ブリッツウェイ
ハリウッド黄金時代の映画、特に1950年代のロマンティック・コメディがとにかく面白い。先般このブログでも紹介しましたが、この時代の作品は映画史的に言えば、セックス・コメディ、いわゆる艶笑喜劇と分類されているらしい。
まず、1953年には、ウイリアム・ワイラー監督によるオードリー・ヘプバーンの初主演の「ローマの休日」が公開され、同じくハワード・ホークスが監督した「紳士は金髪がお好き」でマリリン・モンローが一躍有名になりました。
翌年からはビリー・ワイルダー監督によるオードリー・ヘップバーンとマリリン・モンローを交互に使った艶笑喜劇が製作されています。1954年「麗しのサブリナ」、1955年「七年目の浮気」、1957年「昼下がりの情事」、1959年「お熱いのがお好き」とよくもこれだけ傑作を連続して作ったものだと感心します。
このあたりの作品が私のお気に入りの最たるものなのですが、考えてみれば実に60年以上も前のクラシックな作品です。しかし、今観ても全く古びていないのが、傑作の傑作たる所以なのでしょうねえ。
オードリーが清純派の親父殺し(笑)で、マリリンが肉体派の天真爛漫なゴールド・ディガーを演じています。
昔はオードリー・ヘプバーン一筋だったのですが、最近、遅まきながら、マリリン・モンローのコメディセンスの才能に改めて感心もしています。前述の作品を観ると、マリリンは”セックス・シンボル”というよりは、彼女の演技のコケティッシュな魅力が光り輝いています。不慮の死を遂げたこともあり、マリリン人気はいまなお衰えを知らないようです。
前にもご紹介しましたが、映画の登場人物の精巧なフィギュアを製作・販売している「ブリッツウェイ」という米国のメーカーがあります。実は、このメーカーは2015年にマリリン・モンローのフィギアを発売しています。しかも「紳士は金髪がお好き」での役名ローレライ・リーという踊り子の設定です。1/4のサイズ(40cm強)で造型師が韓国のK.A.キムという女性フィギュアアーティストだそうです。商品写真を観るかぎりその造型はまるで”生き人形”のような素晴らしさです。
このメーカー「ブリッツウェイ」では、ブルース・リーやシャロン・ストーンなどいろんな俳優の商品を発売しているのですが、マリリンのフィギュアだけが模倣品が作られ、そちらの方が巷に多く出回っています。誠に困ったものですが、これはやはりマリリン・モンローの衰えぬ人気とそのフィギュアの出来の良さを証明しているともいえます。なにしろ正規の商品は結構な値段ですのでなかなか手が出せません。
ところが、世の中面白いものでオークションには時々本物が格安で出品されます。しかも未使用のものを1円スタートの破格の値段で購入できる場合もあります。で、ついつい入手してしまいました(笑)。ご覧ください。顔などは化粧までしてあるようでため息がでます。でも、あまり見つめ過ぎると目に毒かも(笑)。ただ、この大胆な衣装は映画の中では登場しません。そこが少し残念です。ちなみに、本物と模倣品の区別は容器と化粧箱(メーカー名が入っている)によって見分けてください。
さて、ここで大事なお知らせがあります。このメーカーから、ビリー・ワイルダー監督が「この女性はたった1人で豊かなバストを過去のものにするだろう」と評した女優さんのフィギュアが発売されることが予告されています。このニュースを聞いたのが、この正月のことです。いま、ひたすら待っているのですが、コロナ・ショックによる中国での生産の遅れを心配しているのです。一日も早いコロナ・ウィルスの撃退を願うところです。
おまけとして後ろ向きの写真もサービスしますが、あの指の精巧な造りには感動しかありません。韓国の女造型師、恐るべし。
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