私撰時代劇トップテン
私の時代劇好きのルーツは、多分幼い頃に観たTV番組の「隠密剣士」なのでしょう。とにかく忍者が好きだった思い出があります。そして、時代劇映画はおそらく「伊賀の影丸」だったのでしょう。後年再見した時に水中に隠れ潜むシーンを断片的に記憶していました。さらに「隠密剣士」の忍者物と思い込んで父親にせがんで映画館に行ったのが大映映画「続忍びの者」で、この映画の信長暗殺シーンが長くトラウマになったことは、このブログでもご紹介したとおりであり、かくも私の時代劇ファン歴は長いのです。
ということで、収集している日本映画のVHS、LD、DVD、BDの約500本のうち、時代劇は実に187本を占めていました。とりあえず、この中から選びたいと思いますが、黒澤明の時代劇は別格という存在でどうしても上位を占めてしまいますし、座頭市シリーズは佳作が結構あります。小林正樹監督の正統派時代劇も捨てがたいのでとりあえず思い付きで並べてみましょう。
第1位 七人の侍・・・・・時代劇のジャンルを超えた日本映画の頂点です。(ハリウッドで映画化)
第2位 用心棒・・・・・・黒澤娯楽映画の至宝(荒野の用心棒の元ネタ)
第3位 椿三十郎・・・・・殺陣を一変させた大傑作
第4位 隠し砦の三悪人・・冒険活劇のお手本
第5位 座頭市物語・・・・何といっても座頭市の第1作
第6位 人斬り・・・・・・五社英雄監督の一大傑作(市販DVDなし)
第7位 切腹・・・・・・・小林正樹監督の重厚な代表作
第8位 関の弥太っぺ・・・山下耕作監督の奇跡の一作(東映)
第9位 上位討ち・・・・・小林正樹監督作品でラストの仲代達矢の表情に座布団一枚
第10位 蜘蛛ノ巣城・・・白い亡霊と矢ぶすまの恐怖が絶品
第11位 子連れ狼三途の川の乳母車・・・・三隈研次監督のスプラッター時代劇(アメリカで大人気)
第12位 斬る(三隈研次版)・・・・・・・市川雷蔵主演の三隈美学の白眉
第13位 座頭市兇状旅・・・・・・・・・・トラウマとなった「続忍びの者」の併映で私の原点
第14位 座頭市海を渡る・・・・・・・・・若かりし安田道代がとても可憐
第15位 子連れ狼子貸し、腕貸しつかまる・若山子連れ狼の第1作で殺陣が壮絶
第16位 座頭市血煙り街道・・・・・・・・近衛十四郎とカツシンの殺陣が天下一品(ハリウッドでも映画化)
第17位 座頭市あばれ火祭り・・・・・・・森雅之、仲代達矢、大原麗子、ピーターの豪華出演陣に敬意を表して
第18位 座頭市果たし状・・・・・・・・・野川由美子の魅力全開
第19位 座頭市千両首・・・・・・・・・・勝・若山の兄弟対決が語り草
第20位 子連れ狼死に風に向かう乳母車・・若山子連れ狼の3作目
第21位 御用金・・・・・・・・・・・・・五社英雄監督の映画進出第1号(市販DVDなし)
第22位 大菩薩峠(岡本喜八版)・・・・・仲代達矢演じる机龍之介の狂気ぶりは一見の価値あり
第23位 ひとり狼・・・・・・・・・・・・市川雷蔵のきざなセリフ回し芸を堪能
第24位 眠狂四郎悪女狩り・・・・・・・・市川狂四郎の最後の作品(シリーズの中で一番好きなもの)
第25位 十三人の刺客(旧版)・・・・・・砦化した宿場町に一票(あくまで最初の作品)(東映)
第26位 戦国野郎・・・・・・・・・・・・岡本喜八流時代劇コメディが楽しい
第27位 宮本武蔵一条寺の決闘・・・・・・中村錦之助武蔵の真骨頂(東映)
第28位 十兵衛暗殺剣・・・・・・・・・・大友柳太郎の悪役が見所(東映)
第29位 魔界転生・・・・・・・・・・・・若山と千葉真一の決闘が見ごたえ十分(東映)
第30位 激突・・・・・・・・・・・・・・物量と迫力の殺陣を満喫(東映)
番外1位 たそがれ清兵衛・・・・・・・・・山田洋二監督の時代劇
番外2位 隠し剣 鬼の爪・・・・・・・・・同監督の第2作、やっぱりリアルさが別格
番外3位 るろうに剣心第2作・3作・・・・・最近の作品の中では白眉の殺陣
以上、思いつくまま並べてみましたが、結局殺陣が素晴らしい作品ばかりです。やっぱり、時代劇は殺陣が命で迫力がなければなりません。集団時代劇以前の東映チャンバラが「椿三十郎」で両断されたのは歴史の示すところです。それにしても、座頭市シリーズからはもう少し選びたかったのですが、枠が足りません。残念です。
あと、「いのち・ぼうにふろう」、「斬る(岡本喜八版)」、「忍びの者」、「続忍びの者」、「濡髪牡丹」、「新座頭市破れ唐人剣」も捨てがたいのですが、キリがありません。いまや廃れゆく時代劇となっていますが、以上の作品はおすすめですので、機会があれば是非ご覧ください。
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