかが悩みの種です。

Img_20201109_00012 ちなみに、このシリーズの商品パンフレットをご覧ください。赤のレ点を付けているのが購入済みの商品ですが、大型サイズ以外では、あとヤマメ、イトウ、ブラックバスが入手できておりません。なお、私の好みの問題で”壁掛け商品”は対象外です。

 一方、メーカーではこのシリーズを絶版にした代りに、”憧れの情景”シリーズとして同じような魚の模型を販売しているのですが、そのジオラマの高波や流木などの”情景”がなんとも修飾過多であり、私の趣味と全く合いません。せめて、”クロダイ年なし”ぐらいにしてほしいものです。どうにも贈り物として食指が動かないのです。

 そこで、今回、新たな情景模型商品(シーバス、ヤマメ)を旧シリーズのシンプルな”支え棒”方式に改造することにしました。
20201104_2226581 20201105_2150102-2

 まず、手始めにシーバスです。大げさな岩と高波の情景ジオラマから、魚本体を細心の注意を払いながら、なおかつ力任せに外します。接地面が少なかったことで成功です。あとは、わずかに見える岩を何回か複製し、つなぎ合わせてレジン製の岩礁を造り上げます。塗装はつや消しブラックにホワイト、そしてほんの僅かにブルーを混色です。そのうえで、岩角をつや消しホワイトでドライブラシです。なんとか岩らしく仕上がりました。

 次はヤマメですが、これは外すのに失敗しました。本体と背景の接着部分が多くて、本体の裏側面と腹部に数か所の穴が開いてしまいました。この修復にはほとほと困りました。
 でも、その前にまず台座の改造です。水中の流木を切って高さを低くしたいのですが、この木のレジン素材が実に固いのです。しかたがないのでドリルで何か所も穴を開け、鋸で格子の目のように切り目を入れてやっと剝ぎ取ります。そのうえで、小枝を継いで流木の形を整えました。塗装はつや消しのブラックとホワイト、カーキ、そしてフラットベースを混色です。結構、色合わせに苦労しました。

20201109_151444-2 そして、最大の難関が魚の表面処理です。まず、正常な箇所(鱗)を型どりします。穴をエポキシ造形パテで埋めてその複製型を押し付けます。これは我ながら予想以上に上手くいきました。塗装については、マスキングテープで穴の周囲を隠して、サーフェイサーを吹いた後エアブラシでシルバーを塗装し、腹部をホワイトとクリアイエローの混色で仕上げます。裏側面はシルバーの上に、クリアーブラック(クリアレッド、クリアブルー、クリアイエローの混色)を塗装しました。ややシルバーが強くなり、事前にホワイトを塗装しておけばよかったと反省していますが、正直、これ以上の”色”の上塗りは悪手と思われましたので、そのまま完成品とします。出来上がりは正常な表面(片側)だけを見てもらいましょう(笑)。

 以上で2品完成です。日数もかかりましたし、まあ、100%満足な出来ではありませんが、これでストックが2つでき、少し時間の余裕も生まれましたので、あとは残りの商品を気長に探しましょう。お疲れさまでした。

追悼 ショーン・コネリー

 西暦2020年10月31日にショーン・コネリーがお亡くなりになったそうです。享年90歳ということですから大往生ですよねえ。私たちのオールド世代には、もうなんといっても初代007のジェームス・ボンド、その人なのです。「ボンド、ジェームス・ボンド」と名乗る声まで魅力的です。

 彼が演じたボンド映画はスパイ映画の金字塔であり、その恰好良さとセックス・アピール度で歴代の007ナンバーワンです。「ドクター・ノー」、「ロシアより愛をこめて」、「ゴールド・フィンガー」は初期の傑作です。そのあと何作か演じてボンド役を引退。個人的にはもっと続けてほしかったのですが、残念でした。引退後しばらくして「サンダーボール作戦」のリメイク版「ネバー・セイ・ネバー・アゲイン」で一度復帰したのですが、ファンの声を代弁したタイトルでうれしかったですねえ。

 後に知ったのですが、彼はもともとスコットランドの労働者階級出身であり、小説で描かれたボンド役を演じるには随分異論があったそうです。それを上流階級出身(?)の映画監督テレンス・ヤングが、ゴルフ、酒、身だしなみなど徹底的に指導して役を造り上げたようです。そういえば、金髪のダニエル・クレイグも当初相当な反発がファンからあったようですが、ボンド役はイメージと異なる俳優の方が成功するのかもしれません。

 007卒業後は様々な役を演じるものの、どうしてもジェームス・ボンドにしか見えなかったのは可哀想でしたねえ。一世一代の当たり役「シェーン」のアラン・ラッドのように消えていくのかと思いきや、「アンタッチャブル」でカツラを脱ぎ、脇役の渋い警官を演じてアカデミー賞助演男優賞を得てから名優への道を歩み始めたような気がします。

518plzwgibl_ac_sx342_  で、今回、コネリーを偲んで「アンタッチャブル」をブルーレイで再見してみました。当時は、ブライアン・デ・パルマの華麗なる映像表現が有名でしたが、やっぱりお話も面白い。冒頭のタイトルからエンニオ・モリコーネの音楽が盛り上げますし、1930年のシカゴの街の美術も美しい。シューン・コネリーの渋い演技に加えて、ロバート・デ・ニーロの”アル・カポネ”の凄味はさすがです。
 それにしても、ケビン・コスナーやアンディ・ガルシアなどの豪華俳優陣が出演する超大作と思っていたら、ブルーレイの特典映像によると、当時はケビン・コスナーはまだ「シルバラード」に出演したくらいで全くの無名、大スターだったのはシューン・コネリーだけだったらしい。しかも、ゲスト出演のロバード・デ・ニーロは、デ・パルマ監督が2週間だけ無理に依頼して(大金を払って)実現した経緯だったらしいのです。意外にこじんまりした作品なのです。デ・パルマ監督の見せ方の工夫、例えば、カポネのホテル内装はフランス太陽王風?とか、白ずくめの殺し屋とか、野球バットのとんでもない使い方などは、まさしく”ケレン”とも言えるような効果なのでしょう。まあ、戦艦ポチョムキンはやりすぎかな?結局、やはり映画の面白さは必ずしも予算に比例するものではないことはよくわかりますねえ。

 712xsfdvlll_ac_sx342_ そのほか、後年の代表作とよく言われる「レッドオクトーバーを追え」も併せて再見しましたが、どうもピンときませんでした。潜水艦のセットや模型の撮影方法がCGの無い時代の作品であることが影響しているのか、あまり緊迫感がありません。多分、ベストセラーとなったトム・クランシーの原作、ジャック・ライアンに力負けした結果なのでしょう。亡命の意思を持った無口なロシア艦長を演じたコネリーのカツラが気になっていたせい(笑)では決してありません。

 やはり前述の007映画もそうですが、コネリーの独特なユーモアを活かせる役柄の作品の方が記憶に強く残っています。悠々自適の世界最高の美術品泥棒役の「エントラップメント」、刑務所に収監されている元英国情報部員役の「ザ・ロック」、伝説のドラゴンの声を吹き替えた「ドラゴンハート」、ハリソン・フォードのおちゃめな親父役の「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」、老境のロビン・フッド役でオードリー・ヘプバーンと共演した「ロビンとマリアン」などは暇を見つけて(時間はあるので気合の問題?)是非もう一度見てみましょう。

 改めて、冥福をお祈りします。

2020年11月 1日 (日)

私撰ウェスタン・トップテン

 コロナ禍でハリウッド映画の新作が公開されない今、旧作を楽しむまたとない機会となっています。映画愛好家である友人のお勧めもあって、最近すっかり縁遠くなっている”西部劇”のトップテンを選んでみることにしました。

 もともと時代劇と並んで好きなジャンルなのですが、コレクションをしている54本の西部劇のDVD又はBDのうち、当ブログではわずか半分にも満たない22本しか取り上げていません。考えてみれば、劇場公開とか、DVDの新発売の機会しかブログを書かないので、西部劇が下火の現在、そんなものかもしれません。
 とりあえず、手持ちのコレクションリスト(五十音順)リストの中から10本を選んでみましょう。

 1 赤い河・・・・ジョン・ウエインの老け役が凄い(ブログ無し)
 2 ウエスタン・・・ワンスアポンアタイムインウェストで再公開、ヘンリー・フォンダの悪役(2018.7.9)
 3 エル・ドラド・・・リオ・ブラボーの続編で、こちらが好き(2007.10.14)
 4 黄色いリボン・・・ジョン・フォードの騎兵隊喜劇(2015.1.24)
 5 荒野の決闘・・・・クレメンタインの名前が好きです。(2018.6.24)
 6 シェーン・・・・・名作です。(2018.9.14)
 7 続夕陽のガンマン・・・セルジオ・レオ―ネ監督の傑作(2007.10.6)
 8 ペイルライダー・・・・クリント・イーストウッド監督の傑作(2018.9.14)
 9 マグニフィセント・セブン・・・・荒野の七人の現代版リメイク(2017.1.28)
 10 ワイルドバンチ・・・・サム・ペキンパー監督のスローモーション美学の極地(ブログ無し) 

その他、10選(五十音順)に漏れた作品は次のとおりです。

 11OK牧場、12アウトロー、13駅馬車、14大いなる西部、15ガンファイター、16荒野の七人、17荒野の用心棒、18砂漠の流れ者、19シルバラード、20スタンピード、21続荒野の用心棒、22殴り込み兄弟、23マッケンナの黄金、24胸に輝く星、25勇気ある追跡、26夕陽のガンマン、27リオ・ブラボー、28リバティバランスを撃った男、29レッド・サン、30ワーロック

 以上、とりあえず、第一次選考の30本でした。好みとしては、やはり娯楽性が高いものが多く、ハードなものは淘汰されていますねえ。

 そういえば、西部劇については、名作のリメイクなど以外は新作の劇場公開はほとんどない一方、かつて量産されていたB級作品等がDVD化されてセット売りで安価に販売されています。それだけオールドファンの需要があるのでしょうねえ。今後に期待したいものです。

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