1917 命をかけた伝令
劇場公開時に観ることができなかった映画「1917 命をかけた伝令」をやっと動画配信(レンタル399円)で見ました。監督が「007 スペクター」を撮ったサム・メンデスであり、ワンカットで全部撮ったかのように見せている手法も随分話題になっていました。
ストーリーは、第一次世界大戦の西部戦線で、ドイツ軍の仕掛けた罠にハマろうとしているイギリス軍の攻撃を中止させるための命令書を持った二人の伝令の物語です。監督が祖父から聞いた実話というのも宣伝になっていました。
映画は、冒頭から二人の若き兵士に密着してその姿だけを追います。二人が歩くにつれ、周囲の景色がのんびりした野原から野営地、そして長く迷路のように掘られた塹壕まで移り変わっていきます。何も知らされずに導かれた二人は、突然の思いもよらぬ指令を受けるのです。明日朝までに前線の向こう側の味方に攻撃の中止命令を伝え、1600名の全滅を阻止せよという無理難題です。
しかも、伝える味方の連隊には伝令の実兄が従軍しており、彼は文字通り死に物狂いになります。たまたま居合わせて命令を受けたもう一人の兵士が冷静な対応を求めますが、もう完全に死亡フラグが立っています。いやあ、冒頭からどきどきしますねえ。さすがに、話題になって大ヒットした映画だけのことはあります。一度たりとも”早送り”などせずに一気に鑑賞することができました。
ただ、カメラ目線の密着は緊張感を高めるのに向いていますが、池を渡るときなどはカメラが二人から離れると、誰の目線?とか気になってかなり違和感があります。ワンカットにそれほどこだわる必要もないとも思うのですが、サスペンスの神様のイギリス人監督ヒッチコックへのオマージュでしょうか(笑)。
二人が通る悲惨な戦場は、無数にあいた砲弾跡や土に埋もれた死体などで戦争の無残さを訴え、そして突然に命が断たれる非情さも描かれています。長い夜が明けて突撃が始まり時間切れかと思われる中、意識を失いかけていた兵士が使命を果たそうと必死に駆ける姿は感動します。
でも、軍隊の指揮官というのは勝手ですねえ。伝令の苦労などはほとんど歯牙にもかけません。”労い”ぐらいかけろよ。結局、彼らの功績はほとんど無視されたのでしょうねえ。だから映画にしたのかな?
ともかく自宅のTV画面で見ても至極面白かったし、できれば劇場で見たかった映画でした。
それにしても「ワンダーウーマン」以来、第1次世界大戦の映画が多いと思うのはなんでしょうかねえ。単なる気のせいかな?
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