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2020年2月 9日 (日)

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密

 最近、映画愛好家の友人の影響か、劇場から無料の映画チラシをよく貰ってくるようになりました。たった一枚の両面だけの情報量なのですが、なかなか工夫を凝らした絵や写真、凝った宣伝文句に感心します。昔からコレクターが多い理由が分かります。もちろんパンフレット派の私は単にチラシが溜まっているだけなのですが、これが重くて困っています(笑)。

_new_20200209171201  今回、映画「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」は”アガサ・クリスティーの現代版”というチラシの宣伝文句に惹かれました。実は、私はアガサ・クリスティーの長編をポケット・ミステリ版で集めている、昔からのアガサ・クリスティ-ファンなのです。この売り言葉は買わないではいられませんでした。
 また、007のダニエル・クレイグ、キャプテン・アメリカのクリス・エヴァンス、ゾッド将軍、そして、サウンド・オブ・ミュージックのクリストファー・プラマーなどが出演するオールスター映画なのです。おっと、大逆転のジェイミー・リー・カーティスを忘れていましたし、ITの少年もいます。顔ぶれを見ているだけで面白い予感がしませんか?。
 しかも、チラシには”満足度96%”という数字を麗々しく掲げています。なんかのアンケート調査結果のようですが、この数字の意味が凄いのかどうかわかりませんが、なんとなく楽しめそうじゃないですか。私としては監督が新SWの第2作でみそを付けた感のあるライアン・ジョンソン監督であることがやや不安ながら劇場に足を運びました。

 その結果、私の不安は杞憂にすぎず、本当に面白い作品でした。誰かが”快作”という評価をしていましたが、まさに、その言葉どおりの心地よく楽しめる本格探偵ものの作品になっていました。しかも、観客の予想を覆していくストーリーは、ライアン・ジョンソン監督のオリジナル脚本ということですが、そのストーリ-テラーぶりには感心しました。SWとは違って定石外しが見事に決まっています。ライアン監督への評価を一変しました。どうも申し訳ありませんでした。

 加えて監督の演出も冴えています。舞台となる古い館の薄暗い全景が映る冒頭の絵は、その重厚な音楽とともに、いかにも英国のクラシックな本格探偵小説の世界に見る者を一気に引き込むようなインパクトがあります。といっても、実はアメリカのお話ですし、先祖伝来の館ではなく、当主がパキスタン人から買い取ったというセリフには吹き出しました(笑)。そして、この館の内装が実に良い。特に様々な怪しげな置物などが探偵小説ファンの心をしっかりつかみます。名作「探偵/スルース」の凝った室内を思い出します。また、タイトルの「ナイブズ・アウト」を象徴する”外に向けられた複数のナイフ”を背もたれに飾ったイスは良いですねえ。

 ストーリー自体は、世界的なミステリー作家(プラマー)が自宅の館で不審な死を遂げ、そのいわくありげな子供や孫たちが遺産争いをするという、まさに定番中の定番のお話なのですが、亡くなった当主の付添い看護士を演じるアナ・デ・アルマスをヒロインに据え、謎の投書によって依頼を受けた世界的な名探偵をダニエル・クレイグが演じます。この私立探偵は、完全にエキュール・ポワロをモデルにしているようで、いつも相手から名前の発音を間違われるというマニア向けの場面があります。私にはわかりませんが、どうやら南部訛りの英語を話す胡散臭い探偵になっているようです。この今のイギリス人の007役者はどんな作品でも馴染んでいます。初代コネリーはかつらを脱いでやっと演技派への道を歩き出したのでしたが、その意味では凄いですねえ。

 一方、ヒロインも移民という設定で今風なのですが、嘘がつけない体質という設定で嘘をつく度その場で吐くのですから笑えます。こんなとんでもないコメディ設定と全編にただようユーモア、そして次々と起こる予想外の展開を存分に楽しんでください。演出も斬新です。探偵による尋問シーンは謎ごとに各人の証言がテンポよく編集され、さらに登場人物たち自身の行動の回想も入って、物語は一種の傾叙物の様相さえも見せ始めるのは、なかなか舌を巻きました。

 当然、本格探偵小説らしく、しっかり犯人が捕まりますし、終わった後の最後のトリックがまた笑わせてくれました。本当に、本格探偵小説は面白ですねえ、いや、映画でしたね。こんなに楽しい上品な娯楽作品は、やっぱり、アガサ・クリスティー原作の映画化「ナイル殺人事件」や「地中海殺人事件」以来ですねえ。改めて、ライアン・ジョンソン監督の手腕に感心しました。

_0001_20200209171301  さて、最後に、配給会社に苦言を呈します。今回の販売用パンフレットの造りがなんともお粗末です。サイズが小さく、内容も薄いのに820円は高いぞ。チラシの出来が良いだけに腹が立ちましたゾ。・・・つまらぬオチになりました(笑)。

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