無料ブログはココログ

« ジョーカー | トップページ | シティーハンター THE MOVE 史上最香のミッション »

2019年12月10日 (火)

メイキングブック 犬ケ島

 天才ウェス・アンダーソン監督の映画「犬ケ島」の製作現場を記録した大型本「メイキングブック 犬ケ島」は、想像以上に素晴らしい内容でした。もっと早く買っておけばよかった(笑)。

51sxfplgkal_sx416_bo1204203200_  映画「犬ケ島」は既にこのブログ(2018.6.17)で紹介しているのですが、なんとも不思議な魅力をもった作品です。CG技術全盛の世の中で、あえて人形アニメに挑戦している姿勢も高く評価していますが、なにより日本を舞台にした”SF映画”なのです。このメイキング本を読んで改めて知りましたが、1950~60年代からみた未来の日本の世界だそうです。もちろん、ウェス・アンダーソン流ですが(笑)。

 まず、一個一個精密に縮小されて作られた人形や小道具、舞台セットの質と量に圧倒されます。膨大な資料をはじめスタッフたちの製作現場までを網羅した美しい写真や記事を通じて、これだけの手間をかけていることに頭が下がります。凄い、としか言いようがありません。ひとくちに人形と言っても、様々な場面に応じて、表情の違う頭部を用意するとともに、サイズもピンからキリまであるようです。あの秘密兵器の牙などは大きな口だけの模型が写っています。

 模型作りの趣味のある人間にとっては、巨大なジオラマと言ってよいセットや衣装、小道具の精密さとデザインの見事さに言葉もありません。しかも、かつての人形アニメの神様レイ・ハリーハウゼンのように、たった一人が名人芸で撮影するのではなく、ここでは、それぞれの場面ごとに責任者をおいて撮影を行ったそうです。なるほど、これで製作時間が短くなったのかと感心しました。もちろん、それだけの人形アニメの技術を持つベテランが必要なのですが、アチラには結構そうしたアナログ技能集団が居るそうです。これにも驚きです。

 そして、極めつけがウェス・アンダーソンの日本映画へのリスペクトです。特に、黒澤明への敬愛は大変なものです。気が付きませんでしたが、様々な場面で黒澤明の常連のそっくりさんが登場します。三船敏郎がメガ崎市長なのは一目瞭然ですが、用心棒の猪ノ吉も登場しているようです。神主は「乱」の仲代達矢ですし、ほかにも居そうです。とにかく、衣装や小道具、セットは、その日本映画黄金時代の映画に写っているモノや風景を模しているそうですからなんとも徹底しています。ゴミ捨て場の沼は「酔いどれ天使」のどぶ、といわれるともう絶句です。本当に日本映画や浮世絵への造詣が深く、さすがに天才と言われる人は凡人とはまるで違いますねえ。当たり前か(笑)
 そのほかにも、スタンリー・キューブリック監督作品をはじめ、様々な名作映画のワンシーンを再現しているようで、その仕掛けや徹底ぶりにはもう言葉もありません。

 このメイキングブックで、改めて天才監督のセンスと遊び心を思い知りました。いやあ、眼福です。少々お値段が張りましたが、このメイキング本は本当にお値打ちものでした。二重丸です。

81m2855etpl_sx342_ ちなみに、スチールブック製のブルーレイまで購入してしまいました。これは余分でした。 

« ジョーカー | トップページ | シティーハンター THE MOVE 史上最香のミッション »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« ジョーカー | トップページ | シティーハンター THE MOVE 史上最香のミッション »

2026年3月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31