ルーキーハウスガール
動画配信サービスで無料で提供されている無数の実写映画などの中で、時折、面白い作品に当たることがあります。「ルーキー ハウス ガール」もそんな作品の一つでした。
イギリスの労働者階級の少女がオーストリアのスキー場の高級別荘で住み込みのハウスキーパーとして働いているうちに、そのオーナーの息子と恋におちるという、鉄板ネタのシンデレラ・ストーリーなのですが、イギリスの階層社会の有様をコメディタッチで描いていて好感が持てます。しかも、主人公が持つ”特技”によるサクセスストーリーにもなっていますので、そのハッピーエンド効果は、普通のラブコメディの2倍の効果を上げています。
それにしても、この主人公はどっかで見た顔だと思っていたら、スター・ウォーズのスピンオフ作品「ローグ・ワン」のヒロイン役のフェリシティ・ジョーンズという女優さんでした。可愛い人なのですが、高級別荘の人間達と比較するとなんかすごく小柄なのです。演出の狙いでしょうが、当初、完全に周りから浮いて見えます。
日本人から見るとよくわからないのですが、同じ白人でも労働者階級と上流階級では、容貌も体格も、人種までも違っているように思えます。2歳から役員の席が構えられていたという御曹司をはじめ別荘で豪遊する金持ち連中は皆背が高く、まさしく上から目線の態度ですし、家政婦までも美人で背が高く体格も良い人間を雇っているという設定です。
とりわけ、ビル・ナイ扮する銀行家の当主が現実ではあり得ないほど物分かりが良い紳士という設定はともかく、スチュワーデス上がりという母親役のブルック・シールズの態度がまさしく”上流階級”のさもありなんな対応なのです。自家用ジェットで行き来し、チャーターしたヘリコプターによるスキー遊びをはじめ、主人公の給料の1ケ月分のドンペリを一晩に何本も空ける生活をしていたら、誰でもそうなりますわねえ(笑)。
もっとも、オーナー達の留守中に羽目を外す家政婦や仲間たちの行動もあきれましたが。酔いに任せた主人公のあっぱれ開放感あふれる大胆姿には大笑いです。可愛いじゃないか。ここは大いに気に入りました(笑)。
一方で、労働者階級の主人公の家庭はといえば、母親を事故で亡くし、失業中である親父の駄目さぶりには呆れかえります。ため息をつきます。こうしたイギリスの階層社会に加え移民問題も現実にはありますから、大変ですねえ。でも、ラストにはやっぱりささやかな幸せが用意されています。この辺の親父の一人暮らしの変化の仕掛けの見事さにはつくづくは感心します。是非、ご覧ください。いろいろな味で幸せな気持ちが味わえる作品となっています。
以上、本当に拾いものの映画でしたので、今回、バーゲン発売中のDVDを購入しました。なにしろ、動画配信というのはお目当ての作品がいつのまにか消えてしまっていくのが難点なのです。今後は、もっとライブラリーで保管できるようにしてほしいものです。くわえて、古典的な作品もラインナップに加えてほしいものです。これは往年のハリウッド映画ファンからの希望です。
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