ブルーサンダー
面白いと記憶していたもののDVDをコレクションとして購入するまでには至っていなかった映画の一つに「ブルーサンダー」があります。ジョーズで知名度を上げたロイ・シャイダー主演です。物語は、”ブルーサンダー”の異名を持つ新型ヘリコプターをめぐる陰謀劇で、ロスアンジェルスの街の上空でのヘリコプター同士の決戦が見処です。特に、”ヘリコプターの宙返り”シーンが強く印象に残っています。
この映画のことを思い出したのはアニメ作家の押井守の著書「押井守の映画50年50本」の中で、この作品が50本の1本として取り上げられ、ヘリコプターへの偏愛を熱く語った章を読んだからです。マニアというよりフェチという方が当たっているような書きぶりにすっかり当てられ、唆されました。
もっとも、この本自体は、一般向けの名作選というのではなく、著者の膨大な知識ととてつもない程のマニアックな視点で映画を一刀両断に論評しておりますので、その天才の上から目線のような書きぶりと相まって読み手によっては好き嫌いが大きく分かれるような内容となっています。
それはともかく、丁度「ブルーサンダー」はブルーレイが低価格で販売されていたので、本当に何十年ぶりかで再見しました。今観ても結構面白かったのですが、やはり本でのヘリコプター愛ほどのインパクトはありませんでした、誠に残念です。
しかし、特典の「メイキング」がなかなか興味深い内容になっていました。実は”ブルーサンダー”のデザインは、映画製作にあたって作られた画期的な姿だったようです。今観ると、よくありそうな軍用機のスタイルなのですが、当時のヘリコプターはどれも丸型であり、映画に登場する四角い武骨な形は斬新なデザインだったようです。確かに、「世界の軍用機完全カタログ」という軍用機の図鑑(これにヘリコプターも掲載されているのです。)でもベトナム戦争頃はまだ丸型が多いですねえ。
まあ、そうなると”ヘリ好き”にはたまらなかったのでしょうね、きっと。実際にロスの上空で撮影したようで、俳優たちもなかなか過酷だったようです。悪役のマルコム・マクダウェルは”上空嫌い”でヘリに乗らない条件で出演した(信じられないエピソードです。)そうですが、結局は操縦席に乗せられ”真っ青”だったそうで、思わず笑いました。まあ、本編より特典の方が面白いというのも困ったものです(笑)。
ちなみに、「映画50年50本」では、戦車愛も惜しみなく披露されています。取り上げた作品が「レッドアフガン」です。こちらは一度見たことがありますが、DVDは絶版となっているようで、今回、中古品を発注しました。記憶では戦車より”砂漠”ばかりが印象に残っていますが、ソ連映画なのにアメリカ映画という点を踏まえて、もう一度、挑戦しましょう。映画が本ほど過激で面白かったら良いのですが・・・(笑)。
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