ライト時代劇
動画配信サービスでレンタルが解禁された映画「決算!忠臣蔵」を観ました。あまり期待はしていませんでしたが、財政面から忠臣蔵を描いたのが意外に面白く、しかも、ライトノベルではないですが、忠臣のかたき討ちなどという大時代的な視点ではなく、軽妙というか、かなりコミカルな演出が、”ライト時代劇”というジャンルの快作のような気がします。当時のそば一杯の値段から、赤穂藩の家老が年収3900万円程度だったというのも感心します。少なくても、市川崑の「四十七人の刺客」よりは何倍も面白い作品です。余談ですが、巨匠市川崑の晩年の作品は、クラッシャーの異名をもつ某大女優に魅入られたせいか惨憺たるものだったという某時代劇評論家の意見には、目から鱗で大いに賛同しています(笑)。
ちなみに、この私が勝手に造語した”ライト時代劇”とは、往年の東映時代劇によくあった美空ひばりなどのチャンチャンばらばらのコメディ時代劇の類ではなく、これまでの重苦しい時代劇の見方を一寸だけ変えるような、現代人が小膝をたたくような知的な設定と軽妙な演出センスをもって造り上げた作品群をイメージしています。ヘモグロビンの過剰な噴出だけが時代劇ではありません(笑)。
実は、こうしたジャンルに含まれるような時代劇作品を最近よく見かけるのです。
例えば、つい最近の「引っ越し大名」もそうですし、「サムライマラソン」という作品もありました。特に、有名なのが、大ヒットした「超高速!参勤交代」ですよねえ。おかげで続編「超高速!参勤交代 リターンズ」もできました。まあ、やっぱり柳の下には二匹目はそうそういませんでしたが(笑)。
いずれも、理不尽な絶体絶命の危機に面しても、飄々としかし知恵と工夫と笑いをもって克服していく物語は、いまの閉塞感の中にある私たちの共感が得られる内容になっていると思います。”ライト時代劇”だからこそ可能な風刺や笑いを堪能しましょう。
その昔黒澤明が「七人の侍」を構想した時は、侍の日常生活が全くわからなかったと述懐したという有名な逸話がありますが、最近は様々な文献も発見され、時代考証の研究も進んだのでしょうねえ。
これでいうと、画期的なのが「武士の家計簿」であり「武士の献立」なのかもしれません。こういう作品は、歴史的な価値のある文献が発見され、小説などの原作から映画化されています。思えば、フランキー堺の傑作「幕末太陽伝」の場合は落語がベースでしたが、今後は、江戸時代の文献の新たな発見や新しい才能の発掘などによる原作小説などが生まれることを大いに期待しています。もっとも、映画化で一番肝心なのものは、原作をいかに映画として見ごたえのあるものになるように料理するかなので、映画監督の俊英の誕生と土台となる美術や衣装の発展を気長に応援しましょう。



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