ライトノベル再考
最近、ライトノベルに嵌っています。もともとは、近頃の「時代小説」のスーパーマン化に愛想をつかして、同じファンタジー小説(笑)ならとアマゾンのkindle unlimited 読み放題の会員になって、ライトノベル中心に無料の電子書籍版を読み漁っていました。時間つぶしにもなりますし、電子書籍版なら、書籍の置き場にも困りません(笑)。
ライトノベルの作品で多いのが、いわゆる”異世界転生”ものであり、大体がゲーム好きの若者が不慮の事故で死んでしまったものの、何故か神様にチート(狡いぐらいトンデモなく凄いという意味らしい)能力を与えられ、魔法や獣人がいる異世界で英雄になるというストーリーです。とにかく馬鹿馬鹿しいぐらいに超人願望、異性願望、ハーレム願望などが満ち溢れており、現世でうだつの上がらない者の夢物語なのですが、極まれに素晴らしい作品にめぐり逢います。これが楽しくて”読み放題”を漁っています。
以前に少し紹介した「本好きの下克上 司書になるためには手段を選んではいられません」もその一つです。主人公は、本好きの日本人の成人女性でしたが、西洋の中世の時代のような異世界に転生します。しかも、身分は最下層の兵士の娘(幼女)なのです。もちろん、前世の記憶とあふれるばかりの魔力を持っているのですが、その魔力ゆえに身を食われ、外で走ることもできないほどの虚弱体質という設定です。こういうハンディを持った主人公マインが本を読みたい一心から、前世の記憶を活かしながら様々な商売に手を染め、平民階級から貴族階級への仕上がっていく過程が実にち密に描かれます。第2部の教会の司書になってからが一段と面白くなります。
感心するのは、異世界の文化について、下町のにおいなどの生活感を生々しく描きながら、中世のような架空の階層社会をしっかり築き上げているので、荒唐無稽な魔法が少しも気になりません。逆によくこんな魔法を思いつくものと感心します。時代小説の剣術と同じ(笑)かな。
また、主人公と関わる個性豊かな登場人物の設定も上手いですねえ。現在、第24巻で、いまや王族と関わる階級まで成り上がっています。どうやら、あと数巻で終わる(完結済み)らしいのですが、どうなるのでしょうねえ。師匠フェルディナンドはどうなるんだ!楽しみですねえ。
そして、最近、特に気に入ったのが「異世界料理道」という作品です。近頃はやりの”異世界料理”ものなのですが、この作品は転生先の”異世界”の造型がなんとも見事なのです。様々な人種の文化を絶妙に混ぜ合わせて独自の世界を作り上げています。
親父の居酒屋を手伝っていた半人前の見習いの料理人アスタが主人公なのですが、転生した場所が”ギバ”という猪のような凶暴な野獣を狩って生活する森の住人の村です。最初に出会うのが、男尊村社会で孤立しているアイ=ファという名の女猟師です。もちろんヒロインにふさわしい十分な美形なのですが、チョコレート色の肌と金髪の髪と青い目を持つ”バイキング”風の一族で、町の人間達からは”ギバ食い”と差別されています。なにしろ、女性は美人だが、男は皆ごっつい体の狩猟民族なのです。
そんな中で、主人公が前世の料理、例えばギババーグやギバカツなどを創り出し、”食”のうまさとその大切さを示す中で、この一族の融和をはじめ、周囲の街や城壁の中の貴族階級まで巻き込んだ物語が進んでいきます。
しかも、こちらは荒唐無稽な魔法は一切登場しません。作者が作り上げた異世界の”文化”や”人種””風習”を縦横に活かした物語なのです。ここが凄いと言わざるを得ません。この作品も、現在第21巻まで発売されていますが、タイトルは短い(笑)のに、まだまだ長く続きそうな感じです。
いやあ、ライトノベルも捨てたものではありません。素晴らしい作品はまだまだあるのでしょう、きっと。また、冒頭についている漫画風の挿絵も気に入っています。昔の絵物語風でいいぢあないか。「本好きの下克上」は、そのまんまの絵柄でアニメになっています。
それにしても、読み放題が可能なのは、当然ですがシリーズ最初の方のわずかな冊数に限定されています。つまり、その続きを読みたければ定価で購入しなかればなりません。電子書籍版にしても単行本なので1冊なんと千円を超えるのですから、なかなか出費が大きくなります。アマゾンの商売上手と言えば、それまでですが、・・・困りました(笑)。
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